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昨夜のNHKニュースを見ていた方はもうご存知かと思いますが、
早稲田大学の研究グループが、全く新しいタイプのエンジンを作り出しました。
（詳しくは関連情報URLのpdfからどうぞ）
恥ずかしながら私、こんなエンジンの開発が進んでるなんて、ニュースを見るまで全く知りませんでした。

pdfの資料には「多重パルス噴流衝突圧縮によるエンジン」とありますが、
ざっくりと説明すると、燃焼室周囲の複数の噴射孔から混合気を音速レベルの高速で噴射し、燃焼室中央付近の一点で衝突させる事によって燃焼室中央付近に超高圧・高温の部分を作り出し、燃料を自己着火させるという仕組みです。

次世代の内燃機関と言われたHCCI（予混合圧縮着火）と原理は似ていますが、HCCIが機械的な圧縮によって、ディーゼルエンジンと同様に燃焼室内全体で同時多発的に着火させるのに対して、今回の早稲田大学のエンジンは機械的な圧縮に頼らず、燃焼室内の中心部付近でのみ燃焼が行われるという点において、両者は全く異なると言っても良いでしょう。

何よりも凄いのが、混合気を超高速でぶつけることで高温・高圧の状態を作り出して着火させるという構造が、あらゆる内燃機関に対して適応出来るという点。
そして、燃焼室外周部の空気が断熱材の役割を果たすために熱効率が極めて高く、正味熱効率が60%を超える可能性もあるとのこと。

他にも騒音・振動が小さい、カムシャフトを用いた動弁機構が不要なだけでなく、水冷機構が不要となる可能性も大いにあるということで、エンジンの小型軽量化が一気に進むことでしょう。

当然のことながら、既に多数の自動車メーカーから開発協力の声がかかっているようで、どこが最初に実用化するのかという点も大注目です。