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イイね!
2018年06月30日

高天神城を攻める

あれは私が高校生の頃。
歴史の先生が宿題を出しました。
「自分の先祖を調べてくるように」
父の実家に行った際に話を聞くと、どこからともなく虫食いだらけの古文書が出てきて、「ザクとは違う家はその昔、高天神城の戦いに参加し、負けて帰ってきてこの地に根を下ろしたのだ」というようなことを教えてもらいました。
翌日、家族で高天神城へ行ったことを、うっすら覚えています。

時は流れ、私ももう50。
来し方を振り返る場面も増えました。
その中でふと「高天神城を再び訪れてみようか」という気になりました。
場所は静岡県掛川市。
位置関係的にはこんな感じです。

つまり北へ行けば信濃(武田信玄)、東へ行けば駿河(今川義元)、西へ行けば三河(松平家康・織田信長)という交通の要衝にあり「高天神を制するものは遠州を制する」とまで言われたそうです。

さていよいよ攻城。
全体像はこんな感じです。

尾根伝いに曲輪が配置されています。

北にある搦手に大きな駐車場があるので、そちらから入ります。
すると早速大鳥居がお出迎え。

そう、この城は名前の通り、もともと神社だったのです。
そして石段を登る途中には三日月型の井戸が。


なぜか金魚が泳いでました(笑)

この城の特徴は四方を断崖絶壁に囲まれていること。

このような地形が自然にできたとは考えづらいので、築城の際、大規模な土木工事が行われたのかもしれません。

次に二の丸。

こちらは西の丸と堂尾曲輪の間に配置されており、本丸とは反対側にあります。
三の丸が本丸のすぐ近くにあるので、実際には二の丸と三の丸が逆の配置ではなかったのかなとも…

二の丸奥にある堂尾曲輪の向こう側は、このように堀切が施工されています。

当時は向こう側の曲輪とつなぐ橋がかけられていたとか。
敵が尾根伝いに攻め寄せてきたら橋を落としてしまう戦略です。
二の丸下にも同様の施工がされていますが、こちら側は第二次高天神城の戦い(武田勝頼が攻めたもの)の際、比較的緩斜面の二の丸北側から城を攻め落としたため、落城後武田氏が防御力強化のために作ったものなのだそうです。

本丸と二の丸などをつなぐ中間点には井戸曲輪があります。

覗き込んでみましたが、水があるかどうか分かりませんでした。
その脇には小さな神社が。

横の立て札には「結ぶ結ぶ結ぶ」と唱えるとあらゆる願いが叶うというようなことが書かれていました。
凄まじい神通力!
え?何をお願いしてきたかって?
そりゃもう

「ガンプラ製作がうまくなりますように…」

に決まってますよね(爆)

西の丸には高天神社があります。

以前は本丸の位置にあったようですが、築城に伴い、移設されたそうです。
西の丸から少し降りたところに馬場平があります。
こちらから臨んだ景色は↓

遠州灘がキレイに見えました♪

そしていよいよ本丸方面へ。
本丸すぐ近くには的場曲輪跡があります。

名前からは射撃練習場のようなイメージを受けますが、発掘調査では地面に石が敷き詰められていたことが判明していることから、火薬庫だったのではないかと思います。
わざわざ山を登って射撃練習するのも変ですよね(笑)
そしてこちらは御前曲輪跡。

なぜか書き割りがw
後ろにコンクリート製の土台が見えますが、これは明治ころに模擬天守を作った時のものだそうです。
ググると当時の天守の画像が出てきますが、あまりにも小さく、そして貧相(失礼)ですし、そもそもこの時代に天守を作った城は、そう多くありません。

そしていよいよ本丸。

端には築山が作られており、簡易的な虎口のようになっているので、敵が直線的に進むのを防ぐ工夫がされています。
でも本丸まで攻め込まれている時点で負けですよね…

さて、ここまでが攻城戦。
全体としては、以下のような感想を持ちました。
・断崖絶壁に囲まれた城はまさに難攻不落
・規模自体はさほど大きくない

もう少し涼しい時期なら、もっとじっくりと城内を巡ると、「築城主はどのように考えて縄張りを作ったのか」「自分ならどう攻めるか」「自分の先祖はどこでどう戦い、どこから落ち延びたのか」「城の周辺はどの様になっているか」などに思いを馳せることができたかも。

ところで少し前まで山城に登るたびに思っていたこと。
「あんなに木がたくさん生えいていては、敵がどこから攻めてくるか分からないのでは」
違いました。
当時は築城の際、山の木々をすべて伐採して丸裸にし、その上で城の施設を作ったのです。
つまり山城を作る=大規模土木工事。
すべて人力でこれだけの施設を作るのはさぞ大変だったでしょうね。
ブログ一覧 | 城めぐり | 旅行/地域
Posted at 2018/07/01 07:47:09

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この記事へのコメント

2018年7月4日 1:12
自分のルーツにお城が…!(◎_◎;)
なんかすごいですね♪

我が家には古文書もなく、
口頭で「苗字帯刀を許された」
とだけありました…(^_^;)

脇差しレベルの刀が残ってます…(^_^;)

山上の城、本当に気が遠くなる
作業だったでしょうね…(>_<)

そんな風に過去の建築物を
見るのも楽しいものですね♪( ´ ▽ ` )ノ
コメントへの返答
2018年7月5日 0:17
戦国野郎的には、自分の先祖が落ち武者というのは、けっこうな萌えポイントです(笑)
自慢しづらいのが難点ですが(笑)

苗字帯刀って、上流階級として認められたってことですよね!
しかも刀が残ってるなんて、普通の家では考えられません。
シウ家、すごいですね~!!!

山城築造にかかる土木工事は、本当に想像を絶した世界なのではないかと思います。
四国にもたくさんのお城がありそう。

お近くにあるようなら、物は試しで訪れてみてはどうでしょう(´ω`)

2018年7月4日 11:23
城、城跡、城公園
全国各地に有名どころはありますが
実は無名なところもごまんとありますね。
武蔵野台方々は重機も使わずよく作ったものです。
建築工法も特殊で博物館では驚くことばかり。

って、それ書き割りって言うんですか!!
初めて知った(笑)
コメントへの返答
2018年7月5日 0:45
城と呼ばれるものは、国内に数万もあると聞いたことがあります。
少し前まで知りませんでしたが、吉野ヶ里遺跡もお城だとか。

ご指摘の関東方面は、後北条氏を始めとした優れた築城技術を持った人達がたくさんいたようなので、一見の価値ありの城跡が多くありますね。
一度訪れてみたいと思っています。

え、書き割りじゃないんですか!?
そう思ってググると、確かに間違ってました!
Wikiによれば「顔ハメ看板」と言うのだそうで。
書き割りは、舞台の背景に使われる絵なのだそうです。
恥ずかしい(>_<)
ご指摘頂き、ありがとうございましたm(_ _)m
2018年7月5日 1:31
?!
私も恥ずかしい

「昔の」と変換したつもりが
「武蔵野台」に誤変換されとるではないですか(笑)
一体なんの事じゃ(笑)
唐突な武蔵野台には
さすがの隊長も困惑されたでしょう
f(^^;
失礼しました(汗)
コメントへの返答
2018年7月5日 6:56
誤変換でしたか(^^)

でも↑で書いたように、関東方面には映画にもなった忍城をはじめとして堅固な名城がたくさんあります。
特に堀障子は、以前から一度見てみたいと思っている築城技術です。

なので、「武蔵野台」と言われた瞬間、「おおっ、ぷりさんも城マニアかっ!?」と思ってしまいました。

誤変換も、様々な化学変化を起こす素になっているのかもしれませんね(^o^)♪

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「戦後80年に寄せて http://cvw.jp/b/488285/48601981/
何シテル?   08/15 20:44
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