なろう系は食わず嫌いでした@ひでエリです。
「なろう系」
いわゆる「小説家になろう」というサイトから発せられたweb小説発信の小説、アニメ、マンガのことを総称してそのように呼称されるようです。
そしてこの「なろう系」で当たっている大半の作品は、ファンタジー×俺Tsueeeee系のストーリーでして、どれも一緒やないかい、というお腹いっぱい感を各所で醸していたため、かなりの間読まずにいました。
が、そのうちの数人、未来人Aさん、理不尽な孫の手さんという人たちの作品が素晴らしい漫画家、井上菜摘センセ、フジカワユカセンセたちによってマンガとなって世に送り出され始めました。
先ず無料マンガアプリから入って絵が美しいので読み進めて買い集めている
「転生貴族」、友人から勧められて読み始めた「無職転生」それぞれ素晴らしい作品になっています。
無職転生の方はアニメ化もされていて、版元のカドカワの力の入れようはハンパなく、専用のスタッフで美しい背景、素晴らしい品質でシーズン2(マンガでいうと10巻)まで進んでいます。
マンガはフジカワユカセンセの17巻が近日発売されます。
と、ここで
「無職転生」の原作はもう2015年に終わっていることに気づき、web小説をマンガの続きから読み始めたところ止まらず、5日間くらい夜はぶっ続けで最終話+蛇足編まで読み上げてしまいました。
同じノリでいうと直近では
Game of Thronesですね。アレも毎晩毎晩寝不足になりながら観ていたものでした。
と、ここまで自分リソースを突っ込んだ作品も久しぶりだったので、ちょっとご紹介していきます。もう完結して久しい作品なのでネタバレ上等で。
ちなみに入りやすい順は、アマプラに入っていればタダで見れるのでアニメから入り、気に入ったら小説、素晴らしいのでお布施をしたくなったらマンガが良いかと思います。
いきなり原作小説でも構わないのですが、絵があって動いているのを観ておくと、小説が何倍も楽しめると思うからです。
ちなみに幼女戦記のようにアニメとマンガの意匠がバラバラではなく、フジカワ先生のキャラデザインに統一されているため非常に可愛く美しいです。
「無職転生」を一言でいうとルーデウス・グレイラットという主人公が生まれてから死ぬまでをサブキャラ含めて描いているお話です。
主人公はタイトル通り、無職のクズニートの日本人34歳体重100キロ、名前は最後まで明かされません。両親の葬式にも出ず、自宅に引きこもっていたところを兄弟たちに身一つで叩き出されて、さまよっていたところ、居眠り運転のトラックに轢かれて死亡。
異世界に転生しルーデウス・グレイラットという身体で、パウロとゼニスという両親から生まれます。
世界としては地球でいうところの中世あたり、ただ魔術が使える世界で、人は魔力をつかって水、土、治癒などから剣術に至るまで強化されています。人族(エルフやドワーフ含む)、魔族、龍族、鬼族などが混在した世界で魔物も闊歩している世界です。
ー34年間の記憶を持ったまま生まれているので、巨ヌーのママの母乳が嬉しいとか、両親の夜の生活に聞き耳を立てるなど、なかなかな描写が続くため赤子時代編で読むのを止めてしまう人もいると聞きます。確かにこの辺は少々キモイのですが、ここで読むのを止めてしまうともったいないです。ー
そして自宅にあった本を読み、ルーデウスは
「この世界で本気を出して真面目に生きる!」
と決めます。
手始めに魔術の訓練を独学で進めたところ、いきなり中級水魔法で壁をぶっ壊してしまいます。これに驚いたゼニスママンが直ぐに魔術の家庭教師ロキシーを依頼、このロキシーに様々なことを教えてもらい、前世のトラウマから家から出れないという枠もあっさり克服します。
そして美少女クオーターエルフの緑の髪のシルフィエット(通称シルフィ)と出会います。二人はどんどん仲良くなるのですが、相互依存していると考えた両親たちはルーデウスを力づくで引き離し、親せきの貴族ボレアス・グレイラット家へ家庭教師として送りこみます。
ここで乱暴者だけれども美しい獣のような少し年上のエリス・ボレアス・グレイラットに魔術と読み書き、算術を教えることになりました。
しかしある日「魔力災害」が発生し、彼らがいる国の1/4程度の人々が世界中に強制的に転移させられてしまうという事件が起きます。
この辺で夢枕に「ヒトガミ」という怪しいカミが立つようになり、数年に一度「助言」をうけるようになります。
ルーデウスの家族もバラバラになり、ルーデウスはエリスとともに、強力な魔物が住む魔大陸へたった二人で転送されてしまいます。
ここで出会うのが最強魔族の男性ルイジェルド、彼は過去の事件から非常に恐れられているスペルド族なのですが、実は魔人ラプラスの計略にはまって悪いうわさから抜け出せず、この汚名を晴らしたいと考えながら生きている男でした。
彼が故郷まで送ってくれるというので、3人はともに旅をすることに。
途中で、同様に魔力災害で転送されてしまっていた妹アイシャと義母リーリャを救い、父パウロと妹ノルンと最悪の再会を経て仲直り、そして山道でセブンスターと龍神オルステッドと出会い、ルーデウスはオルステッドにあっという間に殺されてしまいます。が、セブンスターのある進言によってルーデウスは蘇生。
ここが大きな転換点となります。
やっと故郷に帰ってきたものの、災害によって街や村は瓦礫となり、各地に飛ばされた人々も戻っては来ているものの難民キャンプのようなテント生活。
そこでエリスの家族は皆、死んでしまっていることを難民キャンプを指揮していた執事筆頭から告げられます。家族がいなくなったエリス。
とっくの昔にルーデウスに恋していたエリスは故郷に送り届けてもらった後、ルーデウスが母を探しに旅立ってしまうと思い、
「家族になりたい」
とルーデウスと体を重ねます。
が、ルーデウスは年下であり、こんな小さな体に頼り切っていたのだと分かったエリスは「あなたとは釣り合わないので旅に出る、探さないで」と置手紙をしてルーデウスを支えられる剣豪となるため、剣の聖地へ向けて修行に出ます。
残されたルーデウスは何が何だかわかりません。
やっとリア充への第一歩と喜んだ翌日に地獄に落とされた気持ち、言葉が足りない置手紙では捨てられたとしか思えず、ショックでEDとなります。
が、母を探さねばと再起。
ーここまででアニメ第2期が終了です、3期はあるのかなあー
ソロの冒険者「泥沼のルーデウス」として母の行方を捜していたところ、またもヒトガミが夢枕に立ち
「EDを直したければ魔法大学に行け」
と言われます。
ここで災害によってアスラ王国に飛ばされ、王位をめぐった争いに巻き込まれたシルフィとルーデウスは再会しますが、魔力枯渇によって白髪となりサングラスをかけているシルフィのことが分かりません。
が、学園生活を送る中、自らの師匠であり恋慕の対象であるルーデウスを離したくないと奮起、護衛として使えているアリエル王女からも応援してもらって、とうとうルーデウスに自らがシルフィエットであることを告げ、体の関係を持ちます。EDだったルーデウスもシルフィの愛の力で復活w
シルフィと結婚します。
ーここまでがマンガ17巻までのお話ですー
そして母を助けに父の待つ迷宮へ潜り、迷宮で1か月閉じ込められていたロキシーを救出。もう駄目だとあきらめていたロキシーは颯爽と登場して救ってくれたルーデウスに一目で恋に落ちます。
そして母を救い出すために迷宮の最深部に乗り込みラスボスとの対決で父パウロが死亡、母ゼニスは救い出せたものの、魔結晶の中に閉じ込められていたからか、廃人となっていました。
落胆するルーデウス、またもメンタルに大打撃を受け復活は難しいと思われたその時、ロキシーは自らの体でルーデウスを元気づけ、これまた結婚w
2人目の妻を娶ることに。
ここで魔法大学のある魔法都市シャリーアに戻り、家を買いシルフィ、ロキシー、リーリャ、ノルン、アイシャと一緒に暮らし始めます。
幸せな毎日を過ごしていたのですが、ある日の夜日記をを書こうとして机に向かうと、書斎にボロボロの老人が
「俺はお前だ、時間操作魔法で日記を起点に戻ってきた」
と出てきます。そして残りの半生がヒトガミのせいでボロボロになると発言、にわかには信じられないルーデウスでしたが、半信半疑で老人の言う通りにするとたしかにそれらしき事故は防げました。が、夢枕に態度を豹変させたヒトガミが立ち、龍神オルステッドを殺せと言います。
相手は神、断れば家族がどうなるか恐ろしくなったルーデウスはかつて殺されたこの世で実質1番目に強いとされている龍神オルステッドと戦わなければならなくなります。友人たちにも助力を願い何とか勝ち筋を見つけるものの、あと一歩届かず、そこに颯爽と現れた剣神エリス。
「待たせたわね、ルーデウス!さあオルステッドを倒すわよ!!」
しかしオルステッドは強く、やはり勝てず。
しかし最後にオルステッドは
「ヒトガミを捨て俺につけ、そうすれば家族もお前も守ってやる」
と告げ、投降することに。
ここがまた大きな転換点でした。
ここでエリスに恋してしまったルーデウスは3人目の妻を娶ることにw。
とりあえずヒロイン伏線は全て回収しました。
ここからはヒトガミvsオルステッド、オルステッドの右腕ルーデウスと仲間たちの話となり、最強のヒトガミの使途にギリギリで辛勝。
その後はヒトガミは夢枕に出て来ることなく、運命によればルーデウスの子孫がオルステッドと力を合わせてヒトガミに勝利する、という話を聞きながら老衰で74歳の生涯を家族に看取られながら終える、という話(本編)です。
web小説ということで紙面の限界がありませんから、2012年から2015年の3年間で284万字という膨大な文章を圧縮しまくって紹介するとこうなります。
まあこれは本筋だけの紹介なので、実際にはそれぞれのキャラクターの心情描写のち密さ、ちょいちょい出て来るパロディ風味、軽妙な文体などなど非常に魅力のある文章を書かれる「理不尽な孫の手」先生でした。
ここでは紹介できませんでしたが、ルーデウスと3人の妻たちとの間に出来る子供たち6人、学園生活時代に出来た仲間ザノバとクリフ、妹アイシャ、オルステッドと並ぶ神ペルギウスなど魅力的なキャラクターは他にも多数おり、実はいまマンガやアニメで既読の部分の原作小説も最初に戻って再度読み込み中です。
蛇足編に出て来るアイシャの話は非常に魅力的なのですが、内容が「なろう」の規約違反にあたるとされ、ファンからも炎上扱いとされ現在は削除されてしまっています。が、魚拓で読むことが出来ます。
Game of Thrones同様、膨大な分量のある作品なのでおいそれとお勧めはできませんが、先にご紹介したとおり、アマプラでアニメを見てから原作小説を読むのが良いと思います。またLINEのアカウントをお持ちの方なら、LINEマンガで13巻の途中までタダで読むことができます。
一切の金銭的配慮をせずにお勧めするなら、アニメを見て、マンガで13巻まで読んで、それから原作小説が最もお勧めです。これで原作を読みながら登場人物が頭の中でアニメ声が再生され、フジカワ先生のキャラで動きます。
星5つです!!