甘味処鎌倉別府鉄輪店@ひでエリです。
いや地名多すぎでしょ。長浜ラーメン博多天神渋谷店みたいになってるよ。
なんなん?
ということでおっさん3人で700円から960円のかき氷を食べています。

このあと行った山香のから揚げやでやってるかき氷は300円でした...。
観光地価格だよ。
いや、なんかやまちゃんが
「今日はかき氷食うんだ!」
と力説するので食べましたけど、きれいな店構えと原宿にでもあるようなわらびもち&抹茶シェイク&夏はかき氷!というシャレオツなお店で50中盤のおっさん3人にはハードルが高かったです。
さて映画ルックバック、みてきました。
泣く子も黙るチェンソーマンの作者、藤本タツキ先生による読み切りマンガが原作で、ジャンプ+の読み切り作品(つまり1話のみ)のPV数では過去最高をたたき出した作品です。
公開直後は全部無料だったのですが、現在は冒頭の30P程度しか無料公開はありません。
映画の料金はやまちゃんによると大人も子供も等しく1700円固定!
ということで、こんな映画、どうせ原作読んだやつしかこねえだろ、見たい奴だけ見てくれ!という意図が透けて見える価格設定です。
この辺りから原作も公開されてから久しいので、ネタバレ上等でいきますから、ネタばらされたくない方は原作または映画をみてからお読みください。
さて、こんなもんでいいでしょうか。
===あらすじ=============
主人公は藤野ちゃん小学校4年生です。彼女は学級新聞に載る4コマ漫画を執筆しており、誰もが認める絵が上手くて漫画が上手い女子です。
がある日、2枠ある4コマ枠を一つ引きこもりの京本ちゃんに譲ってやってくれと頼まれ、天狗になっていた藤野ちゃんは
「まー素人には難しいと思いますよー(笑」
という感じで譲ったものの、描かれていた4コマをみて驚愕。画力の違いに圧倒され、絶対に京本に負けたくないと2年間友達ともほとんど遊ばず絵に全集中します。が、ある日の京本のマンガをみてぷっつり切れてしまい
「もーやーめた」
となってしまって、マンガをやめてしまいました。
しかし卒業式の日、担任の先生に京本の卒業証書を彼女の家に持って行ってくれと言われしぶしぶ本人の家へ。家に入って彼女の部屋の前に積まれたスケブの数に驚愕したものの、京本ちゃんは出てきません。
ちょうどそこに置いてあった4コマ枠の紙にさらっと京本ちゃんが主役のマンガを描いたものの、ひらりと落ちた紙はドアの隙間から部屋の中に。
オチが「京本死亡」的な絵だったので、ヤバい!と思って逃げ出す藤野ちゃん。
しかし京本ちゃんは玄関から裸足で出てきて山形弁で藤野ちゃんを呼び止め、ファンであることを公言、サインを求め、何故マンガやめちゃったの、貴方は天才だ、新作を読みたいとねだります。
藤野ちゃんは負けたと思っていた京本ちゃんからのべた褒めで承認欲求が天元突破。そこからは二人で一緒にマンガを描くようになり、中学生で持ち込み入賞して、読み切りも順調に掲載が決まります。
が、京本ちゃんはもっと絵を学んで上手くなりたいと美大への進学を藤野ちゃんに打ち明けます。藤野ちゃんは翻意させようと必死に見え見えのアオリをくれますが、京本ちゃんの決意は硬く、ここで彼女たちは袂を分かちます。
そして藤野ちゃんは連載「シャークマン」を当て、売れっ子作家となってザ漫画家的な生活を送ることになります。
そんな中、テレビで
「山形の美大に武器を持った男が乱入、俺のアイデアを奪ったやつらに復讐すると言いながら多数の学生を殺傷」というニュースが流れます。
藤野ちゃんはまさかと思いながらスマホで京本ちゃんに連絡を取ろうとしますが出ず。直後に母親から電話がかかってきて京本ちゃんの訃報を聞くのでした...。
藤野ちゃんはシャークマンを休載して、京本ちゃんの部屋に向かいます。
部屋の机にあったのは、書きかけのアンケートハガキ、シャークマンのページには自らがかの日に落とした4コマ漫画...。
「なんだ京本をこXしたの私じゃん」
と、彼女が引きこもりを脱したきっかけを作った自らの4コマ漫画を泣きながら破り捨てます。
しかしこんな時でも彼女の頭はマンガのネームを紡いでしまう。
美大のソファーで休憩する京本ちゃんに近づくツルハシを持った男
男「お前らが俺のアイデアを盗んだんだあああああーー」
驚きと恐怖で動くことができない京本ちゃん
藤野「とーうっ!」
男を空手キックで吹っ飛ばす藤野ちゃん。
京本ちゃんは、その話を4コマに起こし、オチは背中にツルハシが刺さった藤野ちゃん、タイトルは
「背中をみて」
(タイトル回収!)。
しかしそれは藤野ちゃんの妄想であり、やはり京本ちゃんが帰ってくることはありません。自らがかの日に藤野歩と大きくサインしたドテラの背中
(ここもルックバック!)を見ながら肩を落として帰路につく藤野ちゃん....。
そして悲しみながらも、自分にできることはマンガを描くことだけだ、と言わんばかりにワコムの大画面パッドに向かう藤野ちゃん。
ガラス張りのタワマンの仕事場から見える景色が段々と暗くなっていき、藤野ちゃんもいなくなり...
テロップでfin
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という感じでした。
最初はえ?こんな話だっけ?と困惑したので、その場でルックバックの電書を買って、ソッコーで読み直しましたが、非常に忠実に作画されていました。
正直、藤本センセはきれいな線を描く作家さんではなくネームのすばらしさと勢いで読者を魅了するタイプなので、アニメの絵の方が倍くらいキレイです。
それこそ藤野ちゃんに対する京本ちゃんくらいに。
藤野ちゃんはタツキ先生の分身として描かれている感じなので、どこかしらデンジ感があります。シャークマンの表紙もチェンマの表紙の構図やデザインと同じだったりしてファン的にはうんうんとうなずいてしまうレベル。
そしてご存じの方も多いと思いますが、明らかにネームのコアに「京アニ放火事件」があります。まったくの無関係な無辜の未来あるクリエイターが妄想に駆られた狂人の凶行によって命を奪われるという痛ましいあの事件。
名前が京本なのはそういうことでしょうか。
ディグっている考察サイトなどを読むと、京アニ事件の約1年後にルックバックが公開されているのですよね。読み切りとは言えかなりの分量です。
チェンマの1期が終わって休載中にいきなり公開されたのでファン的には非常に驚きましたが、藤本センセとしてもあの事件をみて思うところがあったに違いないです。
映画として出来については、マンガと違う部分では声優さんと動きです。
声優さんについては文句なし!
藤野ちゃん役の河合優実さんについては、承認欲求の塊感、見栄を張って鼻が伸びまくる演技、京本ちゃんを失っての失意の演技、いずれも素晴らしかったです。
京本ちゃん役の吉田美月喜さん、山形弁まるだしのかわいい演技は好感度最高です。気の弱い引きこもりなのに、絵を上手く描くために一生懸命他人と関わろうとしていく演技が素晴らしかった。
動きやパースなどについても、前述しましたが正直タツキ先生よりも上手いレベルwで、とても良かったです。
躍動感や焦り、失意の演出などなどさすが天才と名高い押山清高監督だなと。
1700円1時間というタイパ的に高い!とか思うなかれ。
おじさんの膀胱にはこのくらいがちょうどいいと思いました。
まあただタツキファンじゃないと見に行くもんでもないので、チェンマやらファイアパンチやらを読んでいて、もちろんルックバックも1回は読んでるぜ!という人向けの映画です。