いよいよマストの製作です。
前マストは図面や写真から高さや形状を確認し、0.3mmプラ棒をメインにして組み立てました。

この時期の艦船は丁型駆逐艦などに見られるようにマストの断面は◯ではなく□でしたが、今回は◯で作ってみました。
中段にはE27逆探も付けてあります。実艦ではその下には楼灯も設置されていますが、きれいに設置できる自信がなかったので今回は見送りました。
後マストは実艦写真を確認すると実は3パターンの立てられ方があると分かりました。

159号は佐世保建造艦なので、133号と同様に主柱が後ろで直立している立て方で作りました。

なお151号の後部マスト付近の写真を見る限り、マスト主柱の断面は□でなく◯(支柱は□)のようなので、作品でもそのように表現しました。
艦尾には爆雷投下台が両舷に3基ずつ設置されています。一部の図面では3基の間にフェアリーダーが設置されているという図もありますが、実艦写真を確認したところそのような例は見当たらなかったので、3基を並べた後ろにフェアリーダーを配置しました。
細かい部分になりますが、艦尾楼甲板前端(右舷側)には細いパイプが二本設置されていることが分かったので、これも再現してみました。
艦前半の上甲板両サイドには単装機銃が増設されましたが、これらには両舷のブルワークにかけて銃座が設置されていたので、「各艦機銃電探哨信儀等現状調査表」に掲載されている配置図を参考に、プラ板で再現しました。
実艦写真で分かるように銃座はブルワークを支える三角板にめり込むような格好で設置されていますが、私の技術でこれを再現するのは困難だと思われたので、今回は見送っています。
次に艦載艇の製作に移ります。
二等輸送艦には9mカッターと10m運貨船(いわゆる小発)が1隻ずつ搭載されていました。
キットのパーツはさすがに設計が古いことなどからなかなか使いづらいので、ジャンクパーツの中から適当なものを探し出して、ディテールアップすることにしました。
こちらは9mカッター↓

左はキットのパーツ、右はフジミ特シリーズ(?)、中央は不明です(笑)
フジミ製は全体の印象は良いのですが、床面が高めな印象なので、中央のものを使うことにしました。
小発はディテールの分かる写真や資料があまり無いと思われたので、Twitterでその旨を呟いたところ、いくつか参考になる貴重な情報を提供して頂けました。

小発はもともと陸軍が強行上陸作戦で運用することを想定していたことから、艇首のシールドは敵弾避けのために設置されたものです。シールド中央に凹んだ切れ込みがありますが、そこに銃を置いて射撃しながら上陸を目指すといった運用です。
海軍では搭載する艦種によっては単なる運貨船としての運用を想定した場合もあったでしょうから、シールドなしのものもあったと考えられます。
今回作成する二等輸送艦は艦そのものが強行上陸作戦を想定しているので、シールドありとすべきと考えました。
艇内の作りも若干のバリエーションがあるようです。具体的にはエンジンの位置。艇中央のハンドルがあるユニットの直下にエンジンがあるものと、その直後の別ユニットにあるものの2種類があるように思われます。今回は151号の写真を参考に、前者で作ってみました。
これらを参考に作ったのがこちら↓

カッターのオールはプラ板で自作しましたが、若干短めです。このあと握り手部分を延ばしランナーに交換して長さを調整しました。
小発の消音器まで作った例はなかなかないのではないかと自己満足(笑)
ジオラマでは撃沈された駆逐艦桑の乗組員を第159号輸送艦がカッターを下ろして救助するという場面を再現します。
その配置は以下のようなものにしようとしましたが…

重油が広がっているあたりに乗組員を泳がせ、そこへカッターを向けるという感じにするのですが、その場合、右上に何もない余白が出来てしまいます。しまった、艦の位置をもう少し右上にすべきだった…。
このことに気付いたのがジオラマベースに艦を設置したあと。いまさら艦を引き剥がして再度作り直すなど、到底できませんorz
なーんてことを模型友達に愚痴ったところ「舞台をトリミングしちゃえばいんじゃね?」とのご意見が。
うーむ、すごいアイデア。すごい視点。
しかしそれには相当の勇気と覚悟が必要です。
悩む…
悩む…
悩む…
悩むこと4日。
トリミングすることにしました!
ゴリゴリ…ゴリゴリ…
そうした大工事を経て、次回はいよいよ完成報告ができると思います。
期待せずにお待ち下さいm(_ _)m
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Posted at
2023/07/22 17:02:33