そして、しばらく時の経ったいつもの土曜日。日ごろの疲れが出たのか小一時間ほど昼寝をしている間にその物体は届いた。
こんな片田舎に国際郵便が届いた。紛れも無い。例のアレだ。
怪しい目で自分を見る妻に、これは自分の金で買った測定器だ、と言い放つと足早に自室に入った。それにしても結局最後までEMSの追跡サービスが利用できなかった。なぜだろうか。
まぁいい、そんなことは。
ダンボールの包みを開けるとおおよそ予想通り、さらに箱が入っていた。
多少角が潰れているが問題ない。許容範囲内だ。
ふと、オプションのバッグとバッテリーの存在が気になった。バッテリーは内臓されているとしてもバッグはどこにあるのだろうか?さらに箱を開けるとその疑問は解決した。
バッグの中にオシロを入れたまま箱に入っていたからだ。限られたスペースを有効に利用した発送に感心した。
さらにバッグを開けてみるとそこには真新しいオシロ本体が異様な佇まいで入っていた。その瞬間私は息を飲んだ。これがオシロか・・・ついに手に入れた。バッグから出してみる。
軽くて薄いそのオシロは私に挑発をしているようだった。どうした?電源入れてみろよ?
私は電源を入れた。幾度と無く様々なオシロに電源を入れてきたがコレほどまでに緊張した瞬間は無かった。なぜなら故障している可能性が捨て切れなかっったからだ。
しかにそんな緊張をよそにソレは実にあっさりと波形を表示した。
正常だ。
心の中で呟いた。
その時、背中につめたいものを感じた。・・・まだ付属品のチェックをしていなかった。
良く分からないが揃っているようだ。
ん?これは何だ?
注文した覚えは無いが、フリーギフトと書いてある。無料のプローブか。
同梱のチラシを見るとそれなりの値段がするはずだが。ありがたく貰っておくことにした。
私の通勤自転車と同じだけの値段がするソレは作業卓の真ん中に鎮座するのであった。
モノの価値観はひとそれぞれだ。"時間に対する電圧の変化を移す測定器"を何ソレ?なんでそんなもの見る必要あるの?と言い放った妻にはその価値が分からないのだろう。
完
Posted at 2013/10/14 22:12:30 | |
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