第一煙突のリサーチです。

榛名の図面を見ると、蒸気捨管が画像に示したような配置になっています。
これを実艦の写真と比較しながら検証したところ、左舷側の2本は図面の位置よりも少し後に設置されていました。
またそれぞれの高さも調べた結果、メモ書きしたような高さ(H=煙突上端より高い、L=上端より低い)と推定しました。
次に第一煙突の破損状況について、右舷側の写真2葉で検証します。

左側の写真では、煙突頂部から少し下までのあたりが左舷側に傾いている様子が見て取れます。また煙突手前にある高角砲指揮所は大きな破損がないようなので、爆弾は煙突より右舷側で爆発したのではないと思われます。
さらに右側の写真では、爆発により傾いた煙突頂部の後端がその下部分のラインとほぼ同じであることが分かります。
同じく右舷側の写真です↓

煙突後端の蒸気捨管が右舷側に傾いていますが、先程の右側の画像ではまっすぐ立って見えることから、これらの蒸気捨管は先程の画像の手前側に傾いていると推定できます。
次に左舷側を検証します。

左舷の高角砲指揮所も右舷同様大きく破壊されていないことが、左側の写真で確認できます。
また右側の写真では若干不鮮明ではあるものの、煙突頂部がかなり後ろにずれていることと、破断面が水平であることが確認できます。
これらの検証から、爆弾は煙突内部の左舷側後寄りで爆発し、その圧力により煙突頂部が左舷側後方にずれたのではないかと推定しました。

キットの工作状況です。
煙突本体をプラ棒から削り出し、その周囲にプラペーパーを貼り付けて破断面を作りました。
この上にずれた煙突頂部を設置する予定です。
蒸気捨管は、折れ曲がり方の確認できる後端2本以外は適当に曲げて設置しています(笑)
次に後部艦橋周囲の機銃配置を検証します。

画像の左側は福井静夫氏がとりまとめた「各艦機銃、電探、哨信儀等現状調査表」の榛名のページで、右側の図は学研太平洋戦史シリーズ金剛型戦艦に掲載されたものです。
榛名の場合、第二次改装の際、後部艦橋の後端両側に25mm三連装機銃を増備(便宜上「既設」と表記)していますが、マリアナ後の増備において当該既設機銃座の他にどこへ増設したのかが、上記2つの資料では異なっています。
なお、丸スペシャルNo20戦艦榛名の解説イラストでは上記「調査表」と同様の配置で描かれていました。
困ったときは実艦の写真で確認するに限ります。

画像の①②とも不鮮明ではあるものの後部艦橋の後端ラインから後に出っ張った構造はないように見えます。
また①③では、既設銃座の艦首方向少し上に若干横長のスペースが設けられているように見えます。
さらに③からは既設銃座の支えは棒状ではなく三角板であることが見て取れます。
これらを踏まえ、第二煙突及び後部艦橋周辺に機銃座を設置しました。

後部艦橋の94式方位盤撤去跡はドリルで穴を開けました。またその後部(後部見張所の上)は露天見張所とされていたようなので、周囲にブルワークを設けました。

マストは主柱を0.5mm、支柱を0.4mmのプラ棒で作りました。
いずれもプラストラクト社の製品を使用しています。
同社のプラ棒は非常に柔らかくて加工しやすいので多用したくなりますが、取扱店が極めて少ないため入手困難です。ぜひとも大手量販店で取り扱ってもらいたいものです。
閑話休題。
マスト下段あたりには電探室を設けました。電探室はマスト主柱にめり込むような形で設置されているので、そのような表現を行っています。
既にこの段階で艦体色と甲板色はざっと塗りました。
艦体は佐世保グレー、甲板はフラットアースを使用していますが、甲板はデッキタンのほうがもう少し明るめになるので、やはりそのほうがよかったかも…。
ま、いずれにせよ完成前にはウェザリングを入れるので、あまり気にしないようにするかな(笑)
ということで、ザクレロも作らなきゃ。
あー忙し(笑)
Posted at 2020/12/09 20:37:04 | |
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