今回の一人旅企画のきっかけは「艦船模型合同展示会へ参加」でした。
この展示会は2年に一度開催される大変大規模なもので、
前回は横須賀で開催されものすごい大盛況でした。
今回の開催地は島根県松江市。
遠い…。
すごく遠い…。
なので参加するかどうか少々迷いました。
しかし私の模型工作のメインジャンルがガンプラから艦船に移り、最近は作品が世間で少しずつ評価されるようになり、数年後に迫ってきた「退職後」の生活の軸の一つに模型工作を据えられそうな感覚も持てるまでに至ってきたので、やはりここは行っておくべき!と考えました。
本番当日は10月3日・4日の土日2日間。会場は島根県立美術館です。

一般客の開場時間は10時ですが、出品者は9時から入場可能なのでその時間にバックヤードから入ると、既に多くのモデラーが作品を並べながら会話を楽しんでいました。
私も少し慌てながら設営開始。
今回は個人の卓に加え、所属サークル
「ちっちゃいもの倶楽部」の一員としても展示します。個人宅はこのような展示。

第7次オルモック輸送梯団と第1次ソロモン海戦三川艦隊のジオラマです。
サークル卓では終戦直後の
小笠原捕鯨船団ジオラマ(ろうがんず杯2025本選出場作品)を展示しました。
漸く設営を終わった後はサークルの方々と雑談タイム。
とはいえ入ったばかりのサークルなので、ほとんどの方の顔も名前も分かりませんorz
そうこうしているうちに開場となり、早速多くの方が入場してきます。
まずは個人卓の後ろに座り、来場者を待ちます。
すると次々と見に来てくださり、特に私の作品に興味を持ってくださっていると見受けられた方には恐る恐る作品の説明をしてみます。
「おー、すごい。リアルだねー」
「これはどのように作ったんですか」
見に来られた出品モデラーの方とはマニアックな会話を楽しむとともに、技術面などの情報交換もしました。
超スーパー神様モデラー・鳶色2号さんからも声を掛けられたのは驚きました。
鳶色2号さん;
今度、所属サークルの展示会をやるので、ザク違さんも参加しませんか
ザク違;
いやいやいや、鳶色の会は神レベルの作品がずらりと並ぶ世界なので、私が行くべき場所ではありません!
鳶色2号さん;
そんなことはないですよ。事前アナウンス後には『初心者ですが参加できますか』などのお声ももらっています。ザク違さんのような中堅モデラーにも出てもらいたいと思っていますよ
ザク違;
ありがとうございます。恐縮です。
要検討ですね…。
その後は製作方法のご指導をいくつか頂きました。
鳶色2号さんは自分の技術を積極的に開示される方針なので、私の素人質問にも大変丁寧にご対応いただき、大変参考になりました。ありがたや…。
さて、空いた時間には他の作品も見て回ります。
どれもこれも超絶作品ばかり。
全てを紹介しようとすると無限に近い紙幅が必要となるので、何人かの方だけご紹介します。まずはkoimaさん。この方はモデルアート誌などのライターとして活躍されています。

先日発売された「艦船模型スペシャル」No101の表紙になっている作品です。
基本的にはキットを尊重しつつ、必要に応じて適切なディテールアップを行うという作風ですが、どこにも破綻が無い素晴らしい作品で、さすがプロモデラーといった印象です。
ザク違;
この作品の製作期間はどのくらいですか。
koimaさん;
3か月ですね。他の作品もそのくらいです。
ザク違;
このクオリティで3か月ですか!すごいペースですね。
koimaさん;
まぁ、あまりあちこち弄ってないですからね~。記事の締め切りがあるので、それに間に合わせないといけないので。
ザク違;
作例製作に時間を取られてしまうと自分の作品を作る時間がないですよね。
koimaさん;
そうですね。隙間時間を使ってちょっと作るくらいですかね~。
koimaさんの作品は非常に端正に作られているという凄さもありますが、私はむしろジオラマの場面の作り方に注目しています。例えば先ほどの雑誌表紙作品では海をブラックで塗っています。koimaさんいわく、場面が冬の夜なので黒にしましたとのことですが、一般的に海=ブルーというイメージが強いので、黒で表現するには少々勇気が要る気がします。しかしそれが見事に作品として結実している。まさにkoimaさんのセンスの賜物と感じます。
他の作品はこちら↓

いずれも単なるブルーではなく微妙なグラデーションと絶妙な色使い。
これは模型作品という概念を超えて、絵画とも感じられる素晴らしい作品だと感じました。永久に追いつけない目標です。
つぎは新進気鋭の若手モデラー・やまゆきさん。
昭和20年4月の戦艦大和を中心とする沖縄会場特攻の一部始終を独特の方法でプレゼンされていました。
ザク違;
この展示方法は大変印象的ですね。漢字2文字でアイキャッチを作り、それぞれのフネを説明するというのは素晴らしいです。
やまゆきさん;
ずっと温めてきた方法です。どのフネでも1隻1隻にドラマがあるので、それをどう表現するか考えた結果の展示方法です。
ザク違;
何よりそのドラマが見えるのがいいですね。
やまゆきさん;
そこはザク違さんの作風と同じで、意識している部分です。それぞれのフネの向きも左向きが沈んだフネ、右向きが生還したフネにしています。
ザク違;
なんと、そこまでの演出を考えておられたんですね。深いですね…。
やまゆきさん;
ありがとうございます。
私のオルモック輸送部隊も第一次ソロモン艦隊も、5つのジオラマで時間の流れを追うことができるように構成してあり、同時に戦争の悲惨さや生き残るための補給の大切さを訴えるものとして作っています。
その点をやまゆきさんは理解してくださっていて、展示手法こそ違えど、根本としての方向性は同じものがありますねと意気投合することができました。
そしてギミックキングモデラー・大佐さん。

1/350駆逐艦浜風ですが、この作品は海面がモーターで波打つだけでなく、3基の主砲と2基の魚雷発射管が連動して左右に旋回し、さらに羅針艦橋、その両側の舷灯、煙突直後の探照灯、後マストの速力信号灯がいずれも電飾されているという超絶ギミック満載の作品です。
ザク違;
すごい作品ですね。特に速力信号灯が別々の色ですべて点灯しているのに驚きます。6個のLEDということは12本の配線があるはずですが、どこをどう通しているのですか。
大佐さん;
あー、これは後マストの三脚にそれぞれ4本ずつ通しましたね。
ザク違;
この細いマストの中に…。すごすぎますね。
大佐さん;
せっかく作るなら色々とギミック仕込みたいじゃないですか。その方が楽しいしね。
大佐さんは海自出身者なのだそうで、その後の会話では船の係留方法やタグボートの操船など、現場の人でしか知り得ないような情報をたくさん聞かせていただきました。ありがたや…。
こうしてあっという間に1日目は終了。
実はその日、NHKの地元局が取材に訪れており、その放送が夕方にありました。
そして2日目。
開場直前に主催者からこんな案内が。
「昨日、NHKニュースでこの展示会が紹介されました。この地方ではテレビの影響力は絶大なので、今日はより多くの方が来場されると思います。よろしくお願いします。」
ほー、そうなのか。でも艦船に興味を持つ人なんて、そんなにいないでしょw
などと軽く考えていましたが、とんでもない!
前日に比べて明らかに多くの一般来場者が次々と来られるので、その対応で大わらわ。
老若男女様々な方が来られましたが、中には
「私の親族が旗風という駆逐艦に乗っていたらしいけど、細かいことは分からんのだよね」という方もおられ、私の作品・夕凪を示しながら
「これとほぼ同じ型の駆逐艦です」とお伝えすると
「おー、そうか。ありがとう!」とおっしゃられました。
また我々世代くらいのご夫婦は、ご主人の方のご親族が駆逐艦初霜の関係者だったらしく、それをその方が知って以降、初霜のことを色々と調べられているとのことでした。
私が、初霜が宮津湾で着底した場面を作る将来計画を持っているということをお伝えしたところ、奥様は京都出身とのことで、3人での会話がひとしきり盛り上がりました。
とある奥様が私の輸送艦ジオラマを熱心に見ておられたのでご説明差し上げると…
奥様;
実はあそこにいる私の子供が自衛隊の船を作りたいと言っているんです。
指さされた方を見るとまだ小学校高学年くらいの女の子と思しき子が。
ザク違;
そうですか…。実は私の作品は戦争の悲惨さなどをテーマにしています。軍艦はカッコいいという見方もあると同時に人殺しの兵器でもあるので、そうしたことを念頭に置きながら製作しています。
奥様;
そうですよね、本当、そう思います。
ザク違;
この輸送艦は人を助けるために活躍するフネです。軍艦と言ってもいろいろありますよね。
奥様;
なるほど。娘は兵器を作りたいと言っています。本人なりにいろいろ調べたようで、海上自衛隊ではなく三菱などの企業に入るべきと分かったみたいです。
ザク違;
そうですか。作るということであれば、先ほど私が言ったようなことを念頭に置きながら、覚悟のようなものが必要になるかもしれませんね。
奥様;
そうですね…。
ちょっと説教臭くなってしまいました。気分を害されたかな…。
その後も様々な方と多くの会話を重ね、ぼちぼち撤収の時間。その日のうちに自宅へ帰ろうとすると展示会終了時刻よりだいぶ早めに出発しなければならず、撤収作業中に作品を見に来てくださったモデラーさんなどに十分な対応ができないなど、非常に申し訳ない状態でした。
その作業中、先ほど会話した奥様が子供さんと一緒に再訪されました。
奥様;
まだいらっしゃるかと思っていましたが、もう帰られるんですね。
ザク違;
すみません、これから愛知まで帰らないといけないので。ごめんなさい。
奥様;
これが先ほど話した子供です。
ザク違;
こんにちは。大きくなったら何になりたいの?
お子さん;
うーん…(かなり考えて)兵器を作る人になりたい!
ザク違;
そうなんだ。そうすると勉強をたくさんしなきゃね。頑張ってね!
お子さん;
うん、頑張る♪
奥様;
今日はありがとうございました。今日見た作品の中であなたの作品が一番感動しました!
なんと嬉しいお言葉でしょう…。
涙がちょちょ切れそうです。
その親子を見送り、サークルの方々と主催の方々にお別れとお礼のご挨拶を済ませて、帰路へ。
実は2年前の横須賀会場では
「今回はすごい人が来てたけど、今回以外はほぼほぼ終日ヒマですよ」と聞いていたのですが、NHK効果だけでなく大変忙しく、そして大変充実した2日間を過ごすことが出来ました。
個人卓には私の名刺も置いておきました。普段の展示会だとせいせい1~2枚減ればいい方ですが、この日だけで40枚以上持っていっていただけたので、大変嬉しく感じました。
次回は東京開催とのこと。できれば参加させていただきたいものです。
それにしても往復約1200kmのうち帰路は約500km。休憩を含めた運転時間は8時間半に及び、その疲れは翌々日まで残りました。

トシですかねぇ(汗)
展示会作品はフォトアルバムに収めました。
会場内の作品のほんの一部ですが、超絶作品の数々をお楽しみください。
艦船模型合同展示会2026
Posted at 2026/10/10 18:09:17 | |
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