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ザクとは違うのブログ一覧

2025年12月26日 イイね!

重巡鳥海の製作(艦橋の工作その7)

前回ブログでは艦橋の上層階で寸法誤りがあったところまで報告しました。
これまでずっと図面通りの寸法で作ってきて、経常的にもフォルム的にも自分史上最高の状態で作業が続いていましたが、ここへ来てまさかの図面の寸法違い。
しかも誤っている図面は下の階だったので、これを作り直すとするといよいよいつになったら完成するか分からなくなってしまいます。スクラッチなので作り直せば?という自分の声を必死に抑え込み、天蓋部分を図面とは異なる寸法で作り直すことに決定。

これによって測的所の前面窓のラインが少し鈍角になってしまいましたorz
しかし一応これで各階の積み上げは終了。
全体を筆塗りして写真撮影すると…


おー、これぞ鳥海の艦橋!
高雄型新造時のまさに城郭のような姿がしっかり再現されています。
この瞬間、超嬉しくなってしまいました♪
ここまで来るのに3か月。
長かった…。
でもそれだけコダワリが詰まりに詰まった艦橋は、眺めているだけでご飯三杯おかわりできそうです。そんな気分を全身で感じつつ、作業部屋で一人でガッツポーズを何度も作ったのは内緒です(笑)

でもまだもう少しやることがあります。
ジオラマでは海戦後半を再現しますが、戦闘中に旗甲板へ着弾したことから旗掛けが破壊されましあ。
このあたりの記録はその瞬間に旗甲板にいた丹羽文雄氏による小説「海戦」に記載があります。

また「軍艦鳥海ツラギ海峡夜戦」(戦闘詳報)でもこのような記載が見られます。


ちなみに「日本の巡洋艦」(グランプリ出版)に旗掛けの構造イラストが掲載されていました。

1/700ではここまで厳密な形状を再現できませんが、被弾による破損状態の雰囲気くらいは再現できそうと思ったので、ファインモールドのエッチングてすりと0.2mm針金を使ってなんとなくそれっぽくしてみました。


そして艦橋最後の作業は背面に延びる給気口。

この写真を見る限りなかなか複雑な形状のようなのでプラバンから削りだすのは厳しいと思われたので、エポパテで整形することにしました。

このあと、さらに小さなディテールをいくつか追加し、これをもって鳥海艦橋の完成です。
いやぁ、本当に長かったですが、自分なりに満足のいく形に出来たと感じています。
新造時高雄型艦橋を1/700でフルスクラッチした例はあまり多くないと思われますが、実際に作ってみて感じたのは、床面や壁面が非常に複雑かつテクニカルに構成されていることと、巨大と言われる艦橋を少しでも小さくしようとする努力があちこちに感じられたことです。これはスクラッチした者が特に強く感じる部分ではないかと思われ、そうした感想を持つことが出来たのはスクラッチという選択をしてよかったなと思いました。

引き続きミジップの製作に移ります。
前煙突両側には機銃座が設けられているので、その形状を調べました。総ざらいの鳥海図面とシコルスキー図面では以下のように描かれています。

いずれも右舷側には洗濯機室がありますが、左舷側は機銃座のみです。また、高雄と長会では洗濯機室の平面形状が異なるとされています。
フジミのキットでは両舷とも機銃座後ろに構造物があることになっていますね。

次に写真でこれらを確認します。


右舷側の洗濯機室の形状は↑の写真に書き込んだようなものであると考えました。これに対して左舷側はあまりはっきりとした写真が見当たりませんでしたが、↓の写真を見る限り、機銃座の後ろに何らかの構造物があるように見えます。


さらに総ざらいに掲載されたこちらの写真では、機銃座後ろにキャンバスで包まれた何かが置かれていますが、そのキャンバスが機銃座床面とほぼ同じ高さまでで終わっています。これは包まれた物が機銃座後ろの構造物の天井面に載っているということではないかと考えると、先ほどの左舷側の写真に写っている「何らかの構造物」と整合することとなります。これらのことから、今回は「左舷側にも右舷側同様の構造物がある」として模型化することとしました。
ということで作ったのがこちら↓

機銃座とその後ろの構造物の裏はリノリウム歩行帯があるので、これを避けるような背面形状としてあります。また左舷側の構造物は右舷側よりも若干小さめにしてみました(特に明確な根拠なし)。しかし何のための構造物なのでしょう…。

前煙突後ろの支え基部の両側には排気口がありますが、その部分に金属メッシュを入れてみたところ精密感がぐっと上がりました。同時に私の気分もぐっと上昇(笑)
調子に乗って艦橋両側の排気口にも同様に施工してみました。

おー、なんかいい感じ♪

しかし、高雄型はミジップも複雑な構造ですね…。
Posted at 2025/12/26 19:32:53 | コメント(3) | 艦船模型 | 趣味
2025年12月25日 イイね!

メリークリスマス2025

12月に入ってすぐの頃に上の娘から連絡が。
娘:今度、ピアノ演奏するんだけど、現地まで連れてって。

場所は愛知県大府市役所ロビー。本番はクリスマスイブ当日です。
もちろん二つ返事でOKしました。
大府市では毎週水曜日は遅くまで窓口を開けており、その待ち時間でピアノ演奏を楽しんでもらおうという企画のようです。たまたまとはいえイブに重なったのはラッキーですね。

演奏は18時開始。娘を拾って1時間半ほどのドライブを経て現地到着。
そして演奏開始です。





全6曲の間、一部の聴衆の方は娘の演奏の様子を撮影されていました。
また、上階から覗き込む姿も。


子供の頃からピアノ教室に通い、今ではいちばんの趣味にまでなり、これからもずっと弾き続けていくであろう娘の譜面無しで演奏する様子は、心から演奏を楽しんでいるように見えました。
6曲弾き終えてまだ少し時間に余裕があったので、数曲を追加で弾かせてもらえたので、娘も満足度が高かったようです。しかしその場で弾いていいよと言われて、譜面もなしで即興で弾いてしまうとは。すごいぞ、娘!
その後スタッフの方からお声掛けがあり、別の大きな会場で演奏会をしませんかというお誘いがあったそうです。なんと光栄な!

演奏について聞くと
「緊張したからペース配分がうまく出来なかった」
「久しぶりに人前で弾けて楽しかった」

などと、ニコニコしながら嬉しそうに語ってくれました。
よかったね♪

終了後は一緒にピザ屋でディナー。
普段は別々で生活しているので、会話も自然と弾みます。
娘はいろいろと大変な日々を過ごしていますが、彼女なりに一生懸命頑張っているのだなというのが伝わってきて、親としては少し安心しました。

そしてもう1つ。
プラモデルメーカー・アオシマさんから私にクリプレが届きました!




「楽プラのクリスマスプレゼント」という企画を偶然目にしたのでダメ元で応募したら当選という超ラッキー!
アオシマステッカーはちょうど欲しいなと思っていたモノ。車に貼ろうと思います♪楽プラは作ったことがないので、年末年始に楽しもうかな♪
(K冊車両はいろいろと思いがあるので、作らないかな…w)

今年もあと1週間というタイミングで、豊かで気持ちの良い時間が過ごせました(^ ^)
Posted at 2025/12/25 20:45:11 | コメント(2) | 家族 | 暮らし/家族
2025年12月20日 イイね!

重巡鳥海の製作(艦橋の工作その6)

艦橋の製作はまだまだ続きます。
鳥海の羅針艦橋窓枠は上下二段と少々特殊で、汎用の窓枠用エッチングパーツでは再現できないので、ファインモールド社の高雄型用エッチングを購入しました。側面には半円型の出っ張りがあるので、エッチングをうまく曲げてやる必要があり少々苦労しましたが、窓枠を立てる壁面を図面通り作っていたおかげで寸法は割とバシッと合いました。気持ちいいですね♪


羅針艦橋内に12cm双眼望遠鏡や縦羅針儀などを設置。望遠鏡はベテランモデルのレジンパーツを使用していますが、縦羅針儀は手元になかったので単なる伸ばしランナーです。どうせ見えなくなるので雰囲気重視で(笑)

舷灯については、新造時は上部艦橋甲板に設置された3.5m測距儀の少し前あたりでしたが、機銃台増設後は羅針艦橋脇の1.5m測距儀台に移設されたようです。
併せて、旗甲板両側にある手旗信号台も設置します。同信号台は高雄では真横に突き出るように設置されていますが、鳥海では斜め後ろ向きに設置されていることが写真から分かるので0.1mmプラ板で作った架台の上に3Dプリンター製の信号台を載せました。



ここから更に発射指揮所や測的所などの層を積み重ねていくことになりますが、これまた複雑な形状で、シコルスキー図面やスーパーイラストレーションなどから構造を読み解くのにさんざん苦労しました。
まずは発射指揮所をプラバンで組み上げて、汎用エッチングで窓枠を設置。

さらに指揮所前天蓋部に遮風装置(?)を設置しました。装置裏側にはプラペーパーで三角ステーも付けたのですが、一部は接着剤で溶けてしまったようです…


続いて測的所も同様に作りますが、測的所の上に乗る主砲射撃所との取り合いでまた悩みだしました。それは後端の形状です。

このイラストにあるように、発射指揮所と測的所の後端はひとつのラインで繋がっていますが、その2層を隔てる屋根が側面に設置されます。これをどう組み上げるか…。
2層を別々に作って積み重ねると後端のライン合わせに苦労しそうですし、かといって全体を一つのパーツとして作ろうとすると屋根の後端付近にRを付けて壁面と合わせるのが大変そうです。さて、どちらにするか…。
これまた長く悩んだ挙句、2層を別々に作り、それとは別に屋根を1枚板で作って、その3つを積み重ね、後端部はプラバンの細切れで(気合で)整形するという作戦にすることとしました。

もう一つ悩んだのが窓枠。

側面の窓枠は羅針艦橋同様上下二段になっていますが、測的所の前面は二段ではないようです。しかし先ほどの高雄型用エッチングに入っている窓枠は面ごとの長さも合わず、しかも段数も誤っていました。これは困った…。
高雄型用窓枠エッチングはモデルアート社からも出ていますが、さすがにこれだけのために数千円を払うのは躊躇われます。
手持ちのエッチングを漁っていると上下二段の窓枠が海魂商品に含まれているのを発見!側面はこれを使うことにしました。しかし前面は汎用では高さ(1.7mm)が足りません。悩んだ挙句、0.19mm金属線を使用することにしました。
そしてようやく工作開始。

完成後のジオラマでは左舷方向の敵艦に主砲を向けている場面を再現する予定なので、測距儀等はその方向を向かせてあります。
そしていよいよ射撃指揮所と屋根と測的所を積み重ねます!

なんと…測的所窓枠のラインとその天蓋のラインが合いません…orz
いずれも図面通りに作ったはずなのに…と思いつつ、改めてシコルスキー図面を図り直してみると、図面上の寸法に整合が取れていないと判明。参りました<(_ _)>
ということで、作り直しとなります…
艦橋、いつになったら完成するのかな…
Posted at 2025/12/20 17:48:04 | コメント(3) | 艦船模型 | 趣味
2025年12月09日 イイね!

ロケット開発エンジニアの宇宙教室

現在、豊田市博物館で大好評開催中の「深宇宙展」

開館前でも長蛇の列が出来ています。

その豊田市では関連イベントを多数開催中で、先日もトヨタ自動車のエンジニアによるトークショーを聴講しました。
そして今回はロケット開発エンジニアによる講演会へ。
先日のトークショーが子供向けだったので、今回もそうだろうと思っていたらやはり(笑)
会議室には多くの机と椅子が並び、その最前列の椅子のみの席は子供の優先的席という仕切りでした。
講演者は2名。JAXA子会社のベンジャミン・ブランチという会社の方と、宇宙タレントの黒田有彩(くろだありさ)さんです。
まずは黒田さんが自己紹介して爆笑を誘い、続いてベンジャミンの方も。普段から子供向けの教室などをやっているそうなので、お二人とも上手にしゃべります。

この日のテーマは「なぜ月に行くのか」「ロケットはどうやって打ちあがるのか」の二つ。
まずは月についての説明で面白かったことを書き連ねます。
・潮汐ロックはなぜ起きるか
月が常に地球に同じ向きで自転する状態となるのが潮汐ロックです。月の重力によって潮の満ち引きが発生しますが、地球の重力によって月の自転が遅くなることによって発生するとされます。
・月の裏側はなぜボコボコなのか
3Dプリンターで作った月の模型が会場内全員にまわされました。

確かに裏側は「海」がありません。
しかし結論としては「よく分からない」。
ただ、多くの隕石は地球の重力に引かれてくるので、地球側を向いている月面に隕石が落ちようとすると先に地球に当たる確率が高くなります。もう1点は、潮汐力によって地球側の月面(及びその地下)は流動性がより高く、反対側はより低いため、地球側は隕石衝突跡が消されていくことになります。
・月面でジャンプするのはすごく危険
アポロ計画の宇宙飛行士が月面で時間ができたので試しにジャンプしたら、より重量のある背中から落ちて生命維持装置が壊れてしまい、危うく死にかけたそうです。
漫画などではジャンプする様子が描かれることもありますが、実はすごく危ない行為のようです。
・アルテミス計画潰しは対策済み
NASAは、トランプ氏の大統領返り咲きによってアルテミス計画がキャンセルされるかもしれないと恐れ、安易なキャンセルが出来ないよう、各国との約束をつけておきたいと考えました。その結果、計画策定の前に関係国との間で「アルテミス合意」が先に形成されました。
しかしそれでもNASAの予算は大きく減らされ、計画の先行きに暗雲が漂っています。そうした状況を受けての前回のトヨタ自動車のトークショーでした…
・アルテミス計画とは
計画では月に拠点を作るとともに、月と地球の間にゲートウェイ(中継点)を構築することになっています。ただ、各国でやりたいことは違っていて、NASAは火星に行きたい、日本は月に行きたいなど、温度差がいろいろとあるようです。

次のテーマはロケット打ち上げについて。
・ロケット打ち上げ映像
当日はH3の8号機打上げ日だったのでその場でライブ中継を行う予定でしたが、機器の不具合で打ち上げが延期されたので、過去のH3ロケット打ち上げ映像が大画面に流されました。この時も子どもたちは大喜び♪
国際宇宙ステーション(ISS)の話も出ましたが、星出宇宙飛行士はものすごくお酒に強いそうですw
また若田宇宙飛行士はISSでの一日2時間のトレーニングがすっかり習慣となった結果、地上でもどこへ行ってもトレーニングしないと気が済まないようになってしまったそうですw
・風船ロケットの実演
黒田有彩さんの作った風船ロケットを飛ばす実演をしていましたが、すごい勢いであちこち飛び回るのかと思いきや、ゆーっくりと垂直に上がっていきます。
これはすごい。
材料は100円ショップで売っているものばかりとのことですが、特に垂直に上がることは実際のロケットでもかなり神経を遣う部分で、事実、H3ロケット1号機ではそれがうまく行かずに指令破壊されました。
・ロケット発射ボタンは誰が押すのか
「誰も押さない」「機械でプログラミングされたタイミングで発射される」というのは以前から知っていましたが、講演では「発射ボタン以外に押すボタンがあるが、それは何か」と問われていました。子供たちからはアイデア溢れる意見がたくさん出ていましたが、正解は「準備完了ボタン」だそうです。

ロケットのリフトOFFまでには多くのステップがありますが、天候、周辺環境、機器の状態など様々な条件が整って発射のための準備が完了したと判断されるとそのボタンが押されるそうです。これは知らなかった…。

先にも書いたように、講演のあいだ中、子供たちは講演者2名にずっとしゃべり続けていました。時折講演者から質問が出ると当てられてもいないのに我先にと答えを喋り出す始末(笑)
しかしその答えが正しく、しかも大人顔負けのマニアックなフレーズが出てくるのです。
「それって第一宇宙速度でしょ!」
「月には空気が無いから喋る時に困るよね!」
などなど。
会場には本当に宇宙のことが好きな子供たちが集まったのだなと感じると同時に、その積極的な姿勢に「なんてかわいいんだろう♪」と思ってしまいました。
講演の最後にベンジャミンの方がボソッと言ったのは「こんなやりにくい講演は初めてです」と。しかしこれはネガティブな意味ではなく、質問したことへの子供たちからの回答が正解ばかりだったので、そのレベルの高さに驚いたという意味でした。
来場者の大半は豊田市内の子でしたが、私のすぐ前に座ったカップルの女の子は、講演中、終始メモを取り続け、隣の男性と楽しそうに会話していました。

このカップルの例にみられるように、基本的には子供向け講演であったものの、そこかしこに大人でも楽しめる情報がちりばめられており、大変よくできたプログラムであると感じました。
はやぶさ初号機の感動的な帰還をテレビで見て、それをきっかけに勉強を始めた小学生が今ではJAXA職員になったという例もあるとか。
あの会場からもそうした子供が出てくるといいですね♪
Posted at 2025/12/09 19:40:28 | コメント(1) | 宇宙ネタ | 趣味
2025年12月05日 イイね!

重巡鳥海の製作(艦橋の工作その5)

羅針艦橋両脇には1.5m測距儀や見張り方向盤のスポンソンがあります。まずはその位置や形状を実艦写真でチェック。



つい先日発見された戦前の鳥海の動画も確認したところ、右舷側の信号灯スポンソンにはブルワークらしきものが見られます。

シコルスキー図面にはそのように示されていませんし、冒頭の鳥海の写真(S13年時)にもブルワークはありません。ソロモン時にはどちらだったのか?引き続き写真を調べると、次のようなものが出てきました。

これを見るとブルワークはないので、動画撮影時はあったがその後撤去されたと考えられます。これらを踏まえてスクラッチしました。

二段になった各層が非常に複雑な形状をしており、しかも左右で形状が異なるので、調整と作り直しを繰り返したため右舷側を作るだけでまる3日、左舷側でもまる1日かかりましたorz
さらにこれらを取り付けると羅針艦橋の前面ブルワークの高さが0.5mmほど足りないと判明したので、その作り直しも併せて施工。なんだか今回の工作はこうした手戻りが頻発しています…。

前回ブログでは艦橋両側に13mm連装機銃が増備されたと推定しました。同機銃はナノドレッドからパーツが出ていますが、実はパッケージのイラストどおりにパーツが作られていないと判明!同じ13mmでも三連装だと本体両側に射手の座席がありますが、連装は本体後部にひとつだけです。しかしパーツは三連装と同様のフォルムとされています。

小さなものなのでこのまま使う手もありますが、どうにも納得がいかなかったのでスクラッチしました(笑)

めーちゃくちゃ小さいユニットなので銃身は0.1mm金属線を使いましたがすぐに曲がってしまうので、工作は慎重を極めました。しかし、これを機銃台に載せてみると…

機銃上方が狭すぎて、仰角をかけての射撃ができません!
測距儀等スポンソンはこの位置で間違いないので、機銃台取付位置の不良と考えられます。よって再度調べ直し。鳥海以外の高雄型は先ほどの位置に13mm連装機銃を設置していますが、そのタイミングは艦橋上半分を縮小した時です。つまり機銃上方がかなりクリアになっているので、仰角をかけた射撃に問題はありません。しかし鳥海はその工事を行っていないので、今回の問題となったわけです。
単純に考えれば機銃台の位置を下げればよいことになりますね。ということで調べ直すとこんな写真が出てきました。

確かに少し低めの位置に設置されているようです。
ネイビーヤードVol.51の内山氏作成鳥海(捷一号作戦時)でも同じ位置に取り付けられています。では機銃台の平面形状も同氏作成の図面から割り出せるのではと考え、その通りに作って仮置きしてみました。


んー、だいぶデカいな…。ちょっと違和感強めです。
考えてみると捷一号作戦時にここには25mm三連装機銃が設置されていました。連装と三連装では機銃のサイズや重量がかなり違い、操作人数も異なります。よって三連装銃座は広く作る必要があるわけです。そんなことを考えているうちに「ここには本当に13mm連装が設置されていたのか?」と再び疑問を持つようになりました。というのも先ほど上げたS17年の鳥海画像で確認できる銃座は13mm連装のものとしては大きすぎるのではないかと感じたからです。
すると、Xのとあるフォロワーさんからこんな情報が↓

福井静雄氏の私刊本にある資料だそうです。これは貴重!
これを見ると鳥海にはS17年末時点で25㎜連装機銃が6基装備されており、そのうち2基はS17年中に13mm連装から換装されたことになっています。ということはその2基が艦橋脇であることはほぼ間違いありません。
しかし!
同じ表の中で7.7mm単装機銃が2基あることになっています。
高雄型の同機銃は新造時に第一煙突両側スポンソンへ設置されたものですが、高雄愛宕では近代化改装の際に25㎜連装に換装されており、これは写真でも確認できます。

となると、この資料自体の信ぴょう性が…とも思ってしまいますが、鳥海に関しては近代化改装がされなかった(高角砲は12cm単装×4のまま)ため対空兵装強化の必要性は高雄愛宕より高いとされたようで、その点ではS17年5月の機銃増備は13mmではなく増備6基とも25㎜だったと考えることに無理はないように思いますし、S17年の艦橋脇機銃座のサイズが大きめであることとも整合します。
さて、ようやく機銃台の取り付けに移ることが出来ます。やれやれ。
いったん製作した内山氏図面ベースのスポンソンは戦時急増の直線基調の形状ですが、S17年でその形状とすることには違和感があります。25mm連装は煙突両側などにも設置されたので、サイズや形状はこれを参考にします。その形状は円形の前端が少し切り欠かれたもの。
そしてその下につくステーは内山氏作品では角型一本棒とされていますが、先ほどのS17年の鳥海写真をカラー化したものを拡大すると…

スポンソン両端に三角ステーが付いているように見えます。これらの考証を踏まえて、このように作ってみました。

いやー、艦橋脇機銃台だけで1か月近くも交渉を重ねることになるとは(苦笑)
次回はさらに艦橋のフロアを積み上げていきます。
Posted at 2025/12/05 20:49:32 | コメント(1) | 艦船模型 | 趣味

プロフィール

「重巡鳥海の製作(艦橋の工作その7) http://cvw.jp/b/488285/48837768/
何シテル?   12/26 19:32
模型工作とキャンプが大好きなヘタレをやぢです。 私がフォローする方には2種類あります。 一つは「以前からのみん友さん」 もう一つは「ちょっと興味を持っ...
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