• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

terry997のブログ一覧

2023年10月20日 イイね!

夏の終わり、自動車趣味の行方。クルマの濃度。⑦

夏の終わり、自動車趣味の行方。クルマの濃度。⑦






遡ること数十年前の大学生時代、突然に中学校の友人が僕の家を訪ねてきた。
ドライブ行こうぜ、ということなので、そりゃ行こうとなったわけだけど、その時に乗ってきたのがこの車。
当時の日本経済は非常に好調で、ハイソカーなる車が流行っていた時代。
同級生の女子たちを誘おうかと考えていたのに…。

 「ちょっとお前さぁ、これどうしたの?」

僕が笑いながら質問すると、その意図をすぐに悟った彼はこう言った。

 「女なんてどうでもいいんだよ」

それから男二人でドライブが始まった。
この車を目の前にすると、その時の想い出が蘇ってきた。

alt
そうそう、こんな感じだった。何も知らないアホな大学生は、そのチョイスにダメ出しをしたのだった。

この時は既にレビンはAE92が走っていた時代。
それから更に30年弱を経過した現代の試乗で、あの時の感傷に浸ることが出来るのか。

ドアを開けると、何だろう、急に男臭さが漂っている内装が目の前に現れる。これ、ノーマルの状態なんだろうか、もちろんステアリングは違うのは分かるけど、妙に細い径のウッドステアリングが似合っている。そしてこのステアリングはNAロードスターにつけていたことがあったはず。
馴染みのあるステアリングを手の中に収めながら、流石の熱さにエアコンをつけてみた…が、エンジンの回転が急に慌ただしくなったり、ストールしそうになったりするのを見て、結局使用するのを止めた。きっと大丈夫、昔の人もそうだったはずだから。

alt
他の三台とは言語が違うほど男臭い。男臭さ、今はそんなこと言っても理解されないワードだろうけど。

乗っていると、その味の濃さに驚く。
今日乗った4台の中で、これが一番濃い味を持っていた。
エンジンの吹け上がりの軽さや車体自体の軽快感など、最近はボディの小さい車ばかりが気になる自分にとって、実に好ましい。
しかし暑い…でも窓は全開なので、時折風が車内を循環していく。その時の涼しさといったら、昔々祖母の家の縁側でくつろいでいた時のことを想い出した。
あいつとドライブした時もこんなに暑かったっけ。いやあの頃は30℃を過ぎると世間が騒いでいた時代だったよな。だいたい、あいつが車を持ってきたのは春先じゃなかったか?
なんて古い想い出が巡ってくる。
味の濃さはこの車のキーワード。
でも、それは高性能とかそういう意味からじゃない。
ハンドリングはセリカよりも正確だったけど、ちょっとした段差塗装程度で上下にゆすられる足回りは、スプリングが入っていなのではないか思うくらいだった。今となっては日常的に使うなんて考えられない。が、それでも…。

alt
助手席だったけど、うん、この風景には見覚えがある…。

意外にもあっという間に制限時間が過ぎてしまった。
とんでもない乗り心地だったけど、この車が一番楽しかった。
なんでだろう。少し解釈の時間が必要かもしれない。

<続く>


Posted at 2023/10/20 18:54:41 | コメント(1) | トラックバック(0) | 車全般 | 日記
2023年10月14日 イイね!

夏の終わり、自動車趣味の行方。クラシックカーだと思う。⑥

夏の終わり、自動車趣味の行方。クラシックカーだと思う。⑥






ダルマセリカ、と呼ばれていたらしい。
ダルマの由来は分からない。有力なのは当時の車にしては丸みを帯びたデザインと正面から見るとひげを蓄えたダルマのように見えるから、らしいが、どうなんだろう。そんなふうに見えなくもないけど、今見ると十分エッジが立っているようにも見える。

alt
今の若い人にダルマと言っても言葉自体が通じないかもしれない…。


この車は実家にあったような気がするけれど、乗せてもらったことは無かったような…。
だから自分にとってこの車は父親世代の車。
1973年と言えばオイルショックや第4次中東戦争の頃の車だ。
今と変わらず激しい時代の車だけど、どんな顔を見せてくれるのか楽しみになる。それは憧れの…というより、1つの時代考証のドライブに出かけるようなものだと感じる。

この車はノーマルの状態ではない、というのもタイヤは太いし、内装も少し弄ってあるとのコメントがあった。
そしていかにも金属、薄くて硬い、でも華奢な金属と言ったドアを開けると、中々男前なコックピットが現れる。ちゃらけたデジタルのかけらもない、機械式の運転席。でも、ステアリングにホーンボタンらしきものが6つもあるのはなんでだろう…(笑)

alt
ステアリングスポークに並ぶホーンの絵が描かれたボタンは?


受付の女性の方にダブルクラッチは必要ですか?と聞いてみると、

「いえ、普通で大丈夫です」

と快活な声で帰ってくる。
低いサイドシルからシートに座って前後調整をしようとシート前部を探るも…無い。
これどうやって…と考えていると、先ほどの女性が、

「右横にありまーす」

と慣れた様子で声をかけて頂いた。
シートベルトは、何だろう、ノーマルじゃないと思われるけど定かではない。三点式の妙にしっかりとしたシートベルトを取り付けると、なぜか体は動かない(笑)
先導をしている方が、そろそろ行ってくださいという顔をしているのでエアコンでもつけて、と手を吊り下げ式のエアコンノブに伸ばすけど、届かない…。
ままよ、ということで、エアコンなしで37℃の中をドライブすることにした。

クラッチはさほど難しくなく、シフトもしっかりとしている。ハンドリングは…60kmを超えると妙に中心付近の遊びが遊びと言えない程フラフラしてくる。
父親の友人が高速道路で100km超を自慢していたのは、こういうことだったのか。

alt
好きだからこそ買う車。この時代に車に対してそういう動機があるということ自体、素敵なことだと思う。

その後は淡々とゆっくり走り続ける。
暑いには暑いけど、普通に運転できる。そして降りる時間となった。
感想は…やめておこう。
この車は「好きだから」買う車だろう。それ以外に何があるというのか。
拠り所は購入する人の心の奥深くにあるものだろうから。

最後はこの車。
TE27型 カローラレビン(1974年式/MT)。
遡ること数十年前の大学生時代、友人が「古い車に乗りたくて」と言って買ってきた車だ。
既にレビンはAE92が走っていた時代。それから更に30年弱を経過した現代の試乗で何を感じることになるのだろうか。

<まだ続きます>


Posted at 2023/10/14 19:31:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車全般 | 日記
2023年10月08日 イイね!

夏の終わり、自動車趣味の行方。クラシックカーの入り口⑤

夏の終わり、自動車趣味の行方。クラシックカーの入り口⑤






AW11。
この時代、既にトヨタはフェラーリの308/328をデザインスタディとして取り入れていたはずだ。そしてマーケティング対象としても。
なのに、なんで…。

乗車してエンジンキーを捻ると、特段問題無くエンジンが始動する。
ライトは常時点灯しておこう…助手席にあるKINTOさんが作った取扱説明書(分かりやすい)を見ると、メーターナセルの右横にあるノブを捻るとある。
その通りにすると、フロントフード前方にパカッと開くライトが作動した。
僕はこのギミックが好きだ(笑)

alt
リトラクタブルライトはどうしても魅かれてしまう…スーパーカー世代の刷り込みなんだろうけどw

誘導員さんの合図に従って車を出そうとしたけど、重ステだった。でも車が1mも動けば大して気にならなくなる。
エアコンがGT-FOURよりも調子がいいせいで室内は快適だ。でも、道路に出てからアクセルを踏んでみると…加速しない(笑)???となっているうちに回転計が2700回転を超えたところからグッと加速しだした。昔のスーパーチャージャーってこんなだったっけ、いや、そもそもスーパーチャージャーがこんな躾けで良いのか?なんて考えながら、最近のターボに慣れていると体には違和感しかない。まあ、つまり2700回転以下に落とさないことにすればいいのだろう。
そうやって流していると、AW11は馬鹿々々しいほど肥大化した現代のスポーツカーと比べて、プライベート感のある小型スポーティカーとして快適な車だったことが分かる。もちろん今となっては頼りない足回りやハンドリングに満足することは無いけど、当時のトヨタの自動車製造ポリシーに照らし合わせれば、この車は相当なチャレンジだったことだろう(製造業者として)。それに当時の方々はミッドシップ的なクルマが1台でも出れば、乗るまでもなく心がワクワクしたことだったはず。それも安心のトヨタから。だから世界中で16万台以上も売れたのだろう。
でも、僕には感情的なバックグラウンドが無いから自分でプレミアムを払ってまでこの車を買うだろうか、買うなら対価はどうするだろう、メンテナンスは大丈夫なんだろうけど等と考えていると、搭乗コースの終わりが見えてきた。
いい経験だった。先輩たちはこんな世界を楽しんでいたのか。自分の中にある欠けたピースを埋めたような気分だった。

「さあ、次の車達は大変ですよ。エアコンはありますがほとんど効きません。体調が悪くなったら車を停めてください」

alt


セリカ 1600GT(1973年式/MT)。
50年も前の車だ。もはやちょい古どころではなく、立派なクラシックカーになりつつある1台。この世界は完全に未知数だ。一体、どんな経験が出来るのだろうか。最近にないほどワクワク感が盛り上がってくる。

(続く)
Posted at 2023/10/08 08:26:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | 車全般 | 日記
2023年10月03日 イイね!

夏の終わり、自動車趣味の行方。可能性を消し込む旅。④

夏の終わり、自動車趣味の行方。可能性を消し込む旅。④





係の方の説明では、古い方の車2台のエアコンは吊り下げ式のものを装着しているけど、ほとんど効かないのだそう。
当日の気温、37℃。
とはいえ、あの時のケイタラムよりはましだろう…と思い込むことにする。

まずは新しい方から乗車することに。
セリカ GT-FOUR ST205 1994年式/MT)。

alt

いまからほぼ30年前の車だけど、WRCでの風景は目に焼き付いている。自分は何をしていただろうか…ああ、NAロードスターのローン返済中だったっけ。
キーを差し込んで捻ると、エンジンは普通にかかる。
30年前の車と言っても、現代の車と違うのはデジタル機器が車内に殆ど無いということだけだろうか。暑いのでエアコンスイッチを探すと、そのスイッチの隣には「ECON」というボタンが。こういうのあったなぁ。
でもエアコンの調子が悪いのか、冷風と温風が交互に出てくる。
先が思いやられるけど、時間も無いのでそのままスタートした。

驚いたことに、街中で乗っている限り、ライドフィールは「ちょっと古いクルマ」といったもので、現代車のベクトルに沿うものだった。もちろん現代車と比較すれば緩いボディ剛性や粗末なシート、あやふやなステアリングフィールなどはあるけれど、もし父親から譲り受けてもそのまま日常使いする分には困らないだろうな、という感じだった。
当時としてはパワフルな3S-GTE直4ターボも今となってはちょっと元気なエンジンという感じであって、特に強い印象は残っていない。たまにアクセルを踏んだりはしたけれども、それがどうかというと…どうでもない。ともあれ普通に乗れるし普通に時間が過ぎていく。
そうこうしている内に、次の車の時間が来てしまった。

次の車はAW11型 MR2 G-Limited スーパーチャージャー(1988年式/MT)。
35年もの前の車。
当時はその恰好が受け入れられなくて、見向きもしなかった車だ。
気にしないままAW11はモデルチェンジしてしまいSW20型が登場する訳だけど、これはNAロードスターの後釜に、そしていつかは乗ろうと思っていたイタリアンミッドシップの前哨戦として考えていた車の1台だった。
AW11は自分の人生とは殆ど関わり合いが無く来た1台。
いったいどんな車だったのか。

(まだ続きます…)


Posted at 2023/10/03 10:27:54 | コメント(2) | トラックバック(0) | 車全般 | 日記

プロフィール

「@KERO_KERO さん、既に上陸してたはずなんですが…西日本の会社はどうなったのでしょうね。」
何シテル?   05/21 17:33
“When you arise in the morning, give thanks for the light, for your life and str...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2023/10 >>

12 34567
8910111213 14
1516171819 2021
22232425262728
293031    

リンク・クリップ

[マツダ ロードスター] FORScan(診断機) 初期設定編① 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/11/25 13:37:12
[ポルシェ 911]不明 LED バンパーランプ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/11/21 10:40:52
[ホンダ S660]スーパーオートバックス浜松 HKSフラッシュエディター・現車セッティング 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/11/03 17:07:38

愛車一覧

ポルシェ 911 ポルシェ 911
LHDではなくRHDです。 (2022.11.6) 少しペースは落ちているけど15万キ ...
マツダ ロードスター マツダ ロードスター
2023.3.1 ND3号車のエクステリアカスタムは2号車と同じです。RFから流用したA ...
その他 ジャイアント その他 ジャイアント
長いこと放置状態のクロスバイクでしたが、ここ数か月は重宝しています。そうなるとあちこち目 ...
ポルシェ 718 ボクスター ポルシェ 718 ボクスター
2023.5.13 どうやら6月半ばには納車らしい。 梅雨の時期なのであんまり乗れないと ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation