きっかけは今年の静岡ホビーショー。
全国模型クラブ合同展示会の場に「御前崎海の模型コンテスト」の作品募集チラシが置いてありました。コンテストは海の魅力をテーマにした模型作品を募集するという趣旨のもので、今年で5回目。
このコンテストが行われていることは、昨年度もチラシで知っていましたが、特に応募しようと思いませんでした。でも今年はふとアイデアが浮かんだのです。
実は御前崎市は私の母の実家がある土地。
子供の頃は家族で夏休みや冬休みに遊びに行ったものです。
夏には従兄弟たちと一緒に近くの浜岡砂丘へ行き、波に揺られ、クラゲにも刺されました(笑)
そうだ、その頃を思い出しながら、砂丘を舞台にしたジオラマを作ろう。
ここでみん友の皆さんは思い出すかもしれません。
「ザクとは違うは
もうコンテストに応募しないと言っていたじゃないか」
はい、そのとおりです。
昨年のGBWCに惨敗した時に、模型作りとは?について考えさせられたからです。
それでも今回応募するのか?
応募しました。
でも結果は1ミリも期待していません。
むしろ応募期限直前に予定されていた
「おっさんモデラーズオフ」の場で、みん友の成田のオッサンさんと鈍行電車さんに作品を見てもらうことに重点を置いて製作を決断しました。なので応募はその「ついで」です。
そうと決めたら早速準備。
キットはHGUC初期のGMとズゴック。
いずれもほぼ素組で、5日程度で完成させました。
次に浜岡砂丘の現地へ。
目的はジオラマの砂浜を表現するための砂や石などを拾ってくること。

何年ぶりでしょうか。
この入口の感じは、昔の記憶のままです。
その砂山の向こうに長い海岸線と広い砂浜が広がっている、そういう記憶です。

現在の砂浜。当時よりもかなり小さくなっていました。
近年では全国の砂浜が侵食等により小さくなっているようですが、浜岡もその例外ではありません。少し残念な気持ちにもなりましたが、当時のことを思い出しながら、当時の記憶通り真っ白な砂を拾って帰るという作業は、とても楽しいものでした。
約3週間の突貫工事を経て完成。
タイトルは「色白だと大変だね…」
舞台は1970~80年代。
それは、私が子供時代を過ごした時。
浜岡砂丘に遊びに来たジムくんとズゴックくん。
海で遊んだ後、砂丘のベッドで寝転び、いつの間にかうとうとしてしまった二人(二機)。ふと気づくと色白のジムくんは日焼けで肌が真っ赤に。水陸両用のズゴックくんはそれを見て一言…
という場面設定です。
背景写真の裏面には砂丘の入り口を貼り付けてありますが、実はジオラマの入り口はこちら。入り口からの砂山を登った向こうに砂丘が広がり、そこでみんなが遊んでいる、という状況です。
時代表現のため、テーブル上には当時我が家にあったラジカセ(サンヨーのWU4)やプルタブが外れるタイプの缶コーラを配し、団扇のデザインになめ猫と泳げたいやきくんを入れてみました。
なお、バックボードはブックエンドに差し込んであり、ビーチパラソルも中段で取り外せるので、輸送時にはコンパクトにすることが可能です。
そしておっさんモデラーズオフでお二人に見てもらいました。
2人からはプラス評価マイナス評価それぞれをもらいましたが、クオリティはともかく、楽しんで作ることができたのはいいことだというような評価をもらいました。
そう、いかに楽しんで作るか。
今回の最大のテーマでした。
海をテーマにと言われてふと思いついた場面設定。
そしてその時代を子供の頃にセットし、思い出を手繰り寄せる。
ジオラマ化にあたって脚色を加えてはいるものの、ジオラマ制作過程は私の過去をたどる過程でもありました。
特にビーチパラソルやベッドは、クオリティが低いです。
何度作り直してもうまくできませんでした。
GMの日焼け表現も満足は行ってません。
小石の配置も、もっと自然な感じにすべきと感じています。
オフ会の日程に合わせるため、作業時間が限られていたこともありますが、そうでなくても私の技術が稚拙であることを覆い隠すことはできません。
それでも。
今までに、これほど楽しくジオラマを作ったことがあっただろうか。
特に、久方ぶりに浜岡砂丘を訪れ、当時の記憶と現地の様子の多くが合致した瞬間は、本当に楽しくて仕方ありませんでした。
そうした感覚も含めて、かなり久方ぶりに「ザクとは違うらしい作品」を作ることができたという思いを持つことができました。
コンテストの結果ですか?
もちろん惨敗です(笑)
でも。
別室で審査が行われている中、とある子連れの家族が私の作品を見て「あ、こういうの楽しいねぇ♪」などと会話していたのが聞こえ、親たちが去った後も子供だけは私の作品をじっと見続けていた姿を見ました。
最終審査結果発表の前に、審査員の山田卓司氏の講演がありました。その中で彼はこう言っています。
「やはり模型作りは個人の趣味なので、誰かに評価されるかどうかは考える必要はありません。ただ、私はプロとして人にもてもらうということを、お金を取ってやっているので、やはり人を喜ばせる作品を作らなければならないと思っています。」
コンテストで評価されなかったことが残念でなかったと言えば、さすがに嘘になりますが、でもだからといって模型作りへのモチベーションに影響が出ることは微塵もありません。
これからも自分流&マイペースで作り続けるぞ!
ということで、本ブログ関連のフォトギャラ、フォトアルバムは以下のとおりです。
コンテスト関連は一見の価値があると思います。
・
20180527 浜岡砂丘
・
砂丘ジオラマ(制作編)
・
御前崎海の模型コンテスト 過去の入賞作品
・
2018年第5回御前崎海の模型コンテスト
・
ジオラマ「色白だと大変だね…」
Posted at 2018/07/21 16:06:47 | |
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