
最近、お友達の
ほふ先生がJBLの珍しいホームオーディオ用スピーカーセットを手に入れたそうです。
私にもJBLに纏わる懐かしい思い出がありますので
少しお付き合い下さい。
昭和56年(1981年)当時、日本はオーディオブームで、高校生の私はアメリカの高級スピーカーブランドであるJBLのモデル4343など大きなスピーカーセットに憧れておりました。
端からそんな代物は買えるはずもなく、悶々とオーディオ雑誌を眺めている毎日でしたが、
ある時、JBLにはスピーカーユニットを単品で販売するシステムがあること、そして20cmフルレンジユニット LE8T (写真)という製品がラインナップされていることを知りました。
そのユニットは、白いコーンと金属製のセンタードームの組み合わせで、ヘアライン仕上げのフレームがカッコ良いではありませんか。それに高校生の小遣いでも手が届きそうな価格です・・・。
それは、スピーカー・ユニットだけ手に入れ、キャビネット(エンクロージャ)を自作すればなんとか8万円程度の出費で済み、自分もJBLユーザーの末席に座る事ができる!というプロジェクトがスタートした瞬間でした。(^エ^;
ちなみに当時サンスイから発売されていたキャビネットにLE8Tが納められたモデル(SP-LE8T)は、20万円弱で販売されていました。半分以下の価格で同じものを作れるのは夢のある取り組みでした。
◇
スピーカー・ユニットは、ハーマン・インターナショナルが輸入した正規品をアルバイトで貯めたお金で何とか買うことができました。ちょうどアルニコマグネットからフェライトマグネットへの切替の時期だったため、届いたのは LE8T-H という型式で 8Ωのフェライトマグネットバージョンでした。
材質による音の違いなど判るはずもないのですが、何となくアルニコでなかったのを残念に思った覚えがあります。
あとはキャビネットを自作しなければなりません。
その頃、幸運にも20cmフルレンジ・ユニット用キャビネットの設計図、それもJBLが引いたモノが載っているオーディオ雑誌を見つけました。サンスイのSP-LE8Tのキャビネット諸元に近いような雰囲気です。
幸運は続き、設計図にあるバスレフポート(低音増強の共振穴)の内径と全く同じサイズの塩ビパイプが実家に転がっていたのです。これにお金を使わなくて済む。嬉しくてたまりませんでした。
キャビネットの材料については、学校の近くにあった金物屋さんで21mm厚のラワン合板を調達し、お店のおじさんに裁断設計図を渡して部品取りのカットをしてもらいました。
そのような依頼をする客は少なかったようで、子供相手でもおじさんは結構張り切っていたようです。
おじさんの加工は正確で、バッチリ組み上げる事ができました。
木工用ボンドと木ネジを併用して箱を組み立て、中にグラスウールを詰め込みました。バッフル板(前面の板)を黒く塗り、ユニットを取り付けました。キャビネットの仕上げはローズウッド調のビニールシートでラッピングしました。
サランネットは、枠を組み立てJBLっぽい青いメッシュ布を張って自作したのですが、結構上手くできてしまったのが嬉しかったです。

最初に鳴らしたアルバムは日野皓正氏(tp)のCity Connectionです。
自己満足ですが、感動の瞬間でした。
◇
今年で33年目になる、このスピーカーセットを今でも愛用しています。
キャビネットは外装のシートが剥がれることもなく昔のままですが、さすがにスピーカー・ユニットはエッジの劣化が進んだため、2004年にレストア済みの中古品をもう1セット購入し入替しましたので2代目です。古いユニットは他のユーザさんの手に渡り、修理・愛用されていると思います。
LE8Tはとても魅力のあるユニットで、今でもこれで十分と感じています。
30年以上先もこれを使い続けている事を、高校生の自分が知ったらどう感じるのでしょう.....
「俺ってオヤジになってもモデル4343買えてないんだ...」とがっかりするかも知れませんが、「これはこれでいいんだよ。」と教えてやりたいと思います。(^エ^)b
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Posted at
2013/11/28 19:46:20