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むらっち2のブログ一覧

2012年12月02日 イイね!

むらっち劇場28 ≪姫≫② 完結


I姫
「やめなっ!!」



I姫 の一喝が飛んだ! 同時に動きを停めるアホ面と俺
睨み合ったアホ面も俺も目を大きく見開きニヤリと口角を吊り上げた

・・・う~ん・・・ あれっ! もしかして俺もコイツと同じアホ面してる?




「もうやめなA! アンタむらっちでしょ!? M の彼氏の。知ってるよ!」




今度は思わず照れ笑いの俺w
Aは苦虫を噛み潰したようなアホ面をしているwww




I姫
「M は子供の頃からの友達なんだ! アタシのこと聞いてる? それより M は今日来てるのかい?」





「いや、俺ひとり・・・Mは仕事。最近軌道に乗り出してね、忙しいんだ。 それより俺、I姫に一つ聞きたい事があるんだ」





「あら、なぁに?」







「貴女はチームの人に囲まれて男も女も友達がいっぱいいるのに・・・どうしてそんな寂しそうな笑顔をするの?」




I姫
「・・・M はなんか言ってるの?」





「いや・・・M に聞いても教えてくれないんだ。そういう事は直接本人に聞けって・・・ いや・・・ 聞けるもんなら聞いてみろって言ってた・・・ ああ、そうか!こういう事かw」





「あははははw M は相変わらず小悪魔だねぇw で、勇ましく登場したってワケw!」







また照れ笑いの俺。どうにも調子が狂う。この人の笑顔には不思議な魔力すら感じる




I姫
「そう。少し場所を変えようか。こっちにおいで」




黙って頷きついて行く俺。 後ろからさっきのアホ面も着いてこようとした
が、それは I姫 が無言で制した。 やっぱり苦虫を噛み潰したようなアホ面のA

ザマーミロw 俺は心の中でほくそ笑んだw



少し集団から離れた俺と I姫

そして I姫 はポツリポツリと語り出した




I姫
「ふふw こんなこと人に話すのは初めてw 」




俺は真剣な眼差しで I姫 の話しを聞いた




I姫
「彼(3代目)はね凄いドリフト使いだったけど、それは自分の走りを極めるための布石だったんだ」






I姫
「ほら、コーナーへのアプローチでブレーキングからターンインしてアクセルを入れるまでの一連の動作が上手くいった時すごく気持ちが良いでしょ!?」




黙って頷く俺




I姫
「彼が求めていたものはそれの延長線上にあるの。ドリフトするでもなくグリップで走るでもなくその中間の走り。タイヤが滑りだすギリギリを見極めて走るの」




さらに黙って頷く俺




I姫
「そうやって集中して走ると必ず良いタイムが出るし、不思議な事に周りの音も消えてクルマと一体になって景色にも融け込んだような錯覚を覚えるの」





「えっ!? それって・・・」




I姫
「そうアナタ達が好きそうな言葉で言うなら “スピードの向こう側” かなw」





「スピードの・・・」




I姫
「アタシねぇ・・・もう一度彼に会いたいんだぁ・・・彼生きてる時に言ったの。あの場所で待ってるって」





「それが向こう側・・・」




I姫
「アタシはねぇ、彼の事が好きで好きで、本当に大好きだったの・・・ だから・・・」





「だから・・・ そんな寂しい笑顔を・・・ 今日もたどり着けなかったから・・・」






I姫は黙ってニッコリ頷き、また 「愁いの美貌」 に戻っていった








やりきれなさが重く圧し掛かる・・・


彼女のそれは決して絶望ではないからタチが悪い

希望に似た不可能・・・ 前人未到の領域・・・

6感で感じることが出来ても、果たして生身でたどり着けるのかどうか・・・









その日俺はただただ M を恋しく思い、逃げるようにその場を後にした










早く M に会いたかった







おしまい



Posted at 2012/12/02 15:29:25 | コメント(2) | トラックバック(0) | むらっち劇場 | 日記
2012年12月02日 イイね!

むらっち劇場28 ≪姫≫

なあ、アンタは 「待つ」 人の愁いに満ちた表情の美しさなんてのを見たことはあるかい?
そう、あの哀愁が漂いどこか儚くも美しい表情をさ。 例えばそれが女の人だったらどうだろう?
しかもそれが待ち人への想いだったら!?
 
だだの待ち人じゃない待っても待っても二度と再会出来ない人との約束だったらどうだろう?
どうだい興味が湧いた? 今日はそんなお話しw




時はバブルが弾けて間もない頃だった。皆口ぐちに「いや~去年より稼げなくなった」なんて言ってたけど、まだまだ好景気の余波で懐具合も暖かく、バイクやクルマが今より元気に走っていた。


ストリートゼロヨンに峠はもちろん土曜の集会。 郊外に街中、峠まで。 新車・旧車、2輪・4輪数多くの走り屋に様々なチーム。 更には追っかけやギャラリーまで多くの人で賑わったんだ♪


その頃、俺はある峠に通い詰めていた。そこは余所とはちょっと違った雰囲気があった
そこにはオフィシャル的な走り屋のチームがいて 「皆が気持ちよく走れるように」 とか 「もしもの事故に即対応できる体制」 なんてのが確立されていて走りに来ている余所のチームの連中や、その他個人との揉め事が起きることはほぼ皆無だった。 それくらい統率されたチームが仕切っていたってのもあったけど、 それ以上にカリスマがいたってのが大きな理由だった気がする。 もちろんそこに来る連中も皆マナーが良く タバコのポイ捨てはもちろん空き缶を捨てていく輩もいなかった



まあ、そのオフィシャルというかチームというかカリスマの事を少し話すとね
元はさ、当時どこにでもいたような暴走族だったんだ。 しかしある時、そこの頭が突然走りに目覚めて
マシンから片時も離れたくない!って連中を連れて新たに峠の走り屋チームを作った事に端を発する


そしてそのチームの3代目リーダーが●●峠最速という地位を確立し、その頃の峠のルールを作ったカリスマその人なんだ!
3代目の愛車は紅蓮のFC3Sカブリオレ改。自作ハードトップが印象的だった





まだ 「イニシャルD」 が世に出る前の 「イカ天」 なんかが流行っていたせいなのかな
コーナーとコーナーをドリフトで繋げていくような走りをしていた 
そんなのを実車で目の当たりにし当時はタマゲタもんだw





でね、そのチームに突如悲劇が襲う。 カリスマが突然病気で亡くなったんだ。白血病だった・・・
そして急きょその後を継いだ4代目ってのが病死したカリスマの彼女だったヒトなワケで





その彼女もまた3代目譲りの速いドリフト使いで、なんと紅蓮のFCカブリオレを受け継いだ
皆からは 「I姫」 って呼ばれてた。そしてその女性が 「愁いの美貌」 をもつヒトだったんだw








○●●峠 PM8:00頃



「おいガキ! お前なんかが I姫 と口きくなんざ10年早ぇーんだよ!」




俺はどうもこの親衛隊気取りのアホ面が気に食わなかった
他の連中だって I姫 と話しがしたいのに、決まってこのアホ面が邪魔をする





「別にいいじゃねーの! まさか I姫 と話しちゃいけないってルールでもあんのかよ!?」




「生意気な奴だ・・・」




Aのアホ面は更に醜悪なものとなり、威嚇の様相でポケットに手を突っ込み
身体を揺らしながら肩で風を切り、顎をシャクリ上げるように歩いてくる




む(モノローグ)
「はっ!シロウトめ!」




俺は右脚を半歩後ろに引き、さり気なく半身になる
そこで相手に気付かれぬよう後ろ腰に右拳をつくる

その時狙っていたのは同手同足・右の逆突き




む(モノローグ)
「一撃で仕留めてやる! 倒れなかったらそのまま髪を掴んで膝蹴り地獄に落としてやるw ひひひ」



デビルハートのむらっちであるw




アホ面が右拳を構え、俺の一足一刀の間合いに入る。 俺の右足は音もなくスッと前へ

同時に腰の回転と共に顔面の中心へ右拳を射出!


しようとした時だった





つづく
Posted at 2012/12/02 10:32:13 | コメント(1) | トラックバック(0) | むらっち劇場 | 日記

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