前回はジオラマベースの製作だけで終わってしまいましたが、今回は艦本体の製作を中心にした報告となります。
まずは艦橋前の上甲板に増設機銃座を設置します。
福井静夫氏の「各館機銃、電探、哨信儀等現状調査表」によれば両舷に2基ずつの配置となっているので、そのように銃座を設置。

と、ここで気付いたのは159号との配置の違い。

現在製作中の140号は左右対称の配置ですが、159号は左舷側が少し前になっています。
何故か。
根拠のない推定ですが、19.8.27官房機密第5970号の訓令工事である上甲板への艙口設置が関係しているのではないでしょうか。
同訓令工事では艦橋前の左舷側上甲板に戦車庫甲板と繋がる艙口が設置され、2番25mm三連装機銃座前にデリックが増設されました。本来なら全艦にそれが実施されるはずですが、資材不足など何らかの理由で一部の艦には実施されなかったのではないか。それが先程掲げた福井資料の135~141号なのではないでしょうか。
仮にそうであるならば、現在製作中の140号には艙口及びデリックが増設されておらず、既に完成させた159号には増設されていたことになります。
艙口及びデリックについてはX(旧Twitter)のフォロワーさん方から多くの情報を頂いている経過もあります。しかし今更完成させた159号のジオラマをさわりたくない…。
いろいろ悩みましたが、いずれの作品にも増設艙口などの設置は見送ることにしました。
過去の二等輸送艦作例で増設艙口などが表現された例を見たことがないので、もしかしたら初模型化?という誘惑もありましたが、ヘタレモデラーは自己都合を優先することにしました(爆)
今後二等輸送艦製作の機会があれば是非とも再現してみたいと思います。
次に取り掛かったのは艦首。
まずは揚陸にも使われる艦首扉の設置。

実艦写真などを参考にしながら、極力正確な再現に努力しました。
そして同扉を上下させるためのチェーンも設置。

チェーンは0.1mm金属線をよじって平べったいペンチでつぶして作りました(駆逐艦クラス以下はこのサイズが適切な気がします)。チェーンのたるみ具合は実物の金属チェーンをたるませた状態を参考にしました。
また同時に設置したのは艦首扉を上下させるためのワイヤー。扉を下ろしたあとは車両通行の邪魔になるので扉との接続を切り離してウインチで巻き上げるはずなので、今回は巻き上げ途中を再現しました。
なお艦首扉はその左右についているチェーンではなく扉中央で接続されるワイヤーで上下させる機構となっています。ワイヤーの上下は艦首右舷側に設置されたウインチ。ワイヤーはウインチ直後に設置されたリールに巻かれています。
ただ問題は艦首扉左右と繋がるチェーンをどのように巻き上げているのか。
まさかの人力?そんな訳ないですよね。
しかし甲板下に機力が設置されている様子もなく…。ご存知の方がいらっしゃったら是非ご教示ください。
艦橋の屋根部には防空指揮所がありますが、その周囲の壁は以前に検証したように鋼製とキャンバス製に分かれます。今回製作の140号はキャンバス製と推定しているので、エッチングパーツで設置した枠に木工ボンドを塗って、その上からホワイト+少量のバフで作った色をつけました。

双眼望遠鏡はベテランモデル製品を使用しました。
加えて8cm高角砲の射界制限枠も設置。
お次は艦載艇。
まずは7mカッターです。森恒英氏著の「日本の巡洋艦」に掲げられたイラストに極力忠実になるよう、パーツを修正しました。

更に大発。
二等輸送艦に大発は搭載されてないよ?との声が聞こえてきそうですが、ジオラマでは第9号輸送艦から発進した大発も登場させるので、その製作です。
こちらもフォロワーさん方から多くの情報が寄せられたので、それらを参考に製作。

そしてジオラマへ設置。

このあと波を描きますが、小さなフネが荒波に翻弄されている様子を再現できればと考えています。
ぼちぼちジオラマに登場させるストラクチャーの製作に取り掛かります。
建物をいくつ登場させますが、そのうち最も大きなものをプラ板でスクラッチしました。

画像では確認できませんが、屋根パーツには0,5mmピッチでケガキ線を入れてあります。なかなかの修行でした…。
今回の報告はここまで。
艦本体の工作は主にマスト設置が中心。ジオラマ全体ではストラクチャーの製作が多く残っています。さて、このペースで9月中の完成は出来るのか???
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Posted at
2023/09/19 15:20:30