長かったコロナ第5波もやっと治まり、全国規模で発出されていた緊急事態宣言も解除されましたが、この先いつ第6波が来るか分かりません。仕事もこのあとひと山来る見込みなので、温めていた計画をこのタイミングで発動することにしました。
行き先は呉市にある大和ミュージアムのライブラリー。
ここには旧海軍艦船の貴重な写真や図面などの資料がデジタルデータで所蔵されています。同館のHPでも写真はサムネイルで見ることが出来ますが、その中央にでかでかと「大和ミュージアム」の文字が入れられており、かつ右クリック不能な設定とされています。考証派モデラーを自認する私としては、より精度の高い作品を作るためには、やはり写真や図面の存在は大きいです。だからこその遠征計画です。
ちょうどその時、近ツーから手紙が来ました。
内容は、2年前に参加した「海軍さんの港まちスタンプラリー」4都市コンプ達成者への制覇証明書授与式を舞鶴で行います、とのこと。
これは行くしかない!
ということで呉&舞鶴一人旅の敢行となりました。
水曜日の仕事を定時まで終え、そのままクルマで高速へ。途中のPAで車中泊し、翌朝呉に到着しました。
大和ミュージアム開館は9時なので、それまでの時間を使って音戸の瀬戸近くの警固屋というところにあるコンクリート船を見に行きました。

太平洋戦争末期になると様々な資材が不足し、特に鋼材の不足はかなり深刻でした。同時に前線への輸送任務の重要性も次第に認識され始めていました。そこで考案されたのがコンクリート船。
詳細は
Wikiの解説に委ねますが、建造費用はかかるもののかなり頑丈だったようです。↑の船は自走でなく曳航されるタイプです。
大和ミュージアム開館の9時までにまだ少し時間があったので、ミュージアム裏手の公園で撮影。
そして開館。
ライブラリーは一番乗りでした(笑)

ここには検索用PCが4台設置されており、うち2台が図面などの資料用、もう2台が写真用です。
土日などは一人30分までで交代することになっていますが、この日は平日だったこともあり、PCは使い放題!
他の利用者は1組だけ来ていましたが、地元の親子のようで「広(ひろ)空襲の記録が見たい」との用件でした。どうやらお母様の親御さんが空襲で亡くなったそうで、その状況が知りたいという話でした。
さて写真と図面を半日以上かけてじっくり検索。必要だと思ったデータは2L版やA4版で印刷してもらうこともできます(有料)。
呉にはそう頻繁に来ることは出来ないので、この機会に必要だと思うものは粗方印刷をお願いすることにしました。結果、2L版写真56枚、A4版写真1枚、A3版図面9枚で総額2諭吉超え!(爆)
うーん、ちょっと思い切りすぎたかな…。
ま、これらは今後の艦船キット制作に必ず役立てます!
かくして一人旅メインミッションの1つ目は無事完了。
この日は呉市音戸町にある「大浦崎公園キャンプ場」を利用します。

こちらのキャンプ場はスポーツ施設の一部で、予約不要かつ夜9時までチェックインOKというゆるゆる設定。しかも一人1泊2日で480円とバク安です。
ただ管理人さん曰く、最近はマナーの悪い人が増えて近隣から苦情が来ていると聞きました。マナーやルールの守れない人はキャンプ場を使わないでください。
閑話休題。
この日の晩御飯はこちら↓

たらこじゃがりこマッシュ、名付けて「たらりこ」。そして「マグロ卵とじ」はマグロ味付缶と卵をかき混ぜて火を通してあさつきをふったものです。
この日は爆風だったので、テントで風から守りながらの晩酌。
満月かつ雲多めだったので、オリオン座流星群の日でしたが観測できませんでした。
翌日も朝早く起きてお土産を買いに行きついでに温泉で汗を流し、呉市東端にある安浦漁港へ。
ここにもコンクリート船があります。

こちらの船は昨日見たものの改良版で、名前を
武智丸(たけちまる)と言い、ディーゼルエンジンによる自走が可能なタイプです。竣工したのは写真の2隻のみで、学徒や女子が動員されて建造されたそうです。しかしいくら戦時とはいえ、このような船を作ってまで戦争を継続する必要性はどこにあったのでしょうか。太平洋戦争のことを勉強すればするほど、あの戦争はなんのためだったのか、また特に敗色濃厚となって以降もなぜ終戦工作が全くなされなかったのかと思えてなりません。二度とこのような愚行が繰り返されぬよう、こうした遺産を大切にしていく義務が我々にはあるように思います。
次に訪れたのは、広島県三原市にある
新高山城。

「ニイタカヤマノボレ1208」というフレーズに聞き覚えはないでしょうか。
そう、あの太平洋戦争、中でも真珠湾攻撃のGOサインです。ここで言うニイタカヤマはこの城のある新高山ではなく、当時日本領だった台湾にある山でその時の日本最高峰だったそうです。
新高山城は戦国時代の毛利家三男・小早川隆景が築いた堅城で、続100名城に選定されています。
登城口近くの無料駐車場には地域の方が作ったと思われる詳しいパンフレットが置かれていました。登城口から登り始めると程なく大きな看板があります。

さらに進むと…

土砂崩れで行き止まりになっていました。
「ニイタカヤマノボレズ…」
事前に調べた限りでは、東側の沼田川を天然の堀とし、郭の総数は60以上にものぼるほど山全体が要塞化されており、最上段にある詰の丸という場所からの眺めは絶景だとか。再訪する機会があればぜひとも攻略したいものです。
こうして3日目の観光を終了し、高速に乗ります。今回も往路同様、途中のPAで車中泊します。この日の夕飯メニューは「豚もやし鍋」。

醤油をつけながら食べると絶品です♪
後編に続く。
Posted at 2021/10/24 21:06:02 | |
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