昔ちょっと気になったことのある、「燃費計」というアイテム。
昨今の車には標準装備であることも珍しくないのですが、DY世代では
まだまだそういう装備へのメーカーの注目度も低く、実装はされてません。
(確か弟のZCスイフトには標準で実装されてたと思う)
で、あらためて調べてみると
そのとき気になってたやつって、厄介な配線割り込み工事とかしなくても
ポン付け同然で設置可能ということが今になって判明。
モデルも旧式化し
(現行機種 FCM-NX1が健在です)、値段もこなれてきたようですので
買ってしまいました。
テクトム FCM-2000

マツダ対応 Wb(型番のケツのアルファベットが識別子で、ここでモデルと対応がわかります。おなじ2000でも、ここを間違えると動作しません)
知ってみたかったのです、自車のリアルタイムな燃料消費の状況。
つまり「動作の可視化」、です。
おもな表示可能項目は
・瞬間燃費
・エンジンONからOFFまでの区間燃費
・同じく区間走行距離
・測定開始点からの積算平均燃費
・同じく積算走行距離
・1分あたり燃料噴射量(←ここが非常に重要)
・積算燃料消費量(←これまた重要)
・水温
・速度
・エンジン回転数RPM
等…といったところ。
実際に運用してみて気付いたこと
たとえば登坂、
・低いギアでアクセルを深く踏んで低回転高負荷で走るのは却って燃費が悪い
4速1600回転で踏み込んで登ってるところを、3速2300回転にシフトダウンすると
即座に燃料噴射量がスッと落ちます。そして、加速し始めます。
これは、Keiのターボメーターを見てても、同じことをすると針がクッと下がるので解ります。
登るのに、アクセルの踏み込み量が少なくなるような場面…というわけですね。または、同じ踏み込み量でむしろ加速する。
低回転=燃料消費量が少ない…と、等号で結ぶことはできません。
それは走行抵抗の状況に依ります。
踏んでも、釣り合って加速しないような場面では
躊躇なくひとつ低いギアを選び、負荷を減らしたほうがいいという
半ば当たり前のことなのですが、こうして動作の可視化をすると、さらに深く納得するわけです。
発進時
・ベタ踏みなんてのは論外なのでおいといて、じつは燃費の悪くなる低加速発進もある
要は、いちばん「能率のいい」加速領域を探り当てる、というわけです。
極端な例えですが
「毎分240cc=秒4ccでの加速を4秒」で得られる巡航速度に達するのに
「毎分60cc=秒1ccでの加速を20秒」とした場合
効率が悪いのは、後者です。
効率最大となる加速を、なるべく短時間で済ませ、巡航速度に乗せるのが理想です。
実際には周囲の交通事情が噛んでくるので、あまり我を張るのはよくありません。それはペースの速い遅いを問わず「独善運転」エゴドライブにすぎません。
ただ、運転技法として「自車の効率のいい加速領域」を「知っておく」ことには大きな意味があります。
リアルタイムな燃料消費量の可視化がされるため、概算であれ、あるていど体感として、これが意識できるようになります。
じつはそれは「急発進と高加速の境目」あたりなのだと、なんとなく解ってくるわけです。
それが出来ないような、信号間隔の詰まった市街地や、渋滞運転について言う場合なら、そもそも乗せるべき速度が高くはないので「むだな加速を控えてゆるく流す」必要が出てくるわけです。捨てることが解っている運動エネルギーを加速で載せる量自体、控えたほうがいいという場面ですね。
ゆるーくアクセル、エコ発進…などとは、一概にいえないわけです。
それは状況やエンジンの得手不得手などで、大きく変わってくるのです。
エアコン
・アイドリング時に消費する燃料の量が、ACオンでおおよそ倍になる
いやー、凄いです。
見る間に区間燃費の数字が駄々下がりしていきますよ?ww
コンプレッサが、どれほど燃料を食うものなのか、これまた視覚的に理解できます。
数字は嘘をつきませんw
また、操作がめんどくさくなるんですが
加速時にAC切ってるだけで、燃費はものすごく伸びます。
巡航中や減速時にAC回っていても、大局的な燃費に与える影響はそれほどないようですね。
閑話休題
実は、これが欲しいです。

シエクル(ジェイロード) カーエアコンコントローラー eSAVER CC514
エンジン負荷(エアフロ信号から計測可能)に応じて
自動でコンプを切ったり繋いだりできるやつ、です。
なるほど、動作として理に叶います。まさに自分が手動でやったことを自動でやってくれるわけです。
極端な猛暑…つまりここ数日のような…でもないかぎり、これでコンプの無駄回しが(理屈上)なくなるというわけです。
DEに適合するハーネスはあるらしいですが、DYの同じエンジン(ZY-VE)に適合するのやら…
適合表にあったHN11s(F6A)は記載落ちしたようですが、実際には以前は記載されており、実際噛ませれるワケでして。たぶんDYも同じことなんだと思うけど。
ミニコンが繋げられる以上、ハーネスは同じDCMハーネスだから互換はあるはず…
生産終了してしまったんですよね、これ…。中古でいいから出てこないかな…
減速時
・すげえ、ホンマに燃料噴射がゼロになっとるわww
これまた理屈は解っていても、可視化されると「おおー」と思うヤツ。
エンジンブレーキが効く領域、概ねアクセルオフで1500rpm前後まで
燃料噴射ゼロとなる様子が、明示的に確認できます。
私は停止するときや速度制御するとき、シフトダウンでブレーキ力を稼ぎ
不足分をフットブレーキで補う運転が多いです。
というか、癖と化しています。
これをやると、燃料ゼロ噴射の状態を大いに活用できるわけです。
発想は電車の発電/回生ブレーキの挙動。
自動車では、ハイブリッドや電気自動車、そうでなくてもsuzukiのエコチャージでもないかぎり、エネルギーが返ってくるってことは殆どないんですが、燃料噴射カットの恩恵はあります。でなければ、SVXを日々運用でリッター6~7という、カタログ燃費に程近い数字で運用することなど、叶わなかったと思います。あれは車重もあったので、おのずと溜め込む運動エネルギー量も大きかったわけですから。
結局、如何に「物理ブレーキでエネルギーを棄てる」ことを回避するか…というものですね。
この時、燃費計の数字が
面白いように上がっていくのが、また楽しいのですw
「してやったり」の気分でございます。
ざっくり、こんな感じですね。まだ色々ありますがw

なお
この商品の内部計算の原理は
「インジェクタ信号から算出した燃料噴射量を走行距離で割る」ことです。
インジェクタ信号は正確ですが、それは動作時間を示しており、吐出量を反映していません。
このため、初回は
「一旦積算値をリセットし、なるべく多くの走行距離、できるだけスッカラカンの状態まで追い詰めて、満タン法で給油した燃料量の実数を打ち込み、燃料係数を自動算出して基準値にする」操作を要します。
基本的には。
基本的には、です。
…設置して、初手で概算数値を出せる方法が、2つあります。
ひとつは、メーカーが公表している「車種別の概算の「距離・燃料それぞれの係数」」を直接入力すること。
(車種が掲載されていれば、ですが)
これはユーザー公募であるため、当然ながらROMチューン・ハイオク仕様の蒼莱号には合致しません。14km/lとか平気で表示してしまってますw んなばかな。
もうひとつは
自車の概ねの平均燃費を既に算出し掴んでいる場合にのみ有効なんですが
「実際に走らせながら、積算走行距離と、あらかじめ知っている概算平均燃費から計算される燃料消費量を、要所要所で直接入力して補正してゆく」
例えば、このDY5Wハイオク仕様は、日常用途に限定すると
概算で11.5~12.5前後の燃費となるようです。便宜上、きりのいい数字で12としましょう。
…はい、12km走るごとに、走行状況を思い返しながら
12の倍数×辛めの評価で積算燃料消費量の数字を想像し、直接入力してゆくのですwww
「カンで合わせろ、ってかぁ?wwww」(デメジエール・ソンネン)
MS IGLOO好きw
これを60km、84kmと節目節目で。
あと、積算距離を30km程度に一回、100m単位で上書きしてリセット。トリップメータの100mの桁の数字が「変わった瞬間」に停車して合わせるので、交通量のまったくない場所を選びます。
そのつど係数が内部で再計算され、イメージどおりに動くようになってきました。
車のトリップメータと距離計との差も、じりじり減ってシンクロしてきます。
で、次回給油時に、最終の給油量を「正確に」実数で入力してとどめを刺します。
(このため、前回の給油は給油口一杯まで入ってます。次回同じことをすれば、その差は1ℓも無いでしょう)
要は「前回給油から今回までのインジェクタ信号の結果がこの分量でした」と、本体に報告義務があるわけですねw この結果をもとに、ではインジェクタからの信号あたり吐出量は何ccですね、と逆算するわけです。
そして算出された係数を、ここで一応メモっておきましょう。これが今後の基準値になる可能性が高い。
これで、係数は一発確定するはずです。
あとは積算値を一旦リセットして、算出された「装着した車両独自の係数」での再出発、と相成ります。
ここまで精度を詰めておけば
燃料計の警告ランプなぞ見る必要がなくなります。
消費量を実数で把握できますし、何リットル使った時点でアラーム…とか出来ますので、大雑把な内部フロート式の燃料計の表示より遥かに便利ですw
と、使い始めの印象はこんな感じ。
燃料代で元取れるまで何キロあんのよ?とか
そういう事は言いっこなしです。
(月間500円の技術的な節約効果があったとして、まあ20か月ちょい、ですw)
純粋に、探求心をくすぐるオブジェクトとしても楽しめてますので、それだけでも買った意味がありました。
いろいろ役立てようと思います。