![民間で出来た最初の電気機関車『ED15』 民間で出来た最初の電気機関車『ED15』](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/044/071/313/44071313/p1m.jpg?ct=f4b8644df255)
神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫
鉄道(19-107)
大阪時事新報 1924.5.28 (大正13)
民間で出来た最初の電気機関車
その成績は極めて良好らしい
具体化して来た鉄道電化
増永電気課長の話
東海道線の電化問題については過般局長会議から帰任した石田神戸鉄道局長の談話の通りだが神戸鉄道局では二十八日午前十時から本局に工場、及び事務所長を招集し予算の割当に関する会議をひらき、更に六月二、三、四の三日間に於て電気課関係者の電化其他に関する協議会をひらく事になっている右につき神鉄局、博永電気課長は次の如く語った
東海道線の電化については関西方面はまず名古屋、京都間を先に着手し京都、明石間は一番最後となる筈である、這は大阪及び神戸の高架線大阪駅の改築京都、神戸間二線増設等の大工事があるのでコレが完成してから電化に伴う工事を始める予定で
"本年度の"予算に於て神戸局としては米原、京都間に三箇所の変電所設置に要する敷地を買収することになるであろう鉄道省が外国に注文した電気機関車は既に五十余台到着して居り曩頃米国に十二台、瑞西に二台注文した筈である、わが国でも曩頃山口県の下松工場で製造したものは試験の結果、中々成績は良好である、コレは我民間で出来た最初の電気機関車である
データ作成:2002.6 神戸大学附属図書館
下記「ED15形」脚注[2]の内容
国鉄ED15形電気機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
[写真・画像] 静態保存されている1号機
(2017年6月3日 / 日立製作所水戸事業所)
日立製作所水戸工場の『さつきまつり』で展示されたED151
ED15形は、日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省が、1926年(大正15年)に日立製作所で製造した直流用電気機関車である。
1 概要
国産では初の民間製本線用電気機関車として、1070形の名で3両(1070 - 1072)が製造された。1928年(昭和3年)10月の車両形式称号規程改正により、ED15形(ED151 - ED153)に形式番号が改められている。
1922年(大正11年)12月、鉄道省大宮工場(現・大宮総合車両センター)で輸入電気機関車を小平浪平ら幹部が見学させてもらい、自社製造を決意。まだ鉄道省から注文がないまま1923年(大正12年)6月から製造に着手、第一号機が組立完了したのは1924年(大正13年)4月12日であった[1][2]。
設計・製造とも日立製作所が独自に行い、電気部分の製造は助川工場(現・日立市)、車体を含む機械部分は笠戸工場が担当している。1924年(大正13年)12月に大宮工場で公開をした後、1925年(大正14年)1月からは東海道本線・東京 - 蒲田間で各種試験を行い、良好な成績をおさめることができた。
車体は当時主流の箱型、窓隅は角形、妻面に突き出した形状のはしごを有するなど、機能本位の無骨な外観で、屋根上にパンタグラフを2基搭載する。1号機と2、3号機とでは内部機器配置に相違があり、外観にも差が見られる。国産の本線用機関車としては初めて、先従台車のない全粘着軸形式で、車体の台枠を介して牽引力を伝えるスイベル式を採用した。この方式はその後の国鉄機では戦後まで省みられなかったが、日立では本機を小型化した機関車を富士身延鉄道(210形電気機関車)や長野電鉄(500形電気機関車)などに納入するなど、私鉄機では一般的な手法となる。
同時期に欧米から輸入されたED10形、ED11形、ED12形、ED13形、ED14形と同等の牽引定数とされたが、パンタグラフは架線の高さが高いときの押上げ力が小さく、架線が低いときの押上げ力が大きいという問題点があったとされ、のちに国鉄標準形として制式採用されたPS10形に取り替えられている。
2 運用
当初は、東海道本線で貨物列車を牽引していたが、1932年(昭和7年)に八王子機関区(現・八王子総合鉄道部)に移り、中央本線で使用された[3]。のちに一部を除いて東海道本線に戻されたが、老朽化に伴う台枠の変形等の故障が多くなったため、1959年(昭和34年)から1960年(昭和35年)にかけて順次廃車された[4]。
3 主要諸元
・全長:13,260mm
・全幅:27,80mm
・全高:3,840mm
・運転整備重量:58.12t
・電気方式:直流1,500V(架空電車線方式)
・軸配置:B-B
・台車形式:板台枠
・主電動機:MT18形×4基
・歯車比:19:77(1:4.05)
・1時間定格出力:820kW
・1時間定格引張力:9,000kg
・1時間定格速度:34km/h
・最高運転速度:65km/h
・動力伝達方式:歯車1段減速、吊り掛け式
・制御方式:非重連、抵抗制御、2段組み合わせ制御、弱め界磁制御
・主制御器:電磁空気単位スイッチ式
・ブレーキ方式:EL14A空気ブレーキ、手ブレーキ
4 保存機
1960年に廃車となった1号機が、日立製作所水戸事業所に静態保存されている。
2011年7月24日、日本機械学会により「幹線用電気機関車ED15形」として機械遺産に選定された[5]。
5 参考文献
・交友社『鉄道ファン』1963年9月号 日高冬比古 JNRの電気機関車4 EB10・ED15
・西尾源太郎「日本の車輛製作所とその代表車輛6 - 日立製作所」『レイル』No7 1978年10月号
・小熊米雄「東海道本線の1070形」『鉄道ファン』No327、1988年7月号
6 脚注
[1]^ 続いて2・3号機も1925年10月21日と1926年2月21日に完成した。
[2]^ 「民間で出来た最初の電気機関車」 1924年5月28日付大阪時事新報(神戸大学附属図書館新聞記事文庫)上記に記載
[3]^ 中央線用に改造『鉄道統計資料. 昭和6年度 第2編 建設 工務 工作 電氣 研究』(国立国会図書館デジタルコレクション)
[4]^ 1 - 3号機は八王子区で廃車を迎えた。
[5]^ [1]読売新聞
最終更新 2018年12月21日 (金) 21:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
≪くだめぎ?≫
"試作機"であろう、3両しか存在しないから。鉄道省1070形1070号機(後にED151)。私が小学生時まで活躍したのは後継機「ED16」だったのか。
いずれにしても、勾配・山岳路線には電化は必須で、「ED形」とはいえ国産化出来たことは喜ばしい。
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直流電気機関車史 | ニュース
Posted at
2020/06/07 17:32:18