
暖かくなったんで塗装@ひでエリです。
この1週間くらい15度前後まで気温が上がり暖かくなる様なので、フレームとホイールの塗装を進めようと思います。
上手くいくかな〜。
さて先日からコツコツと読み進めてきたベルセルクです。
問答無用の長編名作、ダークファンタジーの金字塔と言われる作品で既に30年以上の連載となっている作品です。
世界中にファンがおり、その描き込みからか遅筆であり1989年の連載開始から41冊という年1に近いペースでの刊行でした。
でした、というのはご存知の方も多いと思いますが、作者の三浦健太郎先生が一昨年2021年に亡くなってしまったからです。
世界中で一部のマンガファンに激震が走り、このまま未完絶筆かと思われたのですが、アシスタントと親友である森恒二先生が監修して終わらせる、との続報が入りました。
三浦健太郎先生は親友である森先生に常日頃から展開の相談をしていたそうで、その話の中でエンディングまでのストーリーを知っている、とのことでした。
今までも藤子F不二雄先生やさいとうたかを先生のように死後も連載が続くというケースはありましたが、だいたいはオムニバス形式の話構成なので、世界観を理解している優秀なアシスタントがいたり、既にクリエイティブ事務所化している場合には特に違和感なく連載は続いたりしていました。
小説においてもギネス未認定ながら、1人で紡いだ物語としては最長の栗本薫先生のグイン・サーガも栗本薫先生の死後、実はまだ続いています。こちらはちょっと主役級の登場人物が10人近くいるという特殊な大河小説で、現在は正直、グインファンとして育った小説家が書く二次作品ぽい感じはあるのですが、ファンとしては読み続けています。
が、このベルセルクに於いてはオムニバスではなく、ガッツという不動の主人公が紡ぐ大河長編なので、創造主がいなくなった今、三浦ベルセルクで無くなってしまうかも、という懸念を全ファンが感じているかと思います。
が、それを何より分かっている親友の森先生がやる!と言っており、膨大な描き込みを支えてきた優秀なアシスタントさん達がやりたい!と言っている訳なので、是非最後まで応援したいと思っています。
ここからはネタバレでいきますんで、これからベルセルクを読もうと思ってる方はスルーしてください。
さて、正直にいうと、30年の間に幾度かこのベルセルクという作品を手に取り、タダ読みして触れてきてはいたのですが、買い揃えるところまでは至りませんでした。
何故か?
それは「暗い!」「救いがない!」に集約されるネームにあります。
特に序盤は主人公であるガッツはたった1人で毎晩自らに群がりくる悪魔、悪霊たちを何度も死にそうになりながらモンハンで言うところの大剣で殴り斬り殺すという展開が続きます。
そして善意で助けようとする人たちがコレに巻き込まれて死んでいく。
それを見たガッツは
「弱いから死ぬんだ!」
と一喝。関わるなと言ったのについてきた挙句勝手に死んだ、構ってられるかというのはわかりますが、こんな胸糞な主人公がいて良いのかと思うくらいの描写です。
が、何故こうなってしまったのかという話が、数十巻をかけて描かれていきます。
自らを慕ってついてきた鷹の団を夢のために生贄にした怨敵グリフィスを許さないガッツ。
そして自らと恋人キャスカには贄の印が刻まれ、昼夜問わず悪魔悪霊に追われる日々となった過去。
キャスカはその事実を受け止められず、心が壊れてしまいます。
中盤は記憶を失い、幼児退行してしまった恋人キャスカを甲斐甲斐しくガッツが守りながら旅をするのですが、キャスカは守られていることが理解できず、怖い、怒られた、乱暴されたという事実だけしか捉えられないため、ガッツとは心が通わず、一緒にいても苦しいだけという描写がありました。
ココは本当に苦しかったです…。
いまマイ奥を全介護している自分と重ねてしまい、途中でページがめくれなくなりました…。
本当に勝手にやっていること、自分がやろうと決めてやっていること、見返りも求めていなかったとしても、その相手に嫌がられ、理解されず、そして相手も学習、成長はないとなると、何故いまこんなことをしているのか、もう全部終わらせてしまいたい、という様なネガティブな感情が爆発しそうになります。
野営しているガッツと焚き火を挟んで距離を取り、憎々しげにガッツを睨むキャスカを見ると、こちらの胸中はただの漫画を読んでいる、という訳にはいかないのです…。
しかし、こんな旅にも仲間が増え、キャスカの面倒をみてくれるファルネーゼや、ガッツが闇落ちした時に現世に引き戻してくれるシールケたちが揃い、ガッツの表情に穏やかさが戻ります。
人は1人では生きていけないのです。
よく、よく分かります。
怨敵グリフィスはキャスカの産んだ忌み子を母体に受肉し、新しい身体を得て、念願である自らの国を打ち立てます。
グリフィスがあの世とこの世を繋いだ結果、この世に在らざるものが溢れ、これを退治することで自らは救国の英雄となり、行方不明であった姫君を後ろ盾に王になろうとしています。
全部がみえている読者からすれば、これは完全なマッチポンプなのですが、民衆は目の前に起こる悪霊の脅威を、悪魔ですら従えてこれを斬り払うグリフィスを神とも崇めて心酔してしまいます。
これでいいのか?!
一方、キャスカの記憶を取り戻せると聞いて、妖精の島に向かったガッツ一行は目的の地に辿り着き、魔女シールケと魔女見習いファルネーゼの2人の活躍でキャスカの記憶が戻ります。
しかし…愛しいはずのガッツを見ると、自らが贄とされた時の凄惨な記憶が蘇り錯乱状態に陥るキャスカ。
まだ、まだガッツとキャスカに試練を与えるのか…もう報われてくれ…、というところで三浦ベルセルクは絶筆となりました。
ここからは寄り道なしで森ベルセルクが終焉までスパートをかけるということです。
35巻までは集英社系アプリのゼブラックでタダ読みさせてくれるので、36巻から41巻までは感謝のKindle購入。
ここからはエンディングまできっちり追おうと思います。
がんばれ、森ベルセルク!
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サブカル
Posted at
2023/01/08 12:35:00