もっと凶暴であれ!@ひでエリです。
ツンデレと名高いドカなのですが、うちの子はまったくもって従順で、むしろお前の本気はそんなもんじゃねえだろとケツをたたきたくなるくらいの乗り心地の良さです。
本田ブイくんが懐かしいくらいの乗り味。
まあ気が付いたら速いってのは誉め言葉として使われることも多いんですが、他人のバイクならいざ知らず、オーナーである私の嗜好としては物足りない。
具体的にいうと加速が足りない。
スペック通りのトルクとパワーが出てないじゃんという感じです。
VTR1000Fでほぼ同スペックの乗り味を知っている私としては、直線でラフにアクセラレータを開けたらフロントがフッと浮くレベルのパワーは潜在的にあるのはわかっているわけです。
なのにスルスルスルーっという加速しかしない。
「何おまえ猫被ってんだよ!」
としか言いようがない。
ということで、週次のZoom呑みで蓮持ちドカ乗りの皆さんに聞いたところ
「セッティングをいじれ!」
ということになりました。
やまちゃんも夜中に思いついたのか同じことを言ってました。
ということで、セッティングです。
まずは
ドカ大阪Dの公式動画をみてみましょう
モニターに出てくる矢印関連の仕様をよく説明してくれています。
(白抜きはワンプッシュ、塗りつぶしは長押しというUIです)
今回変更したいのはエンジン関連のセッティングです。
結論から言う(タイトル写真)と、
1.DQS(スリッパークラッチ):ON
2.DCT(トルクコントロール):OFF
3.ABS(アンチロックブレーキ):ON(レベル2)
4.DWC(ウイリーコントロール):OFF
という仕様でばっちりでした。
要は電制は基本的に(私とやまちゃんには)不要、ということです。
なお設定時のメニューで左右に動かしたいときにウインカーの左右を触ってしまいがちですが、メニューは上下+モード決定(ウインカーキャンセル)しか使えません。メニューをひとつ戻す際には「←Back」を上下スイッチとモード決定で選んで戻ることになります。
先ずはツーリングモードはぬるくて、すぐさまスポーツモードにしたのですが、それでもまだぬるい。アーバンは最早使う気にもなりません。
DCTをオフにすると、DWCも自動的にオフになります。選択できません。
戻す時はモード選択の中に出てくる「All Default」を選ぶか、モード選択後に出てくる「Default」を選べば設定は工場出荷時の設定に戻りますので好きにいじって大丈夫です。
この表示は設定をカスタマイズした個体にのみ表示されます。
今回私は「Sports」のみをいじりましたが、他のモードも設定を変えている場合、All Defaultを選択すると全部工場出荷時のモード設定に戻ってしまうので、個別に戻したいときは、モードの中にもぐってからDefaultを選択しましょう。
さて、この設定にして、まずはやまちゃんが私が仕事している間にご近所農道試走にいってきました。感想は
「(ひでエリ)ちゃん、いいよ、めっちゃ加速する、電子制御いらねw」
でした。で、今日の仕事を全部終え(13時ww)、その言を受けて別府の友永パンまで峠道で行くことにしました。
先ずはご近所農道へ。
前走したやまちゃんに路面状況などの事前情報を受けて、ヤバそうなところは気を付けて走ります。
先ずはグレーチング3か所。
エリナナやTZR、VTRなどのスポーツ系の乗り物では常にガツンと結構なショックがあるのが通例ですが、ドカエルくんは難なく超えていきます。
流石です。
やまちゃん的にはふわふわなので縮み側をもう少しハードに振るべきというインプレでしたが、私はまあこれで良いと思います。
そんなギリギリまで攻めないですから。
タイヤがミシュランのパワー6という最新版かつ最高峰のツーリングタイヤがハマっていますので私レベルの腕ではギリまでそもそも使えませんw
アマリング1cmほど残して充分な余力です。
本田ブイくんの「どうしてもまっすぐ走りたい!」という直線番長な感じがドカエルくんには皆無でヒラヒラと倒れます。かといって山葉チズルくんのような軽くてどこか不安定だけど止まると回るのは任せとけ!という感じもないです。
ちょうど中間くらいの良い塩梅。
そもそも車体が400cc並みに小さく、乾燥重量は180kg台ですからヒラヒラも納得です。
かといって直安(直進安定)性がないかというと、そんなこともない。
高速ではフツーに楽ちんに真っすぐ走ります。
まあ軽いからか風には比較的弱いですけど。
さて初めての峠道をおっかなびっくり走破して、別府に到着しました。

いつもの友永パンです。
使う予定は当分ないだろうと思って家に持ち帰ったパニアをさっそく装着していますw。すっごくたくさん載って助かりますね。これは標準状態ですが、更に広げることもできます。パンはギュウギュウに積めないので、こういう感じで外殻がしっかりしているバックにふわっと載せるのが重要で、今後はバイクでも買いに行けるようになったということですね。
復路は高速で。
こちらでも加速車線で明らかに違いが体感できます。
トルコンがレベル1ですら残っていても、「ぬるい」と感じるのですね。
トルコンってのは結局、アクセラレータを過分にひねった分を滑らないようにデチューンする仕様な訳で、走れー!と思ってひねった分前に進まないというのが体感的に分かるんでしょうね。
更にこの子のスピードメーターは実走度より+5%に設定されているそうです。
ということは、より滑らないように「ヌルく」なってるわけですよね。
ライダーの感性は侮れません。
ちなみにSportsモードのトルコンのデフォは1でした。
最初はいうてせっかくのトルコンなので1は残しておこうと思ったんですが、ぬるいと感じるセッティングが1ならオフしか選択肢がありません。
結果、満足しました。
改めて感じるに、あとは排気音ですね。
本田ブイくんはバッフルを抜いた直管マフラーでしたから爆音で、かついい音だったわけですが、ドカエルくんは触媒が入ってこもった音、純正アクラポつけても触媒がある限りいい音にはなりようがありません。
静かーでもないですが、高速走行時などでは風切り音の方が大きいです。
あと4速2000rpmでもなんとか60km/hで走れるレベルのトルクにはびっくりしました。
ドカといえば低回転トルクは絶望的という話をよく聞きますが、このデスモ、テストスタレッタ11はかなり優秀。
本田ブイくんでイライラしていた低回転トルクの細さはほとんど気になりませんでした。
まあそこに行くと軽さは正義で6速60km/h走行が可能な山葉チズルくんの優秀さは街乗りでもずぬけていると言っていいと思います。2ストなのにね。
さて最後は燃費です。こちら
スペックですが燃料タンクは16L。
20km/L走ってくれれば300kmは走れる計算です。

実際には
21.32km/Lという初回結果でした。
燃料計の目盛りが徐々に減っていき、目盛りが残2になった時に給油ランプがついて走行限界距離がモニタに表示されます。
だいたい残40~50kmといったところです。
そこで給油して10.79L。230km走っていました。
あと5Lは残しているので丁寧に燃費走行を重ねればあと100kmは走れる計算です。表示はかなり安パイ方向で計算してあるようですね。
気を付けながらなら300kmくらいは満タン1発で走れるでしょう。
まあ無理する必要もないので給油ランプが点いたら給油すればいいだけですけど。
本田ブイくんのときは180kmも走ったら戦々恐々でスタンドを探していたので、それに比べたらだいぶ楽。
ていうか、ほぼほぼタメを張ることができる山葉チズルくんの燃費がおかしい。お前は本当に2ストなのか???
まーさんガレージの3XVエンジン始動動画をみたところ、右前のスローのジェットではなく穴そのものが詰まっている状態とまったく同じ症状(エンジンのアイドリング時に右肺から冷たい排ガスがでていて爆発していない)がチズル君にもでるもんですから、もしかするとスローが詰まってそこから吹かない分燃費がいいのかもしれません(たぶん違う)。
あと関連してトリップメーターです。
トリップ1,2が設定できるんで、日常の燃費計算はトリップ1、エンジンオイル交換用はトリップ2と設定して、納車時にリセットしましたが、普通表示はODではなくてトリップを表示するのが昭和ライダーの基本。
そうしていましたら、いつの間にかトリップ1をリセットしてしまっていました。
これは大半のライダーがそうなのではないかと思うのですが、ウインカーキャンセルを何気に押してしまいます。これがいけない。
トリップは給油時にリセットしますが、ウインカーキャンセルとモードセレクトが同じUXである仕様だと、意味なくそのボタンをおすとワンプッシュで動作する仕様の機能に関しては動作してしまうのです。
この子のトリップメーターに関してのリセットはモードセレクトと同じ「キャンセルボタンワンプッシュ」なので、トリップ1を表示していてモードセレクトすると「Trip1 Reset?」と出てしまい、そこで気が付かなければ再度モードセレクトボタン=ウインカーキャンセルボタンを押してしまい、トリップをリセットしてしまうということになります。
ODはリセットできてはいけないので、この仕様にはなっていません。
なので通常走行時はOD表示にしておくべきでしょう。
ということで、いろんなセッティングの気づきがあった納車翌日でした。
つまり
限りなく美しく、乗りやすく、速くて、楽ちんな本格派ツアラー。
しかし平成初期のキャブバイク乗りからするとパワーの出方がマイルドで、触媒付きのマフラーからはおとなしめの排気音。
「最新=最良」はポルシェでは格言でありますが、私は
「最古の蓮こそ至高」というド変態な性癖なので、なかなか難しい。
すごーくいいバイクなんですが、乗って2日目で3年くらいで飽きて売ってしまう未来が見え始めました。古いドカに乗る皆さんたちのいう
「ドゥカはツンデレ」
が体験できる日がくればいいなあ。
まあ当面は楽しんで乗れると思います。
本田ブイくん、いいバイクでした...。