2012年07月12日
パッキャオがブラッドリーに判定負け
7年間無敗を誇ったアジアが誇る英雄、パッキャオの判定負けという衝撃的な結末で終わった6月9日のWBO世界ウェルター級タイトルマッチ。世界的にも大きな注目を浴びたビッグマッチは、王者・マニー・パッキャオ(フィリピン)が挑戦者・ティモシー・ブラッドリー(米国)を制したかに見えたが、判定は2-1でブラッドリーが勝利して新チャンピオンとなった。
もちろん試合自体は世界最高レベルのボクシングであることに間違いなく、思う存分観戦を楽しませてもらったのだが、後味の悪い幕切れになってしまったのは確か。
パッキャオも33歳、60戦目を迎え、全盛期ほどの圧倒的な強さはなかったにしろ、試合後に「効いたパンチは一発もない」と語った通りこれといった危ないシーンはなかったように思う。有効打では間違いなく左ストレートを再三当てたパッキャオの方が試合を通して優位に見えたのだが…
勝者が伝えられた場内はどよめきとブーイングが飛び交うほど微妙な判定だったが、パッキャオは淡々とした表情でそれを受け入れていたのが印象的だった。
報道によれば、この試合でブラッドリーが勝てば再戦を行うことが事前契約に含まれていたとのことで、両者は今秋にリマッチを予定している。そのため再戦が前提のブラッドリーの勝利と見えないこともない。またパッキャオの試合が見れることはファンにとっては嬉しいことだし、次戦でしっかりこの遺恨の決着を付けてもらいたい。
そしてブラッドリーとの再戦の後にはパッキャオの本命のライバル、現在収監中の5階級制覇王者、フロイド・メイウェザー(米国)との今世紀最大のビッグマッチをなんとか実現してもらいたいところだが… 。
Posted at 2012/07/12 15:49:41 | |
トラックバック(0) |
ボクシング | スポーツ
2012年07月12日
佐藤が初防衛に成功
8日に行われたWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチでチャンピオン・佐藤洋太(協栄)が、同級1位の指名挑戦者・シルベスター・ロペスを完封し、3-0の判定勝利で初防衛に成功した。
試合は佐藤のワンサイドと言ってもいいほどの内容で、持ち前のテクニックとスピードを活かしたボクシングを駆使して強打者・ロペスに圧勝。3月に元王者のスリヤン・ソー・ルンヴィサイから2度のダウンを奪って王座を奪取した佐藤だが、真価が問われた最強挑戦者との初防衛戦で、内容を含めしっかり結果を出したことで、世界王者としての実力と存在感を明確に示した形だ。
そして佐藤には早くも亀田兄弟の三男・和毅との対戦が取りざたされているが、これは実現すれば面白いカードになるのではと期待したい。和毅はメキシコを拠点とし、バンタム級で23戦全勝、WBCのシルバー王者でもあり現在世界ランキングは4位。日本の喧噪から離れた地でじっくりキャリアを積んできた和毅は、若干二十歳とまだ若いが亀田兄弟の中では一番の実力者とも噂される。
なにしろ世間に対して圧倒的なリーチ力を持つ亀田家との対戦。和毅との対戦は佐藤にとっても当然乗れない話ではないはず。ただし試合は小細工なしのガチンコ勝負でお願いしたいものだ。佐藤サイドに立てばKO、ダウンなど明確な勝利が望まれるところである。
史上初の日本人世界王者同士の対戦となった井岡―八重樫戦が大きな盛り上がりを見せたばかりで、佐藤の初防衛戦はその熱を持続させるのに十分な内容だった。
そしてさらに7月16日には、WBAフェザー級チャンピオン・内山高志(ワタナベ)の5度目の防衛戦と、WBCフライ級王者のソニーボーイ・ハロ(フィリピン)に同級1位の五十嵐俊幸(帝拳)が挑戦するダブル世界戦もあるとあって、ボクシングファンにとっては嬉しい限り。願わくばこの日本人の世界戦ラッシュの熱が世間にも広がりを見せてくれるといいのだが、内山と五十嵐の奮闘にも期待したい。
Posted at 2012/07/12 15:46:23 | |
トラックバック(0) |
ボクシング | スポーツ
2012年07月12日
ボクシングの階級
ボクシングは、体重によるハンディキャップをなくし、公正に試合を行うため、最軽量のミニマム級から最重量のヘビー級まで全17階級に分けられています。階級の呼び名はボクシング団体によって異なりますが、体重のリミット(契約体重)は全ボクシング団体に共通しています。
「階級の壁」が存在すると言われるボクシングですが、近年、オスカー・デラホーヤ、マニー・パッキャオ、フロイド・メイウェザーのように、階級を超えて活躍するボクサーが増え、複数階級を制覇するチャンピオンが次々と誕生しています。
通常日本ではWBAとWBCで採用されている呼称を使っています。いわゆる「ジュニア表記」ではなく、「スーパー表記」を採用しています。例えば、「スーパーバンタム級」の場合、「ジュニアフェザー級」ではなく、「スーパーバンタム級」と表記しています。
ボクシングの階級表
リミット
団体による階級の呼称
105ポンド
(47.62キログラム)以下
ミニマム級(WBA・WBC)
ミニフライ級(IBF・WBO)
108ポンド
(48.98キログラム)以下
ライトフライ級(WBA・WBC)
ジュニアフライ級(IBF・WBO)
112ポンド
(50.80キログラム)以下
フライ級
115ポンド
(52.16キログラム)以下
スーパーフライ級(WBA・WBC)
ジュニアバンタム級(IBF・WBO)
118ポンド
(53.52キログラム)以下
バンタム級
122ポンド
(55.33キログラム)以下
スーパーバンタム級(WBA・WBC)
ジュニアフェザー級(IBF・WBO)
126ポンド
(57.15キログラム)以下
フェザー級
130ポンド
(58.96キログラム)以下
スーパーフェザー級(WBA・WBC)
ジュニアライト級(IBF・WBO)
135ポンド
(61.23キログラム)以下
ライト級
140ポンド
(63.50キログラム)以下
スーパーライト級(WBA・WBC)
ジュニアウェルター級(IBF・WBO)
147ポンド
(66.67キログラム)以下
ウェルター級
154ポンド
(69.85キログラム)以下
スーパーウェルター級(WBA・WBC)
ジュニアミドル級(IBF・WBO)
160ポンド
(72.57キログラム)以下
ミドル級
168ポンド
(76.20キログラム)以下
スーパーミドル級
175ポンド
(79.37キログラム)以下
ライトヘビー級
200ポンド
(90.71キログラム)以下
クルーザー級(WBA・WBC・IBF)
ジュニアヘビー級(WBO)
200ポンド
(90.71キログラム)超
ヘビー級
Posted at 2012/07/12 07:15:03 | |
トラックバック(0) |
ボクシング | スポーツ
2012年07月11日
ボクシングのルール
ラウンド数
世界タイトルマッチは1ラウンド3分の12ラウンドで行われます。日本タイトルマッチは1ラウンド3分の10ラウンドで行われます。
勝敗の行方
KO(ダウン後10カウント以内に立ち上がれない場合)
TKO(レフェリーが試合続行が不可能と判断した場合)
ギブアップ(試合を放棄した場合。記録上はTKO)
失格(反則を繰り返した場合、セコンドがリングインした場合)
負傷判定(偶然のバッティングで試合続行が不可能な場合)
判定(3人のジャッジによる採点)※詳しい採点基準はこちら
偶然のバッティングによってどちらかのボクサーが試合続行不可能な場合、負傷判定になります。規定のラウンドに達していれば、そのラウンドまでのポイントを集計し、勝敗が決します。規定のラウンドに達していない場合は引き分けとなります。
反則行為
次のような攻撃や行為は反則となり、減点の対象になります。繰り返し反則行為が行われた場合、ボクサーは失格になります。
バッティング(頭突きや肘での攻撃)
サミング(目潰し)
ローブロー(下腹部へのパンチ)
ラビットパンチ(後頭部へのパンチ)
体の後ろ側(背中、腰など)へのパンチ
ゴング後、ブレイク後のパンチ
タックル、キック、投げ技など拳以外での攻撃
グローブ
タイトルマッチは階級によってグローブの重さが違います。
ミニマム級からスーパーライト級までは8オンス
ウェルター級からヘビー級までは12オンス
以前は同じメーカーや色のグローブで戦うのが当たり前でしたが、最近は両者の合意のもと、違うメーカーや色のグローブを身に付けて行われるタイトルマッチが増えてきました。
Posted at 2012/07/11 12:26:58 | |
トラックバック(0) |
ボクシング | スポーツ
2012年07月11日
ボクシングの素晴らしさ
ボクシングは大きな感動を与えてくれるスポーツ
初めてボクシングの試合を観戦してから20年近くになります。その間、テレビ放送を中心に1000試合以上の世界タイトルマッチを観戦し、ボクシングの歴史に残る数多くの名勝負を観る機会に恵まれました。
世界中には星の数ほどのスポーツがあり、ボクシングより競技人口が多いスポーツはたくさんありますが、ボクシングほど大きな感動を与えてくれるスポーツは他にありません。
「自然と胸が熱くなる」「自然に涙がこぼれる」、ボクシングを観戦していると、年に何度かこのような瞬間に出会うことができます。世界最大のスポーツイベントと言われるオリンピックやワールドカップが4年に1度の開催であることを考えると、ボクシングの「感動出会い率」はかなり高いですね。
初めてボクシングの試合を会場で観戦したときのことは今でもよく覚えています。ボクシングの本場、アメリカの小さなカジノで行われた試合でした。出場したボクサーも無名で、会場も小さく、観客も500人程度だったと思いますが、幸運にもリングサイドで試合を観ることができました。
パンチが対戦相手を捕らえる音、2人のボクサーが体をぶつける音、ボクサーの息遣い、セコンドの声、観客の声援。すべてが新鮮でした。子どもたちが正義のヒーローをカッコイイと思うのと同じように、2人のボクサーをカッコイイと思いました。勝ったボクサーが試合後すぐに地元テレビ局のインタビューに応え、リングサイドに集まった観客にサインをしている姿が印象に残っています。
「強さ」はいつの時代もカッコ良さの象徴です。その「強さ」を競い、誰が世界で一番強いのかを決めようというのですからおもしろいですよね。そして、「強さ」を競う過程で、感動が生まれます。もしボクシングが道具を使って世界一の強さを決めるスポーツなら、それほど熱狂しなかったと思います。
ボクシングは「拳と戦略を武器に戦うスポーツ」です。余計な道具を使わないので、極論すれば、人間が誕生した時代に戻っても、試合を実現することができます。この「人間が本来持つ強さの原点」を競うところが最高なんです。ボクシングは「人間が持つある種の原点」に触れることができるスポーツなので、大きな感動を与えてくれるのだと思います。そんなボクシングが大、大、大好きです。
Posted at 2012/07/11 06:44:57 | |
トラックバック(0) |
ボクシング | スポーツ