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ザクとは違うのブログ一覧

2022年06月09日 イイね!

第9号輸送艦製作記(船体の工作その3)

船体の工作3回目は、舷窓の開口からです。
開戦当初の日本艦船は多くの舷窓を開けていましたが、戦争が進むに連れて「不沈対策」ということでその多くが閉塞されました。また戦争後半に建造された艦船は当初から舷窓を少なく設計されていました。一等輸送艦もそのひとつです。
第9号の舷窓位置を特定するため図面を見たところ、写真日本の軍艦別巻の図面では96番ビームあたりに1箇所だけ舷窓が描かれていました。次に日本海軍艦艇図面全集ではそれに加えて艦橋両側あたりに4箇所描かれていました。第9号の写真でもそのように確認できます。


しかし、図面に書かれた艦橋両側4箇所の位置は次の画像に示すように、喫水線と平行ではなく、船首に向かって微妙に位置が上がっていました。

過去にそのような配置を見たことがなかったので、他艦の写真で確認。


図面よりも写真優先という原則からすると、どうやら喫水線と並行とするのが正しいようです。

舷窓直径は「軍艦雑記帳」下巻によれば小型艦は1/700で0.29mm(倉庫等)、0.36mm(事務室、兵員室等)、0.43mm(海図室、電信室等)となっています。浮沈対策の進んだこの時期の舷窓は直径も小さくしてあるだろうと推定できますが、模型的な「映え」を考えると0.4mmとするほうが良いと判断しました。これらを踏まえて施工したのがこちら↓


第9号の写真で気になったのは、舷側の貨物搬出入口の前後に防舷材のようなものが取り付けられていることです。


不鮮明ながら断面は三角形または台形のように見えますが、このサイズの模型でそれを表現するのは厳しいと考えたので、0.5mm角棒で妥協しました。


艦尾端は喫水線下が鋭角的になっているので、そのように削り込みました。

といってもジオラマ化してしまうとまず見えることはありませんが、こうした部分に手を抜けないのは私が変態モデラーだからでしょうねw

次に取り掛かったのはホースパイプ。
大和ミュージアムで入手した実艦写真から、一等輸送艦の場合、上甲板に空いた孔の縁取りは前方が少しすぼまった形状であることが判明したので、0.19mm径の金属ワイヤーを0.5mmと0.8mmのドリルに巻き付けてRを出して作ってみました。

同じ形状同じサイズのものを2つ作るのに、全部で10個作りました。疲れた…。
また舷側のホースパイプ出口部分の形状はベルマウスだったので、1.5mm径のプラ棒に0.8mmの穴を開け、外周をヤスリで丸くし、0.5mm厚に切り出した後、リングの内側をデザインナイフでカンナがけして整形しました。

当初2.0mm径に1mmの穴を開けて作りました(↑画像の上2つ)がどうにも大きいと感じたので、作り直しました。
これを取り付けたのがこちら↓

上甲板の孔の縁取りは後日取り付け予定です。

ホースパイプがスクラッチ可能と分かったので、アンカーチェーンも自作できないかいう欲が出てきました。ググってみたところ、金属ワイヤーをねじった後、ペンチの平らな部分で押しつぶすとチェーン状のものができるという記事をいくつか発見。早速やってみることにしました。


おおっ、なんとなくチェーンぽいぞw
実際のチェーンは鎖一つおきに90度ずつ角度が変わるのでその表現ができていないとか、鎖一つ一つにスタッド(チェーン絡まり防止のための柱)がないとかのツッコミどころはありますが、こうも安易に「ぽい」ものが作れるならヘタレモデラー的にはこれでも十分です。

試作一発目で成功したので、後日これもキットに取り付けたいと思います。

次はいよいよ滑り止め甲板の表現。
ボンビーモデラーはエッチングパーツを買えない(買わない)ので、自作で頑張ります。
と、その前に、艦橋や機銃台のスペースを甲板上に書き入れます。

この部分は滑り止め甲板の表現は不要となります。

今回はここまで。
次回は滑り止め甲板の施工に取り掛かることとなるので、しばらくは忍耐の日々が続きます…。
Posted at 2022/06/09 22:48:39 | コメント(1) | 艦船模型 | 趣味
2022年06月02日 イイね!

第9号輸送艦製作記(船体の工作その2)

前回に引き続き、地味~な船体工作です(笑)

前回、倉庫スペースの床を貼り塗装まで終わったので、船底板を接着します。
キットにも船底板は入っていますが、ジオラマ化する際に高さが足りなくなるので、キット板の下に1mmプラバンを貼り付けました。これは接着中の状態↓

このあと合わせ目消しを行いましたが、これが予想を遥かに超えて難渋。詳しくは後述します。

舳先の形状ですが、実は一等輸送艦の舳先の形状は2種類あります。
前々回の製作記でも記したように、艦首側面形状が直線のもの(1号、2号、11号、16号)と中程に折れ角があるもの(4号、5号、9号、17号、19号、22号)です。
キットは直線になっているので、中折れ型に修正します。


舳先の一部を削り取って、Φ1mmの穴を開けて丸棒を差し込みます。

この上からエポパテを盛って大体の形を作り、さらにパーツとの境目にラッカーパテを盛っては削りを繰り返して形を整えました。

一等輸送艦の正面線図は手元にないのでラインは適当ですが、この艦はそれまでの日本艦船のような美しいフレアはほぼ付いていないことが実艦の写真から推察されるので、比較的ラクな作業でした。と言っても左右均等にするのは難しいです…。

さて合わせ目消しですが、前回ブログで報告した舷側の貨物搬出入口の下あたりに約2センチに渡って僅かな段差が出来てしまいました。これが何度もパテ盛りをし、プラペーパーを当て、パテをラッカータイプから溶きパテに変えるなど、考え得る手段は全て試しました。この間、一週間。
しかしそれでも消えません。なぜだ…。
今回こそは妥協なき作品作りに取り組もうと意気込んでいましたが、さすがに気力が続かず妥協することにしました。

うーむ、かっこ悪い…orz

しかしこれで漸く次のステップに進めます。
次は舷側に装着されているT字状の板の再現。
手元にあるどの図面でも位置や大きさが示されていないため、実艦写真から推定しようと思います。


いずれも第9号の写真ですが、斜めから撮影されているため正確な位置や大きさを算出するのは私の技術ではなかなか困難です…。
次にチェックしたのは第9号と同じ呉で建造された第5号の写真。

うっすらとしか写っていませんが、どうにか位置と形状が特定できました。
ここからサイズを推定したのがこちら↓


板は片舷に3枚ずつ付いているようですが、下の画像に示す大ブロックの接合箇所とは異なる位置にあることが分かりました。

では、そもそもこのT字型の板は何のためのものなのか。
「まけた側の良兵器集Ⅰ」ではブロック同士の接合用とされていますが、呉海事資料館の論文や「船の科学」連載記事にある寸法を図面に当ててみると、少なくとも船首部と中央部、中央部と船尾の接合用ではありません。
そこで先程のイラストをよく見ると、中央の舷側重油タンクブロックと機械室ブロックを接合させるためのものかもしれないと気付きました。3つのT字板が均等でなく2つが後ろ寄りに配置されているのは、船体中央部の前半は貨物スペースで後半が重量のある罐室及び機械室になっているからだと思われます。
これが正しいとすると、舷側重油タンクブロックと船首ブロック及び船尾ブロックを接合するための前後に伸びるT字板が別途あってもよさそうですが、手元にある実艦写真ではそのようなものは確認できませんでした。

ということで形状、大きさ、位置が特定できたので、プラペーパーでT字板を作りました。


これを推定した位置に貼り付け、さらに船体前後に延びる溶接痕を再現します。

溶接痕は舷側に入れた0.1mm幅の溝に極細伸ばしランナーを埋め込むことで表現しました。

やばい、かなりのオーバースケール…。でも今更修正効かないし…。
やっちまいましたorz

今回はここまでです。
次回も船体の工作の予定。
まだまだ地味な回が続きます…。
Posted at 2022/06/02 22:38:10 | コメント(3) | 艦船模型 | 趣味
2022年05月19日 イイね!

第9号輸送艦製作記(船体の工作その1)

艦船キットの最初の工程は地味~な船体の工作です。
まず手始めに艦尾形状の修正。
前回指摘したようにスロープは、大発等の搭載スペース以後は3段階で傾斜が変化していますが、キットは一直線。図面と同じように修正しようかと考えましたが、どうにも工作が大変で、その割に効果が見えづらいです。試しに図面を1/700サイズに縮小印刷。

これを切り出してキットに貼り付けたところ、艦尾端に丸みを帯びさせるだけでもかなり雰囲気が出ると思われたので、早速実行。

とりあえずこれで良しとします(笑)

次に舷側ですが、実艦の写真では喫水線から少し上に艦首から艦尾まで伸びる直線1本の溶接痕が見られます。これを再現するため、スジボリガイドテープを当てて0.1mmのチゼルでラインを入れます。

このあと伸ばしランナーを埋め込む予定ですが、それはまた後日。

甲板上には様々な突起物やダボ穴があるのでそれらを全て削り取り、あるいは埋めてしまい、完全にフラットな状態とします。
次にキットでは表現されていない中央機銃座前後にある艙口及びその両舷側に設置された搬出口を開口します。実際の施工前にプラバンで艙口を試作。四隅に0.7mmドリルで穴を開けてから方形に切り抜きます。本番では0.8mmでよいと感じました。両舷側の搬出口のドリルは0.3mmを使うこととします。同じプラバンにデザインナイフで細かい傷を入れる方法で滑り止め甲板の表現の試作も行ってみたところ、まずまずという印象。

そしてキットの船体に開口します。
キットは甲板も舷側も肉厚なので、開口作業が楽になるようにリューターで削りました。

こうしてできたのがこちら↓。


さらに船内の貨物室の床を再現するため、船底板に0.3mmプラバンを貼ります。床の材質が何だったのかの資料はありませんが、独断と偏見で木甲板だったことにします。よってプラバンに木甲板調のスジボリを施し、全体を木甲板色で塗った後、マスキング。


ここへフラットアースとデザートイエローを塗り、その上からスミ入れ塗料でウォッシングしました。


今回はここまで。
船体の工作はまだまだ続きます。
Posted at 2022/05/19 22:27:51 | コメント(1) | 艦船模型 | 趣味
2022年05月07日 イイね!

第9号輸送艦製作記(資料とキットのチェック)

2022GWも終盤。私にとっては今日が最後の休みです。
ペガサスJrは既に完成していますが、ジオラマ化した状態がどうにも納得行かず、再調整する予定としているので、その後完成アップの予定です。もうしばらくお待ち下さい。
さて、その間隙を縫って艦船模型製作を行います。

松型駆逐艦の竹、桑はいずれも第7次多号作戦(オルモック輸送)時のジオラマとし、それぞれ魚雷発射の瞬間と砲撃を受けた断末魔を再現しました。
次は同じく第7次に参加した第9号輸送艦を製作します。

最初に一等輸送艦について少し述べてみたいと思います。
昭和17年から始まったソロモン諸島攻防戦では制空権なき海上輸送を駆逐艦中心に行った結果、大量輸送が出来ないまま多くの艦艇が失われました。この反省を踏まえ設計・建造されたのが一等及び二等輸送艦です。
一等輸送艦は艦尾スロープから大発動艇(海軍での名称は14m特型運貨船)を航走中に発進させられる他、5基の大型デリックにより貨物スペースから迅速に荷揚げができるようになっています。また12.7cm連装高角砲1基、25mm機銃多数を搭載して対空兵装を充実させ、水中探信儀や爆雷投下軌条も装備しています。最大速力は22ノットで、10ノット台前半が多かった民間徴用の輸送船に比べるとかなり高速です。
建造は呉海軍工廠及び三菱重工業横浜造船所の2箇所で行われ、いずれもブロック工法を大規模に採用することで極短期間での建造が進められました。当初の設計は松型駆逐艦を1軸推進にして空いた空間を貨物スペースにすることをイメージしていたようです。フラッシュデッキや集合煙突である違いはあるものの、直線を基調とした全体のシルエットは松型などの戦争後半に量産された艦艇に共通するものが感じられます。
ちなみに両造船所での建造実績は以下のとおりです。
呉:3号-4号、5号-6号、9号-10号、11号-12号、14号-15号、17号-18号、19号-20号、21号-22号
横浜:1号-2号、7号-8号、13号-16号
一等輸送艦は2隻同時に建造されており、今回製作する9号は10号とセットで竣工しました。

では資料のチェック。手元に準備したのは以下の資料です。

①日本海軍艦艇図面集
②写真日本の軍艦別巻1海軍艦艇図面集Ⅰ
③一等輸送艦図面(呉海事資料館所蔵)
④各艦機銃、電探、哨信儀現状調査表
⑤写真日本海軍全艦艇史
⑥丸スペシャル50掃海艇・輸送艦
⑦まけた側の良兵器集Ⅰ
⑧三号輸送艦帰投せず

図面は①から③の3種類ありますが、①と③の図面は細部に異なる点は認められるもののほぼ同じ艦型です。①は艦内側面図により内部の配置を確認することが出来ますし、③は「第8号輸送艦」との表記があります。
また②には艦橋などの形状の異なる2種類の図面が収載されています。

このうち下の図は③と同一のものであると分かりました。上の図は艦橋周辺が9号の写真によく似ていることから図面は②の上のものを基本とすることにします。

写真は⑤⑥中心ですが、↓の写真はいずれも9号のものなのでディテールの参考になります。



この他、呉海事資料館で入手した一等輸送艦の写真10枚も重要な参考資料となります。その中にはネットでは公開されていないディテール写真も含まれていますが、同館の方針によりこの場で公開できないのが残念です。

⑦では多数のイラストによる詳細な解説が加えられており、大変参考になります。
同書では前期型後期型の二種に大別していますが、図面や⑤⑥などの写真を確認する限り、個艦ごとの相違点は確認できる限りで概ね以下のとおりです。
(1) 艦首側面形状が直線のもの(1号、2号、11号、16号)と中程に折れ角があるもの(4号、5号、9号、17号、19号、22号)
(2) 羅針艦橋両側に単装機銃座がないもの(1号、2号、8号図面)とあるもの(4号、5号、9号、11号、13号、19号、22号、うち13号以降には鋼製ブルワークあり)
(3) 前部煙路両側の吸気筒がないもの(8号図面)と両側にあるもの(1号、2号、16号)と右舷側のみあるもの(4号、19号、22号) ※吸気筒も丸形と角型の違いあり
(4) 中央機銃座両側の支柱が2本のものと3本のもの ※左右それぞれに多様な違いあり
(5) 中央機銃台後端の烹炊室煙突頂部が傘型のもの(1号、2号、4号、5号、8号図面、9号、16号)とH型のもの(19号、22号)
(6) 後檣が低いものと高いもの ※9号始め初期建造艦は13号電探増設時に延長
こうして見ると(5)(6)以外は相違点に造船所や建造時期などの法則性が認められず、単純に前期後期と分けられるものではないように思います。
なお同書では特二式内火艇と九七式中戦車チハについても詳説されているため、一等二等輸送艦セットを製作する際の参考資料としての価値が高いです。

さらにネットでググって出てきた以下の資料も参照します。
「一等輸送艦建造ヲ顧ミテ」からみる戦時下の呉海軍工廠(呉市海事歴史科学館研究紀要 第14号)

造船に於ける多量生産(一)~(四)(船の科学1949年Vol.2No.5~8)

これらの資料ではブロック工法について詳説されており⑩のNo6では↓のイラストに寸法まで添えられていました。


さらには⑨⑩とも建造のための治具までイラスト入りで解説されていたので、ここまで見せられると建造中のジオラマも作りたくなってしまいます。ただ呉造船船渠のガントリークレーンを作るのがウルトラ大変なのでやりませんが(笑)

次にキットのチェックを行います。
昭和50年代に設計・発売された古いものですが、ほぼ全パーツを8✕20センチのランナーに収めつつ、艦のフォルムを見事に再現した好キットです。

全長全幅の寸法はさすがタミヤ、完璧です。しかし主な構造物の配置などをチェックすると以下のような点に気付きました。
船首部分は舳先から艦橋あたりへつながるシアーのラインが、キットの方が僅かに急角度になっています。また1番主砲ブルワーク及び艦橋の位置を1mmほど後ろへ下げる必要があります。

シアーラインの修正は手間がかかる割に効果がほとんど分からないので、今回は施工しません。

船体中央付近では中央機銃座の位置を1mm後方へ移す必要があります。またその前後にあるはずの艙口がないため、設置する必要があります。同じく舷側にあるはずの貨物搬出口も新設することとなります。

このあたりはジオラマ化する際にポイントになる部分と想定しています。

船尾付近についても船首同様側面形状が不良です。

図面では複数のラインを経て船体後端に至るようになっていますが、キットでは一直線とされています。またその長さも1.2mmほど短縮する必要があります。
これらの修正を行おうとするとキットの甲板上にプラバンを貼り付けてゴリゴリ削り出す方法もありますが、ラインの出し方が難しいと思われます…。

船体の工作は船尾付近の側面形状修正、甲板上の突起物のほぼ全削除、艙口及び貨物搬出口の開口から始めることとします。
うーむ、最初からなかなか面倒な工事の連続…。
Posted at 2022/05/07 15:09:31 | コメント(2) | 艦船模型 | 趣味
2022年02月10日 イイね!

ジオラマ「駆逐艦桑の最期」

1944年7月25日に藤永田造船所で完成した桑は、大戦の趨勢に合わせた設計の松型駆逐艦五番艦です。
敵潜掃討部隊に編入された後、捷一号作戦が発令されると小沢提督率いる日本海軍最後の機動部隊の一員として参戦、無傷で内地に帰還しました。
その後、レイテ島オルモック湾への第7次輸送(第3梯団)時に米大型駆逐艦3隻及び魚雷艇の集中攻撃を一身に受け、艦橋左に被弾後、二番主砲あたりにも直撃を受けて火災が発生、火は後ろから前へ燃え広がり左舷へ大きく傾斜した後、僅か9分で撃沈されました。
今回はその最期をジオラマ化したものです。






電飾もやりました。
炎がゆらめきます。


細部をご覧下さい。

沈没前には左舷に30°傾斜し艦尾から沈んだそうなので、作品では25°傾けてあります。このため喫水線下をスクラッチしました。


一番主砲は早くに沈黙したそうなので、周囲に少数の薬莢と倒れた乗組員を配置。沈没前は艦橋前の一番機銃のみが発砲していたそうなので、銃撃している様子を再現しました。
この他、艦上各所に乗組員を配置し、倒れた人の周囲にはマニキュアで血を表現しました。

乗組員は若干のオーバースケールですが、正確性より存在感を重視しました。

キットはヤマシタホビーの「竹」です。最新キットゆえ、若干の追加工作で松型の勇姿を再現できます。ディテールアップにあたっては、桑は写真がほとんど残っておらず図面もないため同型艦を参考にしました。
主な工作は以下の通りです。
艦橋内部及び防空指揮所の再現、前後マストの作り直し、短艇・ダビットの精密化、ナノドレッド機銃への換装、爆雷装備のエッチング化及びスクラッチ、舷窓開口箇所の修正、空中線の展張、甲板上の箱やリール等の追加、手すりの自作 など
考証の過程で前マストのヤードが3脚の後ろ2本に取り付けられていることが新たに分かりました。

ジオラマは透明プラ板の枠内に石粉粘土を詰め、その上にメディウムを3度塗り重ねました。
海の色はロイヤルブルーの上からクリアグリーンを重ねてあります。
また目立ちませんが左舷舷側から油漏れを起こしている表現もしてあります。

黒炎は盛り上げたメディウムをクリアオレンジなどで塗り、内部にLED7個とランダム点滅用回路2個を仕込んであり、炎のゆらめきを表現しました。
なお炎上箇所は当時の乗組員の証言を参考にしています。


ネームプレートはDAISOアルミ板に透明シールを貼って作りました。
金属の質感がいい感じです♪

【製作後の感想】
自己満足度かなり高めです(´ω`)
ポイントはやはり揺らめく炎と濛々と上がる黒煙、そして乗組員の血です。いずれも初の試みでしたが、予想以上の出来になりました。
光をゆらめかせる回路の効果は高く、メディウムで作った炎との相性は抜群です。
黒煙は少し濃すぎると言われそうですが、多少オーバーな方が断末魔的な表情になるのではとも思います。
血はグロテスクな表現ですが、あえてそこに踏み込むことで戦争の悲惨さが少しでも伝わればという意図です。

考証面については、竹製作時に松型は研究し尽くしたと思っていましたが、舷外板の溶接痕の違いや13号電探取付位置など、新たな知見も得られました。今回は図面や写真に加えて乗組員の証言も参考にしましたが、やはりその方がよりリアルに作れる気がします。

毎度のことですが、スーパーモデラーさん達の作品に比べれば多くの点でまだまだ稚拙です。特に水柱は私の力でリアルに作ることは不可能と感じました(二度と作らないと思います)。
しかし軍用艦船は単に「かっこいい」「勇ましい」だけではありません。
人殺しの道具です。
「戦争の悲惨さ」というテーマはしばらく前に作った空母天城や戦艦榛名でも同様に取り扱って一定の結果を出したと思っており、今回は更に1歩前に進めたかなと思っています。
これは今後の艦船製作でも一貫していきたいと思っています。
少し重いテーマの作品ですが、この想いが少しでも皆様方に伝われば嬉しいですね。



◆製作記のまとめ
船体のチェック  
舷窓の考証など  
船体の工作  
船体・艦橋などの工作  
船体の塗装・艦橋の工作  
各部のディテールアップ  
ジオラマベース製作その1  
各部のディテールアップその2  
ジオラマベース製作その2  
ジオラマベース製作その3  
ジオラマベース製作その4  
ディテールの追加  
最終仕上げ  
駆逐艦桑(完成編その1)
駆逐艦桑(完成編その2)
Posted at 2022/02/10 22:07:09 | コメント(7) | 艦船模型 | 趣味

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