標高が1000フィート上がると3%出力がロスするそうです。
いフィートが0.3048m要するに約1尺程という事で、
1000フィートだとつまり300m標高を稼ぐと3%ダウン。
標高1000m程上がると10%程ダウンするので
ギア一つ違ってくるということです。
もともと車重と出力に余裕が有る場合は大した問題でないですが、
あまり余裕がない場合はまともに車重は重荷になりますね。
アクセル全開で燃料をドンドン送り込んでいても標高が上がると
酸素濃度が下がりA/F値が狂い始めます。
空気(酸素)量に対して燃料が多くなり
ディーゼルは特に黒煙をモクモクと吐き出します。
TD42がイカ野郎に成り下がる瞬間です。。。
最近?のNAは標高(気圧)を感知して噴射量を変えるので
以前よりはモクモク吐かなくなってますが、
やはりその分出力は下がります。
空気が減る→
空燃比が悪化→
出力低下→
クランク軸回転数の低下→
燃料噴射量の低下→
→→
この様な悪循環が続き
アクセル全開→
シフトダウン→
シフトダウンという感じで、
ドライバーには苦行を強いられる状況が続くのであります。
自分の近くでは安房峠を目指すときに平湯手前の13%の上り勾配がまさに苦行の時です。
標高が1000m程でこの急な登りは2B(bj44)、1PZ(PZJ77)、TD42(y60GrLWB)には
憂鬱なときでありました。
最近の大型車は性能が上がってこのさかもガンガン上がりますが、
先の3車種はモクモクト吐き黙々と耐えるのみであります。
悔しいけど13BT、1HZはガンガン登ります。
特に1HZはNAのくせによく走るのです。
KC規制になると黒煙もほとんど吐かずに。。。
そこで嘗ての航空機が用いたのがターボチャージャーでした。
排気での熱損失を回転エネルギーとして回収しこれで空気を強制的に押し込みます。
先の悪循環時に空気を押し込むので空燃比は大きく崩れず平地と同じように走れます。
平地でも負荷がかかる加速時には空燃比が崩れヘッド効率が高い場合は良いのですが、
TDのようにヘッド効率が悪いエンジンはまともに黒煙としてそれが露呈します。
良くTD42にターボの相性が良いと言われるのはヘッド効率の悪さの裏返しでしょう。
バルブオーバーラップタイミングが長いエンジンなのでシリンダー内部に排気が残る
割合が多く(内部EGR)NOxは発生しにくいのですが、見た目の黒煙が増えてしまいます。
1HZはこの逆なのです。ヘッド効率は良く良く燃えるのでパワーは出て黒煙は少ないですが、
その分Noxが出やすいのですね。
さてこのTD42はこの燃焼環境が維持される負荷量範囲内では良いのですが、
これを超える負荷量になると先のとおり黒煙を吐くばかりです。
そこでタービンで強制的に空気を押し込むとヘッド効率の悪さをカバーし
燃焼状態を維持できるので今まで黒煙として捨てていた燃料が軸出力として回収できる
ということになるのです。
TD42とターボは相性が良くパワーが出て黒煙が非常に減ると良く言われる(れていた)のは
単に今まで黒煙として如何に燃料を無駄に捨てていたかということです。
あの官能的なエキマニ、フロントパイプ、意味深な4200ccに55mmの細いマフラーは
排気慣性を高め吸い出させる為のものでこれによって効率を上げようとしていたことですね。
今後タービンをつけるとなると自分排気系は見直しが必要になります。
今度は適度な排気圧力と排気慣性にする必要が出てきます。
ひとつの基準は純正のTD42Tの排気系かと思ってます。
旧型エンジンに流行りのエネルギー回生装置です。
電気として回収するか、吸気圧縮圧としての違いですね。
実際にオーバーロードのディーゼルでは10%程燃費が改善するそうです。
僕の今の平均が10.5km/lですがこれが11~12km/l程になるか、
市街地での燃費の低下が改善できると嬉しいですね。
モアパワーを求めて燃料を増量すると
これは別の目的となってチューニング領域だと思います。
ストック状態の燃調で適正な過給はエネルギ回生で
エンジンに対する熱負荷は少ないのです。
Johnはこの点を五月蝿くいっていて彼の工場でのフォイィングを行う際は
トルクは20~25%向上に留めておいて豪州の排気基準に照らし合わせているそうです。
この範囲内ではエンジン寿命とトラブルのリスクは無視できるそうで、
30%を超えるとこれらのリスクが付き纏ってくるそうです。
この派手さのない実用本意な点に惹かれたというのも有りますね。