
今回は考証中心です。
前回までに艦橋の工作を終えていますが、その後実艦写真を眺めていると…

測的所の窓の高さが3段に分かれていることを発見!
今さら修正するようなことはしませんが(爆)
さて今回の本題は後部艦橋です。
キットのパーツはこんな感じ。
このフォルムが正しいかを、僅かに残された数枚の写真から検証します。1枚目はこちら↓

後部艦橋を拡大したのがこちら↓

頂部にある方位盤照準装置の下に小さな部屋が作られていますが、この写真を見るとその部屋の前面には凹みがあり、後端には張り出しがあるように見えます。また青枠の部分には何かが置かれているようです。
もう1枚の写真はこちら↓

こちらはほぼ真横からの撮影という違いがありますが、前面には凹みではなく凸部があり、後端の張り出しは無いようにも見えます。またその前後には何かが置かれているようです。
うーむ、凹みと張り出しはあるのかないのか…。
戦後に撮影された写真を拡大したのがこちら。

こちらでは前面の凹みの有無は分かりませんが、後端の張り出しはありません。むしろ方位盤照準装置の代わりに置かれた探照灯の両側に小さな張り出しが見られます。
また、部屋の窓は左右にあるだけで後面には無いことが分かります。
うーむ、これをもって先の2枚の写真を完全否定していいのか?
探照灯への換装の際に張り出しの位置を変えた可能性は無いのか?
そんなことを色々考えているうちに、こんなことに気付きました。

キットの方位盤照準装置は高すぎると判明!
そうなると後部艦橋とその上の部屋の高さも疑いたくなってきました。↑の写真では飛行機作業甲板の高さと後部艦橋の高さは同一で、その上の部屋の後ろに何か置かれているのか少し高くなっているように見えます。
キットでは飛行機甲板と後部艦橋はほぼ同じ高さとなっているので、方位盤照準装置の位置を下げようとするとその直下の部屋の天井高がほとんど取れなくなり、人が入れるスペースにならなくなってしまいます。
それはおかしい…。
ということは、キットの飛行機甲板が高すぎるのか?
そう思って、3番主砲の高さやカタパルト台の高さも含めて総チェックを行いましたが、どうやらそれらはいずれも問題ないと判明。
ここで更に悩ましい情報を目にしてしまいます。
それは日本帝国海軍全艦船(巡洋艦)にある改装後青葉の平面図です。

パーツは後半部の幅が狭くなっていますが、平面図ではむしろ広がっています!
ウキャー!
既に大パニック…
一気にモチベがガタ落ちとなったので、いったんこの件を考えるのをやめました(笑)
数日後、近代化改装前の後部艦橋にあった部屋は改装後もあるはずと思い立ち、資料をめくりなおしました。

これだけの部屋を同程度の面積で確保しようとすると、後半部を狭くするということはないと思われました。また、後部艦橋天蓋には様々な機器が置かれているようなので、これも改装後は同様だったと考えられます。
試しに改装前平面図を1/700にしてパーツと比較してみました。

やはりだいぶ狭い。
戦後の青葉の写真を改めてよく見直してみると探照灯台の張り出しと思われるものがちらっと写っています。

丸いぞ…。
さらに「確か戦後に米軍が撮影した青葉の動画があるはず」と思い出しました。その映像チェックの結果がこちら↓

探照灯両脇の張り出しはやはり円形のようです。そして同時に判明したのは探照灯下の部屋の角は丸めてあるということ。直角じゃないのか!
では古鷹型はどうなのかと思って調べてみると…

丸めてあるようです。
これらを踏まえた考察はこちら↓
キットパーツの後部艦橋は高さが約5mmありますが、一般的な天井高は3~3.5mmくらいなので、高すぎます。方位盤照準装置の頂部高さを後部煙突の頂部から1/3あたりまで下げようとすると、同装置の台となっている部屋の高さがほとんど取れなくなるので不合理。よって後部艦橋と台となっている部屋の高さをそれぞれ3.5mmとすると方位盤照準装置の高さがちょうどいい具合になります。
16年10月の写真では後部艦橋天井面がもっと高く見えますが、それはその面の上に様々な装置が配置されているのが原因であろうと考えました。
・後部艦橋平面は長方形だが、後方5mmは後マスト支柱2本との位置関係を考慮して0.5mmずつ広げる
・後部艦橋の高さは他の構造物の高さと同程度の3.5mm
・方位盤照準装置直下の部屋の高さも3.5mmとし、四隅の角は丸める
・同部屋の張り出しは方位盤照準装置周囲に円形で設置
・同部屋の窓は左右後半部のみ
実は今回の製作にあたってヴァンガード工房さんの青葉製作記事を参考にしていますが、同記事では本ブログの最初の方に上げた写真を基にして方位盤照準装置直下の部屋の後方に張り出しを作っています。今回これを採用しなかったのは、その張り出しの必要性が不明なことと、戦後写真でその張り出しが無く、探照灯換装時に張り出しを撤去したと考えるのは少し無理があるのではと考えたからです。
とはいえ私の考証結果も確実な証拠に基づいていない部分があるので、ヴァンガード工房さんの考証を否定する気は全くありませんし、あくまでも一つの考え方を提示しただけというつもりです。
ということでかなりの紆余曲折がありましたが、漸く工作に移ることが出来ます(笑)
そして作ったのがこちら↓

縦舵機調整台や巻揚げ機などは後日設置予定です。
米軍の映像では魚雷発射管も写っていました。

発射管の円形台座は発射管波除けの高さの半分程度です。また発射管先端は匙状ではなく直線的に切られています。
よって、パーツをそのように調整。
次に取り掛かったのは飛行機甲板。
こちらは戦後の写真から次のような点が判明したので、その再現を行いました。
いやー、この数週間は後部艦橋の考証で本当に疲れました。しかしその過程でいろいろと収穫もあったので、結果的にはよかったかな。
次回は中央機銃台やカタパルトなどを手掛け、その後主砲、マストなどへ移行する予定。今月中に完成するか?
いや、ジオラマ化が進んでないぞ…orz
Posted at 2026/07/05 12:31:02 | |
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