2011年03月16日
こんばんはです。
私自身阪神淡路大震災で被災し救援と対応を当日から行った人間として、少し思う事を・・・・。
実際現状結構な規模の地震が広範囲で続いていることを加味しても、燃料の話と食料品や生活用品の買い占め騒ぎはちょっと異常だと思います。
今日、会社で使う砂糖やクリーミングパウダーを買いに行きまして・・・
親戚に送るとかでミネラルウオーターを買い込んでいるご長寿夫婦がおられました。
一人3ケースまでと張り紙がしてあるのですが・・・
店員さんと問答してましたね・・・
東北地方はもとより関東でも実際に困ってる人多いと思います。
こういった品物がこの後どうなるかというと、宅配便や商業貨物の業者に持ち込まれ個人宅へと配送されるわけですが・・・
商業貨物の業者は東北地区への配送は受託停止にしています。
また、関東地区でも日数に余裕があるものしか受託していない状態です。
私自身もともと路線貨物の物流会社で営業・管理系の事務員でした。
阪神淡路大震災の時も同じような状況が起こりました。
大阪市内や茨木、摂津、東大阪ではほぼ完全稼働状態でしたから、我々は何日も店を閉めるわけにいかず、限定で受託を開始したらこの手の「救援物資」がごっそり来まして対応に苦慮しました。
被災前の住所で送られてきて、当然家はもう全壊してない訳で・・・
家全壊して配達不能とコメント返すと・・・
「避難所回って本人探して配達しろ!」ときついお言葉(笑)。
携帯電話は普及してなく、まして通話不能(その当時から個人用一応持ってました)、
西宮、芦屋に車で入ろうものなら24時間経っても帰ってこれない覚悟で行かざるを得ません。
バイクで持てる物ならいいのですが、食料品はもとより、毛布、ふとん、ミネラルウオーター10ケース、衣類、紙おむつ等々かさばる物ばかりです。
一番困ったのが紙袋の米でした。
もちろん、これらの物資は避難所の人たちの糧になり必要なものではあるのですが・・・
正直送ってくる人たちの身勝手を嘆きました。
他県の従業員関係で安否確認を依頼され、バイクで避難所に行ったりしてましたが・・・
被災直後でめちゃくちゃな状態でどこへもまともに行けないのに、運送会社だからと言って荷物を送りつけてくるのは反則だと思いました(笑)。
この荷物たちは、本社や各主管の偉い人が自分の身内や、取引先・役所等の偉い人から頼まれて安請け合いした物です。
なので、回答返すと本人見つかるまで探して届けろ!となるわけですが・・・
送り付ける前には猫なで声で急がないからとか、取りに行かせるからとか甘い言葉で承諾させ・・・
家が全壊していると報告あげれば手のひら返したように怒鳴られて・・・(笑)。
スタッフみんなブチ切れて・・・ 「武庫川に投げ込め!」 とか「避難所にばらまくか!」と言ったことまで出ましたが、受託したものは何であれ完配しようと手分けして覚悟決めて西宮に出撃し・・・
バイクとキャラバンとの立体作戦で避難所回って何とか3日目に配達完了しました。
その際、避難所で物資を受け取った人が、箱を開いて、食料や生活用品を他の人に分けていたのを今思い出しています。 出撃した我々チーム3人、合掌したご老人から拝まれました。
とても良いことをしたなと、その時は達成感に浸ってましたが・・・
それぞれ支援のほかに担務持ってます。 神戸の支援にも当たります。
貴重な時間のものすごいロスです。
路線便の方はお客さんが被災してますので、しばらく休業ですが・・・
振り替え輸送の手配や輸送経路の確認や諸々の業務が山積し、過労死するんじゃないのかと思いました。
私の所ではライフラインは思ったより早く復旧し、電気も電話も水道もガスも1週間以内で使えるようになり、燃料も軽油のローリーは3日目に入り、ガソリンスタンドも品切れにはなりませんでした。
灯油も2KL3日目には調達し、プロパンガスも118のボンベで10本確保し、神戸の同僚を支援できる体制を作っていました。 食料も社員食堂の給食業者に依頼してそこの城東区の工場でうちの本社が確保したコメを使って社員の分以上におにぎりを作ってもらい、社員の家族にも潤沢にふるまう事が出来ました。
ただ、しばらくは、道路がまともに動かなく、小出しにしてバイクで運ぶしかなかったのです。
その時の教訓として・・・ 我々運送業者もライフラインの一つだという事でした。
今の現状では、燃料が底を付き、鉄道・道路が復旧していない状況では、あの時よりさらに状態が悪いです。
さらに、エリアが広く、現地にいる動ける人間も限られてますから・・・・
また、関東地方も計画停電で、混乱しています。
停電すると宅配便の自動仕分け機が止まりますので、荷捌きができません。
当然、配達できる量も減少しますので、他地方から救援名目で物量が上がると捌ききれません。
思いのこもった荷物であればあるほど、運ぶ人間は苦しむのです。
関係ない地方でも買い占めの問題が云々言われていますが、
安易で無秩序な救援物資が現地の人を苦しめるのです。
皆様の善意はご被災者の皆様に届くような形で、生かせる形で届けて欲しいと思います。
現在の関東・東北地方の状況では宅配便を送るどころではないです。
その時々に応じた援助を考えて行動してほしいと思います。
今日、会社では社長名での義捐金の呼びかけがありました。
その際、当社で備蓄している災害用の物品の中から取り急ぎ必要なものを発送したそうです。
今後、人的技術的な支援を最大限行うと力強く書かれていました。
同業のグループ会社が大変な被害を受けており、その復旧が地域全体の復旧を左右するので、
出来る限りの努力をするという事です。
私も赤十字に登録していますし、会社が派遣を決めて、私でも行ける様でしたら何か貢献したいと思います。
機が熟すまではあえて見守りたいと思います。
Posted at 2011/03/16 22:53:38 | |
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