2016年01月16日
この記事を書く前に・・・
この事故でお亡くなりになったご被害者様のご冥福をお祈りいたします。
神様のお導きがありますように。
ズバリ言います。 この2つに共通することは・・・
「バレなきゃ、無問題」 ということでしょうか。
偶然のこと、どちらの業界の裏事情ある程度知ってますんで(笑)
マスコミにもあれこれ言われておりますが・・・・
根幹にあるのは「バレなきゃ、無問題」 ということですかねー。
じゃあ、なんで「高速じゃなく下道走ったの?」と言ったところで、結果が出てます。
どーして、契約通りマニフェスト通りに処分しなかったの?
言ったところで、バレちゃったんだから。
規制緩和で多くのバス会社ができました。
安いコストで使おうとする元請けとなんとか利益を出そうとする運行会社。
この辺のせめぎ合いが生んだ悲劇じゃないのかと思います。
ツアー会社が適正価格を仲介先に支払ったとしても・・・
仲介会社がピンハネして叩いて支払いますから、結局高速代を浮かそうとしたのか、どうなのか、指示さえもまともに伝達できていなかったということではないかと。
関越道の中国人が起こした激安ツアーバスの事故の教訓が全く生かされていない。
監査対策だけは悪知恵が回り、表面上はごまかしが効きますけど・・・
実際のところどうなんでしょうね。
高齢者の再雇用ということになれば、安く使えます。
タクシーでさえ、若い者が行かないわけで・・・
免許制度の問題で取ることすら厳しくなった大型二種なんざなおさらです。
結局のところ、はじめたが思ったより儲からないのでコストを落とすしかないと。
旅客運送に関してはコスト=安全である部分も大きいですね。
雇入検診すらしていなかったという会社なのです。
コンプライアンスなんて観念すらないんでしょうね。
この手の中小企業の典型的パターンです。
最初の画像でバスを見たとき・・・・
ああ、またやっちまったなと思ったのはワタクシくらいだと思います。
NZさんは一応大型一種は持っており、保養所の送迎バスを運転してました。
とはいえ、乗った一番大きいのがエアロミディの一番大きなやつですが。
2バッグのエアサスなので、ロールの戻りが遅い為・・・
当て舵しながら走らないと限界支障しそうな(笑)
それでもタイトコーナーが続くと挙動がだぶってきてわけがわからなくなると(核爆)
まして、慣れていないドライバーが乗るとマジ恐ろしいと思います。
今回の事故は・・・ ピンボールクラッシュというやつですかね。
要するに左側がガードレールに接触して反対側に弾き飛ばされたと。
その際、下りこみの左カーブですから、左の前輪に最大荷重が来てます。
左側が当たると、反作用で右側に飛ばされますが・・・
急激に前輪にブレーキがかかったの同じ状態で右前輪以外が浮き上がるくらい傾いた状態で右のガードレールに行き、そこで横倒しになった状態で木に激突したみたいな感じですね。
ましてや、構造の都合上ルーフの部分は応力を抜くために板厚も薄いですし、ほとんどフレームなんぞありません。
あのぶつかり方ならば一番凹んだ部分に乗っていた人は助からんです。
ましてや、寝てますんで、右ガードレールにヒットした時点で車外に放り出された人もいますから、車体の下敷きになったとも考えられますね。
じゃあ、なんで左側が当たったかと言いますと・・・
大きく、長い車に乗るとわかりますが・・・
前輪よりも絶対に後輪は内側を通ります。
なので、乗り手としてはあまり左に寄りたくないのが普通です。
実際に左側は見にくいので、かなり気持ちが悪いです。
交通量が少ないと意図的に右寄りのラインを走ったりもします。
ということで、多分居眠りでしょうね。
ガードレールに当たって目が覚めて亡くなるまでは大絶叫してたと思います。
痛ましいことですね。
大型車両を運転して夜間走るというのはかなりのストレスなわけで・・・
ましてや人間運ぶバスなんかその典型です。
老化で目の機能が衰えてますんで、無茶ぶりに近いものがあります。
超ベテランでも危ないんで、免許持っているからといってむやみに乗せていいかといえば?なんですよね。
で、長距離運転の場合2名乗務ということも運転士不足に拍車をかけています。
とりあえず、免許持って経験あるから乗れ!みたいな感じではないかと。
これでも一応帳尻は合ってますんで、定期監査では見破れない部分ですかね。
経験がないとですね、どんだけストレスで疲れるか、老人の眼機能の衰えがどれだけ恐ろしいものなのか、おそらくわからないと思います。
なので、仕事があれば走らせるだけ走らせていたんではないかと思います。
単に、経営者と運行管理者がアホなだけかと思います。
無知の罪ですね、間違いないと思います。
基本的にはドライバーは歩合給なので、走らせなければ給料になりません。
かといって、配車の機嫌損ねたら仕事まわしてもらえませんから・・・
稼ぎが減ります。 まして入ったばかりならば無理しても行くと思います。
それを仕事断っても適正なインターバルで管理しないとまた起こりますね。
人身事故を起こすとどれだけ大変か知らなかったんでしょうね。
起こるべくして起こった事故だと思いますけど。
これ、ある意味まだ犠牲者が少なかったかもしれません。
もし、ダムにでも転落したら全員死んでいるかもしれませんよね。
今後は、運行管理者の資質を厳しく問うべきだと思います。
運行指令を出す場合、ある意味生きて帰らないこともあるということを想定してください。
私の場合、運送会社に入って3日目に所属支店の車両が人身事故にあい・・・
乗っていたドライバーが亡くなりました。
これのイメージが強烈で、送り出した車を迎えることがどんなに幸福なことかと、
その事から仕事を組み立てていましたんで、利益優先の上司とは合いませんでした。
幸いなことに、私が指揮していた部隊はこれといった事故を起こすでもなく・・・
みんな無事にベースに帰還してくれました。
日々の無事が積み重なって「安全」というのが生まれます。
今回の事故も指定されたルートを走らず、下道を走ったことについて論争が起こっておりますが、高速代を浮かそうとしたのかどうなのかは置いておいて・・・
受けた以上はオーダー通りに愚直にやるということです。
無報告でルート変更というのも今回だけじゃないと思いますね。
たまたま事故ったから表に出ただけで、好き勝手やっていたと思います。
あのくらいの会社ならそっちの方が当たり前でしょうね。
元請けに、陸運に「バレなきゃいいんだ」という姿勢こそ、一番やってはいけないことです。
それの積み重ねがこの事故を引き起こしたと思います。
この会社のみならず、ツアー会社を含めての業を全て背負った形ですかね。
ということで。
元運行管理者のたわごとです(笑)
Posted at 2016/01/17 00:17:31 | |
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