自走不可不動車を買って、なんとか始動できるまでにはなったがガラガラと音が
エンジン本体ダメか。載せ替えよう。
からの続編。
ガラガラいってるんだから何か壊れてるに違いない。
何がどう壊れているのか?
なぜ突然壊れるのか?
そもそも突然なのか?
突然壊れるなんてある?
というわけで、ロータリーエンジンという普段見慣れない?エンジンを分解してみる。
本体までが遠い
配線のカプラーパリパリ折れる。
再組み立てしないつもりだからいいけど。
6PI、インマニの構造がややこしいな。
どう考えてもエンジンスタンドが弱かった。緩めようとするとコケる。
インパクトレンチ優秀
あれ?カウンターウェイトは?
と思ったけどよく見たら縁の厚みが違う。
なるほど。
オイルパンとストレーナーにあり得ない粉破片。
メタル回ってる。
リヤメタルの当たりがおかしい。
フロントメタルはもっとおかしい
リヤローターのメタルもおかしいぞ
リヤローターメタル虫食い。焼き付きだね
フロント側のローターメタルは回っちゃって外れてる
ハウジングも減ってるなあ。
アペックスシールの両端のあたりが強いな。
波打ってるなあ。
シール減ってるなあ。
真ん中が摩耗してるね。
そりゃ変な音もするさ
想像以上に壊れているようだ。
面白すぎる(笑)
なんでメタル回る?しかも前後とも。
オイル入ってたんか?回ってたんか?
前と後ろでローターの汚れ方違いすぎるし。
アペックスシール減りすぎだし。真ん中減ってるし。(限度値下回り)
*アペックスシール高さ基準値5.3㎜限度値4.3㎜ 実測値4.04~4.30
ハウジング波打ってるし。
リヤサイドハウジング7万キロっちゃ7万キロ感な当たりだが前は20万キロぐらいじゃ?
アペックスシールは30万キロぐらいの減りか?
ローターハウジングに50年前に解決したはずのチャターマークが?!
ロータリー専門店じゃないので何ともだけど。
突然壊れたって言ってたけど突然じゃないね。
ではなぜこんな事に?
うん。分らん(笑)
ロータリー専門店さんなんかのブログやらなんやらで見かけるのは「オイルレベルが低くて」「RE専用オイルじゃないと」とか?
オイルレベルに関しては可能性があり得る。
REはオイルを燃焼室噴射でシール潤滑してるので(ゆえにメタリングオイルポンプのオイル経路は重要だ、ここが不調だと壊れますよと前の前に書いたが)オイルを消費する。なので、オイルが減る。
オイルが減りすぎると潤滑や冷却が間に合わなくなってしまうので、注意喚起のためオイルレベル警告灯なるものがメーター内に装備されているわけだが。
専門店が言うにはどうやらそのランプが点灯する頃には走行条件によっては必要に十分には若干足りない状態だそうだ。
量が足りなくて行きわたらなくて、とか、行きわたらないゆえに冷却が間に合わず局部的に高温になって焼き付く。はあり得る話。
そして油量が減ればオイルそのものの温度が高くなる(熱容量の低下)
硬いオイル使えばそういう時に油膜切れは防げるね。って思ってる人居るかもだけど、硬いオイルはまわりが悪い。
低粘度オイル前提で作られているエンジンは特に、低粘度オイルを使う前提の油路、各部クリアランスになっているのでそこに硬いオイルを入れればオイル滞って油温が上がりやすかったり、そもそも必要なところに油がどかない。
という事は、油膜切れを恐れ、不用意に硬いオイルを使って壊れた。という可能性も否定できない。
(今どきのオイルでそれはあんまりないと思うけど)
そしてコレは専門店のウンチクでもほぼ見かけたことが無いんだけど
(見つけられてないだけかもだけど)
プラグかぶらせたらオイル交換してくださいねー♪
軽微なかぶりならそこまで必要ないですが。
酷くかぶらせたとき、デチョークを知らない人がデチョークせずにひったすらセル回し続けた時とか。
燃焼室の真下がオイルパンのレシプロエンジンに比べれば、エンジンオイルのガソリン希釈は少ない構造のはずなのだが。
ひどくかぶらせると液体のガソリンがエキゾーストがら垂れてくるレベルの構造と始動時燃料噴射量のロータリーエンジン。
それだけエンジン内に液体のガソリンが回ると(通常、エンジン内の燃料は気体です。液体じゃ燃えないので)エンジンオイルがガソリンで薄まります。
オイルがガソリンで薄まるとどうなるか、オイルじゃなくなっちゃいますねー。
薄まった直後に上手に温度が上がれば揮発してオイル性能はキープ出来てるかもしれませんけどね。
ちなみに余談ですが、ターボだから固いオイル、NAだから柔らかいオイルって通説ですが、なんで?
ターボはタービンが熱持ってなんとかかんとか?違いますね。圧掛けて詰め込んでる分燃焼カロリーが大きいのでピストンの熱膨張が違うのです。熱膨張が違うという事は冷間時のシリンダーとピストンのクリアランスが違うんですね。ターボの方が隙間が広い。つまり、オイルパンに落ちるガソリンの量(ブローバイ)がターボの方が多い。(適温運転時は相応のクリアランスなのでターボもNAも隙間に大差ないが)ゆえにオイルがガソリンで薄まるペースがターボの方が早い。なので例えば5000キロの交換サイクル指定なら5000キロの間オイルがオイルである必要があるので薄まってもオイルの性能が保てるオイルを。という大昔の話。(その前提で油路も硬いオイル前提で作られてますけど)
「最近のターボ車はターボなのにこんなに柔らかいオイルで油膜大丈夫なのか?!」っていう人も多いですけど、最近のクルマは温度管理きめ細やかでクリアランスの変化が少ないくブローバイがごくわずか(ブローバイが多いと排ガスクリーンとは程遠いので減らす策多数)なので、大昔のターボ車とは違います。
そしてエンジンで一番潤滑がきついのは実はカムシャフト。(油圧かかって無いし面圧高いし)
何だっけ、そうそう、かぶると液体のガソリン駄々洩れで油が薄まっちゃいますよって話。ガソリンで燃焼室面脱脂しちゃいますし。
つまり、かぶらせてシャバシャバになったオイルで状況構わず高負荷掛けたらどうなるか?
粘度が低いオイルとガソリンで薄めて粘度が下がったオイルは別物ですからね。
そりゃまあ、壊れますな。
あと考えられるのは過回転。
アクセル踏んでる側でちょっとやそっとエンジンまわしたってそんなんで壊れちゃうエンジンはありません。レブリミッター付いてるし。そうそう過回転にはなりませんが。(意図的に休みなくレブリミッター回転近辺で何分も回し続けたら冷却間に合わなくて壊れるでしょうけど)
過回転で壊れるのはだいたい減速側ですね。3速8000回ってる速度で2速に落とせばどうなるか?
2ペダル車なら運転手に壊されないようにクルマが勝手にシフトダウン可能な速度になるまで2速に落としませんが。みんな大好き3ペダル、運転手が自由自在に壊せます(笑)
つまり、
わざと(下手くそで)ダウンシフトでレブ超え繰り返したか、
ひどくかぶらせてガソリンで薄まったエンジンオイルで高負荷、長時間走ったか、
無駄に硬い粘度などエンジン設計に合ってないエンジンオイルを使ったか、
油量が足りない状態で走ったか、
のどれか。
突然壊れたのではなく、徐々に壊れ(壊し)ていることに気が付かず、ある日致死量を超えただけ。
かぶらせと油量かな。
圧縮低下でかぶりやすくなって、オイルに影響が出たのか?
オイルがダメでメタル回ってローター振って圧縮が落ちたのか?
どっちが先かあるいは同時進行かそれはちょっとわからないけど。
前々回にも書いたが
つまり、
壊さない秘訣は
相応の品質のオイルをこまめに交換するしか無い。
これにつきますね。
乗りかたで言えば水温油温が適温(停止しての暖気は必要ない。走りながら駆動系の暖気も同時に)になるまで無駄に負荷かけない回転上げすぎない。
シフトダウンはしっかり減速してから。
だけ。
RX-8は突然壊れません。
(多分w)