
我が家の愛犬ポチ
令和3年12月21日午後8時頃、
天国へ旅立つ
15歳と七ヶ月ほどの生涯を閉じた。
同日、午後7時頃か?帰宅しようと自転車を出し、ふとポチを見ると
地面に横たわり、両足を持ち上げブルブル痙攣しているポチを確認した。
なんだ!?どうしたんだ!?
動転する俺、体を押さえ、なで、手のひらで水をすくい口に含ませる。
痙攣は治まったが、ヒューヒュー苦しそうに呼吸している。
口からはすごい量の
よだれを垂らしている。
様子がおかしいから、今夜は母屋の軒下で一晩過ごすよう準備した。
しかしそこに移動させたらまたも痙攣が始まる
舌をかんでいるのか?赤い色のよだれを垂らすようになった。
かかりつけの動物病院に連れて行く。母と2人で。
車内では痙攣は止まっていた。
静かに呼吸している
病院につく。
診察台にのせる
聴診器を当てる先生
「もう、心臓が動いてません」
しかし、びくっと首が動いた
「なんとか反応です。心臓停止後に起こります」と先生
「挿管しますか?」と先生。
私も母も、「いいです・・・もういいです。もう十分苦しんだ」と返す。
ポチ、15歳七ヶ月の生涯を閉じました
命を終えるって、こんなにもきついんだな・・・
俺が見つけた7時までの間、一体いいつから痙攣してたんだろう?
散歩は父が5時半頃に普通にやった、餌も完食していた。
なのに数時間後にこんなことになるなんて・・・
帰宅したポチは玄関に安置することにした
玄関はポチが1歳の頃、首を大けがしたときに治療で過ごした場所だ
外犬のポチが唯一しばらくの間家中で過ごした場所だ
その時以来だ。
どう思ってポチは今そこにいるんだろう?
今夜はポチと実家で過ごすことにした。
15年と七ヶ月前、近所のまっちゃんが放し飼いしていた雑種の子犬をもらった。
4~5匹兄弟がいたが一番かわいいやつを選んだつもりだ。
玉のようにかわいくて3人の私の子どももなでなでしてかわいがっていた。
名はポチにした。名付けの親は私の長男だ。当時小1だったかな?
ポチ、肌にほくろのような模様がたくさんあるのに気がついた
しかし、よくよく見るとそれは生き物で!ダニかノミだった!!!
おびただしい数!
それからあわてて子どもたちからはなし、
シャンプー、薬、首輪、目視、手で取るの繰り返し
1週間ほどノミ野郎と格闘したような気がする
劣悪な環境で放し飼いされていたポチは体中にノミダニを抱えて我が家へやってきたのだった。
これがポチにとっての最初の命の危機といえるんではなかろうか?
さて、1年くらい経った頃だろうか?
2度目の命の危機が早々にやってきた
ある日、お向かいのMちゃん(小学生)が
「ポチ、血がでよるよ」と教えてくれる。
何? よくよくポチを見ると・・・
首周りから出血している!
それも首の周囲に沿って赤い!
何なんだ!これは?
よくよく見たら、何と!のみ取り首輪が皮膚に食い込んでるじゃないか!
そう、ノミ騒動の時にはめた首輪、成長速度のはやい1歳のポチ、
もふもふした毛で見えずにそのまま肉が首輪を巻き飲んでいたのだ!!!
そういえばなぜかポチのそばは生臭かった
そしてなんでこの犬はこんなにも吠えるんだ?と言うほど吠え、
あんまり吠えるんで頭をたたいたりもした
馬鹿だ、俺たち・・・家族7人もいて誰も気づいてやれなかった
どんなに苦しかっただろう、痛かっただろう、助けて!という叫びすら届かず・・・
病院に連れて行っての外科手術
首周り1周が醜い裂け傷のようなものだった。
だが、驚異的な生命力快復力で縫うこともなく、飲み薬と塗り薬、食事と安静で治ったのだった!
その時に過ごしたのは母屋の玄関だ。
首輪ははめられないので肩ハーネスをしてたかな?
まだ小さいポチがしっぽをフリフリ、そこで過ごしていた姿を思い出す。
あのときは本当にごめんポチ。苦しかったな・・・
最初はポチをかわいがり、おもちゃのようにしていた子どもたちだが、
度を超して触るもんだから一度、本気で吠えられ甘噛みされていた。
それからはびびってしまって触らなく、遊ばなくなった。残念だ。本末転倒だ。
さらに少し後、ポチと同い年の第4子はポチに捕まり腰を振られる始末
これにより4子はポチを嫌い、近寄らなくなった。
いずれの出来事も私の目の前で起こった事であり、私の子どもに対する犬の接し方の教育ミスと
ポチのしつけミスによるものだったと反省している
そんなことがあったのでよく来る近所の子どもたちにも気をつけるように注意し、看板も建てたなあ
それからまもなく、1年もあっただろうか?
うまくいかない商売、親子げんかの末に私は転職し、家を離れることになった。
ポチを飼うといったのは私であり、子ども(孫)だったが
そのポチをおいて、我々は家をさるのだった。
その間、ポチの世話は親父たちがすることになる
時々帰るとポチの周りはうんこだらけ
きっと散歩の回数が少なくて、なるべく自分からはなれたところに排泄していたんだろう
ごめんなあと思いながら片付ける俺
しかし、遠い町に越した俺には毎日の世話は出来るはずもない
たまに帰ったときだけだが毛繕いや洗い、周囲の掃除をしてやった。
だが、この間、俺ら夫婦と4人の孫を一気に失った父母の落胆はかなり大きかったらしく
ポチがそれをいやしてくれたそうだ。
でかしたぞポチ。ありがとうポチ。
それから3年少々が経過し
私たち家族は帰ってきた
ポチと同居ではないが毎日会うし、散歩もする。
我が家は商売をしている関係上、母屋や店先から離れた位置にポチをおいている
道ばたで、人気もないところにちょこんといるポチは
道路を歩く人、クルマで通る人、仕事で来る人、散歩で通る人、子ども
いろんな人に癒やしを与え、その恩恵に預かり、餌をもらったり、写真をいただいたりした
一時はあまりにも頂き物が多く、太りすぎて困った事もある
そんな感じで家のマスコット的な存在だったのだ。
だが、生き物だから年齢相応の衰えは来る
10歳を過ぎたあたりから目が見えにくくなっているように感じた
13歳くらいでは散歩の距離もこなせなくなった
食べる量は変わらなくても太らなくなった
爪が変なのび方をするようになったのも散歩不足からくるものだろうか?
14歳くらいでは、前触れもなく、踏ん張るでなく、突然排泄するようになった
ぼけているのか?我慢が出来ないのか?そしてそのうんこを踏みつけて過ごすようになった。
俺たちはこまめな散歩、掃除に気をつけるようにして面倒を見た。
今年の初め頃かな?
やけに食欲が細り、いつものドックフードを食べなくなった
よく、嘔吐していた。
心配で病院に連れて行く
すると、陽性ではあるもののポリープが内臓にあるとのことだった。
手術はせず、薬とはきけ止めを頂き、老犬に適した高級な餌をあげなさいと言われた。
効果はてきめん!
餌も食べるし元気になった。
エンゲル係数が爆上がりだが、やっぱりポチは元気な方がいいに決まっている
安心した。
そんな最中の今年1年、普通に年を越せるだろうと思っていたのに・・・
いってしまったポチ
今、眠るように横たわるポチを見てもなんともないが
犬小屋やポチグッズを見ると涙が出る
ポチのトップファンであるKさんがやってきた
亡くなった事を知らせるとわざわざ来てくれた
お花を手向けてくれた
最近ではKさんと会っている時が一番元気で嬉しそうにしていた
火葬に一緒に行きたいと話す
母と、Kさんと2人で行ってもらうことにした
おまえはモテモテやな、ポチ
別れは突然やってきた
分かるだけでも1時間ほどは痙攣していた
最後は力尽き、文字通り息を引き取った
今まで、猫や犬を飼ってきたが
絶命の瞬間に立ち会ったのは初めての経験だった
かわいそうだった。辛そうだった。
最後まで死ぬまでポチを通じて命の大切さ、尊さ、老いると言うことを教えてもらった。
あと10日で終わる2021年、令和3年、最後にこんな悲しい大事が起こるとは思わなかった。
今日からめんどくさい散歩も、うんこの片付けも無い
だがポチのかわいらしい姿も、朝、通勤したときのお迎えもないのだ。
迎える新しい年も、それは無いのだ・・・。