こんにちは。今日は暴風雨で出かけられないので、私の独り言にお付き合いください(笑)
私のローレル、何気にATが5速だったりします。
(9速の時代に何言ってんだって突っ込みは勘弁してくださいw)

↑R33スカイライン初版カタログより
ジヤトコが「夢のスーパートルコン」に続き、1989年に世に送り出した世界初の「夢の5速AT(笑)」、それがフルレンジ電子制御5速AT<5E-AT>なわけです。
そんな世界初の5速ATは1989年にマイナーチェンジされたセド・グロのV20ツインカムターボ系に搭載されたのを皮切りに、ローレル/セフィーロ/スカイラインなどにも採用されました。
参考リンク⇒
ジヤトコ 世界初のあゆみ
最終的には下記エンジンに組み合わされていたと思います。
VG30DE
VG30E
VG20DET
RB25DE
RB20DE
RB20E
その他、モノは同じか知りませんが、BMWのE34 5シリーズや、E36 3シリーズ向けにもジヤトコ製5速ATが供給されていました。

↑モーターファン別冊 ニューモデル速報 第128弾より
このAT、既存の4速ATのミッションケース長を延長して、1速分のギアセット(遊星歯車)を追加したものだったと記憶していますが・・・当時としてはクロスレシオで、5速の巡航時は燃費も良く、デビュー時こそ評判が良かったのですが・・・
5速化による強度低下により、ある程度距離を重ねると、ターボの瞬間的に掛かる大トルクや、3Lのトルクに負けて滑ってしまうだとか、シフトショックが大きくなるなんて話をよく聞きますね。
巷では「ガラスのAT」だなんて言われています。
これらの問題(本当に問題だったのか?)と、バブル崩壊後の不況に伴い、このATは96年頃までに姿を消し、その後は従来の4速タイプに逆戻りしてしまいました(笑)
ちなみに、F50シーマから採用されたマニュアルモード付フルレンジ5速AT<5M-ATx>はこれとは全くの別物です。

↑M35ステージアカタログ(2002/04版)より
ライバルのトヨタ(アイシンAW)の5速ATは日産に遅れること2年、91年に140系クラウンの3L ロイヤルツーリングに5ECT-iが搭載されてデビューしています。
トヨタのタイプは4速ATのギアレシオはそのままに、1速と2速の間にもう1速追加して5速化したようなギアレシオでしたね。
しかし、AI-SHIFTなどが追加された150系後期ロイヤルツーリング,100系マークⅡ3兄弟の後期ツアラーS/ルラーンSなどのSuper 5ECTからは、ギアレシオが全体的に見直されています。

↑X100系マークⅡカタログ(1998/08版)より
閑話休題
そんな日産の5E-ATですが、4速のデュアルマチックM-ATxとRB25DEが組み合わされたステージアに乗っている身としては、
以前からRB25DEとの組み合わせがどんなものか、気になっていました。
というのも、4速ATはギアレシオがワイドすぎて、ワインディングをまったり流すにも、2速では回転が落ちすぎてかったるく、3速は更にギアが離れていてせっかくの直6のスムーズさを生かせていない感じがしていました。
それを少しでも解消すべく、2L用のファイナルを移植してローギアード化(4.083⇒4.363)したものの、根本的な解決にはならず。
スカイライン購入・MT化で一度はそんな悩みもどうでも良くなりましたが、
今回、RB25DEと5E-ATの組み合わせを体感出来るチャンスが巡ってきたので(?)レポートします。
1)シフトショック
・暖まるまでは2速へのショック大。そこまで不快ではありません。
暖まれば気にならない程スムーズです(過去ATF交換歴数回あり)でもM-ATxと比べると、ロックアップ領域が狭いですし、やや滑り感があります。
2)シフトスケジュール
・暖まるまでは2速へのシフトタイミングが感覚よりも遥かに遅く、アクセルを戻してもなかなかシフトアップせず、忘れたころに変速
・ATモードスイッチを「POWER」にしないと、高速の合流などでアクセルを踏み込んでもなかなかキックダウンしてくれず、ちょっと焦りますw
3)使い勝手
・M-ATxには無い「O/Dスイッチ」があるため、下り坂で瞬時にエンジンブレーキを掛けたい時など、
手元で簡単に操作出来るので○(←ごく一般的ですが)
対する、M-ATxはいちいちマニュアルモードのポジションにレバーを移動しなければならないので、ガチャガチャ煩く、操作量も大きいので△
・C33の頃はあった1速ホールドスイッチが無くなったため、完全な1速ホールドが出来ないのは△
何故なくしてしまったのでしょうか。
4)ギアレシオ
・100km/h巡航は2000rpm程度。
M-ATxは4.083で2500rpm,4.363で2600rpmくらいだったと思いますので、静粛性・燃費ともに良いと思います。
全開加速時の繋がりについては、先日あるテストコースへ行く機会があったので、体力測定を兼ねてチェックしてきました。
VTRが撮ってございます。↓
↓ステージア(ファイナル4.363仕様)
ローレルの方が明らかにギアの繋がりが良いです。欲を言えば、各段5000rpm以上で繋がってほしいところですが。
それにしてもギアレシオだけでなく、エンジンもNEOストレート6のステージアより元気が良いような。。。
低速のトルクはNEOストレート6に軍配が上がります。しかし、悔しいですが、上の伸びは明らかに非NEOの方が上のようです。
ATの話からは逸れてしまいますが、このギアレシオと高回転の伸び感・・・かつてステージアで追い求めてたもののように感じます。
これでファイナルをもう少しローギアード化すれば・・・なんて妄想をしてしまいます。
総括
ローレルに乗り始め、以前から気になっていた5E-ATをじっくりと味わうことが出来ました。
巷では何かと評判の悪いATですが、そんなに言うほど悪くないじゃん!というのが率直な感想です。
制御面や強度面の甘さは確かにありますが、乗っていてさほど不快感は感じません。
むしろ、繋がりの良いギアレシオで、気に入りました。
もう少し煮詰めて、継続投入してくれていれば・・・実に惜しいなぁと思いました。
けれど、万が一ローレルのATがブローしてしまったら、、、同じATに乗せ換えることは多分ないでしょう(笑)