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イイね!
2022年01月22日

駆逐艦桑製作記(ディテールの追加)

ジオラマベースの海面も概成したので、再び桑の製作に戻ります。
まずはスパンウォーターの設置。
それらしく切り出したプラペーパーを図面に示された位置へ正確に設置します。


次にボート類。
松型駆逐艦には6mカッターと9m運貨船(小発)が2隻ずつ搭載されていました。キットにはそのパーツが入っており、いずれも大変精緻なモールドです。
ただプラの性質上、エッジが若干ダルい印象があることと多少厚みがありすぎるのが難点と言えば難点です。カッターは船体の縁を薄く削り、船内の腰掛けなどを一旦削り落としてからプラペーパーで作り直します。


運貨船はあまり問題がないように感じられたので、舳先にあるシールド状のものを薄く削り込んだのみです。

主砲もキットのものは大変素晴らしいモールドで、1番主砲である12.7cm単装高角砲は松型にしか装備されなかったものですが、実物の特徴を大変良く捉えています。
竹の時のようにスクラッチすれば砲側照準所盾のシャッターを開いた状態にすることも出来ますが、今回はメーカーに敬意を表してキットパーツの防盾を薄く削って使うこととしました。
2番主砲の12.7cm連装高角砲は砲側照準所盾の高さも低めにされていますし、その前端下部には電動機室もモールドされており、全体のモールドも良好です。
ただ今回は以前に作ったスクラッチ失敗作を使います。というのも桑は2番主砲あたりに敵弾を食らったらしいので、ジオラマでは破壊された2番主砲を再現したいと考え、スクラッチ版を破壊することにしようと思ったからです。
ちなみにキットパーツとスクラッチ版の比較はこちら↓


戦闘中の臨場感を出すため、2基の主砲周辺には使用済み薬莢をバラ撒こうと考えました。
12.7cmの1/700は約0.18mm。長さは↓の画像から1/700で約1.1mmなので、概ねそのくらいのサイズの伸ばしランナーを金色に塗って作りました。




次に後部マストの製作です。
こちらも前マスト同様四角柱で作られていたので、0.3mm角棒で三脚を立て、13号電探、速力信号灯、方向信号灯、避雷針などを設置します。

マスト後部に付く速力信号灯は一般的にはマスト柱から少し離れた位置に取り付けられますが、松型及び橘型については工事簡易化のためかマストに直付けされています。
ここで悩んだのは13号電探の設置位置です。
桑と同じ藤永田造船所で建造された楢は次のような位置に設置されていました。

他艦も分かる範囲で調べると、次のような状況でした。

悩ましいのは、設置位置の違いが造船所によるものでもなく、建造年次によるものでもないと思われることです。ただ、萩のような取り付け方は少数派のようです。
よって今回は楢と同様の設置方法にすることとしました。

前マストにも逆探と避雷針を付け、艦橋天蓋前端に90式無線機アンテナを立てました。


オルモック輸送時の桑の爆雷兵装は、新造時のY砲2基に加えK砲4基が設置されていました。その装備位置は福井静夫氏がまとめた「各艦機銃、電探、哨信儀等現状調査表」に示されています。

またネットをググりまくったところ、エンガノ岬沖海戦時の桑とされるこんな写真が見つかりました。


そしてまたここで悩みが発生。
K砲に爆雷を装填するためにはその隣に装填台が必要となります。しかし特に左舷側は魚雷運搬軌条が走っているので、装填台とK砲をどのように設置するのかという疑問です。
これについてどれだけググっても答えらしいものは見当たりませんでした。
先程の桑の写真ではK砲らしきものが2基確認できますが、装填台らしきものは確認できません。松型にどれだけの予備浮力があったのか分かりませんが、少なくとも何かを増備する時にはその重量に相当する何かを陸揚げするのが常だったようです。しかし桑はマリアナ沖海戦後の機銃等増備の際、例えば魚雷発射管を撤去したとか主砲を1基減らしたなどは行っていません。できるとすれば予備魚雷を搭載しないとか机椅子の類を減らすなどくらい。つまり大幅な重量軽減はやっていないことになります。
その状況では爆雷投射機が増えたからと言って爆雷搭載数を大きく増やすことは難しかったと思いますし、装填台の設置が困難だった可能性もあります。
あくまでも素人の推論ですが、桑のK砲は出港時に装填した1発のみで、次発装填は想定していなかったのではないか。また予備魚雷を搭載しないため戦闘中は魚雷運搬軌条を運用しない想定とされたのではないか。入港時には2番主砲左後ろにある魚雷積み込みダビットから魚雷を甲板に上げ発射管まで運搬する必要があるため、コロ付の架台に載せられた軌条上のK砲は軌条外に移動させたのではないか。
などと妄想した結果、このような表現としました。


この他、艦尾に旗竿を立て、その中ほどに艦尾灯を設置したり、中央機銃台に8cm双眼望遠鏡を立てたり、主砲と魚雷発射管の先端部を白く塗るなどしました。

桑本体の工作は、残すところあと僅か。
その後は今回はじめての試みとなる1/700フィギュアの配置を行う予定です。
ブログ一覧 | 艦船模型 | 趣味
Posted at 2022/01/22 14:22:51

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この記事へのコメント

2022年1月22日 16:53
追加しても雰囲気が変わらない❗

私と違ってごちゃごちゃならない

さすが匠ですね~♪
コメントへの返答
2022年1月23日 11:03
お褒めの言葉、ありがとうございます!
一応、変態モデラーですので(笑)

でもアップの写真を撮ると工作の雑さが如実に分かって凹みますね(´・_・`)
2022年1月23日 19:29
史実に基づいて、当時の様子を再現する、こだわりは素晴らしいです。

製作もほぼ終盤に入られたようで、完成楽しみにしています。
コメントへの返答
2022年1月23日 22:35
自称「考証は1.5流、工作塗装は2流」ですw

あとは桑に関してはメタルリギングの展張、乗組員の配置で、その後ジオラマとしての仕上げに入ります。
完成まで今しばらくお待ち下さいm(_ _)m
2022年1月23日 20:49
おお!さらに細かい作業が…!(◎_◎;)
スモールライトで自分の身体を
小さくして作業したくなりますね!

スクラッチ失敗のパーツで
ダメージ表現、無駄のない工夫は
ステキです♪(*´ω`*)
コメントへの返答
2022年1月24日 7:15
はい、艦船はひたすら細かい作業が続きます(汗)
なので、どうしても視力がガタ落ちになりますね。

スクラッチパーツはその一部分が本来の大きさより約3%程度大きかったので「こりゃ使えない」と思いましたが、なんだか捨てることも出来ず…。
まさかこんな活用ができるとは思ってませんでした。
なんでも取っておくもんですね(笑)

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