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2025年式フォレスターSPORT感想文 - フォレスター
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ノイマイヤー
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スバル / フォレスター
スポーツ_AWD(CVT_1.8) (2025年) -
- レビュー日:2025年11月3日
- 乗車人数:2人
- 使用目的:その他
おすすめ度: 3
- 満足している点
-
1.広々とした開放感あるキャビン
2.すっきりとした操舵性
3.トルクフルで不満のない動力性能
4.クラスを超えた静粛性能
5.随所に見られる真面目さ - 不満な点
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1.ドラポジが合わない
2.ドライバビリティ(もたつき)
3.ディスプレイに頼りすぎた操作系
4.ブロンズの差し色は設定色にすべき
5.SIドライブのSモードが使いづらい - 総評
-
2025年4月にデビューしたフォレスターのガソリンターボ車に試乗する機会を得た。
北米では前年から売られていた6代目フォレスターはエクスプローラー的なアメリカン顔になって登場した。先代のSGPプラットフォームを継承し、ホイールベースは変わらず、サイズをほとんど変えていない。グローバルカーに向いていると言われるSUVだが、特にアメリカでよく売れておりボディサイズに対する感度が低いため、どのメーカーの商品も世代が進むごとに肥大化が免れない状況の中ではよく踏みとどまっている。

水平対向とシンメトリカルAWDというスバルDNAにSUVという「一般性」と安全機能と電動化を積み増したのがフォレスターである。まず安全性能から見ていこう。新しいフォレスターはサイクリストに世界で初めて対応した歩行者エアバッグをワイパー根元のカウルルーバーに設定した。アイサイトはステレオカメラだけでなく、単眼カメラとレーダーを追加してプリクラッシュブレーキのカバーエリアを拡大。渋滞時ハンズオフアシストやドライバー異常時対応システムが備わって「安全のスバル」というイメージを強化している。

そして長年のスバルの悩みの種だった燃費に関しても協業先のトヨタのキラーアイテムTHSを導入し、直噴2.5L水平対向E/Gに対してストロングハイブリッドを導入した。S:HEVと呼ぶスバル流THSも変速機の位置に2つのモーターとプラネタリギアを組み合わせたTHSによってWLTCモードで18.4km/L~18.8km/Lという飛躍的な進化を遂げている。18.1km/Lのエクストレイルe-POWERは凌ぐが、同じTHSを積むRAV4はモデル末期ながら20.4km/L~20.6km/Lと負けている。その分、フォレスターは縦置きE/Gを活かしてプロペラシャフトを残して高いAWD性能を維持した。競合車はRrモーターを積むことで後輪を駆動した電気式4輪駆動としているが、Rrモーターの性能(=サイズで決まる)に制約がありスバルが求める駆動力(=E/G+モーターのシステム出力)を実現する上でもプロペラシャフトを使った方が都合が良かった。
フルタイム4WDをウリにしてきたスバルだが、フォレスターには一定の条件でFWD(前輪駆動)に切り替えるクラッチ開放制御を採用。路面状況の良い自動車専用道路を一定速度で直進走行している時など、AWD性能が過剰となる場合にはクラッチを自動的に開放してFWDに切り替える制御だという。燃費のためにポリシーを曲げて魂を「ネンピの悪魔」に売った感じもあるが、公式サイトに拠れば
「しかし、この制御により、後輪への駆動力伝達をカットすることで機械的・電力的なロスを低減し、燃費性能の向上につなげています。切り替えは自動で行うため、ドライバーの操作は不要です。なお、X-MODE作動時やSI-DRIVEのSモード選択時は、開放制御は実施しません。また、この制御の作動には、応答性に優れた電子制御を採用しているため、瞬時に切り替わります。ステアリング操作や路面状況の悪化に応じて瞬時に後輪にもトルクを配分するAWDに戻るため、SUBARU SUVの特長である走行安定性もしっかりと確保しています。」
・・・とものすごい分量でフォローしており、社内でも後ろめたい気持ちがあったのかも知れないがいささか過剰反応気味か。トップクラスの低燃費は誇らなくても、後ろ指を指されず、維持する事が苦にならないトレンドラインに即した燃費性能を遂に手に入れた。

試乗車は1.8Lターボの「SPORT」だ。ラインナップ上、最廉価仕様にあたるが装備レベルや走らせた感触は決して安物ではない。税込み価格404.8万円は先代の同一グレードの価格346.5万円と比べると58.3万円アップで、最廉価だった2.0ツーリング306.9万円とは97.9万円アップとなり割高感が強い。米が昨年の2倍以上の価格になった事を考えればマシだと言われるかも知れないが・・・・。
かつての全天候型バカッ速ワゴンのキャラクターでは無く、スバルブランドの本格SUVとなったフォレスター。スバルが重視している北米では3列SUVのアセントやミドルセダンのレガシィがまだ残されているが、日本ではクロストレックとレイバックと並ぶ大きめのサイズの「インプレッサ系列SUV」の一つである。
ミニバンを除いてファミリーカーに最適な広々としたキャビンと上質な走りはフォレスターの魅力であり、さらに純ガソリンE/Gが選べることもフォレスターの魅力である。ただ、アルミホイールの設定が18インチにとどまり、オールシーズンタイヤが早めにスキール音を出すことを考えるとプレミアムグレードで選べる19インチサマータイヤも選べるようにするなど、あと少し胸を張って乗れるターボ車であって欲しい。アイサイトのヒットと北米市場での成功によってスバリスト層切り捨てに舵を切っている状況は変わらないが、まだ微かに真面目な部分も残されている。
自動変速車が好きな方で、ブランドより道具としての機能性を求める人ならフォレスターは良い選択肢になるだろう。

- デザイン
- 3
-
●エクステリア
エクステリアデザインはいつでも冒険に出られるギアという意味を込めた「Ready for Adventure」というデザインコンセプトだ。
3代目で本格SUV路線に舵を切ってからフォレスターは大きな見た目を変えずにここまできた。元々スバルは技術偏重のブランドとして知られており、昔からのスバルを信じる頑固なカスタマー「スバリスト(subie)」はそれほどデザインを重視してこなかった。彼らにとってスバルの良心的で、独善的な一面もあるそのクルマはかっこ良くてもそうでなくてもどちらでも良かったのだ。

しかし、2010年代に先進安全機能を大衆化したアイサイトで世間に知られることとなったスバルの本流SUVには、スバリスト以外も多くを占めており北米を含むユーザーからは「変わり映えしないこと」に対する意見を多く受け取った開発陣は新しい顧客を獲得するためには誰が見ても「変わったと思わせなければならない」という考えに至った。しかしP/F流用であることに加えて車体サイズは扱いやすいサイズを堅持しなければならなかった。全長・全幅はそれぞれ+15mm。これを意匠代の原資として使うことを考えた。

フロントマスクは力強くするために思い切って分厚くした。最近までのスバル車が共有してきたコの字ヘッドライトやヘキサゴングリルから離れてフードも今までは水平対向E/Gをアピールする意図で左右フェンダーより低めていたが、今回は盛った。

低いベルトラインは死角を減らし広々感を与えてくれるし、クオーターウィンドウもむやみに切り上げずに水平部分を残して振り向いた際の死角に配慮している。Rrシートベルトが水平引きなのでスッキリと見える事も相まってスバルの質実剛健とした価値観が感じられる。クオーターに2トーン塗装の境目を隠すためのオーナメントを設け、この高さがほぼフード後端カウル部と一致している。一本で引いた方がスマートだがフードは意図して高くしたのでベルトラインの辻褄が合わない。実は競合車も同種の悩みを抱えているがキャラクターラインで誤魔化したり工夫をせずにスバルはそのまま表現した感じがある。Rr側のオーナメントはRrコンビランプに近接しているのが残念だが、何となく初代レガシィのグラスエリアの段付に似ているような気もする。

一方でRrは小振りなコンビランプがちょこんと着いているだけなのは少しチグハグに感じた。エクステリアデザインは要素を詰め込みすぎた足し算デザインだなと感じた。よりによってフロントマスクをエクスプローラー風にしてしまったので楕円形の青い6連星エンブレムがFordに空目してしまう。エクスプローラーの陰を排除すれば確かに顔つきは力強い。でも斜め前から見たときにランプ下にぶつけて出来た凹みのような面が残っているところももう少し何とかなると良かったなと思う。
しかしながら、洗車機にかけたあと車体外板や蓋物部品をウエスで拭上げているときに安心感のある手応えが感じられるのがスバルらしい。見た目に美しいとかそういうことじゃ無くてもその他のやり方で品質の高さを伝えてくれるのだ。いまや外板の板厚は薄く、剛性を板厚で担保することができない。同じ板厚でも角のRや曲率の与え方でこういう手応えは簡単に変わるし、平板になりやすい軽自動車や軽量化に注力した車種では手で撫でると「ベコベコ」とびっくりするような音を出すことがある。こういう時のしっかり感は所有したときにさり気ない安心感と頼りがいを与えてくれるデザイン的な配慮だと私は思う。
バックドア開口は先代の1300mmより退化したとはいえ、1250mmと競合性のある大開口を誇る。その分、車体側のコンビランプが小さくなってバックドア側のコンビランプがどうなるのかと思ったら、かなり小振りな印象だ。元々のデザイン案では安定感のある大きなサイズだったが「ミニバンライクだ」という北米からの意見によってSUVらしく少し腰高に見えるように視覚的重心を上げたようだ。
●インテリア

インテリアはインパネ骨格系がおそらくインプレッサ系列で共有されているらしく、正直一緒に見える。特に縦型ディスプレイを特徴にしているのが各社共通で非常に惜しい気がする。部品共通化の制約がありながら、フォレスターはCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)で差を付けようと頑張った。助手席オーナメントに幾何学模様のパッドを用意し、専用化できるセンターコンソールで凹面に追従するように表皮にタブを着けて引き込むように構造を工夫したりドアトリムでは前後異デザインに挑戦するなどやれることはやっている。また、ファミリーカーとして後席を重視するフォレスターのために運転席と助手席のセンターコンソール側(車両内側)のショルダー部をカットした。初代アルトワークスのシートを思い出してしまうが、振り向きやすくするため1cm面を削っているというが、座っているとほとんど分からないレベルに収まっている。内側は使用性のために削るが、外側は車外から見た力強さをスポイルしないため敢えて残した。写真を見ると確かにシートバックの型部の縫製パターンが違う。こうした取り組みもスバルらしい真面目さが分かる特徴的な部分だ。

CMFの中で特に気になったのは、ターボモデル用の為にホイールや室内をブロンズ色をアクセントにしたことだ。上質で温かみのある金属の質感を意識し、スバルのスーパーGTレース参戦車両のホイールとも色調を合わせているとのことだが、実車を見るとどうにもペタッとした茶色に見えてしまい光沢感が足りず、個人的には疑問符がついた。2代目レガシィのゴールドのホイールにはグッときた世代なのだが・・・・・・。ゴールドはダメ?
●感想
正直、新型フォレスターのデザインは「変わった」と思わせるためのスタイルに過ぎない感が苦手に感じた。エクスプローラーに寄せたフロントマスクは平面視の絞り込みが小さいので迫力はあるが、真横から見たときのオーハーハングの重たさが特にアンバランスに感じてしまう。そもそもスバルはオーバーハングが長くなりがちなレイアウトなので、定石通りにいくならば平面視で削ってラウンディッシュにまとめるのだろう。セダン系なら車高が低い上、フードも下げられて厚みが減らせるので違和感も最小限で済むが、フォレスターはSUVでフードを厚く立派にしたのでとにかく視覚的に重い。過去を振り返れば初めてSUVに寄せた3代目が、アプローチアングルを気にしながら視覚的重さに配慮したスタイリングにしていた。
インテリアも、インプレッサやレヴォーグとあまり変わり映えしないのはせっかく400万円以上出してフォレスターを買う消費者に対してもう少し何とかならないかといいたくなる。スバルは元々中身が大事なブランドであり、端からデザインだけで勝負していない。私があまりフォレスターの内外装の見た目にピンときていなかったとしてもそれがこのクルマの評価に対して大きな影響を与えることはないだろう。しかし、先代モデルはマイナーチェンジでは良い方向に向かっていただけに残念に思ってしまう。

偶然だが、試乗車のボディカラーがブラックだった。休憩中にぼんやり眺めていると何となくファイヤーバード・トランザム的に見えてくるし、マシンXの様にも見えてくる・・・。黒色とのマッチングは悪くないようだ。しかし、やっぱりFrオーバーハングが重いし、ホイールベースの短さが強調されているように感じて残念だ。後述するが走らせれば魅力がたくさんあるのにも関わらずこれほどまでチグハグに作らないと行けないのは何故なのか。
外装は★2(好みの問題)、内装は変わり映えしないものの、酷評するほどでもないので★3。試乗車が意外と黒いボディカラーとブロンズのマッチングが良かったので総合★3とする。 - 走行性能
- 3
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早速、試乗車に座りドラポジを調整。私は低めのシートポジションが好みなので、それに合わせたところメーターがステアリングに被って文字が読めない。パワステが当たり前になるにつれてステアリング径を小さくして乗降性や操縦性を高める傾向が見られるが、一方でメーターで表示したい情報が多すぎてが正しく読めるように気を使った形跡が無い。
フォレスターに限った話では無く、最近だとフリードやジムニーも見えにくいと私は感じている。ステアリングを大径化できないのなら表示を工夫するか全面液晶メーターにして機械式メーター部と液晶部をシームレスに繋ぐべきだと思うが、上級仕様の全面液晶メーターでも現象は同じだ。アイサイトの動作状況を一等地に表示するためにアナログメーターと同じ配列か、ナビ画面を映すかアイサイト全振り画面の3つしか選べない。

余り賛同されないが、初代ヴィッツのセンターメーターや初代ラクティスや2代目シエンタのように
ステアリングの上にメーターを配置するのは焦点が合いやすく、ステアリング被りも気にしなくて良いので好みだった。
フォレスターに話題を戻すと、あまりにもステアリングが被るため、シートリフターを上げた状態でドラポジを取り直してメーターが被らない位置までチルトステアリングによって調整を試みた。結果、メーターがよく見える場所を見つけたが、同時にステアリングが立ちすぎてステアリング上部を掴もうとするとシートバックから背中が離れそうになる。ステアリング軸自体も車両中央に寄っているのが目で見て分かるがこれも小径化の影響でちょっとした差が大きく感じてしまう。ドラポジがうまく合わなかったのはステアリングシャフトがダッシュの貫通穴の位置や面角度がインプレッサと共通のため低すぎて辻褄が合わなかったのでは無いかと邪推してしまった。体格によって合う合わないがあるとは言え、購入検討者は必ず試乗してから判断して欲しい。
ブレーキを踏みながら始動ボタンを押してE/Gを起動させる。セレクトレバーをDレンジに入れ、センターコンソールのEPBスイッチを押すと駐車ブレーキが解除されて走り出すことが出来る。駐車場が狭く、何回か切り返したがフォレスターはカメラ画像もキレイで見やすいが、そもそも死角が少なく、ミラーの鏡面も充分な面積があるので扱いやすい。この設定は人間工学性能が頑張った結果、デザイナーが譲った結果の一つなのかも知れない。
車幅1830mmという諸元は競合他社と比べると控えめだ。1700mm以下にしていくのが普通だった国産乗用車だが、グローバル化して日本国内の事情を無視した車がたくさん現われる中でフォレスターは今のところ競合車の中で最も幅が狭いが、これもこだわって先代の+15mmに抑えた結果だ。
それでもフォレスターの最小回転半径は5.4mと小さい。競合車の中には5.7mというものもあるが、幅の広い水平対向E/Gや大径タイヤなど不利な要素がある中でこの数値は立派である。フォレスターなら大径19インチ仕様であっても数値が変わらない。

市街地に出て真っ先に感じるのは乗り心地の良さだ。SPORTだけに専用ダンパーが入っているらしいが、突き上げはさほどでも無く路面の小さな凹凸に対してザラつくこと無くマイルドに通過できる。これはディーラー試乗でもすぐに分かる特徴だと思う。フォレスターに採用された構造用接着剤はボディ板金のフランジに塗布され、フランジを接着してしまうのだが、単にカチカチに貼り合わせるのでは無く、粘弾性を持っているためにボディへの入力を吸収するというスポット増し打ちでは得られないメリットが得られる。先代の8mから27mへ拡大し、主にアンダーボディ骨格に適用されている。
調べてみると、フォレスターはインナーフレーム化を実施してフレームワーク強化を行っている。従来型ではフロア+ルーフ+右側面+左側面という部分毎のサブアッセンブリ部品を溶接してホワイトボディを生産しているが、先に骨になる部分だけ組み上げて最後に薄皮の外板を溶接するという手法だ。これにより骨格感の結合が強化されて衝突安全や操縦安定性にも寄与している。

地方の適度にカーブのある田舎道を走らせると、さらにフォレスターの良さが際立つ。「スポーティ」と形容されがちな俊敏さはさほどでも無いが切った方向にスッと曲がっていくすっきり感が強いのが特徴だ。コーナー手前で微小にステアリングを切り始めた瞬間にガタ小さい印象で反応が良いので切り遅れる懸念が小さく、思い通りに曲がれる。EPSながら手応えも滑らかで大いに気に入ってしまった。
市街地ではCVTの変速スケジュールの影響なのか1500rpm以下に貼り付いて余り主張してこないCB18ターボが山道では少し楽しそうにトルクを発揮する。2000rpmも回してやれば充分な走りを見せてくれる。車速が上がってきても既に述べたとおりステアリングフィールが気持ちよく、微妙な操舵にも微妙に反応を返してくれるのが良い。ブレーキも、特筆するほど効きが良い、とまでは思わないが微調整がし易く充分安心できるブレーキだ。
ステアリングにSIドライブのスイッチがあるのでSモードを試してみた。スイッチを押した瞬間E/G回転がポンと倍に跳ね上がった。高回転域を維持して駆動力を確保して反応を良くする方策なのは否定しないが、従来のSIドライブのSモードではIのECO全振り適合を元に戻す程度の制御だったように思うが、フォレスターでは軽自動車にありがちなパワースイッチみたいな扱いだ。ON/OFFでの違いは分かり易いが一般走行でも使えるようなSモードだと個人的には嬉しい。

本気で踏めば勿論早い。正確なハンドリングは濡れた路面でも確実にグリップしひらりひらりとコーナーを抜けて立ち上がりではステップ制御を伴いながら次のコーナーまでカッ跳んでいくことも可能だが、かつてのフォレスターXTで感じたような「ゾクゾクする感じ」が無いのはフォレスター側から「いい加減大人になれよ」と諭されているように感じた。
シャシー性能は本当に高いと感じるが、どんどん調子に乗って追い込むとリアからスキール音が聞こえ始めるが、ちょっと早い気がする。SPORTと言えどもM+Sタイヤを履いている影響か?
ところで、通り雨のせいで路面がウエットになった事でスプラッシュノイズが相当抑え込まれていることに気づいた。「サー」「シャー」といった類いの音が小さく気にならない。下回りに吸音効果を持ったカバー類を設定し、ホイールハウスのライナーが効果的に音を遮断し、分厚いドアガラスや隙間の小さいボディが遮音効果を発揮しているのかも知れない。
地方道を走らせているとフォレスターに隠された要改善点が見えてきた。それは加減速の応答がワンテンポ遅れることである。信号が青になって加速、とかワインディング路で大きく踏み増すときには気になりづらいのだが、信号の感覚が長くアップダウンのあるコースでは例えば上り坂に対応して速度維持のためにアクセルをジワッと踏み増す、あるいは前方の信号が黄色に変わったので手前で早めにアクセルを抜くようなシーンでワンテンポ委遅れる感じがあるのが気になる。ドライバビリティが悪いということになるのだが、ターボラグなのか敢えて応答を鈍(なま)した結果なのか知る由も無いがステアリング系の進化に感動した分、ドラビリに関しては注文をつけさせていただきたい。
<乗り心地項へ続く> - 乗り心地
- 4
-
<走行性能項からの続き>

標準装備されたETC2.0にカードを挿し、ゲートを通過し高速道路へ流入する。全開加速はターボ車らしく瞬発力がある。「フォレスターのすべて」によれば0-100km/h加速は8.6秒と充分に速い。HEV仕様は9.4秒と速さはターボに譲る結果になっている。過去、エクストレイルに試乗したときはその加速感に惚れ惚れした記憶が新しい。ただし、フォレスターの速さはガソリンが続くまで継続するが、HEV車の速さはバッテリSOCにも大きく依存するので長い登り坂で急に失速してしまうHEV車が話題になったこともある様に、バッテリに貯めた電気を使い切ってしまうと、発電用E/Gの性能に完全に依存する事実は心に留めておきたい。
100km/hで走っているときのE/G回転数はおよそ2650rpmと高めだ。CVT(最Hi側0.502)の実力を以てすれば1474rpmまで下げられるのだが恐らくトルク不足で走らないのだろうと予測する。

100km/hで巡行中、アイサイトを試した。レーンキーピングアシストやアダプティブクルーズコントロールは申し分なく長距離ツーリングの疲労軽減には大いに役立ちそうだ。ただ、100km/hで設定してしまうと、数回コーナーを曲がる際にジグザグしてしまったので走行車線でトラックの後でのんびり走らせる方が制御が安定する。
風切り音は少々聞こえてくるものの加速させたときのE/Gノイズはほとんど気にならないレベルなのはフォレスターは防音材に少しお金がかかっている事が効いていると思われる。音はするが気にならない、というのはこのクラスでは優秀な方に属する。


前述のドアガラスもさることながら、E/Gフードを開けてみるとフードインシュレーターは当たり前としてもサスタワーやフェンダーサイドに吸音材が奢られている。後席座っていてもドライバーとの会話がし易いのはこのクラスを考えると相当良いのでは無いか。例えばRAV4はオーナーが職場にいてよく乗せててもらう機会があるが、加速したときの甲高いE/Gノイズが聞こえるだけで無く、荷室から音が抜けて入ってきているような感覚が強い。同じクラスのフォレスターにはそれがないのはそれだけで上質な感じがする。荷室のデッキボードを上げると吸音材が貼られていた。これ一つで飛躍的な効果は無いかも知れないがフォレスターが量販クラスのRAV4よりもNV上位のエクストレイルの方を意識している感じは見受けられる。(エクストレイルはBEV感を訴求するためにさらにNV性能にコストをかけて作られている)

PAからの合流で全開加速を試みる。わざとらしく直前で一時停止し、グッと加速させた。70km/hまでは5500rpmをピークに充分な(0-100KPH:8.6秒)加速度で車速を上げ、疑似変速により5000rpmに落ち、次は85km/h(5800rpm)で再び5000rpmに落ちて5800rpm程度で100km/hに到達する。ありがちなCVTなら5800rpmに貼り付いたまま車速が上がるところを、70km/hまではゆっくりE/G回転を上げることで、ラバーバンドフィールを緩和し、以後は疑似変速によってE/G回転数を変動させている。なるほどラバーバンドフィールを感じにくくなった。私がかつて初代レヴォーグで感じたような小排気量CVTライクな振る舞いは随分と目立たなくなり、その点が非常に好ましい。
ただ、ここでもドラビリは少し気になる。前方の勾配でアクセルを踏み増したシーンでラグを感じるのは、ターボラグなんだろうか?慣れてくると早めにアクセルを踏んで準備するように慣れるのかも知れないが、絶対的パワーはターボでなんとかできたとしてもドライバビリティに関しては正直モーター駆動には敵わない。もしかすると、私がBEVやHEVに慣れすぎて良いドライバビリティを知ってしまったのか。

高速を降りて帰路につきながら、フォレスターの素質の良さに感心をしていた。素直なシャシー特性と鍛え上げたボディによって一クラス上の質感を持っている。動力性能も必要充分で自然吸気2.5Lを凌ぐフィーリングはある。各部にスバルらしい真面目さが楽しめる。夕日が眩しくてサンバイザーを使った際にサンバイザーの長さを延長するスライドプレートまで装備されているという有難さだ。

ただ、注文をつけたいのはドラポジの悪さと縦型ディスプレイのタッチパネルに頼った各種操作性だ。根が深いのはドラポジだが、小径ステアリングと両立できるメーターグラフィックの再考が必要だ。

次にディスプレイ。
大きな窓から入り込む自然光によって見えなくなる事や、走行中に視線を切って操作をしないといけないという特性がスバルが目指す安全性能と背反していないだろうか。ドライバーモニタリングシステムやアイサイトがあるから大丈夫というものでもない。そろそろ真摯に大画面ディスプレイと操作性の交通整理を行うべき時が来ている。サンバイザー延長機能や、乗降時に汚れにくいウェザーストリップ配置を行うなど真面目なスバルだからこそ、改良に期待したい。
そして先代レヴォーグの1.6Lターボと2.0Lターボと一つにしたような1.8Lターボだがあと少し、プレミアムガソリン仕様でも良いから刺激が欲しくなる。シャシーの洗練度合いを考えるとE/Gが負けているように思えてならない。それならレヴォーグの2.4Lターボ買えよ、と言われてしまうのだが・・・。
2.4Lを積んだSTI仕様が出るというのも夢があって素敵だとは思うが500万円を超えてしまうのも辛い。いま家族で乗れるスポーツカーを作れるのはスバルぐらいのものだろう。

話をフォレスターに戻すと、電動技術に興味が無ければSPORTグレードは積極的に選択していただきたいグレードだ。競合を見渡しても2.0NAのRAV4やハリアー、CX-5とは一線を画してエクストレイルよりもシャシー性能が高く安い。仮にエクステリアには不満が残っていても乗ると納得させられてしまうのがスバルの持つ魅力だ。
★をつけると、動力・ドラビリ性能★3.5 操縦性★3.5 総合3.5。 乗り心地★3.5 静粛性★4.0
・・・という感じでクラスの中でもよくできた車だと感じる。
これにドラビリ改善が入れば★4、マッチングの良いサマータイヤがあれば操縦性★4.25を進呈したい。モアパワーが実現すれば★4.5だ。 - 積載性
- 4
-

フォレスターのクラスになるとラゲージも広い。ストロングハイブリッドモデルはデッキボード下に電池を積み込む関係でVDA法で484L(先代比25L減)、ガソリンエンジンモデルは512L(先代比8L減)だ。従来型と同様に9.5インチゴルフバッグを横に積み込める。
デッキサイドトリムが硬質樹脂なので積んだ荷物によって傷付きのリスクがあるのだが、表面に等高線模様をあしらって傷が目立ちにくく配慮している点はせめてもの救いか。
また、X-BREAKには撥水フロアボードにスライドレールが装備されており、アウトドアレジャーでは活躍しそうだ。

感心したのは試乗車にはスペアタイヤが標準装備されており、スペアタイヤの内径にすんなり収まる車載ジャッキもちゃんと収納されている。今時、パンク修理キットで済ませず律儀にテンパータイヤを積んでくれるスバルのなんと真面目なことか。
ドライな判断をするプロサラリーマンなら
「物理的に搭載できないHEV仕様はパンク修理キットなのだから、そのスペースをサブトランクにすればラゲージ容量増えてカタログ値も嬉しさがある。お客さんだってそんなにスペアタイヤ使わないだろう。どうぜJAF呼ぶのだからジャッキも無駄!他車ベンチマークしたのか?他車はもうジャッキすら積んでいないだろう?ハイ!これで原価低減収益アップ!」
という知的な思考に至るを下すだろう。実際にタイヤ交換を想定してジャッキで持ち上げてみても軽い力で持ち上がり、緊急時の使用性にもしっかり考え抜かれている。こういうスバルの生真面目さはこれからも大事にして欲しい。

先代にもあったワンタッチでRrシートバックを倒せるスイッチは我が家の様に小さい子供がいるファミリーには不要だが独身・カップル使用でレジャーに使う分には便利だ。自分だったらウインタースポーツ用品をルーフに積まずにそのまま載せてしまいたい。


キャビンの居住性に関して結論を先に述べるとフォレスターは充分広い。運転席で頭上にこぶし2.5個、後席では頭上にこぶし2個、膝前3個と広大なスペースが拡がる。後席も足元が広い。脚引きが若干悪く、サイサポートがあと少し足りないが、耐えられなくは無い。

後席で素晴らしいのはシートベルトが軽く引き出しやすいだけでなく、リクライニング状態でも肩にフィットするようにトリムにスリットが入っている点だ。先代から引き継いだ美点であり、私は大変評価している。一方、シートを畳むスイッチは使いやすいのに何故かリクライニングのためのストラップが頼りなく粗末なのはどうしてだろう。ベルト幅を太くするなど少しでもできる事があったはずだ。

子育て目線で考えると、Rrドアが90度近く開く点は子供の乗せ降ろしがしやすく便利だ。ヒップポイントが高く、見晴らしが良いのも子育て世代にはありがたい。ラゲージはSUVであればどれも必要十分な容積を持っているがフォレスターも決して不満は無い。トノカバーが標準装備されているのもうれしい気づかいだ。またRr席向け空調吹き出し口があるのもうれしいが、シートヒーターまで備わるのはさすが寒冷地で輝くスバルならではだ。競合を見渡してもこの価格で装備されている例は少数派だ。

新型フォレスターはキャビンが広く、実用性という面では十分高いと言える。収納関係でも著しくものが入らないという事も無くまず満足できるレベルにある。★4で問題ない。 - 燃費
- 3
-
スバル車は燃費が悪い、10km/Lも走らない。私が学生時代にバイト先の先輩がインプレッサに乗っており燃費について冒頭のように評していた。WRX STIなのだから当たり前といえば当たり前なのだが圧倒的なパフォーマンスの対価としてプレミアムガソリンをしっかり要求した。元々、水平対向E/Gは燃費に対して不利な要素が多い。だからこそ長所を伸ばす意味でスポーティな性格のモデルを多く生み出してきたのだが、旧くはレガシィにリーンバーンを積んでみたり、最近ではCVTや直噴を使ってなんとか実用燃費を上げる努力を続けてきた。
試乗車には直噴技術を使って圧縮比10.4を得ながらレギュラーガソリン仕様のままNA2.5L並のパワーを誇るダウンサイジングターボ的な性格のE/Gが載せられている。低負荷時にリーンバーン運転をして燃費に貢献しているが、その事を忘れるほど動力性能は充分にある。
試乗車はWLTCモード値で13.6km/Lである。初代フォレスターもカタログ値は10.2km/L~10.6km/Lだった。さらに初代はハイオク仕様でほぼ達成が不可能な10・15モード燃費である。それを考えればスバルは地道にやれることはやっている。

今回の試乗では給油はしなかったが車載燃費計で12.7km/Lくらいは出た。(街中主体だと11km/L前後を示す)
車重1640kgのフルタイムAWDのスバル製ターボ車がこの燃費だと90年代のスバリストは信じるだろうか。
燃費を重んじる人のために今回はストロングHEVがある。こちらはWLTCモードで18.4km/Lをたたき出す。各社が独自のハイブリッドシステムを開発する中でスバルは燃費の達人であるトヨタのTHSを活用した。E/Gはあくまでも動力源に過ぎず、常に最大効率点で運転させて実際の駆動力はE/Gとモーターで掛け合わされた動力が使われている。この仕組みだとE/Gはひたすら燃費指向の方が有利なので本来は水平対向は向いていない。実際のE/Gの動作もアクセル踏み込み量に関係なく、その場の要求駆動力と駆動用電池のSOC(充電量)によって回転数が変わるのでフィーリングなど官能的な性能はグッとスポイルされる分、一滴もガソリンを無駄にしないという経済性が得られるシステムだ。
その意味でスバルに期待されてきたドライビング体験の魅力をスポイルしかねないのがストロングHEVなのだが、実際に乗っていないのでまだ何とも言えない。いずれ試乗してこの試乗記に追記したいと考えている。
ガソリンターボ車の燃費は現代の車としては少々厳しい値である事は確かだ。しかし、地道な努力を積み重ねて何とか良くも無いが、許されないレベルでは無い燃費を実現したという点で3★とする。燃費を求めるなら他の選択肢がごまんとある。少なくとも燃費が悪くて外出を控えたい、というレベルではない事は確実に言える。 - 価格
- 3
-
フォレスターの価格は下記の通りである。

404.8万円というスタート価格は、税抜き表示368万円に換算してみてもギョッとする価格帯だ。周辺の競合車のスタート価格帯を調査した。(単位は万円。FF/AWDで比較)
RAV4:323.7
ハリアー:371.0/391.1
エクストレイル:384.3/403.8
CX-5:280.1万円/304.2
となり、CX-5が突出して安い事が分かる。この中で最も高いエクストレイルはe-POWERであることが特徴だ。単純に安いSUVが欲しいという感じなら圧倒的にCX-5がお買い得と言えるだろう。RAV4も安いがウレタンステアリングや17インチホイールなど仕様面で妥協が必要になる。
フォレスターのSPORTはこの中では最もサービス精神の旺盛さを感じる。他グレードでは上級仕様に備わるD/P席パワーシートやシート/ステアリングヒータ、本革巻きシフトレバー/ステアリングや18インチアルミホイール、ワイヤレス充電に加え、11.6インチディスプレイ+インフォテインメントやキック式パワーバックドアまでが標準装備なので他に着けるものはプレミアムオーディオや大型サンルーフくらいのものだ。
スバルもせっかく水平対向ターボを載せたので、SPORTを単なるエントリーグレードに留めたくない、という想いはよく伝わってくる。個人的には19インチアルミホイールをMOP設定で良いので選べると嬉しい。まぁスバルのことなので、シャシー性能と外観の迫力を増したSTI仕様が出番を待っているという可能性もあるが。

X-BREAKは先代で登場したオフロードイメージを強めたグレードだ。E/Gが2.5LストロングHEV仕様に変わり、インテリアの撥水機能やバックドア照明、背が高いラダータイプのルーフレールが備わるが、走行性能自体に何かが変わるわけでは無い。先代ではオレンジの差し色がアクセントに入れられていたが新型ではグリーンが選ばれた。
SPORTの15万円高でガソリンターボ車のお買い得に思えるのだがX-BREAKの方が装備が省かれている。例えばパワーシートやパワーバックドアはセットで13.2万円のMOPだ。競合比較でもRAV4 アドベンチャー相手なら、19インチホイールやD席パワーシートで負けているが価格はフォレスターの方が10万円安い。これは初期価格の安さで目を引きながら実際には高くなるパターンだ。
アウトドアブームに押されることでSUVの中でもファッション性を追求してこうしたグレードは人気があるので装備を厳選して収益を最大化しようという作戦なのだろう。

PREMIUMはカタログやCMを飾るフラッグシップグレードである。PREMIUMだけが19インチアルミホイールを履く以外は、SPORTとの装備差は少なく、室内も加飾の違い程度と大人しい。上級らしくプレミアムオーディオや本革シート仕様のMOP設定があるがその程度だ。
そう考えるとSPORT EXとPREMIUM EXの価格差40万円から19インチ(推定4万円)代を差し引いた36万円程度がターボE/GとHEVの価格差になるだろう。そう考えて170円/Lで燃費の差額を計算してみた。
購入時に環境性能割や重量税による諸費用の差9.3万円を価格差から差し引くと26.7万円になる。実燃費はカタログ値の8掛けとして26.7万円を、保有年数7年の間に燃料代で取り戻せる年間走行距離を算出した。
結果、年間12000km走行する場合、7年間でペイすることが可能だ。排気量の差があるため、HEV仕様の自動車税が年間7500円高くなることも影響している。
12000km/年という走り方は我が家だと余裕で走破するが、一般家庭の走行距離を考えると2倍程度の開きがあり、ハイブリッドにした方が経済的とは言えない。経済的だからハイブリッドという考え方は当てはまらないことを忘れないでほしい。
話が前後するがグレード一覧にあるEXというのはアイサイトX付仕様である。GPSや人工衛星「みちびき」の情報を使った渋滞時ハンズオフアシストやアクティブレーンチェンジアシストという最先端の運転支援技術が追加される。高速道路の利用頻度が高い人は選んで損の無い仕様だ。ただ、SPORTは12.3インチフル液晶メータとセット装着になって+15万円となる。X-BREAKの場合、パワーシートとパワーバックドア、ドライバモニタリングシステムがセット装着になって27.5万円高くなる。PREMIUMのみ装備差が無く、価格差11万円の内訳はアイサイトXの有無だけだ。
新型フォレスターは月間目標台数2400台と発表されているが、発売以来よく売れていて10/10時点の納期はターボ車が4ヶ月、HEV車が9ヶ月と他の車種の2ヶ月程度を上回っている。
今入手できる最も新しい2025年4月~9月の販売台数を確認すると、フォレスター:17056台(前年比149%)、ハリアー:23204台(前年比71.4%)、RAV4:12570台(前年比69.5%)、CX-5:9997台(前年比103.8%)、エクストレイル:9386台(70.8%)といった傾向で日本専用に作ったハリアーを除くとフォレスターが好調にFMC効果を謳歌しているのが現状だ。来年以降、RAV4とCX-5の全面改良が控えているのでそれまでにどれだけフォレスターを売ってしまえるかが重要になるだろう。(エクストレイルは元気が無いが昨今の報道を考えると健闘している)
自分で購入するなら、このクラス唯一の水平対向ターボが楽しめるSPORT EXだ。自分の欲望のまま見積もりを作ると、500万円を超えて笑うしかなかった。ブロンズがどうしても嫌なのでクリムゾンレッド(3.3万円)に黒いアルミホイールを選択し、ブロンズ加飾を全てシルバーに置き換えた。これだけで35万円も余計にかかってしまう。

用品は値付けも高くなるので、ブラックセレクションという特別仕様がある。これはブロンズカラーの評判が余りにも悪いので追加されたものでブロンズ色が全て変更される。工場ラインで取付ける部品の色を変えただけなのに11万円も高くなってしまうのは少々やりきれない。本来、原価はさほど変わらないからだ。メーカー自ら忌避感の強い色を設定しておきながら、それが嫌な人に11万円払わせるというのはいただけない。
ブロンズ加飾が最も見苦しくならないのは消去法でクリスタルブラック・シリカだ。ボディカラー×樹脂素地色×ブロンズ加飾と、3色がごちゃごちゃするところを、1要素をほぼキャンセルできる。本来は黒いモールがアクセントになるのに少々のっぺりした印象になるのは残念だ。
SPORT EXの黒にマットとマッドガードを着けた総額451.4万円(本体:419.1万円/用品:7.6万円/諸費用:24.7万円)の見積を求めた。国税庁の調査では2024年の日本国民の平均年収は478万円なので現金一括は頭が痛い。これを残価設定ローン(頭金135.5万円)で買うと、月1000km、5年後の残価は171.4万円として、60回均等払いで月々32500円×58回(初回のみ33807円)だそうだ。
一気に450万円もの大金をを用意するくらいなら135万円払い、手元に現金を残しながら、3.3万円月額支払いで無理なく乗れる・・・・という筋書きなのだが最終支払額は363.3万円。頭金を足せば498.8万円。47.4万円(年率3.9%)の金利手数料はまだしも、500万円近く払って結局、自分のものにならない。
残価設定ローンでフォレスターを買う?と現金で買うよりも50万円近く損をして、そのフォレスターは5年後に返却するので次にまた車を探さなければならない。そういうものを「現金だと高ぃじゃなぃですかぁ、いまゎぁ、皆さん残クレで買われてますよぉ」なんてセールストークをするのは恐ろしい。
新型フォレスターに話を戻そう。絶対的な価格が400万円を超えているという事実はため息が出てしまう。確かに走りの実力は2.5Lクラスと言え、概算すれば2.5L×100万円/L=250万円+4WD(25万円)+SUV(30万円)+先進安全技術(15万円)+上級装備(15万円)=335万円→税込み369万円くらいであってほしいなと思うが、周辺の競合関係との状況を見ているとフォレスターは彼らなりにNVレベルや標準装備のレベルを引き上げるなど比較的勉強価格と言えるだろう。 - 故障経験
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[付録]フォレスターの歴史
1997年2月、インプレッサのP/Fを嵩上げするような形でフォレスターは生まれた。90年代的な曲面の多いインプレッサとは違い、直線的であまりデザインされていない感じの無骨なエクステリアはレガシィやインプレッサとは違う第三のモデルだった。

思えば90年代のRVブームにおいてステーションワゴンの雄として君臨したレガシィがあったものの、パジェロやCR-Vといった硬派・軟派を含んだクロカン市場でスバルは存在感を見せることができていなかった。スバル自身もその事をよく理解しており1995年にはインプレッサをリフトアップしてコスメティックな専用装備を与えたグラベルEXが細々と存在していたくらいだった。

フォレスターは四角いエクステリアデザインでクロカンを感じさせ、200mmという立派な最低地上高は国内の本格クロカンに近い悪路走破性を持ちながら、全グレードにEJ20型ターボE/Gを載せ、スバル独自のシンメトリカルAWD技術によってオールロードでの走行安定性を確保していた。当時のスバルがプロモーションで行った米国インディアナ・モータースピードウェイにおける24時間世界速度記録への挑戦では平均速度180.082km/hという新記録を達成し、当時の世界最速のSUVになった。
クロカンというには背が低過ぎるし、オーバーハングが長くてアプローチアングルもオフローダーらしくなかったが、背が高すぎず、扱いやすいサイズだったフォレスターはグローバル展開できる実用車としての資質も見いだされ、日本だけで無く米国でも支持を集めることに成功した。後に2.5Lターボや2.0NAを追加し、「速いクロカン風ワゴン」からのイメージ脱却に成功した。
2002年に2代目に移行しても立ち位置は変わらなかったが、2007年に発売された3代目では全長・全幅・全高・ホイールベースが拡大され、CR-VやRAV4にガチンコで競合するSUVとなった。

初代のDNAを残したEJターボはXTグレードのみ残されたが既に販売のメインは2.0NAに置き換わっていた。SUVブームと独自技術のアイサイトによってフォレスターは国内外で販売を伸ばし、ステーションワゴンブームの沈静化とSUVブームに伴って徐々にレガシィに代わる主力車種としての立場を明確にしていった。一方、初代フォレスターのように背の低いSUVを求める層に向けてインプレッサをリフトアップしたインプレッサXVを追加してニーズに応えた。グラベルEXの志はここでようやく花開いた。
2012年の4代目では「SUVとしての本質的な価値の実現」をテーマとしてコンセプトを継承して「フォレスターはSUV」という立ち位置を明確化し、立ち位置を先代から引き継いだ。
初代からの伝統であるターボ車は新世代FA20型直噴ターボに置き換わった。外観上の特徴はターボ車のフードに設けられたインタークーラー用のダクトがラジエーターグリルに移設されてスッキリした印象に進化。
また、スバル車の泣き所「燃費」に対してチェーン式のCVT(リニアトロニック)が採用されたことも大きなトピックだ。スバルといえばベルト式のECVTの技術を持っていたが、トルコンを使って信頼性を高めたi-CVT以来軽自動車への採用に留めていた。ハイパワーな登録車向けにはシェフラー製のチェーンベルトを採用することでターボにもCVTが設定された。CVT効果だけでは無いが、先代と比較すると10・15モードで12.2km/L(AT)だったXTの燃費がJC08モードで13.2km/Lに向上している。一方でMT車が廃止になったものの確かに暴力的な加速は楽しめた。
また、AWDのパイオニアとしてX-MODEという路面状況に応じて適切にE/G・CVT・VDC(横滑り防止装置)を統合制御することで悪路や雪道での安定性を向上させるドライブモードセレクトだ。降坂時に自動で車速を一定に保つ事でタイヤロックによるずり落ちを防ぐヒルディセントコントロールも装備され、運転スキルに自信が無くてもアクティブなドライブを楽しめるようになった。
さらに大きなトピックは現在のスバルを代表する技術の一つになった「アイサイト」が2010年に設定されたことだ。ステレオカメラによる画像認識技術を磨くことで高価なレーダーを使わなくても先進安全機能が使えるとして大ヒットした技術である。遂に全グレードにアイサイトを設定するまでに至り、市場でも好意的に受け止められた。
MTの設定がNAの廉価グレードに限られたのもアイサイトとの相性が悪い為とも考えられたが、AT比率が極めて高い我が国で将来性のあるアイサイトとMT車のどちらを選ぶのかを問われれば自動車メーカーとしては小規模でも立派な大企業である富士重工には致し方ない選択だったのかもしれない。
2018年には5代目となる先代フォレスターがデビューした。P/Fが一新され、「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」となった。
ユニットは新たにNAの2.5Lとe-BOXERというスバル初の電動化技術が搭載された2.0L+モーターのみとなり全てがリニアトロニック車。ターボ車とMT車がラインナップから落とされたが、2.5Lは大排気量らしい余裕あるトルクでCVTとの相性も悪くなかった。2020年に「スポーツ」というグレードが追加され、レヴォーグ譲りの1.8L直噴ターボが追加されターボは復活した。排気量ダウンし、(177ps)というパワーは先代XTの280psには見劣りするものの、実燃費により近いよりWLTCモード13.6km/Lとなった。e-BOXERは全グレードに展開され2.5Lと入れ替わることで13.2km/L→14km/Lに燃費向上するだけで無く税制面でもメリットが加わった。
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