
露天風呂に入る旧ザク隊長を完成させ、息つく暇もなく次の制作に取り掛かります。
今回のキットは天龍型軽巡洋艦。
史実の天龍型は1番艦・天龍と2番艦・龍田の2隻が建造されました。
どちらで作るか考えましたが、天龍はネームシップであることや第一次ソロモン海戦に参加したことなどから、写真も多く比較的活躍したイメージであるのに対し、龍田は写真も少なく派手な活躍場面もほとんどありません。
マイナー指向で判官贔屓のザクとは違うとしては、やはり龍田に陽の光を浴びさせてやりたいと思ってしまいます。
ということで、
龍田建造に決定!
旧海軍艦船というと未だに根強い人気を誇るブラゲー「艦これ」がありますが、そのゲームの中での龍田は「死にたい人はどこかしらぁ?」に代表されるちょっと怖いキャラ付けがされています。
天龍龍田は太平洋戦争に参戦した軽巡では最古参となりますが、ゲーム中では二度の改装を経ると対空火力と対潜能力が飛躍的に向上するので、第一線でも十分活躍できるようになります。
今回はその状態を立体化しましょう。
実際、天龍型は史実においても防空巡洋艦改造案が検討されました。
それがこちら↓

画像上の「巡洋艦物語」掲載イラストではAB2案が検討されたとあり、B案では艦橋や前後マストの位置を変えるという大幅な改造となっています。
また米軍資料と思われるものでは3本煙突から1本の集合煙突となっています。主砲は12.7cm高角砲と思われます。
「巡洋艦物語」では天龍型を改造しても速力や航続力の関係から艦隊随伴はできず沿岸防御程度となるので、コスパが悪いという趣旨の検討結果だったと記されていますが、今回は日本海軍が第一次世界大戦でのUボートによる通商破壊の戦訓と航空機の能力向上に着目し、南方資源輸送船団の旗艦に改造されたと設定します。

主砲は重量軽減のため長8cm連装高角砲3基6門、対空兵装として25mm3連装機銃6基、25mm単装機銃10基、対潜兵装は三式爆雷投射機(K砲)20基、爆雷投下軌条1本を装備。この他、電探、逆探、ソナー、94式高射装置を増設し、さらに主機は石炭混焼缶を重油専焼缶に交換するとともにシフト配置とし、2本煙突(2軸スクリュー)に変更します。
今回の製作では、尊敬するモデラーの一人・
春園燕雀さんの
天龍型製作記事を全面的に参考にします。
同氏の記事によれば、東京大学の
平賀譲デジタルアーカイブで天龍型の所要部断面図などが入手でき、それを点つなぎの要領でラインを繋いでいけば、船体の外周ラインが出せるとのこと。

早速その方法を試したのが画像上。
さらに軍艦メカ図鑑・日本の駆逐艦に載っていた秋月型駆逐艦の正面線図から割り出したラインが画像下です。
いずれも以前に作った駆逐艦竹のライン構成によく似ていることが分かりました。
さらに同様の作業をフレームNoごとに行い、船体の外周ラインを出していきます。それを平面図に落とし込んで印刷し、切り取った型紙を艦底パーツに貼り付けてみました。

これは相当削り込む必要がありそうです…。
キットの舳先の平面形は割と鋭角的なラインを構成していますが、戦争末期に建造された橘型駆逐艦以外は、緩いカーブを描いた形状が一般的です。
よってキットの舳先を切り取り5mmプラ棒に付け替えて整形します。

また図面から割り出したラインをキットの底(喫水線部)にケガき、これを目標に両舷を削り込みます。

画像左側の上下が艦首フレアの整形状況です。施工前後を比べると、甲板の影の付き方が異なることが見て取れると思います。
画像右側では艦尾の削り込み状態を示します。
最大で1mm程度削り、図面通りのラインがバッチリ出せたので自己満足度は高いですが、施工前後を見比べてもその違いが分かりづらいかもしれません。
ま、このあたりはあくまでも自己満足ということでw
この後は大きく削り込んだ艦首フレア部に溶きパテを塗っては削るという地味な作業が待っています。
めんどくさいですが、ここで頑張ればきっと美しい船体が出来上がるはず!
そう思って作業を続けます…。
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Posted at
2021/04/05 22:02:52