この記事は本拠地ブログからの記事を一部加筆して書いております。
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ショックアブソーバーの角度・・・その2
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みん友さんの車でリーフの事についてちょっと気になったのでこの記事を書いてみる事にしました。リーフスプリングは車軸(ホーシング)を位置決めする役目を担っており、リーフのキャンバー(反り)が
適正位置でないと色々な弊害が出る事があるのです。特にハイキャンバーリーフになるとこの移動量が多くショックアブソーバー、プロペラシャフトに多大な負担がかかるのです。どういうことかご参考までにどうぞ。
●前回に引き続き今回もショックアブソーバーの角度についての第二段で、耐久性にかかわるお話です。前回はリフト量による取り付け角度(クロスメンバー方向)が変わると「安定性にかかわる」ことをお話しましたが、今回は進行方向の取り付け角度が変わると「耐久性にかかわる」事を考えたいと思います。
最初の図を見てピンと来た方いますか?ハイではなんでしょうか?
答えは
「リフトアップの仕方によっては軸間距離が変わってしまい取り付け方法の関係からショックに屈曲力が働きシールやケースに異常磨耗が起こり耐久性が落ちたり、機能部品としての役目をスポイルしてしまう。」のです。
ヨンマルのショックを頻繁に交換していた頃のお話です。交換した直後はまあまあ美味しい期間がありますが、直ぐに終わってしまうのです。
早いなあ・・・もうダメ?
ある時、先輩のノーマルのヨンマル(私がビョウキをうつしました)と同時に同じ銘柄のショックを交換した事がありました。私のはカンサスを組んでいましたが、例の如く「もうだめ?」となってしまった頃に先輩のヨンマルでお出かけをした時に感じたのが、まだまだしっかりダンピングが効いているのです。
乗り方?車高のせい?・・・
この出来事から考えるようになったのです。
車高を上げている方で、ショックがなかなかマウントに入らないなあ・・・と思った事ある方結構いらっしゃいませんか?特にリーフ車の場合はハイキャンバーリーフで何枚か抜いた・・・随分とへたって車高が落ちてきた・・・このようなときにその傾向は大きくなります。
では考えて見ましょう。
リーフスプリングはセンターボルトとホーシング下端に付くブラケットの穴とで車軸の位置決めをしています。ピポットからセンターボルトの水平面上の距離はリーフのキャンバー(そり)を含めて決まっています。ところが、リーフを抜いたり、へたってくるとキャンバーが小さくなりピポットからセンターボルトまでの水平面上の距離が伸びてしまいます。特にアフターマーケットのハイキャンバーリーフ(車高が上がるやつ)はその傾向が著しくなります。
動的状態での軸位置の前後は有る程度考慮され、ショックのブッシュで吸収されますが、ハイキャンバーリーフの場合はその移動量も非常に大きくなりブッシュに掛る負担も大きくなります。特にウレタンブッシュなどの硬いものを使用するとその応力はマウント部分やショックの可動部分にまともに掛り、異常磨耗や、異常な抵抗となりサスペンションの動きを制限するものとなります。
ウレタンブッシュも正常なアライメントで使用するならば、一定の効果あは有るでしょうが様々な状況を考慮しなければ車両や部品に悪影響を及ぼすことは用意に想像できます。その例を見てください。
ヨンマルのショックアブソーバー上端の取り付け部分です。撮影の状態が悪く判りにくいですが、このクロスメンバーに取り付けれれているショックマウントボルとは下に曲がっています。今現在はノーマルリーフに3番のみ交換して若干上がっていますがほぼストック状態の角度です。カンサスで何枚か抜いていた時は、センターボルト位置が2~3センチほど後に移動したために、ショックが後に引っ張られるような格好になっていました。このような時にウレタンブッシュのショックを装着するのは非常に苦労しました。最もフレームを持ち上げてリーフをストロークさせれば容易だったのでしょうが、その当時はそこまで道具を持ってませんでした。この様な無理な装着をすればショックも傷みやすかっただろうと反省事項です。
スプリングシート側の取り付け部分ですが、ボルトが上に曲がっているのがわかるでしょうか。ホーシングの後ろ側に付くので前に引っ張られるのです。ブラケットボルトはショックがストロークに合わせてスムーズに本体が動くように位置決めされていますが、これが曲がってしまうことはいかに負担をかけて、正常な動きを妨げているかお判り頂けると思います。
これと前回の事項を含めて解消すべくマウント位置の変更を考えましたが、加工技術がなかった為に断念し、しまいに嫌気がさしてカンサスをノーマルに戻してしまいました。
そして最終的に行き着いたのがノーマル改でした。
ハイキャンバーリフの場合はこのように車軸の移動が大きく、へったり、リーフを抜いて車高が下がってくると車軸がシャックル側に移動しホールベースが伸びたような感じになります。ショックのブッシュは純正はゴムですが、ランチョの9000番などウレタンブシュが入っているとこのストレスがまともにショックのシリンダー壁面、ピストン、シャフトに強くかかります。またショックマウントにも同様です。私のBJはマウントバーがショックの角度に合わせて曲がってしまいました。相当なストレスが掛っている事が判ります。
リフトアップする場合などはリーフの設計静止荷重時のキャンバー量、シャックル長にして、なるべく本来の部品の位置関係になるように調節、補正するのが大切であると思います。またどこかに逃げを作っておかないとまともにそのストレスが構成部品に掛るのでその配慮も必要であるのです。改造は奥が深く使用目的にあわせてメリットとデメリットのトレードオフの葛藤にはまり込むのです。
まぁそれが楽しいうちは良いですが、疲れてくるとノーマルって良く出来ていると感心するのであります。でもねまた悪戯したくなるのよ(苦笑
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ランクル | 日記
Posted at
2011/01/24 14:35:19