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gochi-zohのブログ一覧

2016年05月11日 イイね!

お前がスマホになるんだよ! ニコンの迷機・スマートカメラ「Coolpix S810c」

wifi接続でスマホ等のカードリーダーとして使う・但し撮影も可…という目的で、手頃で安価で小型軽量なwifi付コンデジを探るうちに、なにやら妙なものが検索に引っ掛かった。


世の中には、こんなニッチなものがあったんだと吃驚。


コンデジそのものをスマホでお馴染みAndroidインターフェイスとし
「スマホがコンデジに取って代わるんじゃねえ、お前がスマホになるんだよ!」という逆転の発想で出来た、ありそうでなさそうで結局あったコンパクトデジカメ

Nikon Coolpix S800c

…の、幻の後継機、Coolpix S810c


「幻」というのも、このカメラ、正規に国内発売されませんでした。

そもそも先代S800cからして、発想に当時のデバイスが追いつかない「アンドロイド端末としての基本ハードウェアの非力さ」から、「ものすごくもっさりと動くコンデジ」とか「バッテリがまるで持たない」など評価は低迷しており、あまり注目されることもなかったジャンルで、国内需要は無いものと推定されたのでしょう。

しかし、海外には一定の評価と需要があったようで
後継機が密かに外国市場に発表・販売されていたのでした。

それが、この「Coolpix S810c」

御大ニコンの国内公式HPにすら、その名前は「ありません」。
モデル末期、一部量販店で「通販のみ」少数流通したに留まります。海外パッケージに日本語説明書と国内正規保障まで付けて。
おそらく在庫整理でしょうね。


Coolpix 800cからのハードウェアの強化項目は多岐に渡る。

・バッテリー強化、およそ倍の容量を持つ
・CPUが格段に強化した
・メモリ、内蔵ストレージともに倍加
・USB電源端子がスマホ標準のマイクロB端子に、また充電中の稼動も可能に

Android端末としては、ミニマルながらも概ね要求を満たすものとなりました。
俊敏とまではいいませんが、3年前から使用している「ISW16SH」とならいい勝負。

惜しむらくは、カードスロットが標準でマイクロSDXCであることと、Bluetooth非搭載であること。
用途によっては、かなり残念なところだと思います。


カメラとしては凡庸な高倍率コンパクトで、映りも中央部はいいが周辺が崩れているなど
このクラスとしての標準的な域を出ず、中庸で特筆するものではないが
地味に先代より望遠側が伸び、24-300mm相当となっている。
あと、腐ってもSONYの裏面照射素子。ISO400程度までなら普通に実用になる。


むしろこれがカメラとしてウケが悪いのは、ひとえに
「スイッチポンで瞬時にカメラとして作動するとは少々言い難い」その操作性。

たしかにカメラですが、一旦ホームへ行ったらまるっきりAndroidなんですw

Android-OSの初期設定から始まる使い始めは通過儀礼なのでいいとして
まず、通常運用の状態で、電池を入れて起動するところから、少々特殊です。

電源を入れると、カメラの画面が立ち上がります。
通常撮影はすぐに可能です。
但し、Androidで動作してた間に「撮影」で設定した状態しか機能しない「簡易カメラ」状態です。

このとき、バックグラウンドでAndroidが起動しています。

30秒ほどすると
撮影画面の各種アイコンが「ぱたっ」と、綺麗なアイコンに挿し変わります。
これが、Android起動完了のサイン。カメラはここからフル機能使用可になります。

Android起動中のフォローを、独自のソフトウェアで補っている感じです。
電源投入の状態から、正規のAndroidアプリとして起動する「撮影」「再生」が立ち上がるまでを、シームレスに代行しています。
うまいこと考えましたねぇ…w とりあえず「Android起動しないと撮影そのものが不能」という状況は、見事に回避しています。
デジカメの面目躍如w

そしてAndroid起動後。
一般的なAndroid端末の3つボタンが右端にあり、そのまんまAndroid標準操作キーです。
ここで、ホームボタンを押すと

レンズが引っ込み、ホーム画面が現れ
このカメラは一転、素のAndroid端末と化しますw


この状況から電源ボタンを押すと、スマホ同様のスリープ状態になり
再度押しても

カメラとして起動しませんw


カメラからアンドロに乗り換え、撮った画像をwifi経由でネットに上げ、
そのまま電源を切り(正確にはOSのスリープ)、次に使おうとすると

レンズが出ないんですw


デジカメの姿をした機械の電源を押したらレンズが出ずにAndroid…
なるほど、並のコンデジユーザー層からすれば、これは違和感がある。
ここに「これはデジカメという機械である」という概念が邪魔してるんでしょうね。

無論フォローは完璧であり、Androidの動作状況如何に関わらず
シャッターボタン半押しで即「撮影」アプリが割り込み、レンズが出ます。
デジカメの面目躍如w

なお「撮影」の状態からスリープすれば、もちろんカメラ状態で起動します。
「撮影」というアプリの中断に過ぎないからです。

また、「デジカメ」という単機能デバイスに比べると、ズームやシャッターラグ等の基本動作はともかく、そのユーザーインターフェイス動作の端々は、お世辞にも俊敏とは言い難い。
再生も消去も、カメラと思って使うと、かなりもっさいです。
結局すべてがAndroid上のアプリとして動作している以上、カメラという単機能に特化して構築されたハードウェアに比べて不利なのは、致し方ないことなのです。

この辺が「思ったよりトロいうえに操作系統に癖がある使いにくいコンデジ」と評された要因でしょうか。
先代800cはハードウェアがさらに非力なので、なおのこと、この評価が現実的なものだったことでしょう。その実力の程がどんなものだったのか、機会を見て仕入れてみたいものですww



──総じて、これは決して「デジカメ」ではないです。
小型のミニマルな構成のAndroid端末に、ベーシックな高倍率コンデジの上半身を載せたようなものです。

それを理解して使えば、ものすごく夢のあるデバイスです。

なので、私はこの状態をして「スマートカメラ」と呼称します。
wifiしか持たないので、単体で通信出来ないことが惜しまれますが、それをやると電源がマッハになるのは明白ですw そこはポケットwifiなどで補いましょう。何の支障もないはずです。




で、このカメラで一番「やってみたかった」ことは…







デジカメで艦これが走ってる…www


(内臓・外部問わず電源の許す範囲であるが)暇なときは艦これを動作し
普通のスマホ同様についった常用可能
いかなる状況からもシャッター半押しで撮影可能
撮った写真をついったにシームレスに即上げ
他のデジカメで撮ったものをMicroSDなりwifi接続なりで取得・観賞することも可能

待ってました、こういうのw
個人的に最高ですw ものすごく遊べますコレ。




国内未発売という不遇に加え
いまはもうささやかな通販などによる流通も全くないのが、つくづく残念です。
ニコン御大USAでは未だ正規供給品で、そこそこいいお値段してますね。

幸い、見掛けたらそんなに高くないので、追々二号機も用意しておこうと思います。



【追記】
予備機を…と思っていた矢先でしたが

このコンセプトは近日中に、こちらに引き継がれる流れになりますね…
月末までに仕入れの見込み
http://gigazine.net/news/20120919-samsung-galaxy-camera-photokina2012/

作例とか
http://www.gsmarc.com/samsung/galaxy-camera/photo-quality-test-samples/
額面どおりこれだけ写るんなら、ニコンが勝てる要素がなにひとつ残らない0(¦3っ)っ


スマートカメラというコンセプトの、完成形といえるカメラは
かの半島大手・サムソンにありました。

(奇しくも私が勝手に称したスマートカメラというネーミングは、このサムソンが提唱していたのですねww)

すべてにおいて。まさしく「すべてにおいて」上回ります。


結局、主力は射止められなかったけど
そのコンセプトと有用性を示してくれたという意味において、このカメラは自分にとって「偉業」だったといえます。
偉大なる実験機にして希少のS810c、我が家のコレクションの殿堂入りですねw 

Posted at 2016/05/11 22:27:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | 写真・カメラ | 日記
2016年04月28日 イイね!

⊂⌒~⊃。Д。)⊃

先日の初期不良SAL70200G(SONY 70-200/2.8G(Ⅰ))の見積もり、出ました。


_人人人人人人_
> ¥144,828 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
 


どっひゃあwwwwwwwww




素で修理に出したんなら真顔になって「男割りさせていただきます」言うレベルw


ここまで来ると、何をどうしてそうなったのか逆に知りたいレベルなので


SAL70200G、超・超重修理、


_人人人人人人_
> 進 行  <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄



(なお、差額2万円少々の補償額不足分を支払う)

あわよくば交換したパーツが頂けますw(そのように申し入れてある)
さあ、本当に治って帰って来るのか?!(← 




Posted at 2016/04/28 17:03:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | 写真・カメラ | 日記
2016年04月14日 イイね!

撮影環境一式の更新へ向けて…

いろいろやっている。

長く運用するうちに、残念ながらミノルタ仕様の70-200Gと
ソニー世代のSAL70200Gとは似て非なるものであることが解ってしまいました。

ミノルタに別れを告げ、そこに他の売却益も上乗せし
頑張ってSAL70200G2を落札してみた。
で、軽く試写した結果
「…私の用途では、SAL70200Gとの差が出そうにない('、3_ヽ)_ 」

そこで、回りくどいことであるが…再度差額を取り
カメラ側の更新にも着手することにする。
現在のA580は支障なく動いているが、もしこれに何事かあれば、代替がない。
遅かれ早かれ、世代交代の時期に達していることは解っていた。

で、投入したのが
「SLT-A77V」
「Nex-7」

の、二機。

この辺は、また追々。



さて、SAL70200G2と交代のため
大手中古ショップからSAL70200Gを引っ張ってきたのですが、ここから本題。

まさかの不良個体。

条件;『状態AB-(フードなしなので-としてお安くしています)、販売店保障1年付き』
という、中古店としても自信満々の物件であったことは確か。

症状は、全く結像しないという重篤なもの。
厳密には像はあるんだが、ボケボケなのである。f11辺りでようやく並みの下といったところ。
加えて、ズームするとピントが移動する。ワイド端では無限遠に達しない。

速攻で販売店に返送したところ、払い戻しor修理いずれかの対応を快諾戴け、保障のありがたみを痛感する。

対応としては、「現品修理」を採った。
理由は「見た目では不良と判別することが不可能なほど、レンズそのものに全く瑕疵が見当たらない」ため。

推測ですが、このレンズ、誰かが何らかの理由で「分解」してますね?
くだんの症状は、思うに「どこかでレンズの表裏を誤って装着している」であろう。
同じ経験は自分でも何度かあるのです。表裏を見分けにくいレンズなんてゴマンとあります。そのとき体験した症状と酷似していますので。

もしこれが正しいとすれば、修理自体は何ら困難なこともなく
分解したからには清掃して組み付けられるのは当然、
おまけに修理の結果が製品規格を満たすかどうか、必ず「検品」が入ります。

つまり、まさかのフルオーバーホールとなる期待が大なわけです。

さて、修理についてですが
この店からの修理は、ほぼ間違いなく「日研テクノ」へ持ち込まれるでしょう。

裏事情になりますが、
「日研テクノは、当該レンズの取り扱いは不可能」のはずです。
なぜなら、SONYスチルカメラ機材の認証は、取得していないからです。
(この認証は対メーカーだけでなく、対個別製品単位でもあり、キヤノンだからニコンだからという理由で何でも受けていいというわけではなかったりします。そのぐらい厳密なものです。)

このため、想定される経路は、ほぼ間違いなく
『店>日研>ソニー本社>日研>店』となるでしょう。
ソニー直訴なら2週間掛からないであろう納期が、3~4週を見込んでいる辺りからも、この状況に合致します。

同じ経路は、7年前の、あのSAL70200Gの初期不良対応の時にもありました。
…じつは到着時、無限遠が画面全体で一様に出ないという不具合がありまして、「海外逆輸入品なので保障適用範囲外」を覚悟して修理を打診したところ、なんと「1群目 玉+枠 交換」に始まり、相当な手数を掛けて、まさしくソニーの威信を賭けたかのような完全オーバーホールを行い、なおかつ1年の保障の新規発行までして戻ってきました。しかもタダ(初期不良対応扱い)で。実はあれは、メーカーお墨付きの「選りすぐりの選定品」に他ならなかったのです。…だからこそ、断腸の思いで手放したことを、未だに後悔していたのです。
これの対応時、掛かった時間は約3週間。窓口はキタムラだったので、間違いなく第一窓口は「日研テクノ」となります。
戻ってきた時、修理伝票は日研ではなく「SONY」名義のものでした。
つまりは、そういうことです。

同じことが、おそらく今回も発生すると思われます。
実際に修繕に当たるのは純正のソニー。製品規格検査まで通して帰ってくることはほぼ確実。

選定品復活の期待が掛かります…!



この件で、残念な取り引きに終始してしまった「大手中古量販店」。
販売規模が国内でも5本の指に入るであろうレベルなので、個別事例として見るなら、この程度のレアケースは単発事例であり痛くも痒くもないとは思います。企業側の保険などもあることでしょう。そこは個人とは全く違う「スケールメリット」があります。
ただ、腑に落ちなかったのは
「仕入れ段階でこれを見抜けなかったのだな…」ということ。

しかし、よくよく思い返してみましょう。
銀塩フィルムカメラの世代から、頻繁に中古品の売買をしていた経験上、店頭での査定の手順は知っています。
「実際に写して確かめる」ということは、慣例的に、しないのです。
というより、フィルム時代まで遡れば、それは「不可能」でしたから。
(中古品を査定するのに、いちいち現像して確認するか?という、至極真っ当な理由です)
当該の物件に眼を移してみましょう。
鏡筒スレ僅か、アタリなし歪みなしガタなし、僅かにズームリングのトルクムラ程度(問題なし)、レンズカビ無しクモリ無しキズ無し、内部わずかなホコリの付着のみ…フードさえあれば、あと1万は高く売れているAB級品ということが、私の見立てでも理解できます。
ということは、店頭査定でも、査定員は同じ結論を出したことでしょう。

また、仕入れ経路も、必ずや店頭での個人持込ばかりとは限りません。
最近は送付しての持ち込み査定も増えています。
その中には、個人でブローカーやバイヤーまがいのことをしている者もいます。
安く買って、個人で治して、売る。これは私の叔父も同じことをしていました。

問題は、それが「善意の者ばかりではない」ということです。

この手のバイヤーまがい、国内ばかりとは限りません。
アジア系のエリアにも、この手の売買の需要は多大なものがあります。
何となくですが、そういった系統の経路から流れ込んだ「騙しの商材」である臭いがします。実際のコンディションと、見た目のコンディションの乖離の激しさから考えても。
売った側は解っていたのだと思います。このレンズの相場的価値はもとより、業界の慣例や事情までも含めて。
美味い汁を吸いやがったな。こういうの滅びろ、マジで。(ヤフオクでも迷惑なんだよな)

こういったリスクに、日々向かい合う「販売店」の厳しさ。お察しします。
なので、この事例は「クレーム」ではなく「感謝」です。至極真っ当な対応でしたし。



SAL70200Gを本格的に前線に出して、差を見極めるのは
これが帰ってきてからにしましょう。
ほぼ間違いなく、G2側を手放すことで決着しているのですが、せーので比較しないと
どちらかに梃入れした状態では、公平な検査になりません。

僅かな期間ですが、恐ろしいことに
定価で合計70万円弱というコンビが一堂に会してしまいます。
余裕でクルマが買えるやないか。ああ恐ろしや恐ろしや:;(∩´﹏`∩);:  


SLT-A77Vの試運転結果

TAMRON-SP 80-200/2.8LD(30A) 160mm f4.5
なんと恐ろしい旧レンズ、2400万画素世代に突入しても破綻なし…

Posted at 2016/04/14 20:53:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 写真・カメラ | 日記
2016年03月10日 イイね!

古豪の吟持 一歩も退かず、TAMRON-SP

古豪の吟持 一歩も退かず、TAMRON-SP終焉近い国電を、いまさら必死こいて撮ってます。
結局ヒロシマの黄色い103も、満足に撮るまでもなく世代交代してしまい
そして、どうにも久しく足を踏み入れてなかった大阪近郊区間も、まもなく大阪環状線に新型投入となることが確定し、あろうことか阪和線までが、まさかの世代交代アナウンス。


遺された時間が、一気に短くなってしまいました。


足掻くならいまのうち。
そのうち(環状線とかでは他に有効な手立てがあまりない)駅での撮影など、満足に出来なくなってしm「現に今、すでにそうなりかけておるではないか」アッハイ。


もちろん迎え撃つのは、あのレンズ

…と、見せかけて

じつはこれが、先代「TAMRON SP 80-200/2.8LD(30A)」で撮ったもの。


では、あのレンズはというと


ともに DSLR-A580
135mm付近 f6.7での撮影(30Aは150mm付近か)

実際に実用されることの多い、f4.5~f6.7辺りの絞りでの撮影、
まあ言うてみれば「実戦ベースでの比較」ってやつなんですが

ぶっちゃけミノルタ70-200Gが、この条件でこのぐらい撮れるのは「当たり前」でして
むしろ、30Aの一歩も退かぬ写りの方がおそろしい。


30Aは、製造初年が1985年。30年前以上も前のレンズ。
そればかりか、確かこれが、世の「f2.8通しの望遠ズーム」の草分け世代だったかと記憶します。Nikonに遅れること、3年。(但しNikonのソレは、よりデカく、より重く、そして当時の価格で40万前後というマジキチ製品でもあった。総生産数、僅か1500本あまりに過ぎない「特殊用途向けレンズ」)
仮にもし、タムロンがこのレンズのコーティングをデジタル向けに最適化し、大きく重い前玉を無理やりUSMで駆動させ「これが最新のA001でござい」とやってたら、それだけで充分通用したのではなかろうかとw
(先代AFレンズの67D(SP70-210/2.8)も手にしたが、正直ここまで写らなかった)

さすがに絞り開放では、強いコントラスト部に紫系のハロが縁取ってしまうものの
f4から先ならそれも消える。f4.5で完璧。この状態なら単焦点レンズをも喰う。
しかも、全焦点粋で後ボケの風合いまでも含めた描写にムラが殆どない。

実は、収差補正が数世代進んだミノルタ70-200Gより、ボケは素直です。
傑出したボケ味と絶賛される70-200Gですが、それも「AF世代の近代的大口径ズームの中では」という、但し書きが付きます。
球面収差に因るところが大です。
70-200Gの球面収差補正は、ワイドからテレに向かって「適正やや過剰-過剰-適正やや過剰」で、ズーム中間粋でやや荒れやすく、背後の玉のようなボケに輪郭が付きます。(選外となったタムロンA001もこれと同様です)
これが背景との距離を充分に取っていないと、所謂「二線ボケ」となって現れます。
被写体と背景の距離が近かったり、絞りはじめのやや浅いところ(f4前後)で、二線ボケになりやすい傾向が指摘されています。
30Aはその辺が技術的にまだ困難だったころの産物で、テレからワイドまでほぼ一貫して「やや補正不足」、加えて色収差が残るため、ボケの形や風合いは近代レンズよりいいかもしれないぐらいですが、そのかわりボケに色が付きます。偽色が出るというやつです。
しかしそのボケ方自体に癖がまるでなく、ピントの合って見える「許容錯乱円」そのものまで広く見えるため、撮影難易度というか寛容度というか、段違いに扱い易い、歩留まり率の高いレンズであると感じるわけです。
果たしてどっちを取るか…ですね。

なお非常に蛇足ながら、Nex向けに一時検討もした、SEL70200G(70-200/4)ですが
顕著な二線ボケが、メーカー作例の段階で既に明確でございます_(:3」 L)_
これはちと辛い。

70-200Gにはもうひとつ
前ボケのボケ始めが二重の像になる傾向が見られ、F4あたりで顕著、解消にf5.6程度を要します。
これは以前の「SAL70200G」の撮影結果には見られません。
図らずも短期間に2つの同じ銘柄の個体を手にすることとなったので比較できましたが、傾向が同じです。
ということは、もしかしたら…疑われるのは「撮像素子からの反射」です。
おなじ構成のレンズですが、SAL70200Gはれっきとした「デジタルカメラ専用設計」
つまり、コーティングが全く異なるということです。
今後の展開如何では、結局最終的な落とし所は、あの「SAL70200G」そのもの…ということも考えられます。なにせ今の相場では結果的に等価交換が出来てしまうので…
 


ということなので、この30Aを超えるってのは並大抵のことじゃない。
幾つものレンズが、この重鎮に挑み、あえなく敗れ去って行きました。

なかなか、お役御免とはいかぬようで
今後もセルフメンテナンスをしながら、ずっと世話になることだろう。


ということで、両レンズの健闘ぶりはこちら↓

大阪城公園外回りホームより

AF70-200/2.8G 135mm f6.7

同じ場所と条件で30A

TAMRON SP 80-200/2.8(30A) 同上
実に甲乙つけがたい結果に。

いま、奈良には、青い103もいることを知る。
まさかの二色編成



鶴橋駅外回り大阪寄り 先の写真の別構図で

MINOLTA AF 70-200/2.8G 90mm f6.3


TAMRON SP 80-200/2.8(30A) 80mm f6.3


大正駅

MINOLTA AF 70-200/2.8G 160mm f6.3



続きの阪和線は、また後日にでもしわしわと… 

Nex-5R MINOLTA AF 70-200/2.8G 200mm f6.3
Posted at 2016/03/10 10:29:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 写真・カメラ | 日記
2016年01月17日 イイね!

6年の時を越えて、あの反則技を、再び。

一瞬の夢を、延々忘れることが出来ないというのは、よくあるものです。
脳裏に刻み付けられたそれは、深層心理の領域から、人間を衝き動かします。

自分の撮り鉄・カメラ人生においても、そんな強烈な「いっときの夢のようなレンズ」が、一時期在籍しておりました。

それが、究極の大口径望遠ズームレンズ・SONY 70-200/2.8G(SAL70200G)


既出の如く、かつて6年ほど前、彗星のように我が家に現れ、家計事情の急変によって断腸の思いで手放すまで
在籍期間、僅か半年あまり。

ですが、その圧倒するような描写は、すべてが異次元のもので
わずか半年の在籍期間は、それこそ眩い一瞬の輝きのように、鮮烈に私のカメラ人生に刻み込まれました。

手放したことを、今の今までずっと後悔し
厳しい財務事情のなか、高嶺の花と知りつつも、隙あらばと伺い続けていました。


些少ながら今年はボーナスがあり、SVXのタイヤ(&ホイール)交換とドライブシャフトブーツの交換も完了していたため
少なくとも短期的には後顧の憂いなしと判断し、清水の舞台から飛び降りました。



MINOLTA AF LENS 70-200/2.8G APO SSM
これこそが、今で言うところの「SAL70200G」そのもの


(カメラ業界には)今は亡き「MINOLTA」の、魂のレンズです。
だから、どうせ買い直すなら血統書つきのミノルタ製を。最初から、そう決めていました。

おねだん129000円。
現状のサイフの中身を、概ね引っ繰り返しました。
そのかわり一杯ものを売ったんで後から全体として若干黒字には戻しましたが(←


若干キズ等あるも、誇りある銘板は健在。
これ以上の見た目まで拘りだしたら、平均として15万近い値段まで達します。
…10万超えると、万単位が誤差に見えて困るんですよねw
でも冷静に考えてみなさいな、最安値との誤差の価格ならカールツァイス買える話が発生しますのやで?と。
予算には限りというものがあるのです。



しかし、そこはそれ、やはり旧世代に属する中古レンズ。
ましてや使い込まれたレンズなれば、当然「磨耗」「経年劣化」が存在します。
折り込み済みで、可能な限り自分で面倒をみる覚悟で買いましたが、なるほどこれは手強かった。

じつは、到着当時、このレンズは「レンズの玉はクリアだが病に冒された状態」でした。


まず「AF駆動は正常だがピント合わせが正確にできない」

このレンズは、AFであれMFであれ、AFモーター(USM)もしくはピントリングからの動きを、1本の駆動レバーを介してインナーフォーカスレンズに伝えて駆動する形態なのですが
超精密MF操作をしてみたとき、奇妙な挙動が発覚しました。

フォーカスリングを遠近いずれにでも回し、そこから逆へ回すと
回り始めの一瞬、フォーカスがリング操作と逆の距離へ移動してから、カタッという感じで戻り始める…というやつです。
戻り始めのところで、像が崩れます。
無論これでは、小刻みなピントリングの往復に追従しませんし、遠景の画面上下左右で同じ位置に無限遠きません。

一発でピンと来ました。

このレンズには、フォーカス移動レンズにヘリコイドねじが切られていません。
さながらズームレンズの如く、3点支持のカムとブッシュで、フォーカスレンズを動かす方式です。
最近この方式が増えましたね。
後述しますが、当レンズの前に購入し、惜しくも選外となった「TAMRON-SP 70-200/2.8 A001」も同様の伝達形式でした。違うのは駆動モーターだけ。

この形式の致命的な弱点は「ブッシュの磨耗は絶対避けられない」ことです。
ズームの移動は、概ね内部鏡筒をガイドレールにして移動することが多いのと、それほど急峻な操作の連続は「普通は」あまりありません。
が、常時高速のAF動作となると話は別です。ましてや当時は俊足で鳴らしたSSMです。
概ね、ズームカムブッシュの数倍の速度で劣化・磨耗が進みます。

基本、ブッシュはネジで完全固定のものであり、回転ではなくスライドで移動します。
材質はナイロンであり、滑りがよく耐摩耗性には優れているのですが、概ねこの手のレンズは常時AFで使われるのが常ですから
擦動面、というか擦動点の部分だけが擦り減ってしまいます。
カム溝に対し、ガタツキがないように設計されたナイロンブッシュは、通常、実寸ではなく僅かなオーバーサイズで収まっているためです。

あ、既に対処した痕跡がある…


あ、ネジ回した跡だ。

これは一度、交換しているってことだな。

こういうことですね。お解り頂けるだろうか…

ブッシュの一部に入った、車輪などで言うところの「フラット」というやつです。

結果、フォーカス系レンズには小さなガタが発生していました。これがまずは致命的、枕木3本分以内の精度など到底出ません。
本来ならブッシュ交換といいたい所ですが、個人でそんなものを仕入れられる方法は知らないので
「少し回して、まだ擦り減ってない新規の部位を使う」という、せせこましい修繕を施したのでしたw

いや、アホみたいな対処ではありますが、これが効果覿面。
フォーカスのガタはピタリと収まり、合焦付近でのAFの小刻みな迷いまで消えました。

マーキングして、どんだけ回したか解るようにしておきます。

これで数年は持つでしょうw おかしいなと感じたら、またブッシュのローテーションします(タイヤかよ)

てゆーかお願いだからこの形式やめて; ヘリコイドにしようよ…。


次に「レンズの取り付け軸そのものが傾斜している」

たいへんに重量の大きいレンズです。
下手な振り回し方をしていると、マウントそのものが歪みます。
多分これです。

上記の対処をしても、ピント位置が左右でごくごく僅かに合いません。
左が近く、右が遠い状態です。遠距離になればなるほど、ほんの僅かな誤差でも一様にピンが来ないのが解ります。
ライブビュー画面に発生する合焦部の液晶モアレ模様を見てると、一目瞭然だったりします。モアレが左右に僅かに移動する。
ソニーのライブビューはモアレが目視できるレベルってのが凄いです。

ボケや流れではなく、ピントの山は完全に出るので、鏡筒の歪みによる収差ではなく、レンズ全域がわずかにスイングしている状態です。

左が近いということは左へスイングしているということ。
従って、マウント面の「左」に、可能な限り薄いマウントスペーサーのジャンクパーツを、切って挟みます。

挟んだ結果のマウントの浮き具合は、目視では全くわかりません。アルミ箔のような厚みです。
注意深く指でなぞって、ようやく解るほど。

この検査は、テレ端開放でやらないと意味はありません。
何しろ、そのような状態からだと、100メートルから離れた被写体と無限遠を明確に描き分けてしまうほど、繊細で神経質なレンズなのです。

二枚挟む。あ、右が近くなった。解りやすいな…
ならば一枚で…

この僅かな差で、たちまちアライメントが狂ってしまうのです。恐ろしや。

調整の結果、ぴたり一様にピントが出るようになりました。
フランジバックは処置前からごくごく僅かに出ていないようでしたが、厚み方向へ調整してもズレるばかりだったので、これはよしとします。
そもそも用途が用途だけに、MFでしか使わないものだし。


さあ、こうして自ら調律したこのレンズ、
再び数多の被写体に吠えますw

まずは家から歩いて20分の超定番、池谷ストレートで開幕のご挨拶

100mm f3.5

疾風のようにカッ飛んでゆくN2000系

140mm f4.5

185系4連の団臨、薬王寺詣で?

150mm f4.5

アイランドエクスプレスⅡ 同じく薬王寺臨?

135mm f4

ワイド寄りも申し分なし

70mm f5

浅めの絞りでも安定感に抜かりなし

85mm f3.5

テレ端にもおよそ隙らしきものなし

200mm f3.5

まぎれもなく、あの映りが帰ってきました。
同世代の某社手ブレ補正IS入りのアレを一蹴するとまで言わしめたこともある
歴代望遠ズームレンズ中、文句なしに過去最高の性能を発揮した、あの映り。

専門学校進学当時、はじめて自分の意思で買ったカメラ「MINOLTA XE」に始まり
α7000、7700i、8700i、7xi、9xi…
そして到達した終点はなんと「α9000ハイスピードモータードライブMD-90セット」
途中コンタックスを挟んだりしつつも、やはり鉄道写真人生の大半は、ミノルタと共に在りました。
そのミノルタが、カメラ事業撤退の逆風に抗うように世に送り出した、最後の意地、吟持、プライド…魂のレンズのひとつだったのです。

現在、SONYへと受け継がれたこの光学系は
さらなる改良を受けつつ、SAL70200G2という最新鋭レンズとして生まれ変わり、今なお現役です。

あの魂と血統は、いまも受け継がれているのです。



…このレンズの前に、惜しくも選外となった
TAMRON SP AF 70-200/2.8Di (A001)の健闘も、ここに。

200mm f4


135mm f3.2


そこはさすがにデジタル専用設計、コントラスト特性には分があるし
中央部の解像力なら肉薄もしくは凌駕する。ことに200mm端での、四隅以外の描写だけならSAL70200Gを僅差で凌ぐ場合も。
また、前ボケは、こちらのが大人しく収まっている。
が、このレンズの泣き所は「画質はワイドとテレの両端が最良となり、135mm域でボケ像の乱れと周辺描写の崩れが最大となる」こと、
そして「そもそも鏡筒自体の耐久性に乏しく華奢」ということ。
同程度の使用頻度であれば内部鏡筒(ズーム部のカム)のガタが早く来るようです。画像はそれをメーカーオーバーホールした結果なので目立ちませんが、到着時はズームリングをテレ側へ押したときとワイド側へ引いたときで、著しい画質の差が発生していました。画角を決めたら、テレ側へ押して固定しないといけない状態。
但し、全般的な描写の傾向は、これが別メーカーの別設計かと思えるほどに酷似しています。弟分といってもいいかも。
そもそも設計思想が何だか似ています。インナーフォーカス用レンズの駆動する部位、動かし方に始まって、鏡筒の設計方針とか各部レンズの構成の方針のようなものが…どことなく似ているんです。
少なくとも、キヤノン・ニコン・シグマのどれと比較しても、全く似ていない。
なので、これで押し通すかどうか随分迷いました。
でも、最良となる部分と落ち込みのある部分の差が大きく、ズーム全体通しでの「均質感、安定感」でいうなら、既存のTAMRON SP 80-200/2.8 30Aのが勝っていたんですね。
ならば、これを超えてみせよ!あの時のように…というわけです。


…今度は、末永く趣味人生を共に過ごせるといいな…。(つづく 



※追記
このTAMRON SP 70-200/2.8 A001の実写結果の印象と、ここの測定データの結果は完全に一致する。
http://www.dpreview.com/reviews/sony-70-200-2p8-m15/4

SAL70200Gのデータとしてのページだが、プルダウンメニューからレンズとカメラが選べ、選択したレンズの測定結果が見られる。
これで[TAMRON SP AF 70-200mm 1:2.8 Macro]の項目を、ほぼ同様の条件となるCanon EOS D40で見ると、事ほど左様に135mm域の落ち込みがかなり大きいことが解る。

一方の御大SAL70200Gは、望遠側へ向けてなだらかに落ちる感じで安定がいい。
解像力はf4で安定し、それ以上絞っても画質はあまり変わらず深度だけが深くなる感じも、実写結果の印象と一致する。
ただ、程度の差はあるが、135mm域の周辺で若干荒れる傾向は両者に共通している。
示し合わせたように、似た描写と似た弱点を持つ、似た設計思想のレンズ…

実写測定ベースのレビューなので、たいへん確度が高いようです。





ps.こうして鉄道相手に猛威を振るい始めたMAL70200Gだがむしろ鉄道以上に真価を発揮しているっぽいのがコチラ



…正直、これを鉄道用にってのは実に勿体無い用途に終始してるとは思うw
Posted at 2016/01/17 20:50:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | 写真・カメラ | 日記

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