カセットテープという言葉はもはや死語に近いかもしれませんね。しかし僕の中ではまだ現役の言葉でこの復権を虎視眈々と狙っている時代遅れ者であります。僕が中学の頃は正にカセットテープ全盛時代でレンタルレコード、FMエアチェックというこの2つが音楽を自分の手元にのこす手段でした。そりゃ気に入ったものはレコードを買ってましたけど、当時LPレコードが¥2800円、シングルレコードが¥700だった記憶があります。電気屋に行ってもカセットテープもたくさん山積みされており記録用のスタンダードなものから音楽用のアルミダイキャストフレームを持つもの、セラミックケースを持つものなど非常に楽しかったですね。
なぜ楽しかったかというと、単に種類が多いから楽しいというのではなくいろんな音楽表現の選択肢があったということです。デジタル時代になって便利さの一方で没個性化が起こった気がします。70~80点は簡単に行けますけどゾクゾクするような感動的な展開というのは減りましたね。ところがアナログ時代には追求する楽しさ、マッチングが取れた時の感動的な展開がなんともドラマチックで音楽を聴くだけでなくそういった楽しみもありました。
そんな訳でカーステレオの音源としてのカセットテープはなかなか魅惑の世界を持ちます。正直カーステレオのCDはよっぽどの機種でないと痩せた音しか出ません。いわんやMDなんて言語道断で周波数帯域カット、データー圧縮などそれこそフリーズドライ食品的な表現が関の山ですね。それなりのデッキできちんと録音されたカセットテープはこれらを寄せ付けない表現力を見せつけます。ただその音源を手に入れるためにはシステムを構築する設備投資が必要ですが。。。
ミュージックテープという物が嘗て売られており、今でも高速道路のSAでは演歌など発売されているようですね。このミュージックテープですが、それなりの再生装置で再生すると驚くべき高音質を聞かせてくれます。20万クラスのCDプレーヤーに10万クラスのカセットデッキで録音しても時によっては同じアルバムのミュージックテープに表現力でかなわないことがあります。これはまさに元データーの差がまともに出たケースと理解してます。そのいい例が生FM放送のライブなどです。周波数特性的にはMDと同じ20~15kHzですが、その表現力は圧倒的なものがあります。それこそラジカセで聞いていてもいい音だなぁと思うことさえあるぐらい。これは音源の圧倒的情報量にほかならないと思うのですね。
魅惑のカセットテープというのは結局いい音源からきちんと録音すると、劣悪な再生環境の車内でデジタル信号を拾い変換し再生するよりも質の高い表現力を見せつけてくれます。以前写真に写っているTD20にチェンジャーを接続して使ってましたが、チェンジャーをつなぐ前に録音していたカセットテープが出てきて偶然に同じアルバムをカセットテープとCDの両方で聞くことがありました。
結果はカセットテープの圧勝でした。周波数特性や諸々の測定データーはCDが見事に上回りますが、実際のヒアリングでの音楽としての心地よさはCDは薄っぺらくてギスギスして疲れる音質でした。これしか聞いていないとこんなもんだろう。。。という十分許容レベルですけど、以前録音したカセットテープの前には無残にもその化けの皮が剥がされた感じがしました。
考えてみると気の毒な気がします。CDに記録されておるデーターをこの振動のある環境で拾えという時点で相当な無理がある話でこの時点で相当なデーターロスが出ます。それをちっぽけなDAコンバーターで変換したところで作り出されるアナログデーターはたかが知れております。これが音源となるわけですから。
一方でカセットテープはCDの音源のアナログデータへ変換する際のアドバンデージが圧倒的差があり、これをカセットテープに録音するときの劣化分、カセットテープを再生する時の劣化分を合わせて差し引いても車内環境でDA変換するよりも上回っていたのです。これぞ先ほどのレコーディングしたCDよりもFM放送の鮮度の良いソースが上回ることに似ているのではないかと思います。
便利さを取るか満足度を取るかは好みの問題ですが、私的にはこの絶滅しようとしているカセットテープの魅惑の音質に今更ながら魅力を感じるのであります。
今日の大容量電源増幅装置愛好家の戯言はこれぐらいにしておきます。
Posted at 2011/07/04 14:20:13 | |
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