第一次ソロモン海戦の鳥海と夕凪は完成させましたが、三川艦隊はまだ6隻もあります。
そのうち重巡の青葉・衣笠は同型艦なのでクオリティを揃えるためにも同時並行で製作しようと考えました。
キットはいずれもWLシリーズから出ていますが、青葉は対空兵装強化後の姿であること、両艦の差異がほとんどないことから、2隻とも昭和17年当時を再現した衣笠のキットを活用します。
まずは手元の資料のチェック。

これらの他に「平賀譲デジタルアーカイブ」に古鷹型青葉型の一般艤装図が公開されていますが、模型製作で参考にできる部分は限られるようです。よって写真中心の考証となりますが、問題は「2番艦あるある」。即ち衣笠の資料が極めて少ないのです。さらには両艦とも開戦後の姿を写した鮮明な写真も多くありません。そうした中で青葉の終戦後の写真が何枚か残っているのは有難いことです。よって衣笠製作にあたってもその写真を参考にしたいと思います。
ということで船体の組み立て。

舷側鋼鈑を左右貼り合わせて甲板を載せるという作りのため、それぞれのディテールが非常によく再現されています。子供のころに衣笠を作ったことがありますが、当時と比べると雲泥の差であると実感しました。すごいぞハセガワ!
とはいえ細かく見ていくと修正点や手を加えたい個所が散見されます。
まずは舷窓。実艦写真を丹念に見ながらキットと比較し閉鎖と開口をしていきます。

この作業はそのフネごとに必ず行うようにしていますが、苦労のわりに成果が報われないですね。完成品を見てもらった際に「舷窓が正確に表現されていますね」と言われたことは一度もありません…。
ただ、ハセガワキットに関してはミジップの舷窓をすべて閉鎖し、バルジ後端に2段目の舷窓を開口するだけでもかなり印象が変わると思うので、おススメです。
艦首ファッションプレートは厚みがありすぎるので、リューターで削りました。
ファッションプレートに関しては青葉衣笠の数少ない相違点の一つです。具体的には菊の紋章からその後ろのフェアリーダーまでの上端ラインが直線なのが青葉、へこんでいるのが衣笠という違いです。

この再現に合わせてフェアリーダーの膨らみも瞬着を盛り付けて表現しました。
お次は舷外電路。
青葉衣笠ともに開戦前に設置されたようですが、その正確な張り回し方が分かる資料が見当たりません。やむをえず準同型艦の古鷹を参考にします。
舷外電路は場所によって取り付け位置が上下しています。
これは舷側にあるボートダビットや係船桁などの装備品を避けるためですが、古鷹の場合、ミジップ付近でさらに一段下げている様子が見られます。なぜ…???
ということで、そこまでは下げすぎでしょと考え、青葉衣笠では2段の高さ違いで張り回してみました。

鳥海では0.3mm角棒を使いましたが、その後薄く削る作業を行ったので、今回は細切りプラペーパーを使用しました。
施工状態をとある艦船モデラーさんに見せたところ、過去の艦スぺに両艦の舷外電路敷設図が載っていると教えてもらいましたが、そこには私が施工したのとほぼ同じ位置が示されていました。さすがオレ(笑)
船体修正の最後は艦首の錨鎖甲板。
丸スペシャルNo36には青葉の艦首を映した写真が2枚載っています。

このうち2枚目は昭和17年撮影と説明されていますが、よく見るとキャプスタン台座が左右二つに分かれていることが見て取れます。
ん?と思って他の青葉の写真を確認すると、左右に分かれていません。
これは衣笠かも???
そう考えて通風筒の配置などを再確認してみると、キャプスタン台座以外にも青葉との違いがいくつもあると分かりました。調べて分かったのは「古鷹や加古とも違う」「妙高型の配置に酷似している」ということ。錨鎖の経路途中にライジングビットがあったり、錨鎖の巻き方が2個のキャプスタンの内側から外側へ回っている点はまさに妙高型。しかし3番主砲が見当たらないので、妙高型とは思われません。
やはり衣笠か???
そこで衣笠の写真を調べ直すことにしました。それがこちら↓

上から撮影した写真がないのでかなり曖昧な根拠による推測ですが、ボラードとその後ろの通風筒の位置関係から視線の角度を推定し、その上でライジングビットではないかと思われる影があると考えました。衣笠は青葉型の2番艦であり、その後建造される妙高型の配置を衣笠でテストしたという流れもあったかもしれません。
これは今まで発見されていない青葉と衣笠の相違点か!?と思いましたが、イマイチ自信が持てません。そこでXの艦船モデラーさんに尋ねてみたところ、「2番主砲上の空中線支柱の形状から、那智と推定できる」との見解が示されました。3番主砲が写っていないのは、後ろ向きの位置で旋回せずにいるということなのでしょう。衣笠から妙高型への流れについては、青葉と衣笠がほぼ同時期に建造されており、同じ図面を使用していると推定できることから、大きな仕様の違いは出ないと考えるのが自然であろうと思い直しました。
ここまで至るのにまる4日かかり、結局青葉でも衣笠でもないという結論でしたが、とりあえずスッキリしました♪
これを踏まえてキットのキャプスタンをいったん切り取ってから0.19mm針金をよじってペンチでつぶしたチェーンを取り付けました。
このあと甲板上の通風筒やリールなどの数や位置を確認して設置すれば完了となります。
わずか1週間でここまで来れたのは、ハセガワキットの優秀さゆえ。やはり新しい設計のキットはいいですね~♪
Posted at 2026/05/29 20:49:43 | |
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