
「ろうがんず」と言えば、俳優・石坂浩二さんが会長をやっておられる模型製作の同好会。ろうがんずでは毎年1回作品コンテストが行われますが、その名が「ろうがんず杯」。
既に9回開催され、今年が節目の10回目。過去には多くの凄腕モデラ―が参加し、上位入賞者にはプロモデラーがずらりと並ぶ一大イベントです。
だいぶ前にこうしたコンテストに数回程度出品したことはありますが、そこで思ったのは「選ばれた選ばれなかったで一喜一憂することに意味はない」ということ。コンテストには入賞作品を選ぶ選者がいて、その人の趣味に合う作品が入賞します。でも入賞したいがために自分の作風をそれに合わせるようなことはしたくない。選者がどのような方であれ、私の作品が入賞するとは思っていませんが、以後はコンテストには出さないと決めて「いました」。
そう、「過去形」なのです。
思い直すようになったきっかけは、吉本プラモデル部主催の「模コン」やToyラジ主催の「スケールモデル祭り」。
前者はコンテスト形式、後者は注目作品のピックアップ形式なので、「選ぶ」ことになっていますが、いずれも僅か数百点程度の応募数です。
少ない…。
模型趣味が絶滅危惧種であることは既に言い尽くされており、中でもスケールモデラ―は希少種、さらにその中でも艦船モデラ―は極めて少数です。でもこのまま絶滅していくのは寂しい…。
ならばこうしたイベントが少しでも盛り上がった方がよいのでは?
そのためにはまず「参加する」ことが大切なのではないか、と考えました。
ということで、ろうがんず杯作品募集を知って早速応募。
写真による一次審査があるので、当然そこで落とされると想定していましたが、それでも総応募点数が「1」増えます(笑)
その後3月19日、事務局よりメールが届き、なんと1次審査通過!
そして通過者全員本会場へ作品を持ち込むように、と。
驚きと戸惑いと興奮が入り混じった複雑な気持ちでした(笑)
いよいよ当日。
10時の開場直後に入ると既に多くの人が作品を並べていました。
その片隅に私も設置。
作品は例の捕鯨船団ジオラマです。
すぐ隣には巨大な輸送機ジオラマが。

大スケールで大迫力です。私の小さな作品は霞んでしまいます…(笑)
その他の作品も見て回りました。
どの作品も超絶技巧が尽くされた絶品ばかり。こんな傑作揃いの中で、よく私の作品が選ばれたものだと改めて痛感し、少し恥ずかしい気持ちになりました。
作品を見て回る中では作者との会話も楽しみました。

この作者とは割と長く話し込みました。
まず作品を見て感じたのは、水上機とカモメの取り合わせの絶妙さ。
無機物を中心に据えつつ、動物がそこに加わると一気に和やかな雰囲気になります。
なぜこのような場面設定としたのか尋ねましたが、似たような情景の写真が残っていたので参考にしたとのことでした。カモメは3Dプリンター製品だそうですが、製品輸送中に足や首などが折れてしまったものがあり、10数羽配置するため10羽セット×2を購入したそうです。
他の作品もそうですが、やはり飛行機モデラ―さんたちは塗装技術が素晴らしいです。この作者曰く「飛行機は凹凸が少なく大きな面積があるので、塗装でメリハリを付けないと寂しいものになってしまうから、塗装技術を磨くのではないか」といった趣旨のことを仰っていました。
また、とある戦車をモチーフにした作品では素晴らしく綺麗なウェザリング(笑)が施されていました。作者とお話をする中で「最近は有機溶剤臭が気になって…」と言うとその方も「私も気にしているので、最近はアクリルガッシュを多用しています。ウェザリングもクレオスから水性のものが出ていますよ」と教えてくださいました。
他にもたくさんの方と色々なお話ができ、多くの刺激を受けることが出来ました。
そして石坂さんと松井さんのトークショーを経て、いよいよ表彰式。

まずは佳作から発表されます。大きなスクリーンに作品画像が表示されるたびにモデラ―たちから「おーっ」というため息とも驚きとも取れる声がもれます。佳作は10人でしたが、ほとんどがプロの方。え、まだ佳作ですけど?
そしてハヅキ賞などが発表され、最後に大賞。
大賞を取った作品は先ほどのコレ↓でした。

発表の瞬間、場内からは「おーっ」という感嘆というかどよめきのような声が全体から上がりました。皆さん納得の大賞受賞だったのでしょう。
私が長く話し込んだ人の作品が選ばれたことには、自分のことのように嬉しくなりました。
その後、ろうがんずメンバーイチオシ作品へ、メンバーの秘蔵キットが渡されました。
でもステージにはまだまだたくさんのキットが残っています。
松井さん「それではこれから会場の全員の方を対象に大抽選会を行います!」
再び「おーっ!」という大歓声。
機械抽選でエントリーナンバーが一人ずつ呼ばれ、貴重なキットが渡されます。
その中になななんとオオゴシトモエさんの姿が!
ちゃっかり貴重なキットをゲットされていました(笑)
こうして楽しい楽しいろうがんず杯2025は終了。
来年は通算11回目ですが、その間、コロナで1回中止となっているので、来年が真の10回目になるのだそうです。そしてそれを記念して特別なろうがんず杯が開催されるのだとか。同席したスポンサーのHazuki Company株式会社の社長さんも全力で応援しますと宣言されていました。
改めて振り返ると、会場に持ち込まれた作品はどれもスーパー超絶技術がふんだんに盛り込まれたものばかりで、約150作品をじっくり見るには数日程度の時間が必要ではないかと感じました。
そんな中に私の作品を置かせていただくことが出来たのは大変光栄なことであり、非常に良い思い出となりました。
現地での時間はあまりにも短く感じましたが、それ以上に濃密で有意義な時間でもありました。
また良い作品を作ることが出来たら、ダメ元で来年も出してみようかな。
いや、見に行くだけでも十分価値がありますね♪
当日に撮影した写真は以下のフォトアルバムに収めました。
・
ろうがんず杯2025(その1)
・
ろうがんず杯2025(その2)
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Posted at
2025/04/26 20:49:32