
前回は戦車庫内部の構造と舷窓位置の考証を行いました。
今回はそれを基にして工作を行います。
まずは舷窓。
艦尾楼部については↓のように施工しました。
また戦車庫両側については3段に分かれている兵員室の中段に来るように位置を決めました。
舷側鋼板を立てた後、内部の補給倉庫及び兵員室の床を設置します。

↑は159号です。
床は0.3mmプラバンで作りましたが、どうにも厚みが気になります。
例えば駆逐艦の場合、舷側鋼板ですら5mm程度の厚さでした。これを1/700にすると約0.007mm。内部の造作の壁や床などはさらに薄っぺらかったはず。ただこのスケールでそれらを正確に表現するのは不可能です。やむを得ずエバーグリーンの0.13mmプラ板に置き換えることにしました。今までこの厚みはタミヤのプラペーパーを使っていましたが、同じ厚みでもコシが違うので、若干しっかりした感じになりますね。
外板を強化するため、舷側鋼板内側には縦の補強材が入っていました。
Twitterフォロワーさんから紹介していただいた↓の画像を見ると、兵員室壁の内側にも同様の補強材が入っていたことが分かります。
0.1mmプラバンを0.1~0.2mm幅程度に細切りしたものを外板内側にちまちまと貼り付けていきます。
これまたなかなかの修行でした…。
こうした作業を140号、159号ともに行ったのがこちら↓

159号は図面などの情報どおり最下段に補給倉庫、その上に3段の兵員室という構造とし、兵員室通路部は壁なし、上甲板への登り口は単なる空間としました。登り口部にはラッタルがあったと思われますが、ここはこの後上甲板で塞がれてしまって見えなくなるので、そこまで再現しませんでした。
140号は159号と一部変えてあります。というのは「二等輸送艦の全貌」に掲載されている「第103号型輸送艦主要性能説明書」に「便乗准士官以上の居住区は第6兵員室内上段畳敷区割とし」という記載があります。
兵員室上段という表現から、第1~第5同様、複数階層で構成されていたと考えられますが、これを3段とした場合、前回の検証のとおり1層あたりの高さは約1mとなるので、畳を敷いて居住性をよくしたとしても窮屈であることに変わりはありません。よって独自解釈として第6兵員室のみ3段でなく2段とし、下段の高さは1m、上段は2mとしました。
また上甲板への登り口は単なる空間でなく、階層ごとにハッチがあるものとしました。
第6兵員室の畳や兵員室等と戦車庫を隔てる壁は後日施工予定です。
次に取り掛かるのは戦車庫から艦首へつながるスロープ部の工作です。
140号は揚陸場面をジオラマ化する予定なので、スロープ部も再現することとします。図面では戦車庫平面部から艦首へ続く斜路の角度は10°なので、その通りにスクラッチしました。

よし、バッチリ10°出せたぞ!
と思った瞬間、誤りに気付きました。
実は艦首に向かって艦底も同様に傾斜しているのです。これでは↑のパーツは使えませんorz
やむなく作り直し。
今度は図面に忠実に傾斜路と艦底板を作りました。今回も角度はバッチリ!
艦首付近の喫水線下は意外と複雑なラインを描いています。

正面線図から1/700のサイズを割り出し、先程作った艦底板にそのラインを入れました。
今回はここまで。
実作業はもう少し進んでいるので、近日中に続報が入れられるようにしたいと思います。
ブログ一覧 |
艦船模型 | 趣味
Posted at
2023/03/30 22:40:30