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イイね!
2020年07月18日

駆逐艦竹、完成しました

約5ヶ月半という長い時間をかけ、ようやく完成しました。
完成画像をご覧頂く前にジオラマの場面設定について少し触れたいと思います。

1944年12月2日、太平洋戦争の主戦場はフィリピンに移っており、島で戦う陸軍へ海軍の船が物資を輸送することが繰り返されていました。名付けて「多号作戦」。
同作戦は第10次まで続き、竹は第3次、第5次、第7次に参陣しましたが、ジオラマは第7次作戦のいち場面を再現したものです。
7次部隊は駆逐艦桑と竹、そして第9号、第140号、第159号輸送艦の計5隻編成でした。道中の空襲をくぐり抜け、夜間にオルモック湾に到着し物資陸揚げを開始。その時米新鋭駆逐艦3隻が接近してきました。

まず護衛の桑が戦闘を開始しましたが、戦時急造型の桑では装備の整ったアメリカの大型駆逐艦3隻に太刀打ちできず僅か9分で撃沈されます。
残った竹は輸送艦を守るため駆逐艦群に向かい、右回頭中に93式酸素魚雷を2本発射、そのうち1本が駆逐艦クーパーに命中し轟沈させました。
これに驚いた米軍は戦場を離脱、竹と輸送艦3隻は無事マニラ湾まで帰投することができました。
これが日本海軍自慢の93式酸素魚雷による最後の敵艦撃沈です。

という戦いの魚雷発射の瞬間をジオラマ化するというテーマです。
それではいよいよご覧頂きましょう↓









魚雷は「腹打ち」を避けるため回頭中に傾いた状態から発射するとのことだったので、右回頭中で左舷に5°傾けてあります。
その日は北(艦尾)からの風を受けながらの戦いだったようなので、波を作る際に意識しました。
また当日(12/2)は満月でした。

ジオラマ背景に天の川が写っていますが、あくまでも雰囲気重視の場面設定です。ただ背景があると「夜戦感」は増す気がしますね(^^)
構図の基本の一つに「三角形を作る」というものがあるので、ジオラマでは竹を斜めに配置するとともに、ウェーキ、後楼、前楼、水柱の順に高くなるようにしました(12.7cm砲弾では実際の水柱はもっと小さかったと思われます)。なお水柱は点滅LEDを仕込みました。


竹各部ごとの細かい説明はこれまでの製作記で触れてきたので、再び触れません。ここではこの作品を作った感想を記しておこうと思います。

近年、艦船モデルは精密化の一途を辿り、とても1/700とは思えない詳細な表現も多く見られます。私の作品はそうした作品群には遠く遠く及びませんが、唯一自信を持てそうなのが「考証の正確さ」。
入手できるありとあらゆる資料を漁り、コピーした図面には無数の書込みを入れ、様々な写真を繰り返し何度も観察し、それでも足りない部分は極力合理的と考えられる推測で補いました。創作はドラム缶のみです(笑)

完成の瞬間、
 ・今の自分の力を出し切った
 ・予想以上の完成度に達した
 ・連日の細かい作業で視力が大きく落ちた(笑)

と感じました。

前回WLキットを作ったのは学生の頃。当時はまだ今ほどの精密工作をする風潮はなく、元々のWLシリーズの趣旨であるコレクション性を重視した製作が主流で、WLコンテスト等を通じて少しずつ精密工作化が進んでおり、各出版社から図面やイラストなどを含む様々な資料が充実し出した時期でもあり、言わば過渡期だったと思います。
時を経た現在は艦船に関する研究も進み、新たな資料も多く公開され、それらをネットで容易に確認出来る時代。キットのモールドも進化しましたし、アフターパーツも大幅に充実しました。
そんな大きな違いがあれば、当時の私と作品レベルが変わるのは当然です。
(参考画像↓:下が当時の作品)

当時も今回使ったものと同じ図面を使っており、小さな構造物などは図面通りに配置されているので、当時の自分もけっこう頑張ってたんだなと思います(笑)
ただ今回の場合、正面線図を元にした艦首形状修正や各装備の役割や構造の理解、自身初のエッチングパーツ導入による更なる精密化という「進化(深化)」が実行・実現できたのは大きな収穫でした。
無論やり残したこともありますが、小さなことばかりです。

久々のWLモデル製作は想像以上に楽しく、時間を忘れてのめり込むほどで、昔の自分を取り戻したような錯覚に陥ることさえありました。50代になって気力体力とも落ち込みが激しいと感じていますが、俺にはまだこれだけの力が残っているのか、みたいな(笑)
しかし視力の落ち方がかなり大きいと感じているので、WL製作はいずれまたということにして、いったんガンプラに戻りたいと思います。



※最後にこれまでの製作記(全18回)を振り返ってみたいと思います。

松型駆逐艦・竹(キットのチェック編)
松型駆逐艦・竹(滑り止め甲板の検討など)
松型駆逐艦・竹(資料収集と滑り止め甲板製作など)
松型駆逐艦・竹(滑り止め甲板完成&艦首の修正)
松型駆逐艦・竹(魚雷運搬軌条の設置&艦首付近の製作)
松型駆逐艦・竹(中央機銃台&続・艦首付近の製作)
松型駆逐艦・竹(煙突の製作)
松型駆逐艦・竹(舷側と後部甲板室の製作)
松型駆逐艦・竹(艦橋等の製作・海面の試作)
松型駆逐艦・竹(艦橋の製作その2 など)
松型駆逐艦・竹(艦橋と一番主砲の製作)
松型駆逐艦・竹(ジオラマベースの製作)
松型駆逐艦・竹(魚雷発射管と二番主砲の製作)
松型駆逐艦・竹(続・ジオラマベースの製作)
松型駆逐艦・竹(各部のディテールアップ)
松型駆逐艦・竹(ジオラマベースの製作・最終回)
松型駆逐艦・竹(艦体各部の製作・最終回)
松型駆逐艦・竹(塗装について)

駆逐艦竹 製作資料集
ブログ一覧 | 艦船模型 | 趣味
Posted at 2020/07/18 20:13:10

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この記事へのコメント

2020年7月18日 20:25
ガチャ |。・ω・)ノ|Ю コンバンワ♪
改めて、完成オメデト♪(*⌒ー⌒)o∠★:゜*PAN!
この為のLEDだったんですね!
迫力凄すぎ!!
(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

長期間取組んだ分、
重みも凄いと感じました!!
ガンプラ楽しみに待ってます(笑)
m(_ _)m
コメントへの返答
2020年7月19日 8:57
おはようございます。
そしてありがとうございます!

艦船は可動部が少ないことなどから、ジオラマでの表情の付け方に限りがあります。
なので電飾でイロを付けてみました。
ただ「単なるイロモノ」になってしまったという意見も…。

どう表現するか、難しいですね。
2020年7月18日 20:53
凄い大作ですね!
海面の波のうねりが凄くて船が動いているようにみえます。
良いものを見せてもらいました。
感謝!
コメントへの返答
2020年7月19日 8:59
ありがとうございます。
全体のサイズは手のひらより少し大きい程度なので非常にコンパクトですが、作るのにかけた手間と時間と想いはその数百倍はあるかな(笑)

次回は自由なガンプラに戻ります!
2020年7月18日 21:39
完成おめでとうございます。
私は艦船は滅多に製作しませんが、製作するとしても先ずエッチングをそろえる事から始めてしまうので(笑)驚愕としか言いようが無いです。
波の表現も研究成果が表れていて非常に雰囲気良いですね。
影響されて以前フルハルで作った艦船をウォーターラインで製作し直したくなりました。
コメントへの返答
2020年7月19日 9:02
ありがとうございます!

なんと、sffzさんは艦船キット経験者でしたか!
ブログにも書きましたが、今の艦船はエッチングありきですね。

sffzさんの作品もぜひ拝見したいです。現状で構わないので画像アップ、よろしくお願いしますm(_ _)m
2020年7月18日 22:11
完成おめでとうございます😊

素晴らしいの一言です。

当時の作品も
素晴らしいですよ…。


魂の籠った作品

ぜひ
間近で拝見したいですよ❗😁
コメントへの返答
2020年7月19日 10:52
ありがとうございます。

学生の頃の作品は、当時としては「悪くは無い」というレベルでしょうね…^_^;

一生懸命作った作品なので、模型オフができるなら是非ともご覧頂きたいものです(´ω`)
その際にははんにばるさんの作品も見せてくださいね(^-^)/
2020年7月18日 23:08
完成おめでとうございます~。

オォ~~、拘りの白波の表現、素晴らしいです~~~。
耳を澄ますと波の音が聞こえてきそうですヨ~。
電飾も臨場感、緊張感があって、思わず「あぶないっ!」と心の中で
叫んだのは内緒です(汗)
そしてこれは。。。やっぱり「生」で見てみたいですね~~。

視力の低下はモデラー最大の悩みのタネですよね~。
私もいつかハズキルーペのお世話になる日が。。。(大汗)
コメントへの返答
2020年7月19日 10:57
ありがとうございます!

試行錯誤の連続がひたすら続き、しかもちっとも進歩しない試作物を見てしまうと、心が折れそうな時もありました。
が、「苦しい時が最も伸びている時」という言葉や「もう後悔したくない」という気持ちを持ってなんとかこなしました。

可能であれば是非ともYOSSHIさんに見てもらいたいものです(^^)

ハズキルーペもどきは持っているのですが、実はヘッドルーペを発注しちゃいました。
つい先程届いたようなので、早速使ってみようと思います(´ω`)
2020年7月19日 7:37
完成おめでとうございます♪
( ´ ▽ ` )ノ
史実と向き合い、
資料と向き合い、
図面と向き合い、
キットと向き合い、
材料と向き合い、
自然と現象に向き合い、
そしてなによりも、

かつての自分と向き合い、

完成に至ったザク違さんに
深く敬意を表します。

躍動感と緊張感のある作品に
見惚れてしまいます。

前回のムサイのジオラマも
私は素晴らしいと思い、
好きなのですが、ザク違さんが
表現したかったことは、
こういうことだったんだな…

と思いました。

長期間にわたる制作、
何回もなされた試行錯誤、
お疲れ様という言葉では
表現しきれないくらい、
労いたい気持ちです。

↑でYOSSHIさんも生で
ご覧になりたいようなので、
私も含む3人で名古屋模型オフ
でもしましょうか♪( ´ ▽ ` )ノ
コメントへの返答
2020年7月19日 11:05
ありがとうございますヾ(*´∀`*)ノ

仰るように今回の製作では様々なものとにらめっこしました。
その中で最も手強かったのが「今の自分」だったかもしれません(笑)

↑のコメ返しにも書きましたが、色々あっての完成。
そうした部分はもちろんのこと、久々に味わったスケールモデルの楽しさや深さを改めて感じました。
というか、ここまでがっつりの徹底工作は初めてなので、自分の限界を超えられるようなくらいまで頑張ったというのは、いい経験になりました。
結果、スーパーサイヤ人にはなれませんでしたが、それも経験ということで(笑)

名古屋模型オフ、いいですね~♪
お2人の作品を生で見られる機会はなかなかないので、是非とも実現させたいものですね(^-^)/
2020年7月19日 17:45
おめでとうございます!

こんなに凄い作品を見せられて、何だかザクとは違うさんが遠くの人に思えてきました。
今だから言いますが、当初のベースの波は波が大きすぎてスケール感が違うと感じていて、それを言おうか言うまいか迷っていました。しかし、この波はバッチリのスケール感でリアリティーを感じます。
もちろん、竹そのものもこだわりが随所に生かされていてリアルです。
そして、どうして聞いたこともない、しょぼい艦名の「竹」を選択されたのかも気になってましたが、こんな物語を背負っていたんですね。これならジオラマにも挑戦したくなりますね。
全てに納得です。
コメントへの返答
2020年7月19日 20:07
ありがとうございます!

遠くなどととんでもない!
私にはまだ成田のオッサンさんの背中は見えていません。残り少ない模型人生でどこまで距離を詰めることができるやら…。

そうでしたか。
確かに見てもらった時にはまだまだの状態でしたね。マイナス部分は率直に指摘してもらう方がその後に生かせるので有難いです。今後はよろしくお願いします。

小さな駆逐艦でしかも普通の人はその存在も全く聞いたこともない船を作ると聞けば不思議に思いますよね。
私の場合、単にカッコいいなどの造形のみをもって製作することはありません。なぜならその後のジオラマでストーリーを作ることとセットだからです。

その想いに技術が付いていってないのが問題ですが^_^;
2020年7月19日 21:12
完成おめでとうございます!

細部に拘り抜いたからこその、素晴らしい出来栄えですね☺
そしてそうきたかのLED発光ギミック!

長期間の作成、お疲れ様でした。
コメントへの返答
2020年7月20日 19:29
ありがとうございます!

今回はとことん徹底的にこだわり抜きました。その分しんどいと感じることもありましたけど、今となってはいい思い出です(笑)

発光ギミックは余りにもお手軽なので、ザク違の定番になるかもしれません(笑)
2020年7月20日 7:30
完成おめでとうございます!
波飛沫の表現が素敵です!

今までパーツの細部細部をみてきましたが、全体でみるとその積み重ねがこのリアル感に繋がるんだなぁ、と実感します。
本当にお疲れ様でした。

過去のご自分への挑戦、50代の気力・意地という部分にも感銘をうけました!勝利の栄光を君に!!
コメントへの返答
2020年7月20日 19:40
ありがとうございます!

今回は試行錯誤の連続だったので、その成果を少しでも感じてもらえたならば、本当に嬉しく思います。

図面ベースで作ったおかげで全体のバランスも悪くないものに仕上がりました。私にしては珍しく(笑)

エール、頂きました!

私は1つの作品を完成させた。これは終了を意味するのか?
否!始まりなのだ!
完成の喜びを製作意欲に変えて作れよザク違!

ジークジオンっ!!!

プロフィール

「パワハラ十字砲火 http://cvw.jp/b/488285/48581621/
何シテル?   08/04 11:27
模型工作とキャンプが大好きなヘタレをやぢです。 私がフォローする方には2種類あります。 一つは「以前からのみん友さん」 もう一つは「ちょっと興味を持っ...
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