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イイね!
2018年09月09日

マツダ・ロードスターの「人馬一体」

その昔、乗馬を嗜む母方の祖父がよく言っていた言葉があります。

「馬は乗る人間を品定めする。自分が納得した人間でないと、決して服従しない」

それは単に馬を服従させるだけでなく、馬との信頼関係みたいなものを構築しないと人馬一体とはなれないのだろうと私なりに解釈します。

そんな人馬一体をキャッチフレーズにしたこの車で一日遊んで参りました。

御存じマツダのロードスターであります。全長3915mm、全幅1735mm、全高1235mm、ホイールベース2310mm、車両重量1060kgと初代に比べれば確実に大型化されてはいますが、現在絶滅状態にあるライトウェイトスポーツを牽引する貴重な一台だと思います。


リアスタイルにどことなくフェラーリ・カリフォルニア的な雰囲気もありますが、全体的によく纏まったスタイルだと思います。


この個体は6EC-ATと呼ばれるパドルシフト付きアクティブマチックですが、ギア部分もMT的なブーツが付いていたりと雰囲気あるデザインです。


どちらかと言えばこの車にはスパルタンな印象を持っていたのですが、現行モデルでは乗用車的というか快適装備が揃っています。

流石に夏場に冷風が出るエアシートではありませんが、ヒーターが装着されたレザーシートです。この個体は限定でソフトトップとシートがバーガンディのカラーですが、とても良い雰囲気です。


メーターには200km/hまで刻まれてはいますが、レクサスと同様にリミッターは存在します。


195/50R16と、決して無理のないサイズのタイヤを履いています。ディーラーさん曰く「玄人さんはこれを更にサイズダウンする方も居ます」との事で、コケオドシに18や19を与えない見識なのでしょう。


樹脂カバーの無い、ちゃんとエンジンが見える直4DOHCは132psを発生します。

さて、街に出てみると大型セダンに慣れた目にはゴーカート並みに低いポジションであります。このポジションでルームミラーに映る後続のクラウンはものすごい威圧感を感じました。

曲がる、停まる、パワーを乗せるという一連のタイミングはある種のコツみたいなものが必要で、それを掴むには少し走り込む必要がありました。エンジンパワーもブレーキ制動力も現代の水準としてはごく普通で可もなく不可もない印象ですが、必要なパワーを必要な分だけ自分で引き出して、必要な時には必要なだけブレーキを踏んで減速するという一連の流れは全てドライバーに委ねられた感があり、何でも電子制御の高級スポーツカーとは対極にある古典的なスポーツ解釈であります。

誤解を恐れずに申せば、最初に走り出した時はお世辞にも乗り易い印象ではありませんでした。しかし一時間くらい乗り続けて車との信頼関係が出来始めたかなと思う頃には自分の感覚も研ぎ澄まされて「これは唯一無二のスポーツカーだ」と納得でありました。ハンドリングも遊びの少ない昔の英国スポーツカーに近く、レーンチェンジでもミズスマシ的に動けるクイックさを残すにはこのサイズが限界の大きさなのかも知れません。


ソフトトップの開閉も手動で容易に出来るので、重量の増える電動式を採用しないのは正解でしょう。


そんな訳でウチの車とは全く異なる性格の一台を試して、今の世の中でこれほどドライバーに従順ではない車が存在する事が良い意味で喜ばしく感じました。例えばポルシェ911などはドライバーの腕に多少問題があっても車がカバーしてくれる鷹揚さみたいなものがありますが、このロードスターはそうした鷹揚さを持ち合わせておらず車とドライバーの技量をすり合わせる必要があります。それは正直少し疲れますが、実に愉しい時間を過ごす事が出来る車です。

そう考えると、今のスーパープレミアムクラスのスポーツカーはどれも肥大し過ぎた感があり、もはやスポーツカーでは無くラグジュアリーカーなのでは?と感じるのでありました。

で、ラグジュアリーカーならばドアが4枚のがいいじゃんと思ってしまうのですが…
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2018/09/09 17:30:03

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この記事へのコメント

2018年9月9日 17:52
ロードスターのいいところは、軽いタイヤとホイールの組み合わせの軽快感ですね。
これぞライトウエイトスポーツ!と思わせてくれます。

ホント最近のスーパースポーツは際限ないですねぇ。
まぁあえてパワーを使わない贅沢もありますから、仰る通りラグジュアリーカーですね笑

昔の911は発進するだけでも緊張したもんですが、最新のは安定感の塊なんでしょうか?
コメントへの返答
2018年9月9日 19:30
例えばX350もそうですが、軽いという事は自動車にとって正義だと思います。ただ乗せてもらうだけなら重いほうが乗り心地は良いですが(笑)

現行911のサイズはギリギリでスポーツカーとしてOKかなと思いますが、それ以外はスポーツカーとは思えないんですよね。直線だけ速いだけではスポーツカーとは言えませんから。

今の911は多少アクセルを踏み過ぎてもリアが流れたりノーズがリフトしません。そういう意味では甘口になったのかも知れません。
2018年9月9日 19:09
こんばんは!

クラウンはものすごい威圧感を感じました。

この部分に非常に共感させていただきました
今時の背の高いタントとかウェイクが前に来て
後ろにクラウンとかフーガなどくると
自分がますます自分が小さくなったような錯覚覚えます
コメントへの返答
2018年9月9日 19:35
こんばんは。

ルームミラーに映ったクラウン、ものすごい威圧感を覚えました。

逆に「いつも自分はあんな風に見えるんだ」と思いましたが、このロードスターの低いポジションは「いつもと違う乗り物に乗っている」感が満点で新鮮に感じました。

オープンにすると空が高く感じる一台ですね。
2018年9月9日 21:47
短時間試乗しただけですが、乗りやすい!が第一印象でした。
上屋が割と動き、FRのセオリー通りに操作すると街中の速度でも楽しめそうですが、逆にプッシュしたときにどうか?と、Z4Mクーペに乗るせいか、思った記憶があります。

ただあの軽さは魅力的ですね。Z4Mがあと200kg軽ければ…と思います。

自分的にはスポーツカーはストイックなイメージなので、スーパースポーツよりもむしろロータスエクシージなどのほうが、らしいかな?と思ったりします。
コメントへの返答
2018年9月9日 22:08
Z4Mと200kg違うのですね。

まあ考え方が違う2台なのでどちらも正しいように思いますが、後輪駆動のセオリーってこういうモンだという見本のような動きに慣れれば乗り易いのかも知れませんね。

今のスーパースポーツはどれも乗ると旦那仕様と勘違いするくらいに快適です。それはスーパースポーツの購買層はドライブよりも記号性にお金を出す時代の流れなのでしょう。

そんな中で純粋にこうした車が残っている事は素晴らしいと思うのです。
2018年9月9日 22:29
連コメ失礼します。

Z4Mは1490kgあり、500kgも軽いロードスターの軽快感は相当なものです。走りの面でも重さを感じる場面があり、馬力を考えれば200kgぐらい軽いとだいぶ違うのに、という意味です。

約1トンで350馬力、しかも重ステというのがエクシージで、ここまでの深みにはまるには、もっとガッツが必要に感じます。
コメントへの返答
2018年9月10日 4:47
そういう事でしたか!

車の方向性が違いますが、BMWはある程度の重さに関しては良しと考えているのでしょうね。にしても500kgとは大型力士2人分ですからね…

ロータス・エキシージ、この路線での頂点という感じが良いですが、仰る通りで深みにハマらないうちは手が出せない車ですね。
2018年9月9日 22:40
こんばんは。
マツダロードスターは私も乗ったことがあり、まさに人馬一体感が味わえる唯一無二のライトウェイトスポーツだなぁと感じ入った記憶が鮮明にあります。
軽さとパワー感の絶妙なバランスが何とも心地よいですね。
私も場所と財力があれば1.5LのMTが欲しいです。
コメントへの返答
2018年9月10日 7:46
おはようございます。

その昔、イギリスにはライトウェイトスポーツカーが沢山ありましたが、ほとんど絶滅した今となってロードスターは貴重な存在だと思います。

コレ1台の選択では難しいと思いますが、こういう車が1台あったら楽しくなると思います。

まずは保管場所の確保で、ソフトトップは屋内保管でないと難しいですね。

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「今日は猫のむぎさん10歳の誕生日です。これまで大きな病気もせずに遊び回っておりますが、猫の10歳は人間で言うと私と同じくらいだそうなので、食べ過ぎに気を付けて健康で長生きを目指しましょう。」
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