前回のe-Power記事を書いたはいいものの、
位置エネルギーと電池容量ベースの考えでは、
エンジン発電量を考慮できないので
最低限の目安にしかならないなー、と思っていました(;´Д`)
どーしても気になったので、今回は考え方を変え、
登坂等に必要な仕事量からe-Powerの限界を考えてみます(`・ω・´)
まずは基本的な考え方ですが、
今回は電池切れではなく、電力消費量が発電量を上回る
「赤字」の状態に陥るかどうかを考えます。
赤字が続けばバッテリはいずれ空になり、
本来の性能が発揮できなくなりますので。
さて、今回もノートe-Power nismo sの場合で考えますが、
エンジン出力は61kwなので、これを発電量とします。
本当は色々な効率を加味しないといけないですが
分からない事が多いので潔く無視します(´―`;)
次に消費電力ですが
登坂に必要な出力と空気抵抗を合算したものにします。
登坂能力は
車両重量 x 重力加速度 x 走行速度 x 道路勾配とし、
空気抵抗は
0.5 x Cd値 x 空気密度 x 投影面積 x 走行速度^3とします。
(式あってるのかな・・・?)
試しに60km/hで10%の坂を登ります。
パラメータを以下にすると・・・
車両重量1300kg 重力加速度9.8m/s^2 走行速度60km/h 道路勾配10%
Cd値0.29 空気密度1.3kg/m^3 投影面積1.7x1.5m^2
速度一定 空気抵抗以外の抵抗は無視
登坂で21kw
空気抵抗で約2kw 合計23kwです。だいたい。
この場合は発電量61kwより少ないので電池は切れません。
エンジン音はうるさいでしょうが、快適に登れると思います(・ω・)ノ
では、逆に考えて、
発電量が足りずに「赤字」になる条件とは??
e-Powerが電池切れする坂は近所にあるのでしょうか???
上記の式をベースに、発電量61kwでギリ登れる勾配を逆算してみます。
なお、ここから車両総重量の1525kgで計算します。
時速60km/hなら約23% 100km/hなら約12% です。
ちなみに、前回も登場したグリーンライン福山側ですが・・・
だいたい5kmで300m登るので、6%です。60km/hなら余裕のようです(´ー`)
あと、箱根の5区は最大13%らしいです。これでも計算上は大丈夫。
というか・・・
道路の勾配は基本的に法律で決まっているようで
速度ごとに変わるようですが、100km/hの時に特例でも6%のようです。
なので、基本的にe-Power nismo sが電池切れする坂は無さそうです(´∀`)
計算上は(;´∀`)
あと、ついでに違う車種でも考えます。
e-Powerの登坂とくれば、セレナを外すわけにはいきません(`・ω・´)
2tの車体を1.2Lで走らすので
電池切れで坂を登らなくなると散々噂されたクルマです。
どうなるかノートと同じように計算します。
車両総重量2145kg(重いですねぇ) Cd値0.35 投影面積1.7x1.7m^2とします。
すると、時速30km/hなら約35% 60km/hなら約17% 100km/hなら約8% です。
高速道路は若干怪しいですが、ギリ大丈夫でしょう。。。
発電効率やエアコンや各抵抗を加味すると・・・どうだろう?
ちなみに下記の記事にこの計算を当てはめると・・・
https://autoc-one.jp/nissan/serena/report-5002113/
記事は3%の高速道路ですがセレナは登れたようです。
計算と合いますね。
また、この記事では
https://note.mu/fmfm7/n/n372e063825fc
20%超の坂でバッテリーがなくなったようです。
発電効率80%とすると、60km/hで13%が計算上の限度なので、
序盤の10%区間で電池がほぼ無くなったのも
エアコンや加速減速なども考慮すれば大体計算とあいます。
そして、20%超の坂で30~40km/hになってしまったのも
だいたいですが計算とあいます。
今回の計算は、そこまで大外れはしてなさそうですね。
とりあえず、近所に20%超の坂は無さそうですが
もし乗る機会があれば、ある程度勾配を意識してみますね。
次回に続く(かも?)
Posted at 2018/12/14 19:45:46 | |
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