
少しさかのぼって、木曜日の話になります。
中日新聞社主催の講演会「The Center of Technology(航空宇宙分野講演会)」へ行ってきました。
事前の申し込み案内が、2回も新聞に載ったことから、「多分、定員割れしているのだろう」とおもっていましたが、なんと定員の2倍もの申し込みがあったそうです。
会場も、大ホールに加え、その横の小ホールもつなげて使用しなければ収容できないほど。
私は現地に開場すぐくらいに到着したのですが、既に満席に近い状態。
仕事で行く講演会は、たいてい後ろのほうから席が埋まりますが(汗)、今回は一番後ろが少し空いているだけでした。
講師は、大同大学学長でJAXA顧問の澤岡昭氏です。
氏は、材料工学の専門家だそうで、今回の講演内容もその視点からの話が中心でした。
前半は航空分野。
中部地区は、日本全体の航空宇宙産業の約50%を担っているのだとか。
すごいですね、中部!
今の最新の航空機、特に話題なのはボーイング787。
この機体は炭素を含んだFRP(CFRP)でできているそうですが、その何分の一かは、この中部地域で作られているのだそうです。
ただ、一方でちょっとコワい話も。
CFRPは耐久性に問題があるかもしれないと。
一応、厳しい耐久テストを経ているので、今すぐどうにかなるということではないそうですが、微細な振動が長期間続き、金属疲労のような状態になって折れてしまう可能性も、ないわけではないそうです。
その中でちょっと意外な話が。
ほとんどの飛行機はジュラルミンでできていますが、その接続は今でもリベットが使われているそうです。
私は電気溶接だとばかり思っていました。
なんでも、ジュラルミンは溶接が出来ないのだそうです。
実は、以前にドダイを作っているときに、みん友の
おつるさんと情報交換をしていました。
その中でおつるさんから、「リベットを再現してみてはどうか」という提案をいただきました。
そのとき私は「リベットは過去の遺物ではないだろうか。宇宙世紀ではなおさらではないだろうか」と単純に思ってしまいました。
無知とは恐ろしいものです。
おつるさん、その節は大変失礼しましたm(__)m
後半は宇宙分野の講演です。
話の中心はこれまでの日本の宇宙分野の歴史。
中にはこんな話も。
「日本の宇宙開発・ロケット開発の父」とも言われる糸川博士。
当初はペンシルロケットの開発から始めたのですが、4回続けて失敗してしまいました。
1回目2回目の時は世間も応援してくれたのですが、その後は批判論調へ変わっていきました。
そのとき、朝日新聞からは「糸川はペテン師である」とまで書かれたそうです。
10年くらい経った後、文芸春秋にそのときの裏話として、その朝日の記者と糸川博士は、銀座のママを取り合っていたのだとか(笑)
また、大阪のおっちゃんたちが作ったということで一時話題となった人工衛星「まいど1号」。
実はそのほとんどをJAXAの技術者が作ったそうです。
また、半年程度で地元からもすっかり忘れ去られてしまったとか。
寂しいものですね。
こんな話も。
現在はスペースシャトルも引退してしまい、宇宙へ人が行くための手段はロシアのソユーズのみになってしまいました。
でもそのためのコストがバカ高い。
なぜか。
ロシアのロケット製造技術者が高齢化し、かつ後継者がいないのだそうです。
だから今いる技術者に高い給料を払って残ってもらって、どうにかつないでいる状態なのだそうです。
うーむ、そんな綱渡りだったとは((((;゜Д゜))))
約1時間半の講演は、あっという間に終わってしまいました。
司会者からは、第2回第3回も開催予定とのアナウンスがありました。
また応募しなきゃ!
ちなみにこちら↓は、会場の隅に飾ってあったChubuSat-1(金シャチ1号)のレプリカです。
そして今日。
ちまたで話題(?)のパンスターズ彗星の観測をしました。
写真はこちら!

残念ながら、黄砂に阻まれて観測できませんでしたorz
明日も天気はいいらしいので、もう一度チャレンジしてみようかな。
Posted at 2013/03/16 22:42:26 | |
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