
納車から3週間が経過したボクスター。
今のところ久しぶりのオープントップと良い気候が幸いして、稼働率の高い状況が続いている。
この車、気軽なオープン2シーターとして見るならば、ずば抜けて良くまとまっている。
今回の車選びの焦点にあってるし、大人の遊び車にはぴったりの一台と感じている。
もちろん不満もそこそこあるが…ただそれもオープンにすると忘れちゃうんだよなぁ…。
以下は個別の要点。
気に入っているところ
1.薄味なれど、乗ればポルシェのそれを味わえる。乗っていると、ポルシェの車というより、オープン2シーターの内の1台と言う風に捉えていることが多い。「ポルシェが比較的安価なスポーツカーを作るとこうなる。」という良い事例。
2.素晴らしい外観デザイン。リアの造詣は特に秀逸。車を知らない人から見ると、911より高価な車に見えるらしい。女子受けも良好。
3.心地よいシフト操作の感触。ゲート感がしっかりとあって、レバーのトラベル時の操作力の変化も極めて自然。無駄にシフトを繰り返したくなるマニュアルは本当に久しぶり。
4.3に続いて、高くなったシフトレバーの配置は、極めて操作感において優れていると思う。手を楽に伸ばしたところにシフトレバーがある。
5.望外の積載性。車内がミニマムなのは2シーターオープンの共通項だが、フロントトランクとリアトランクの2つがあるのはとても助かる場面が多いはず。
6.フロントウィンドシールドの立ち上がり角と位置は、オープンとして良い出来。これが頭に突き刺さるような角度の車だと開放感が極端に低くなる。
7.事実上、1000万位までで2シーターオープンの良い出来の車を探すとなると、これ以外見当たらないということ。その価格帯を超えるレベルでも、ユティリティー等も含めたバランスではかなわないだろう。
8.スポーツクロノパッケージの面白さ。PDK搭載車だとギクシャク感の出ることが多いスポーツプラスモードだが、MTだとそれは皆無。それどころか右足でPDKのシフトチェンジの切れ味を再現できるので、これは調律された乾いたサウンドと相まって快感。ライトウェイトスポーツとして(現代のレベルで)面目躍如たる躍動と思う。
9.意外に燃費がいい。無頓着に走っているが、8.5km/リットルというところ(追記)。
10.トップを下げているとアイドリングストップが効いている間はいろいろな音が良く聞こえて、ことさら気持ちが良い。12Vを切ると作動しなくなるみたいなので、作動しなくなるのは2年後くらいか(追記)。
気なるところ
1.ポルシェの本気は911と、どうしても分かってしまうその所作。それをマーケティングという切り口によって排気音やデザインでカバーしたいという気持ちが伝わってくる。お前らこういうのが好きだろ~とあからさまに言われている気がして複雑な気持ちになる。滋味深さはやはり911のほうが遥かに上かと。
2.ブレーキは997系のリニアに制動力が立ち上がってくるような設定ではなく、初期制動力が強めに設定されている。これに加え、ペダルの高低差が結構あるので、ヒールアンドトゥをするのは本気の場面だけに限られる(現時点では)。エンジンのピックアップが鋭い(スポーツプラス時)ので、これはもったいない。
スポーツカーとしては奇妙な味付けのブレーキだが、981ケイマンGT3の可能性を問われたエンジニアは「ケイマンはそういう車じゃない。」と言っているわけだし、その尤もたるボクスターは本格的なスポーツカーと言うのはポルシェの意図から外れると言うことだろう。
3.ノーマルモード時のアイドリング音。直噴丸出しでガラガラと…。もっともこれは個体差の問題もあると思う。燃費志向のモードなのでアイドル回転数が650回転/分という低さだからかもしれない(ちなみにスポーツやスポーツプラスモードを選択すると回転数が800回転/分となり、音はずいぶんと連続性のあるものに改善する)。
4.車内の匂いがいわゆる国産の新車の匂いと大差無い。所謂ドイツ車の香りがしない。これはレザーシートにすればそうでなかった可能性はあるが…。とにかく新車の匂いがプラスチッキー。
5.ステアリングは991にあるようなニュートラル付近の不感応域はなりをずいぶんと潜めているが、それでも旧世代の油圧のほうが艶かしい路面の感触を伝えてくる。やはりなんとなく紙一枚はさんでいるようなというか、路面の状態と少し壁を隔てているような感触がある。
6.ステアリングやシフトの部に使っている皮革の品質がいまいち。皮が乾いていて突っ張っているような…いわば兄弟会社がロゥワーグレードに使っているような皮革。日頃触れている部分だけに、気分が悪い。ミンクオイルでも塗りこんでやりたい感じ。
7.見えない部分の部品やセンサー類は殆どと思えるくらいFour RingsかVWマークが入っている。勿論、それらのメーカーの部品番号付き。プッシュオープンになった給油口なんかは、もろにVWのそれ。ポルシェは作り方がかなり変わってきたと実感できるポイント。
8.リアのウィンドディフレクター(網目)は全く論外。なんでこんなものに5万も払わないといけないのか怒りを感じる。正直言って100均レベルの製品。しかも夜の視認性は絶望的。アクリル製の3rdParty物は必須(オプションを買わないとこれもつけられないから注意)。
9.フロントトランク内にリアのウィンドディフレクターを収納するナイロンのケースがあり、ケース側のベルクロで内張りに貼り付けるようになっているが、これを何度もつけたり外したりするのはまずいレベルの内張り品質。多分、10回くらいの取り外しで内張りがかなり毛羽立つと思う。これ、取り外さないとフロントトランク内の荷物の出し入れでディフレクターの網目が破壊されるのは必定と思う。
10.クラリオンのナビは、使えないことは無いけど変えたいなぁと思う出来。
11.助手席に人が乗っていないと、シートベルトのフックがどこかにあたりカタカタと盛大な音をたてる。ちょっと耳障り。
12.発進したいのにクラッチをつないだタイミングから0.5拍解除が遅れる電磁式パーキングブレーキ。ほんの少し引っかかりを感じるのが、これがとても不快。スイッチの配置も煩わしいし、こればかりは手動式でよかったと思う(追記)。
*思い出したら追記の予定。
ブログ一覧 |
ポルシェ ボクスター | 日記
Posted at
2013/11/07 22:54:48