現行のレクサスLSも早いもので、登場してから6年が経過しました。
私もその最初期モデルには先日まで乗っておりましたが、今日大幅なマイナーチェンジモデルが発売となりました。初期モデルに8万㌔近く乗った経験上、今回の改良が果たしてどのようなものかは非常に関心があり、今回もディーラーさんのご好意により発売日に試乗の運びとなりました。
まずは一番の変貌を遂げたのは、このフロントマスクだと思います。

どちらかと言えば控え目に見えた前期型に比べ、相当に迫力が増した顔付きになりました。年末登場すると言われる新型クラウンのスクープ写真をご覧の方も多いかと思いますが、今後のトヨタはこのアウディを連想するグリルで行くのでしょうか。

とは言え想像していた以上に無難に纏まっていると思います。前期モデルには無かったフード上のプレスラインが出来た事でフロントの高さ感が出て、このクラス相応の威厳みたいなものが出てます。
リアのランプ周りも一番新しいGSと同じテイストです。

ようやく全てのウィンカーがLED化されました。
あくまでマイナーチェンジという事で、タイヤサイズに変更はありません。ホイールの色味が若干ガンメタ系に変更されています。
私的に一番大きく変わった事を感じるのがこのインパネです。画面タッチパネル式からマウス式に変化しましたが、これは慣れの問題でしょうか。ウィンカーレバーはGSでBMWっぽい操作感のものになりましたが、LSは従来と同じです。

先代モデルのアンケートに「安っぽい時計を何とかして」と書いた記憶がありますが、ようやくそれなりになりました。
実際に今日走ったのは460Lというロングボディのものでしたが、パワーユニットには変更が無いので慣れ親しんだLSの味そのものという感じです。ただ前期モデルのセルシオからあまり変化を感じなかったシートは中身の変更があったようで、沈み込みが少ないものに進化しました。
コンソールのダイヤル式のセレクターはエアサスペンションの調整で、コンフォート・ノーマル・スポーツの他にスポーツプラスという更にその先のモードが新設されました。とは言ってもノーマルの足はあくまでソフト向けなので、スポーツプラスを選んでも柔らかい印象があります。前期モデルで気になった路面の大きな入力後のうねりみたいなものは依然として残っており、ここはもともとスポーティー仕様のFスポーツのほうが良さそうです。因みにスポーツを選択するとメーターに赤いイルミネーションが表れるのは現行ジャガーXJと同じです。ここはジャガーやフェラーリの「マネッティーノ」と同様に足回りだけでなくエンジンのマネージメントも選択出来ると面白いのですが…
このLS、今回のマイナーチェンジであと5年生産されて次期モデルにバトンタッチとなるそうです。ここ数年の間に大型サルーンを取り巻く環境が大きく変化したことで、次期モデルをどの方向に向けるかは相当難しい仕事ではないかと思われます。どちらかと言えばこのモデルも従来の価値観の範疇にあるので、この手の車がお好きの方には大きくて立派なLSを手に入れるチャンスだと思います。
私的には今からこの車を買うなら600hがオススメです。単にハイブリッドというだけでなく、今までの国産高級車とは思えない程のしっかりとした落ち着きは素晴しいものがあります。正直LS460と比較するとワンランク以上の差を感じます。逆にドライバーズカーとしての軽快なものをお好みでしたら、LS460のFスポーツが宜しいかと存じます。ただ単純にドライバーズカーとして見た場合、新型GSのほうが運転を楽しむには向いているように思います。それほど新型GSの完成度の高さは素晴しいものがあります。
私の乗っていた前期モデルに点数を付けるなら、70点というところです。残りの30点はこのモデルが持った宿命というか、良くも悪くも極めて特殊な感性の古いお得意様を裏切れない部分にあります。こうしたお得意様は決して客観的に他メーカーの車との比較は考えずに、確実に数年に一度は同じ車種に乗り換えてくれる本当にいいお客様なのでしょう。が、そうした人の声がこの車を一気に進化させる事をスポイルして来た事も事実で、ただでさえソフトなLSの標準仕様の足回りを「もっと柔らかく出来んのかね?」という大胆な?注文を付けると聞きます。しかし徐々にそうした顧客も世代交代が進んで、少しずつではありますが本当に良いモノを作ろうという熱意を感じました。
次に新型になるのはISで、もう登場まで1年を切った様子です。最近のレクサスを見るとこの次期ISは相当に気合の入ったモデルが期待出来そうです。
Posted at 2012/10/11 19:30:45 | |
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