ジオラマの海面にようやくめどが付いたので、鳥海の製作に戻ります。
まずは艦載艇について検討します。
シコルスキー図面では新造時と1932年時の状態が図面化されていますが、両者は若干異なります。

32年時では煙突脇の左舷側にあった通船を後部艦橋脇へ下げ、右舷側の11m内火艇を長官艇に交換しています。
通船はカッターの上に載せられていたので、カッターの使い勝手を改善するために通船を移動したのではないでしょうか。長官艇については、鳥海の巨大な艦橋が旗艦として使いやすかったことから、内火艇から交換したのではないでしょうか。
更に実艦写真で確認します。

この時点では後部艦橋上にあったランチがカタパルト前に移され、後部艦橋脇には内火艇が置かれています。後部艦橋上に置かなくしたのは、1934年の友鶴事件を受けて重心を低下させるためではないかと推察されます。また後部艦橋脇は前後長があまりないことと、重量軽減のため内火艇は11mより小さいものに交換しています。恐らく8mでしょう。
こちらは1942年トラック島での鳥海の写真です。

遠景なので判然としませんが、後部艦橋上に小艇はなく、その手前に内火艇が置かれているように見えます。カタパルト前はよく分かりません。
さらに戦争後半とされるこちらに写真にもカッターなどが写っていました。

後部艦橋脇はカッターに見えますが、ランチの見間違いかもしれません。
これらを踏まえて第一次ソロモン開戦時を以下のように推測しました。
煙突両側:右舷=9mカッター+6m通船、左舷=8.2m通船(新造時と同じ)
後部艦橋上:なし
後部艦橋脇:両舷とも8m内火ランチ
カタパルト前:右舷=長官艇、左舷=11m内火艇
第一次ソロモン時の鳥海は第8艦隊旗艦を務めており、このため内火艇のうち1隻は長官艇とする必要があります。「軍艦鳥海航海記」にも旗艦になると調度品などの入れ替え作業等が多く発生するので困るなどの記載が見られます。これを設置する場所として後部艦橋脇では前後長が足りないので新造時のようにカタパルト前としているはずです。
その結果、内火ランチは後部艦橋脇に置くこととなってサイズを小さくする必要があるので8m型と推定しました。ちなみに同サイズのものが三隈に搭載されていることが確認出来ます。

そうなると1932年時のように通船をそこへ置けなくなるので、新造時と同様に煙突両側にカッターと通船を配置しただろうという推定です。
次に艇ごとの考証です。
大和ミュージアムのライブラリーを見ると、内火艇中ほどの甲板に傾斜があるものとないものがあると分かりました。他の艤装も艇ごとに微妙に異なりますが、造船所ごとの違いと思われるのであまり気にしないことにします(笑)

手元のキットはハセガワ、WL装備品セット、フジミの3種がありますが、それぞれ以下のような状態です。

フジミはディテールが繊細ですが、キャビンなどの配置や大きさがシコルスキー図面とは異なっていると分かりました。ハセガワはWL装備品とほぼ同じ作りですが、キャビンの帆布表現がリアルにされています。
結局、内火艇はハセガワをディテールアップし、長官艇はWL装備品を改造することにしました。それがこちら↓

8m内火ランチと9mカッターはハセガワ製をそのまま使います。
6m通船もハセガワ製(青葉のもの)を使いますが、8.2m通船は無いのでスクラッチ。

割といい感じに仕上がりました♪
これらを艦首から順に配置するとこのような順番になります。
次に手掛けるのは後部マスト。
こちらは三脚部の中段が単なるステーではなくフロアが設けられています。

幸いフロアごとのサイズがシコルスキー図面で確認できるので、それに基づいてスクラッチしました。

これを組み上げると…

おー、いい感じ♪
三脚の中段はステーの長さで毎回苦労します。鳥海のようなフロア式は初めて組みましたが、図面通りにパーツを作るとバシッと合うものですね。当然とはいえちょっと驚きました。
三脚頂部のクロスツリー以上はまた後日製作予定です。
今後の前後マスト製作の際には大量の極細プラ棒が必要になります。マスト主柱などは太さの均質性が求められるのでプラストラクト製品を使用しますが、支柱やトラスまでそうしているとお金がかかって仕方ないので伸ばしランナーを使用します。
ぼちぼちストックが無くなってきていたので、かなーり久々に作成。

左の湾曲したものはすべて処分しました。狙った太さを作るのも大変ですが、直線のものを作るのも難しいですね。伸ばした直後に下に重りを付けて垂らしておいたのですが、それでもこの状態でしたorz
艦首のファッションプレートにあるフェアリーダーですが、実艦では穴の下にふくらみがあります。これを瞬間接着剤の重ね塗りによって表現してみたところ、なかなかいい感じになりました♪
まだまだ先は長い…
Posted at 2026/02/15 19:46:36 | |
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