人力飛行機なら、かの有名なる鳥人間コンテストで大方の方はご存知だと思いますが。
で、人力ヘリコプターってご存知ですか?
その昔、一瞬だけ鳥人間コンテストでも扱ったようですが、瞬殺の如く無くなりましたね。
理由は簡単、人力ヘリは人力飛行機に比べて段違いに難しいからです。
飛行機がお空に浮く原理は、進む力 - 推進力 - によって翼に空気の流れを当てて揚力を発生させるからです。
(詳細はwikipediaをどうぞ)
で、翼を大きくしてやれば揚力が増えるので、鳥人間は原チャリレベルの前進速度でも揚力を得て飛んでられます。
で、ヘリはどうやって浮くかと言うと、頭の上で回ってるメインローター - ハイ、あのでっかいプロペラですね - で上にある空気を下に吹き付けて浮きます。まあ、コレは実機を見れば分かる話ですが。
問題は、下に吹き付ける空気の量です。ヘリが浮くためには、「常時」ヘリと同じ重さ or 以上の空気を下に吹き付けてやらなきゃなりません。
例えば、AIRWOLFの元になったBell 222ヘリは最大離陸重量が3.5~3.8tです。つまり、この機がホバー中、真下には最低でも4t弱の空気が常に吹き付けられてマス。そんな真下に行くと軽く大惨事になりかねませんので、近寄らないようにしませう。
ついでに言うと、ヘリはその殆どがジェットエンジン機です。例外的に自家用なR22とかR44はレシプロエンジン機ですが、これ位ぢゃないですかね。自機の重量以上の空気を吹き付ける力を出すには、ジェットで無いとほぼ無理ってコトなんでせう。
つまり、機械を使っても大変なのに、人力でできるか?ってなコトになります。
実際、鳥人間コンテストで出た時の人力ヘリは、文字通り「一瞬」しか浮いてませんでしたよね、確か。
まあ、そんな不可能を可能にする後押し?で、1980年に「イゴール・シコルスキー賞」なるモノが制定されました。簡単に言うと、60秒以上のホバー状態で到達高度3mを達成したら25万ドルあげますな賞だそうです。
で、制定から33年、カナダのトロント大学のAeroVeloが見事達成したそうです。
名前が「航空自転車」って、シャレが効いててイイですね~。
動画を見て頂ければ一目瞭然ですが、四角形の四隅にローターを配した4ローターシステムです。コレ、日本の研究者が考え出したシステムで、1994年に日本人パイロット(兼エンジン笑)の手ぢゃなくて足か、で24秒のホバーに成功してます。TVで観ましたよ、自分。
そういう意味では、ちょっち悔しいですね~。デモ、魂は引き継がれたってコトにしときませう。
構造も、屋内で滞空時間を競うハンドローンチの模型飛行機を彷彿とさせますね。コレでパイロットを除く重量が50kg位だそうですから、文字通り極限までの軽量化でせう。二輪のスズキか。(分かる人限定笑)
その昔、人力飛行機も実現不可能と言われてたコトもあったそうですが、また1つ、不可能が可能になった訳ですね~。拍手う~。
Posted at 2013/07/17 00:37:33 | |
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