最速の梅雨突入@ひでエリです。
さてこちら九州北部では5月も半ばだというのに梅雨に突入しました。
昨夜は余りの湿度の高さに汗が止まらず、今シーズン初のエアコン稼働となりました。
日本の湿気…ああこれだったと思い出します。逆に温度が同じだとこんなにも爽やかに。何とかなりませんかねぇホント。今から夏が思いやられます…。
さてAmazonにまたしてもしてやられました。
無料アプリで何度か読みかけて中断していた最後のレストラン、Kindle Unlimitedに加入すると525円で10冊読み放題になるというのです。1巻はプライム会員タダなので、実質9冊ですが、そんなもの一冊買えば元が取れてしまいます。そして11〜17巻は我慢できずに自腹で買うと…。
という罠はあれど後悔しませんでした、この漫画。
何度か読んでいるので、ネームの品質、絵の巧さ、歴史的検証などなど非常に高クオリティなのは既知の事実。何故この漫画が大きな賞を取っていないのか不思議なレベルです。
主人公はフレンチレストラン「ヘブンズドア」の二代目オーナー園場凌(そのばしのぐ)。
何故か、歴史上の偉人たちが彼の身の回りに死の直前の状態で復活、無理難題をふっかけ、それを解決する彼の料理を食べ、何某かの対価を与えると満足して元の時代へ戻っていく…という話です。
今まで読んできた料理×タイムスリップ漫画はだいたい料理人がタイムスリップして中世や戦国時代でヒリヒリとした緊張感の中、自らの料理の技量で時代を切り拓いていく、というヒロイックなネームが多い(代表は信長のシェフ)のですが、この漫画はその逆で、園場だけ凌げればいい、という名前そのままのネガティブな主人公が、突然降って沸いた偉人からの依頼に仕方なく応えていく、といった流れで読んだことのないネームでした。
ギャグ風味も満載で所々に出てくる有名漫画のパロディも好き。
しかしなんと言っても、この漫画の真髄は作者の歴史考証力とそれをネームと結びつける構成力にあるでしょう。基本1話完結型のネームも相まって、読後感はかの有名な美術漫画、細野氏のギャラリーフェイクにも似ています。
絵の巧さはデッサン力含め、デザイン力が凄い。10数巻辺りまではタイトル画像のミュシャ風の扉絵が美しく、14巻辺りからはロートレックも出てきます。
基本的に、歴史上の偉人たちは料理を食べて満足すると対価を支払って元の時代に戻って死んでしまうのですが、対価を払わず現代に残っている例として、ジャンヌ・ダルク、安徳天皇の2人がおり、そのままレギュラーキャラとして活躍します。
12巻あたりを境として、作画タッチが変わるのですが、その辺までのジャンヌがとても可愛く描けており、その電波なw性格も相まって大ファンだったのに、最近は微妙になってしまいましたw
とはいえ漫画のネームは引き続き非常に素晴らしく、複数回に渡り現代でモノマネ師として残ったケネディ大統領の話や、「夢」を実現していないと嘆きながら死んでいく家康などどれもキャラの心情がイキイキと描かれており、素晴らしい読後感です。
レギュラーキャラもしっかりと役割を持って描き分けられており、ここにこの人が居れば!と思う時に上手くはめて来る展開は胸のすく思い。
ジャンヌと好美さんの恋の鞘当て的な展開も見逃せません。
新潮社のバンチコミックスからの刊行なのですが、もうちょっと有力な出版社からの作品なら間違いなく何かの賞を貰ってるレベルのマンガかと思います。
妹から指摘されてふと思いましたが、これ原作付きじゃない!この人1人でやってる、というところもすごい!
既に17巻既刊で続刊であり、手が出ないと思っている方、今すぐKindle Unlimitedに加入して525円(30日間はタダ)で10巻まで読んでください。そして私とこの漫画の感想を語り合いましょう!
11〜17巻を買うかは、10巻までを読んでから考えれば良いと思います!
Posted at 2021/05/17 11:15:34 | |
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