
ストリップと言っても、その甲板で脱ぎ脱ぎするわけではありませんw
旧日本海軍艦船では、甲板に海水が乗ったり血のりが付いたりした場合の滑り止めとして、細長い鉄板(滑り止め鋲)を打ち付けることで滑り止めとしていました。
長さ200mmの鋲は艦の中心線に対して50°ずつ開いて斜めに設置されます。
これをそのまま1/700にすると、鋲の一つ一つがとんでもなく小さくなってしまうので、各メーカーのキットもかなり大きめにディフォルメして表現されるのが通例です。
私は古いキットを使うことが多いため、そもそも滑り止め鋲がキットにモールドされていないか、あっても他のモールドとともに一旦全部削ってしまうので、滑り止め甲板をどう再現するかは以前から課題の一つでした。
駆逐艦竹を作った際には、極細伸ばしランナーをひたすら接着していくという狂気じみた作業を行いました。この方法は鋲が凸になるのでリアルな表現となる反面、さすがにこれを毎回行うのはしんどすぎます。
次の第9号輸送艦では、デザインナイフの刃で切り込みを入れるという方法を試しました。これも鋲が打たれているように見えるので一定の成果を上げましたが、やはり一定間隔で正確に切り込みを入れるのはかなり困難だと感じました。
そんなある日、Twitterのフォロワーさんからこんな情報をもらいました。
なるほど、この方法なら比較的容易に出来るかも♪
まずはそのための治具を作ります。材料はこちら。
マイナス精密ドライバーは0.5mm幅になるまで金属ヤスリで削ります。
アクリルカードケースは一枚ずつに分解し、100°になるように適当なサイズで切断するとともに、艦の中心線となるラインをデザインナイフで入れ、さらに斜めの辺と平行なラインを2mm間隔で1本入れました。
ではいよいよ試作。
適当なサイズに切ったプラペーパーの端に中心線のラインを合わせると、そこから50°に開いた線が治具によって生まれるので、そのラインを鉛筆で入れます。

この時、下から上へラインを入れていくと治具に入れたラインが活かせます。
同様のことを反対の角度でも行います。
斜めの線の交点に合わせてマイナスドライバーを押し付けます。

これも同様のことを反対の角度でも行います。
次に鉛筆で入れたラインの中間にもう一本のラインを鉛筆で入れます。

このラインと100°で交わる交点にマイナスドライバーを押し付け、同様のことを反対の角度でも行います。
これを裏返すと滑り止め甲板シートの出来上がり!

これを量産し、必要なサイズに切り出せばよいことになります。
治具は2mmピッチと3mmピッチの両方作り、素材も0.13mmのプラペーパー&プラ板の療法を試してみましたが、プラバンのほうがコシがありますが、ドライバーの跡による反り返りがきついので、キットにしっかりと貼り付ける必要がありそうです。
まだキットに貼り付けていませんが、その瞬間が楽しみです♪
Posted at 2023/04/15 16:05:59 | |
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