今回はカセットボンベ、所謂CB缶について掘下げて行きたいと思います。
実のところ掘下げると言うか、これまで諦めていた世界にまで果敢に踏み込んで行きたいと思います。
言うまでもないかもしれませんが、今や普及に普及してそのコストパフォーマンスは最高域に達していると言っても過言ではなく、1本100円前後で手に入ります。
キャンパーにとってすこぶる強い味方!でははあるんですが、悩みの種もあります。
それはCB缶の寒冷地での性能低下。
火力の低下は勿論、温度によっては最悪点火すら不能に陥ってしまいます。
こうなると全くの役立たずで悲惨な事に・・・。
寒い時にコーヒーすら飲めない。温かいスープやラーメンも食べれない。
はい、寒冷地でこんな事になってしまいますと、一言で言うならば地獄中の地獄です。
こうならないためにどのような対策を講じれば良いのかを今回考察して行きます。
まずはCB缶の基本概念から。最近勉強しました^^;オイ
CB缶は振るとシャカシャカと液体が入っているのが確認出来ると思います。
所謂、液化燃料と言うやつです。
しかし、実際に点火するときにはこの液化燃料ではなく、そこから気化した気化燃料が使われております。
気化したガスは適当に圧力があるので、取り付けたバーナー等のコックを捻ってやるとガスが出てくるという仕組みになっております。
コスパの良いCB缶はブタンというガスが充填されておりまして、これの気化温度はざっくりですがだいたい0℃なんです。
これでおおよそ予測が付くと思いますが、0℃以下になるとブタンは気化しなくなります。
本当は全く気化しない訳でもないんですが、ほぼほぼ気化しなくなってしまいます。
こうなると外圧と内圧がほぼ均一になりガスを送り出せなくなります。
ガスが出てこないと、そりゃーもう、問答無用で点火不能になるという訳です。
よって、寒冷地ではコスパの良いCB缶は事実上使えないんです。
ちなみに5℃くらいでも気化する力が弱くなるので、着火出来たとしてもなかなか湯が沸かないなんて事になっちゃいまして、滅茶苦茶不便です。
でもね、こういう状況でも使えちゃうCB缶もあるんです!
各メーカーによって呼び名が違いますが、所謂パワーガスです。
パワーガスは寒冷地でも着火可能な優れモノでして、これがあれば0℃くらいなら問題なく使えちゃいます。
ちなみにパワーガスはブタンとは別のガスが混合されておりまして、だいたい、イソブタンやプロパンが混合されております。
それはそうとこの優れもの問題点はコスパなんです。
先のブタン100%のCB缶が100円くらいに対して、パワーガスはなんと300円くらいもします!
ここで3倍もするのかと思った貴方、実は不正解。
メーカーによって配合率や使ってるガスがまちまちなんですが、一例をあげて説明してみます。
SOTOのパワーガスの場合、ブタン70%、イソブタン20%、プロパン10%です。
これで一目瞭然ですよね。ブタン以外のガスは全体の30%に過ぎません。
このためだけに3倍のお値段になってるんです。よって実際問題のところ3倍を遥かに凌駕する数値になります。
この事を解り易く解説していきます。
プロパンはざっくりですが-40℃が気化温度で、これまたざっくりですがイソブタンは-10℃が気化温度になります。
例えば0℃の環境でこのパワーガスを使った場合、真っ先に気化するのはほぼプロパンです。
気化温度-40℃のプロパンですから余裕です。
10%のプロパンがなくなると今度はイソブタンが気化していきます。
そして20%含まれているイソブタンがなくなっちゃうと、残は気化温度0℃のブタンのみになり気化出来ないので鎮火しちゃいます。
要するにパワーガスと言えどもSOTOのパワーガスの場合ですが70%は使いものにならないのです。
だからコスパの悪さ3倍以上なんです。
余談になりますが東洋金属のゴールドガスやイワタニのパワーゴールドはプロパンは入っていないものの、ブタン30%、イソブタン70%なので極寒冷地でなければこちらの方が遥かにコスパが良さそうです。
で、これで解決終了~、では面白くも何ともないですよね。はいはい、まだまだ続きますですよ^^
要は、金に物を言わせ、残ブタンを捨てるくらいの気持ちなら良いんですが、実施問題普通の人はそんな使い方出来ないですよね。
ならばとここで広がる妄想・・・・。
やっぱパワーガスはお高い、お安いブタンで寒冷地がもしも乗り切れたら・・・。
だれもが一度は考える事ですよねw
しかし、有効策を講じてる方を私の知る限りでは誰もおりませね。
と言う事で、こうなればオイラが解決してやる!
まずは100均なんかで売ってるペットボトル用の保温・保冷ケース。
これ被せてみたらどうなるだろう?
ま、確かに外気はある程度防げる様な気がします。
が、CB缶は点火してると気化熱でタンクがどんどん温度下がっていきます。
保温・保冷ケースなんて被せてたらそれの放熱を妨げる事にもなるので、ほぼ逆効果になりそう^^;
おもいっきりNGですw
次は手で温めるです。
登山で緊急時の対策として教わった方法なんですが、手が辛いし、そもそも着火可能温度まで上げれたとしても、その後ドロップダウン必至なので点火中はずっと温めなければならずで実用的ではない。やっぱ緊急時用かな^^;
手が辛いなら懐に入れて温めたらどうだろうか?(藤吉郎状態w)
これなら手は安泰に着火するが、その後は結局先と同じ末路か・・・。やっぱ駄目か。
まだまだ諦めませんよ~。
ブースターを付けたら良いのでは?昔からあるアイテムで信頼性は高い。が、そもそも着火出来なければブースターもクソもない・・・OUT。
暗礁に乗り上げたものの1つの正解点が見えて来ました!
ブタンの特性上、まずは何としてでも0℃以上にし、その後も連続的に加熱出来ればOKという事。
要は連続使用出来る熱源が必要という事、そこで閃いたのがカイロ!
カイロをCB缶に張り付けておけば行けそうじゃん^^
カイロなら1つ50円も出せば買えるのでパワーガス買うより遥かに安い。
いいじゃないのと思ったのも束の間。
カイロって最高何度まで上がるんだろう?
と言う事でざっくりですが調べてみました。
そもそもですが、通常はポケットの中とか入れて使うので、外気にもろ触れる様な使用方法で効果が出るのか疑問?
メーカーや種類によってもまちまちだろうしテストのしようもない+_*
仮に効果あったとして、最高だいたい60℃で、高温タイプだと80℃くらいまで上がるのもあるみたいです。
ここで問題発生。
そもそも、CB缶の安全使用温度って何度まで?
調べるまでも無く缶々に書いてました。40℃。
40℃??? まさかの超ー低温。
ここで別の疑問が浮上。
夏場のキャンプだったりしますと、車内に放置している事もあるCB缶はどう考えても40℃を越えているはず。
車内でCB缶が爆発しまくったなんて事聞いた事ありません。
だとするならば40℃と言うのは、かなりの安全マージンを確保した上での数値だと思われます。
では実際CB缶(ブタン100%)が爆発する温度は何度なのか今度はそこを調べてみました。
流石に危険過ぎて実験する訳にもいきませんので、信頼出来そうな所からデーターをパクッて来た結果、爆発温度はおよそ90℃。
無論缶自体の個体差もあるので、安全を考えると最低でも80℃以下でないと危険極まりないと言う事になります。
ここでカイロに話を戻します。
高温タイプだと80℃近くまで上がるものが・・・。これはマズイ^^;
さらに言うなれば、点火時CB缶は気化熱で缶表面に水滴が付く事もしばしばあります。
カイロにこの水滴が付いちゃったりしたら異常加熱する可能性は否定出来ません。
よって、カイロ貼り付け作戦ハイリスクにつきOUT!
またまた暗礁に乗り上げちゃったんですが発見した事もあります。
連続加熱は必要なれど化学反応系以外でという事。
ムフフゥ、またまた思い付いたぜ!
今度は電気毛布だ。これでCB缶を包めばどうだ。
車で12シガー電源で使っているんですが、きっとモバイルタイプのもあるだろうと調べてみるとありました!
で、電源部はともかくとして、試に車で使ってるので巻いてみました。
うーむ、これは・・・OUT>。<
駄目でした+_*
まず全然温度上がらん。ほんのり程度。車内で膝に乗せとく分にはほんのりでも全然問題なかったんですが、外で温めるとなるとパワー不足。
それに毛布が風で動いちゃう可能性もあるし、そもそも毛布なんで燃えやすいという面もあり、そうなると最悪燃えうつる危険性が。
万一巻いてるのに引火したら僅か90℃で爆発する代物ですから危なっかしくて使えません。
危険性を排除するため、もっと薄手のものは無いかと探すとあるにはあったんですが、出力が大して変わらんのでますますパワー不足になる事必至だったのでこれも断念。
またもや暗礁に乗り上げたのでした。
モバイル電源を使用するというアイデア自体は悪くないので諦めずにその方面から更に探る事にしました。
そうしている時、ふとあるカメラ用品が頭に浮かんだんです。
思わずコレだ、今度こそはと思いました!
レンズの結露防止モバイルヒーター。
寒冷地でレンズに付く結露を防止してクリアな撮影が出来るようにと作られた物なんです。
これは外気を遮断するため厚手の素材が使われていますし、毛布みたいにけばけばしてませんから簡単には燃えません。
そもそもマジックテープで固定出来るので風の影響は受けません。
最大上昇温度も55℃と安全域(あくまでもメーカーは40℃を謳っているので判断は自己責任でお願いします)
ここからは現物で実証実験です。
まずは基本性能の検証から。
最大上昇温度は49℃でした。
カタログスペックの数値にはとどいてはおりませんが、これくらいは誤差の反中ですし低い方が今回の使い方の場合より安全になるのでOK。
まずは寒冷地を再現するためにCB缶を冷凍庫にIN。
ブタンが気化しない温度まで下げて実験開始です。なお、外気温は実験には残念な12℃。
とりあえず-3℃くらいから開始。全く気化出来ない状態でコック全開でもガスは出ずで点火不能。
ヒーターを作動させ2分後、温度は-0.6℃
缶全体の温度はまだ低かったもののヒーター付近は加熱されたためかー0.6℃でガスの噴出確認&着火に成功。
さらに5分後、ドロップダウンをものともせず、6.4℃まで上昇。
そこから2分おきに測定。以下の通り。
2分後9.4℃
4分後10.2℃
6分後10.5℃
8分後10.6℃
ヒーター直下温度15.0℃
10分後10.4℃
ヒーター直下温度18.0℃
12分後10.1℃
ヒーター直下温度19.0℃
14分後10.2℃
ヒーター直下温度19.5℃
実験の結果、缶温度を上昇させる余力がありその後10℃ほどを維持出来る事が判明。
ヒーター直下の加熱部の温度も20℃で維持。
と言う事で、予想を超える結果になっちゃいました。
改めて纏めてみました。
-3℃から開始。点火不能。>>>ヒーター作動。
2分後-0.6℃ 缶全体の温度はまだ低かったものの、ヒーター付近が加熱されたためかー0.6℃でガスの噴出確認&着火に成功。
7分後 6.4℃
9分後 9.4℃
11分後10.2℃
13分後10.5℃
15分後10.6℃ ヒーター直下温度15.0℃
17分後10.4℃ ヒーター直下温度18.0℃
19分後10.1℃ ヒーター直下温度19.0℃
21分後10.2℃ ヒーター直下温度19.5℃
勿論12℃という環境なので、外気温0℃あたりでのテストだともう少し下がるかもしれませんがおそらく問題ないでしょう。
1つ疑問点は10℃前で止まっちゃった事。ドロップダウンし続けているのでこれ以上上げる能力はないのかな?
ま、お陰で安全性も20℃なら全く問題なしと好都合。
ただしヒーター直下は徐々にではありますが上がり続けているので長時間の放置はよろしくないかもです。
特に消火した状態でヒーターの電源を入れっぱなしにしておくと、机上の話になりますが、そのうち最大上昇温度の49℃にまで到達する可能性があります。
それでも直ちに爆発するとかという温度ではないので大丈夫かと思いますが、そもそもが本来の使用方法からは逸脱しており、誤った使い方である事には違いないので、くどいですがするなら自己責任でお願いします。
とにもかくにもこれでよほどの事が無い限り冬でもブタンだけで行けそうです!!
いつでもブタン100%のみで行けるとなると荷物も減らせて良いです。
ちなみに先のヒーターの商品名は「COOWOO カメラレンズヒーター」です。
アマゾンにて1247円、送料無料でした。
これくらいの投資ならパワーガスを使い続ける事を想定したらすぐに取り戻せると思います。
ただし、モバイルバッテリーをお持ちでない方はそちらの購入も必要になりますのでご注意くださいませ。
このヒーター、他にも缶コーヒーを保温したり、カイロ代わりにも使えそうです。あと、アダプター使っての缶から缶への充填のときの内圧上げにも使えそうです。
以上終了です。と言いたいところなんですがまだ終わりませんw
と言うか終われません。
ヒーターの性能は問題なかったのですが、断熱素材の厚みのためバーナーが直結タイプ場合CB缶が浮いてしまうんです。
結果五徳部分が不安定にと言うか斜めになってしまいます。
このまま上に鍋やヤカンを乗せるのは言うまでもなく危険です。
そこで何か対策を講じないといけなくなりました。
その対策として作ったのがコチラ。
クリップをベースにしまして、裏側に滑り止めと磁石を取り付けてみました。
どう使うかというと、五徳の足に挟んで高さを合わせ水平を出します。
滑ってはまずいので滑り止めを、そして、焚き火テーブル等の金属板には磁石での滑り止め効果も追加しときました。
焚き火テーブル等の金属板限定にはなりますが、磁石で滑り止めってのなかなか良い感じなんでふだんからクリップ挟んでおいても良いかもです^^
どうでもいいんですが、なんか、ガンダムのアッザムに見えちゃいましたw
以上今度こそ終了です!
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