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業後にこいつを見てきたのだが…。
ちょっと失礼して座席に座ってあれこれ…うーん、これちょっと狭いかもしれない。
ターボは1000万台かもという話だし、Sは800万円台らしい…オプションは不明だが。

あんまり横幅も違わないので、カイエンの方が良いかもという気分。

顧客には結構人気らしく、今から予約しても実車は2015年に入らないとデリバリーされないらしい。
それだったら時間があるから…ありすぎるからポルシェならカイエンで良いかも。

結論としては早いけど、実車を見て自分用としてはあまり…。

981ボクスターのブリッピング機能。
スポーツクロノパッケージを購入した場合に付属する機能。
その中のスポーツプラスモードをOnにした状態で作動するアシスト機能なわけだが、いまいち腹落ちしない機能だ。
そこでポルシェブロガーの白蛙さんの情報をもとに、Off出来るか試してみた。

その方法とは…PSMをOffすると言うこと（公道でのOffを推奨するわけではない。念のため。）

Offする前にPSMとは何かと言うと、Porsche Stability Managementの略であり、昔のPSMと違ってABS、MSR、ABD、ASRといった安全デバイスを統合的にマネジメントするシステムの総称となっている。
いくつかの安全デバイスはPSMをOffにしても機能は残存するとあるが、ポルシェは公道での使用においてはPSM使用を強く推奨しているし、恐らく任意保険での割引事項にてこれらのシステムを算入している方も多いと思うので、Offすると言うことはかなりのリスクを伴うということを認識する必要がある。
よって、個人的には恒常的にPSMをOffするつもりはないし、今回Offを試したのは、自身のリスクの範囲で実施しているものである。

話は戻るが、PSMをOffすると、確かにブリッピング機能は作動しなくなることが確認できた。
恐らく最小限の安全デバイスを用いてサーキットで使用する向きには吉報と思う。

しかし話はそれほど単純ではなくて…PSMをOffして「右足ブリッピング」をすると、何故かマフラーの音量が大人しくなる気がしている。それに回転の吹け上がりもほんの少し鈍い気が（本当に僅かだが）。これは踏み込み量が足りないからかもしれないけど…。
ただ、PSMをOnし、スポーツプラスもOnしたときのNポジションからの「右足ブリッピング」の方が、音量も吹け上がりも鋭いのは感触として残っている。これ、どういうロジックなんだろう。

ここからは少し言いすぎかもしれないけど、ケイマン/ボクスターのMTにおいては、ヒールアンドトゥやらダブルクラッチなんて技能はもはやレガシー技術ということなのだろう（他の現行マシンはもっとそうだけど）。
そうであるならABペダルの高低差も理解できるし、販売対象層の広さを考えればあのブレーキの味付けも悪くない。

先にも述べたが、公道使用においてPSMをOffにするつもりはないので、ブリッピング機能は受け入れるしかない。
でもポルシェは出来の良いMTを残してくれたから…それで良しとすべきかなぁ。

拙宅のボクスターはMT。
ケイマンの下にくるグレードなので、いわゆるシフトダウン時のブリッピング機能なるものは装備されていない。
もちろん、このことは否定的な意味ではなくて、色々手足を動かしたい乗り手の自分としては、より好ましいものと捉えている。
スポーツプラスをOnしたときの反応はかなり良く、むやみにシフトダウンしたくなる類の感触なので、かなりの頻度でトップを下げてバイクの様に乗り回している。

ところが…。
たまたまシフトダウンしようとして、クラッチを切ってアクセルを煽るために踏もうとしたところ、やっぱりシフトダウン中止という状況になった。しかし手は4→3にギアを入れようとしている。
このときの状況を整理すると、瞬間的に「アクセルオフ、クラッチ切、ギアだけシフトダウン中」なんていう妙な状況になったのである。
ありゃりゃやっぱりシフトを戻さなきゃと4速に戻す直前に「ウォン！」なんていう聞きなれた音が…。
4速を選びながら嫌な予感がして、少し速度を上げてクラッチを切り、アクセルから足を離してギアだけ3速に放り込むと…やはり「ウォン！」ってブリッピングする。

「なんだよ、ブリッピング機能、装備されているじゃないか。」
試しに何度か試してみると、2速に放り込んだときなんか、かなり盛大なブリッピングをしてくれる。
これを使うとギアチェンジの間はアクセルから足を離しておけばいいので…楽は楽ということは理解した。
もちろん、ギアをNにした時点で足で回転を上げてシフトダウンを行うタイミングを合わせることは出来るのだが…。

本当に望まれているのだろうか、こんな機能。
楽をしたくてMT乗るわけじゃ無いんだから。
買収される前の昔のAGだったら、こんな媚びた様な機能は搭載しないに違いない。
このシステムがクラッチの保全のためなら、より強いトランスミッションを設計する方向を選んだと思う。

少なくともオフできるような仕様を切に望みたい。

納車から3週間が経過したボクスター。
今のところ久しぶりのオープントップと良い気候が幸いして、稼働率の高い状況が続いている。

この車、気軽なオープン2シーターとして見るならば、ずば抜けて良くまとまっている。
今回の車選びの焦点にあってるし、大人の遊び車にはぴったりの一台と感じている。
もちろん不満もそこそこあるが…ただそれもオープンにすると忘れちゃうんだよなぁ…。


以下は個別の要点。

気に入っているところ
1.薄味なれど、乗ればポルシェのそれを味わえる。乗っていると、ポルシェの車というより、オープン2シーターの内の1台と言う風に捉えていることが多い。「ポルシェが比較的安価なスポーツカーを作るとこうなる。」という良い事例。

2.素晴らしい外観デザイン。リアの造詣は特に秀逸。車を知らない人から見ると、911より高価な車に見えるらしい。女子受けも良好。

3.心地よいシフト操作の感触。ゲート感がしっかりとあって、レバーのトラベル時の操作力の変化も極めて自然。無駄にシフトを繰り返したくなるマニュアルは本当に久しぶり。

4.3に続いて、高くなったシフトレバーの配置は、極めて操作感において優れていると思う。手を楽に伸ばしたところにシフトレバーがある。

5.望外の積載性。車内がミニマムなのは2シーターオープンの共通項だが、フロントトランクとリアトランクの2つがあるのはとても助かる場面が多いはず。

6.フロントウィンドシールドの立ち上がり角と位置は、オープンとして良い出来。これが頭に突き刺さるような角度の車だと開放感が極端に低くなる。

7.事実上、1000万位までで2シーターオープンの良い出来の車を探すとなると、これ以外見当たらないということ。その価格帯を超えるレベルでも、ユティリティー等も含めたバランスではかなわないだろう。

8.スポーツクロノパッケージの面白さ。PDK搭載車だとギクシャク感の出ることが多いスポーツプラスモードだが、MTだとそれは皆無。それどころか右足でPDKのシフトチェンジの切れ味を再現できるので、これは調律された乾いたサウンドと相まって快感。ライトウェイトスポーツとして（現代のレベルで）面目躍如たる躍動と思う。

9.意外に燃費がいい。無頓着に走っているが、8.5km/リットルというところ（追記）。

10.トップを下げているとアイドリングストップが効いている間はいろいろな音が良く聞こえて、ことさら気持ちが良い。12Vを切ると作動しなくなるみたいなので、作動しなくなるのは2年後くらいか（追記）。


気なるところ
1.ポルシェの本気は911と、どうしても分かってしまうその所作。それをマーケティングという切り口によって排気音やデザインでカバーしたいという気持ちが伝わってくる。お前らこういうのが好きだろ～とあからさまに言われている気がして複雑な気持ちになる。滋味深さはやはり911のほうが遥かに上かと。

2.ブレーキは997系のリニアに制動力が立ち上がってくるような設定ではなく、初期制動力が強めに設定されている。これに加え、ペダルの高低差が結構あるので、ヒールアンドトゥをするのは本気の場面だけに限られる（現時点では）。エンジンのピックアップが鋭い（スポーツプラス時）ので、これはもったいない。
スポーツカーとしては奇妙な味付けのブレーキだが、981ケイマンGT3の可能性を問われたエンジニアは「ケイマンはそういう車じゃない。」と言っているわけだし、その尤もたるボクスターは本格的なスポーツカーと言うのはポルシェの意図から外れると言うことだろう。

3.ノーマルモード時のアイドリング音。直噴丸出しでガラガラと…。もっともこれは個体差の問題もあると思う。燃費志向のモードなのでアイドル回転数が650回転/分という低さだからかもしれない（ちなみにスポーツやスポーツプラスモードを選択すると回転数が800回転/分となり、音はずいぶんと連続性のあるものに改善する）。

4.車内の匂いがいわゆる国産の新車の匂いと大差無い。所謂ドイツ車の香りがしない。これはレザーシートにすればそうでなかった可能性はあるが…。とにかく新車の匂いがプラスチッキー。

5.ステアリングは991にあるようなニュートラル付近の不感応域はなりをずいぶんと潜めているが、それでも旧世代の油圧のほうが艶かしい路面の感触を伝えてくる。やはりなんとなく紙一枚はさんでいるようなというか、路面の状態と少し壁を隔てているような感触がある。

6.ステアリングやシフトの部に使っている皮革の品質がいまいち。皮が乾いていて突っ張っているような…いわば兄弟会社がロゥワーグレードに使っているような皮革。日頃触れている部分だけに、気分が悪い。ミンクオイルでも塗りこんでやりたい感じ。

7.見えない部分の部品やセンサー類は殆どと思えるくらいFour RingsかVWマークが入っている。勿論、それらのメーカーの部品番号付き。プッシュオープンになった給油口なんかは、もろにVWのそれ。ポルシェは作り方がかなり変わってきたと実感できるポイント。

8.リアのウィンドディフレクター（網目）は全く論外。なんでこんなものに5万も払わないといけないのか怒りを感じる。正直言って100均レベルの製品。しかも夜の視認性は絶望的。アクリル製の3rdParty物は必須（オプションを買わないとこれもつけられないから注意）。

9.フロントトランク内にリアのウィンドディフレクターを収納するナイロンのケースがあり、ケース側のベルクロで内張りに貼り付けるようになっているが、これを何度もつけたり外したりするのはまずいレベルの内張り品質。多分、10回くらいの取り外しで内張りがかなり毛羽立つと思う。これ、取り外さないとフロントトランク内の荷物の出し入れでディフレクターの網目が破壊されるのは必定と思う。

10.クラリオンのナビは、使えないことは無いけど変えたいなぁと思う出来。

11.助手席に人が乗っていないと、シートベルトのフックがどこかにあたりカタカタと盛大な音をたてる。ちょっと耳障り。

12.発進したいのにクラッチをつないだタイミングから0.5拍解除が遅れる電磁式パーキングブレーキ。ほんの少し引っかかりを感じるのが、これがとても不快。スイッチの配置も煩わしいし、こればかりは手動式でよかったと思う（追記）。

＊思い出したら追記の予定。

なんてことのない首都高の渋滞も、トップを下ろすことでこんなにも素晴らしい気分になるなんて…。