
小太りでグレーの目立たない格好をした初老の男が近づいてきた。
あたりは夕暮れ時でうっすらと暗く、私はジムワークを終えてすっきりした気分だったが、なんだか嫌な予感がする...。
わざと見ないようにしていたが、こういうときの悪い予感はあたるものだ。
「ちょっとちょっと、私はこういうものなんだが・・・」
襟についている金の警察バッチをみせながら話しかけてくる。
私服警官?
何の用だ、俺にはあんたに用なんてない。
「いやいや、そんなあからさまに嫌な顔をしなくていいでしょ」
警察のバッチを見せながら、話しかけてこられたらいやな顔にもなる。
普通に会話したいだけなら、そんなものを見せなくても済むはずだ。
「この車は何処のクルマですか?」
エリーゼ・・・ん、エリーゼのことか。
イギリスのクルマだということ説明する、ついでにロータスというメーカーのクルマであることも話した。
「そうだろうと思った、外車ですよね。これはもったいない、こんな千葉の田舎を走らないで、銀座や渋谷あたりを走る車じゃないですか?」
ん?怪しんでいるのか?
千葉にだってエリーゼ乗りはたくさんおるわ。
シマヤに行ってみろ。
そもそも銀座とか渋谷で颯爽と乗り降りできるクルマじゃないのだ。
女性を助手席に乗せていても、そのサイドシルの高さゆえ、乗り降りの度に手を引かなければならないうえに、パンツ丸見えになってしまうという、世の中で最も銀座と渋谷に似合わないクルマと言っていいだろう。
「そうなんですか?かっこいいんだけどね」
そう、カッコはいい。サイコーだ。
「ちなみにこれはエンジンは何CCですか?」
ま、そうくるわな。見た目がこんだけスポーツカーなら。
でもエンジンはカローラなんですわ、はっはっは、1800ccしかないし。
「それでもチューンとかしてるんでしょ?」
こんどは改造車切符でも切ろうというのか?
エンジンは何も手を入れてませんよ。大佐やサチさんのようなズルもしてません。
ロータスがチューンはしてると思いますが、192馬力程度しかありませんよ。
そう驚くような数値ではありませんね。
「ちなみにこれはいくらくらいするんですか?」
そうですね、これは真ん中のグレードなんですが、新車で買うと600万くらいでしょうか。
私は中古で買ったので408万でしたが。
「そうですか。いや今日は目の保養をさせて頂いた。最後にエンジン音を聞かせてもらっていいですか?」
もちろんいいですよ。
2ZZのエンジン音なんて大したことはないですよ。
HKSがついているのですが、ここで6000回転以上回すわけにもいきませんしね。
「どうもありがとう、お気をつけて」
こちらこそ。ありがとうございました。
あれ?ただのクルマ好きのおじさんだった?
だったら何故警察バッチを見せたのか・・・?
謎です。
(Title
Photo by EVA-Titer)
ちなみに職質時に「軽視庁」ステッカーは貼ってませんでしたw
===追記====
わあ、なんだなんだ、イイネが60越えちゃったぞ?!
Posted at 2012/12/29 18:09:21 | |
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