早朝エンジンに火を入れる。薄暗い町を疾走すればあっという間に海だ。静かな岸壁に布陣すれば爽やかな風が吹き抜ける。朝日が波立つキャンバスを赤く染め頬を照らす。竿を投げ込めば活きのヤツが糸を震わす。手応えは弱い、この季節らしい小振りな鯖は想定どうりと言うところか。ふと気配を感じ振り返れば鎮座してるヤツが居る。そんな目で見詰められると1匹差し出す他ないではないか。まったく困ったヤツだ。ま、腹の足しにしてくれたまえ。早朝、海を拝み竿を出し、18センチの小物に満足するのも悪くない。