
今を去ること12年、
チャンデバとしてDEQXを選んだ一番の理由は、波形歪のない線形位相なシステムが構築できることです。
ホーンSPは急激な位相回転を伴いますし、ヴァーチカルツインではH/L振動板位置も大きく違う、にも関わらず、線形位相を実現できるのはDEQXだけでした。
が、導入早々(当時はHDP-3)、理解不能なステップ応答波形に釈然としないものを覚えました。クリラボに質問したような気はしますが、謎のまま・・・でも、聴感上うまく繋がっているように感じたので、DEQXのアルゴリズムを信じることにしたのでした。
なんですが・・・ 最近になって
「DEQX Club」(掲示板)で議論するうち、ステップ応答波形も群遅延カーブも、どう考えてもおかしい →線形位相になってないと結論付けるに至りました。単純に考えれば、群遅延がフラットでない=線形位相でない、ですが、短い時間長で切り出した信号をもとに、諸々演算しているのでちょっとややこしいのです。
今も昔も、我がシステムのH/L合成後のステップ応答と群遅延は、こんな感じ (・・?

音速で1ms=34cm・・・ これって、ほぼほぼウーハーとホーンドライバーの振動板位置の距離だよなぁ (-ω-;) 遅延差放置して振幅特性だけフラットにしただけとも言える。こんななら、アキュのチャンデバの方が良かったんじゃないか??
で、クロス周波数やスロープ、諸々のフィルタ計算パラメータを弄って、線形位相と言ってイイかな~レベルまで追い込んだのがコレ↓ なんと、クロス900Hz (/ω\) アカンガナ

この程度まで上げないと、群遅延をフラットにできないようです。クロス周波数より、スロープの大きさに支配されているような気がしています。おそらく、DEQXのフィルタ最適化アルゴ、あるいは、ハード(FIRのタップ数etc)が能力不足で、H/L遅延差吸収が苦手なのではないかと。スロープが急峻だとH/Lの干渉が小さくなるので、フィルタの最適化がしやすいと思うのです。クロスを下げると、フィルタのインパルス応答が長くなる=FIRのタップ数が多く必要になりますから、ハード制約により、同じだけのスロープは実現できません。
一見真っ当そうに見える上図のステップ応答波形にも、まだ納得いってません。なぜなら、短い時間長で切り出した信号を用いているため、DEQXのフィルタ設計ツール上では見かけ上、下図のようにHPF(6dB/oct)が入った周波数特性になっているから。DCは通らないので、そんな波形にはならないと思うのです。

Matlabでf特模擬した線形位相フィルタを作り、ステップ波形を入力すると、下の様な出力波形になりました。この差分は何なのか? 謎は持ち越しですな (^^ゞ

で、今後どうするか?? 別の手段でH/L遅延差吸収したうえで、DEQX調整してみたいところです (-ω-;)ウーム・・・
Posted at 2022/03/13 02:23:44 | |
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