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2017年01月28日 イイね!

Def busta 第三章 ~legacy~ 第3話

Def busta 第三章 ~legacy~ 第3話
      


ここ数年、北海道の高速道路事情は、飛躍的に進歩した。以前なら、半日かけて移動していた場所でも、ものの数時間で目的地に到着出来るようになったのだからな。

「高速道路さまさまだね♪」









俺は旭川鷹栖インターチェンジから札幌ジャンクションを経由し、一気に苫小牧東インターチェンジに向かった。 鷹栖、奈井江間は。少々横風がきつかったがそんなのは関係ない。逸る気持ちが高揚を抑えきれない。
走れば走るほど俺の腕はバイクのフロントフォークに同化し、右手の指先にはキャリパーがローターを掴む感覚が宿る。 更にそこから、腰とリヤショックまでもが同化したような一体感が生まれる。




「ノれてる」

そう、それはバイクに 『 乗れている 』 証拠。 『 Ride ( ライド ) している 』 じゃなくて 『 ノれてる 』 んだ。
オートバイという乗り物は不完全である。自分単体では立っていることも出来ない。止まれば倒れる。そんなオートバイは 『 バイク乗り 』 という意思が居ないと完全な姿にはならない。
そして共に求めるものは 『 スピード 』 。
はは、かの巨匠はほんとよく言ったもんだね。 『 言い得て妙 』 全くそのとおりだよ。

200Km/h 巡航、エンジンのタレ無し、車体も安定。そこから更にアクセルの鞭を入れ、Z1000MkⅡを加速させた。
途中、白黒パンダの車が停まっていたが、気にせず加速する。そいつはルーフ上に設けられた不細工な飾りを一瞬赤くチカチカッとさせたが、ただそれだけでとくに追ってはこなかった。













    



今や北海道の一大工業都市となった苫小牧市。 あらゆるメーカーの工場があちらこちらに立ち並び、そこには膨大な数の期間社員達が働いている。

しかも、雇用は雇用を生み、街には個人経営の飲食店や、バイク、クルマのショップが軒を連ね、ちょっと郊外には巨大ショッピングモールまでもが進出しており、主要道路は片側6車線ときている。
またそこにはアメリカ並みのトレーラーヘッドがばんきり走り回り、荷積みが完了した箱(トレーラー)を連結させては次の目的地に向かう。









俺は、道路際に面したコンビニ ( セイコーマート ) の駐車場にバイクを止め、ジョージア・エメラルドマウンテンブレンドのブラックコーヒーを飲み、産業の動脈ともいえる営みに、ひとしきり感心しながら休憩を取っていた。そんな時、店長と思われる初老の男が店から出てきて、タバコをくわえながら話しかけてきた。


「やあ、旭川ナンバーだね。 A3 のお兄さん」








おっと驚いた。Z1000MkⅡ の事を A3 と言うなんて。




「初期型だろ、それ?」

「ええ、そう。 詳しいんだね」

「はは。まあな」





少々小太りの店長だった。その言動に嫌味はない。むしろ有効的な態度ともとれる。

「あ、あいつら…。おい見てみな、エミーとマリーだ」





なんだ?店長の指さす方向、目の前の交差点。そこに現れたのは、2台のハーレー・ダビッドソンだった。 トレーラーヘッドの排気音に負けないくらい、すごい爆音をまき散らしている。

  







二台ともスポーツモデルのようだが… いや違う ! ソリッドブラックの車両は、Kフレームのレーサー、ハイコンプレッションモデルの XLCH だ。 それに、もう一台、オレンジのダートラ仕様。 コイツも何か様子が違う。俺は目を凝らしながら、小さなオレンジタンクの文字をよく見つめた。そこに書かれていたのは。







「ああん !? XR750 だと !! 」

驚いた。 XR750 だ。 コイツは高圧縮比のスペシャルヘッドを組み込んだワークスマシンだ。
ハーレー唯一の後方吸気と前方排気システムを持ち、フロントフォークには当時のレーサーの定番、イタリア・チェリアーニGPフォークが採用されている。







「おいおいどうなってる !? 」

この二台、こんな貴重な個体がこの街で平然と走っているなんて。日本ではあまり知られていないが、ハーレー・ダビッドソンは創立当初から、モータースポーツに並々ならぬ情熱を注いできたメーカーだ。 特に象徴的なのは、アメリカで高い人気を誇る “ ダートトラック ” と呼ばれるダート周回レースだ。古くからH・Dは、ワークス体制で専用マシンをAMAのダートトラック選手権に投入し、華々しい活躍を続けている。






「すげ~な、オイ」

感嘆の声が出てしまった。それを聞き、ニヤリと笑みを浮かべる店長。




「XLCH が エミー で XR が マリー。 この街の名物姉妹だ」











そう、乗り手は二人とも女なのだ。ダースベーダーを連想させられる、ブラックのシンプソン M30 からは長い髪がなびいている。それに、タイトなダブルのライダース、左肩のエポレットには赤いバンダナを結び、細いウエストラインは形の良いヒップと非常に良くバランスしている。













そしてお決まり、交差点ではシグナルグランプリ(ゼロヨン)が、突然始まったりするもんだ。まあ、こんなとこでレースをやるなって方が無理だよな(笑)











更に感心したことがもう一つ。女共の後ろについている数台のトレーラーヘッドは、目の前のバイクを無駄に煽ったり並んだりもせず、ちょっと距離を置き二人の様子を興味津々で眺めていた。

つまりこの街では、バイクもクルマも独自の文化が発展いるからこそ、ことモータースポーツの分野においては非常に理解がされている。 というか、乗り物好きが大勢いて、自然とチームが出来上がり、様々なイベントを催すようになった。 当然、皆がバイクやクルマを楽しんでいる。そんな感じだ。




「はっは。そろそろだぜ」

なおも楽しそうな店長が言う。







2台のハーレーはエンジン回転を上げ、クラッチを繋ぐタイミングを虎視眈々と見計らっていた。

そしてレッドシグナルからブルーシグナルへ。
けたたましいほどの、エキゾーストノートと、スキール音。まさにロケットスタートだった。




「すげぇ~~♪」

つい口に出た。上手い ! それが感想だ。絶妙なクラッチワーク。 
あっという間に走り去った。なんとも来て早々、良いもんを見せて貰った。




「良~い音だ。ちゃんと維持できている。それにしてもあいつら、ここの交差点で信号に捕まるたびに、必ず2人でゼロヨンをやるんだよ」

楽しそうな様子の店長。 なんだか、俺もムズムズしてきた。Z1000MkⅡに火を入れ、ヘルメットを被った。





「ああ、こっちも良い音だ。1105… いや 1135 cc か !? 相当なハイチューンだな !! 」




オイオイ ! まったく何者だよこの人は !? 音を聞いただけで言い当てやがった。
でも一つわかった。 このイカレた街は、たとえコンビニの店長であろうと、女であろうと、全くを持って油断ならねえな(笑)。




しかし、期待は高まるばかりだ。










つづく













Posted at 2017/01/28 10:48:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | Def busta≪デフバスタ≫ | タイアップ企画用
2017年01月21日 イイね!

Def busta 第三章 ~legacy~ 第2話

Def busta 第三章 ~legacy~ 第2話



   4

俺達は、Garage SANTANA の事務所内で、スツールに腰掛け、淹れたてのコーヒーを啜りながら、昔話に花を咲かせていた。










 
「親に捨てられた俺(シンジ)。母親に死なれ、保護者不適格の烙印を押された父親から、引き離されたお前(下村)。そんな俺達が出会ったのは、あの札幌の児童養護施設…、中1の春だったな」

「ああ、出会ったその日にもうケンカだ。笑っちまうよな。でもお前はキックボクシングをやっていたろ、俺は毎日負け通しで気分が悪かったぜ」

「はっ ! そんなお前は俺とケンカする度にどんどんテクニックを盗んでいきやがってよぉ。気分が悪かったのは俺の方だぜ」

「お互いバイクに出会うまではよくケンカをしたな。行き場のない感情を受け入れてくれる器が無かった。とでも言うのかな…。あの常にイラつく激情…。眼に映るもの全てを壊してやりたくってな。あの頃の俺等は人間じゃ無かったな(笑)」

「はは、全くだ。それよか下村、バイクっていやぁ、あの当時乗ってた “ ゼファー400改 ” はまだ持ってんのかよ?」

「もちろん。16の誕生日に親父が贈ってくれたバイクだからな。大切に持ってるよ。裏の倉庫で眠ってる」

「お~お~、でもあのゼファーは反則だろぉ !? 550エンジンをベースに、ワイセコピストン組んで615ccにボア(ボアアップ)。でツインプラグ。敵わないわけだよなぁ」

「ああ、でもお陰で楽しい高校生活を送れた。ところでお前は?まだKH400は持ってんのかよ?」

「いや、残念だけど…。ありゃあ沖縄でスクラップにしちまった。色々あってな…」






急にシンジの表情が曇ってしまった。

「プロライセンスも剥奪され、病気で肺も潰れてよぉ。今じゃ1分もまともに動けねぇ。そんな時、オヤジに拾われてな。新しい人生を貰ったんだ…」





「そうか…」

俺は言葉に詰まってしまった。シンジのライセンス剥奪は知っていた。試合中、相手選手の度重なる故意のバッティング(頭突き)にブチギレてしまったシンジは、ダウンを奪った際、馬乗りなって相手を殴りつけ、失明させるほどの重傷を負わせたのだ。その後、シンジは行方不明となり、俺は帯広、旭川と移り住み、このショップを受け継いだ。お互い本当に色々あったのだ。




「下村よぉ、暗い話は止めようぜ、それよか修二だよ ! スティール・ランナー」

「おお、まさかアイツがなぁ。ケンカの腕はからっきしだったけど、バイクに乗った時はなかなかだった。当時は 89式 の NSR250R に乗ってたよな。走り出して半年も経たないうちに、俺のケツに張り付いてくるようになって。それで天才なんて呼ばれるようになってよぉ」

「そう、そして間もなくチーム 『 SANTANA 』 は解散する…。だけどアイツは走り続けていたんだ。今は苫小牧市の、自動車部品工場の期間社員だと聞いた。バイク文化が独自に発展したあの街で、アイツは一人、SANTANAを名乗り走り続けていたんだよ」





俺は無言で、シンジの話に耳を傾けた。

「そして、どういう経緯かは知らんが、奴は初代スティール・ランナーのCB750Fを手に入れ、現代に蘇らせる。で、先日行われた『Steele Runner battle (スティールランナーバトル)』で見事勝利し、十数年ぶりに二代目が誕生したってわけだ」








シンジは少々興奮気味に語った。

「ああ、そのバイクは知ってる。スペンサーカラーのFだ。いや誰もが知ってる。皆の憧れスティール・ランナー…。まさかそのバイクを」








「そうだ。 Iron bound (アイアンバウンド 『 鉄張り 』 ) と呼ばれる、レースウィークに開催される『 Steele Runner battle 』。 ドラッグ、ストリート、サーキット、全てのステージを同じバイクで駆け抜け、全てを勝ち取った、タフな者だけが名乗れる称号 “ スティール・ランナー ” だ」




シンジの身振り手振りが大きくなる。

「あまりにも過酷。だからこの十数年、キングは不在だったんだ。初代以外は誰一人として達成出来なかったからな。これは大いなる偉業なんだよ」




顔が少々紅潮していた。シンジはまるで自分の事の様に楽しげだった。

「アイツはやった ! やったんだ !! 修二のヤツはキングの座を見事にもぎ獲ったんだよ !! 」




CB750F。修二が駆るキングのバイク。 「ふぅ~」 思わずため息が漏れる。過去、自分も憧れた、初代スティール・ランナー。ストリートを颯爽と駆ける、あの勇壮なる姿。

ふとそのイメージを修二と重ね合せた時、自分の中に嫉妬心が生まれていたことに気付き、つい驚いて思わず苦笑してしまった。














    5



それから次の週末が、非常に待ち遠しくてしかたがなかった。なんせ、シンジの奴が 「今度の週末、苫小牧市でチャリティーイベントのバイクフェスタがあるぞ」なぁんて、言い残していきやがったもんだから、そわそわするのなんのって。

修二がその中心に居ると思うと、いてもたってもいられなかった。だけど、どんなに気が急いても、時間が早く過ぎることはなく、ましてやその逆で、長く感じてしまったりするから非常にタチが悪い。まるで遠足を心待ちにしている子供と一緒だな。

しかし、俺のそんな様子を見ていた岩野が 「なしたんスか?」 「なしたんスか?」 と何度も尋ねてくるのが、とてもうっとうしかった。うん、本当にうるさい奴だ。いや、なんかムカつくなぁ…。そう、この時決めたんだ。俺は絶対に理由を言わない事にした(笑)。

そんな日が数日続き、ようやく日曜日となる。定休日ではないので、ショップは開店しているのだが、岩野がここ数日、非常にうるさかったので、仕事を全部押しつけて、俺はZ1000MkⅡに跨り、一人で苫小牧市に向かう事にした。

「なしたんスか急に?何があったんスか?教えて下さいよぉぉぉぉ~~」  なんて言い出したので、ちょっと可哀想だなと、3秒ほど考えたが、デスペラードジャケットに袖を通し、バイクで走り出した途端、そんな事は全て忘れてしまった。










つづく


Posted at 2017/01/21 16:58:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | Def busta≪デフバスタ≫ | タイアップ企画用
2017年01月15日 イイね!

White grenede 第三話

White grenede 第三話 
    5


暑い暑い夏が終わった。うちの会社は、お盆も業務を休んでいなかったので、お供え物や花の集荷と配達で、てんやわんやだったが、16日を過ぎた頃には、普段どおりの業務に戻っていた。それに北海道はお盆を境に、不思議と涼しくなり、空気が一気に秋の装いとなる。大雪山は紅葉が綺麗だし、食べ物は美味しくなるし、良い季節に突入だ♪












オレンジ色にオールペンされた、会社のジムニーJB23(軽規格)は実に快調だった。10万㎞以上も走っているエンジンとは、とても思えない。3気筒で高回転を多用する、しかもターボエンジンは、どうしても寿命が短くなってしまう。にもかかわらず、以前から感じてはいたけど、K6Aってエンジンは、本当に耐久性に優れている。凄いなぁ。なんて、クルマを走らせながら考えていた。





更に今日は、とてもラッキーな日で、朝イチの荷物は一つだけ。しかも私が大好きなお店への配達だった。そこは 『 下村二輪 』 というバイク屋さんなんだけど、その社長さんが、すっごく格好良いんだよね。年齢はたしか27歳くらいで、何年か前に旭川市の 『 Garage SANTANA 』 というお店から、この帯広市に進出してきて、小さなバイク屋さんを、一人でひっそりと営業している。










ただ、その社長さんには色々な噂があって、20人からの荒くれ者を相手にして、全員をやっつけてしまったとか、プロの格闘家を再起不能にしたとか、ナイフで刺されても死ななかったとか、とても恐ろしい “ なんとか・ランナー ” というライダーに、バイク勝負を挑んだとか。そんな話を聞いたことがある。
でも、どれも眉唾な情報。本人とお話したら、そんな乱暴者的な要素は、微塵も感じないから、たぶん嘘なんじゃないかと私は思っている。









「おはようございま~す。下村さんいますぅ~」











出来るだけ可愛く声をつくってみる(笑)、すると事務所と隣接する、作業用スペースのシャッターが開けられ、作業服(ツナギ)姿の男が出てきた。

あれ?誰だろ?筋肉質で厚みのある体型。発達した前腕筋と下顎は、まるでポパイを連想させる。そして非常にクセの強い髪の毛を押さえるため、白いタオルで頭を覆っていた。










「くわぁぁぁ~~」

その男は大きく欠伸をしながら、眩しそうに朝日を拝み、胸ポケットからクシャクシャになったセブンスターを取り出し、火を点け、ゆっくりと煙を吐き出した。


「ふぅぅ、太陽が黄色く見えるッスよ…」




え?誰?ここのお客さん?私はその異様とも取れる風貌をみて、思わずフリーズしてしまった。




「あれ?宅配屋さん?」

その男は私の恰好を見て、問いかけてきたのだが。





「あああ、あの、あの、わ、わたし…」

つい、口ごもってしまった。




「下村さ~ん、なんか荷物届いたッスよ~」

ポパイが素っ頓狂な声で下村さんを呼んだ。




「おう、いま行く」

良かった。事務所の奥から、下村さんの声が聞こえてきた…、かと思いきや、今度は甘く香ばしいコーヒーの香りまでも漂ってきた。 ああ、これこれ。ここに来るもう一つの楽しみ。下村さんが淹れるコーヒーが、とっても美味しいの。









それから、作業用ツナギの上半分を腰に巻きつけ、黒いタンクトップ姿の下村さんが、コーヒーを手に現れた。

「やあミホちゃん。おはよう。時間あるなら休憩していきなよ」




嬉しい。下村さんのお誘い。もちろん喜んで♪。とても優しい眼差しで、にっこりと微笑まれ、私は “ キュン死 ” しそうだった。




「いつものモカブレンドだけどさ。朝は頭がスッキリするぜ」

コーヒーを手渡された。う~ん、もうダメ。好きにして。と言いたい(笑) 
しかし、こうしてよく見ると、下村さんの細く引き締まった、筋肉質な身体には、無数の傷跡があるのがよくわかった。でも、とても素敵な細マッチョだった♪




「俺達、昨日から徹夜でさ。レース用車両を作っていたんだ。いまミホちゃんが持ってきてくれたそのパーツを組んだら、昼からシェイクダウンだ」

そう言い。下村さんは、作業用スペースを指差した。そこにあったのは、ワインレッドにオールペンされ、さまざまなカスタマイズが施された 『 スズキ・キャリーDA62T 』 いわゆる軽トラックだった。驚いたことに、リフトアップされ、太いマッドタイヤまで履かせてあった。









「え?コレでなんのレースに出るんですか?」

思わず聞いてしまった。ちょっと失礼だったかな。




「ははは。笑えるよね。帯広のオープンエリアで開催される 『 D C C (ダートチャレンジカップ) 』 だよ。岩野がさ…、あっ、そこの彼がね、軽トラはスポーツカーに近いんだ!って言い出してさ。わざわざ旭川からここに持ってきたかと思いきや、あっという間に、こんなんにしちまったんだ」





「そうなんですか。でも軽トラって…。凄いバイタリティーですね。こんなアフターパーツのない車両を、よくここまで仕上げましたね !? 」

ほんと驚愕に値する。




「ハイッス!よくぞ聞いてくれました!」

決して聞いてはいないけど、岩野さんという人がしゃべりだした。





「流用の効くパーツを探すのって、宝探しでもしている気分だったから、楽しんでやったッスよ。兄弟車のエブリィのターボエンジンに載せ換えて、スズキ純正LSDをシム増しして前後デフに組み込んで、チャタリングが起きやすいリヤはツインショック化して。まあ、板バネベースでやって行こうと思ってんスよ。レースに出るっていっても、基本はバイク搬送用のトランポッスから。あとロールケージは自分のワンオフッス!名付けて “ 軽虎1號 ・ トランスポータースペシャル” ッス !! 」

なんだかよく分からないけど、凄いのだけはよくわかった。




「…(汗)なるほどな、まあ、そのネーミングは置いとくとして、なかなか面白そうなレースじゃねーの、その “ D C C ” ってよ。フラットダートと凹凸路のモーグルコースを走って、その合計タイムで順位を出すんだろ?しかも2人1組のペアで」

「はいっ。自分と成海ちゃんで走るッス」




下村さんと話していた、岩野さんという人は、急に私にも話しかけてきた。

「て、あっ、この軽トラね、成海ちゃんって、ウチ ( TEAM SANTANA ) のメンバーの娘のクルマでね、コレがまた、すっごいジャジャ馬娘なんスよ。でねでね…」




そんな調子でグイグイ迫られ、少々引き気味の私を見た下村さんは、助け舟を出すように、岩野さんという人の話を遮った。

「ははは(汗)。 でも10月のレースは君も出るんだろ?昨日タカ社長がここに来て、ヨッシーさんとミホちゃんのペアで出場させるって言っていたよ」

>「えっ?なんですかソレ !? 初めて聞きましたけど !! 」

「あれ?そのなの?まあ、昨日の今日だからね。まだ伝えてなかったのかな。でもミホちゃんはすごいなぁ。あのタカ社長に認められたんだね。一つお手柔らかに頼むよ。ウチは、2輪のレースはよくやっているけど、4輪はお初だからさ」




そう言い、下村さんはニッコリと微笑んだ。ああ、とろけちゃいそう。ほんとに素敵♪




でもタカ社長め~~。どうしてそんな大事なことを早く言わないかな~。心の中で悪態をつきつつも、なんだかワクワクした気持ちにもなってきていた。












つづく





2017年01月15日 イイね!

Z Car DAYS に掲載されてます!

Z Car DAYS に掲載されてます!







じゃっきーwaka
さんが運営するWEBサイト

Z Car DAYS に Def busta 第二章 前後編 が掲載されました









スマホからもダウンロードしやすいよう、PDFファイル化してますので

興味のある方はぜひどうぞ(=^▽^=)









ごめんなすって


Posted at 2017/01/15 09:49:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | むらっち劇場 | タイアップ企画用
2017年01月12日 イイね!

猟犬はじめました!

猟犬はじめました!
エアデールテリア。 名前は “フチ” ♀ です(  ̄▽ ̄)

アイヌの火の女神、“アペ・フチ・カムイ” から

名前をいただきました♪









まだ生後三ヶ月ですが、もう6kg もありますw

ともあれ、立派な猟犬に育ててみせます!











しかし…











可愛らしいのだが…












夜は遠吠えと要求吠えのオンパレード…

まだ寂しいんだね…










はっきりいって寝不足です…




さあ、明日もがんばろ…










ごめんなすって



Posted at 2017/01/12 22:56:24 | コメント(4) | トラックバック(0) | 狩猟 | 日記

プロフィール

「91時限目 第2弾!カントク冒険隊! 神の湯へ http://cvw.jp/b/381698/45694253/
何シテル?   12/11 14:56
☆Youtubeで動画投稿してます。  「カントクの時間」です。よろしければ寄って行って下さい。 https://www.youtube.com/chann...
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Z乗りさんのホンダ CRM80 
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2020/05/23 23:46:46
インチアップ話の続き 
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2020/05/17 15:25:11
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2019/03/05 19:01:18

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